<2007年5月27日>上野・両国風景:(和洋混在ゴッタ煮レポート)
ローリングウエストにはやや似合わないのですが・・・芸術の初夏(?)、「レオナルド・ダ・ビンチ展」と「ロシア皇帝・クレムリンの至宝展」を鑑賞しに、東京国立博物館(上野)と江戸東京博物館(両国)に行ってきました。
これを機会に、久しぶりに上野・両国周辺をじっくり散策・逍遥してみましたが、なかなかバラエティに富んだ見所ある風景がたくさん見つけられます。
下町風情のイメージが先行しがちなエリアなのですが、じっくり歩いてみると「アカデミックな洋風建築」や「大都会の中での豊富な緑」、「和文化の香りや伝統の大相撲」、「懐かしき昭和のレトロ」と飽きさせられることがありません。
和洋折衷(?)・・・いや、和洋混在ゴッタ煮の「寄せ鍋レポート」となりましたが、ご覧ください。
(掲載写真の一部はインターネッから拝借していますがご容赦下さい。)
★ああ上野駅
..上野駅外観や周辺風景は昔と変わらない。....上京・帰省に何度もお世話になった特急「とき」↓..
新潟出身の小生にとって、小さいときから20代後半まで東京の玄関は「上野駅」でした。
初めて上京してきた時(小学2年生)に見た上野駅構内の大きな壁画や混雑する人の多さを見て、「さすが東京ってスゴイ所だなあ!」と驚いたことが、今でも強い印象として刻まれています。
今年1月に井沢八郎が亡くなりましたが、「ああ上野駅」、昭和高度成長時代に集団就職で新潟や東北から上京してきた方にとっては、この歌や上野駅はまさに懐かしい心の拠り所なのでしょう。
...↓今も多くの人が賑わうアメ横商店街、でもフランチャイズ店やネットカフェ、カラオケ等の店が増えてきた...
....不忍出口の上野松竹デパートや公園階段の似顔絵画家の風景が変わらないのは嬉しい↑...
故郷への帰省は特急「とき」や急行「よねやま」をよく利用したものですが、実家に辿り着くまでは正味で5時間以上もかかり、あの頃の電車帰省は旅路気分・郷愁感を味わいながらのちょっとした大イベントでした。
現在はあまりにも迅速・便利になりすぎて、その郷愁味わいはすっかり薄れてしまっています。
また駅の構内はすっかりきれいになり、懐かしい大壁画も残っているものの何かピンとこない・・・。
そうやはり、あの薄暗い雰囲気の駅構内、長距離特急列車の発着ホーム、靴磨きのおばさん達が一生懸命働いている姿、お土産を抱えた帰省の人たちが混み合う雑多な年末光景、それらこそが自分の思い出に刻まれている上野駅のシーンだったからでしょうか。
..↓ご存知「上野の山・西郷さん」(高村光雲作)、将軍家の菩提寺「寛永寺」↓....
でも他の大ターミナル駅とは違って、上野駅の姿や周辺光景は基本的には殆ど変わっていない。それが自分にとっては非常に嬉しいことです。
ターミナル駅ビルや周辺施設が大型再開発されて駅前光景が一変しないでほしい。懐かしい郷愁ルーツが失われないことを祈るばかりですが、いつか上野にも変貌の日が来るのかもしれません。
☆☆...............................................................................................................................☆☆
★東京国立博物館
さて今日のメイン訪問先は、東京国立博物館。「レオナルド・ダ・ビンチ」(天才の肖像)の鑑賞。
初期の傑作「聖マリアの受胎告知」の公開にあわせ、科学・芸術・発明の「天才ダビンチ」の万能の実像を紹介した展示で、予想以上の大人気で本当に大混雑でした。
遅ればせながら「ダビンチコード」上・中・下巻を読み終えたばかり。その興味もあっての鑑賞でしたが、なかなか内容濃い展示で結構面白かった・・・。さすが天才・歴史上のスーパースターです。
↑ダビンチ初期の傑作「受胎告知」が公開目玉。 40秒凝視して見て下さい。↑何かが浮かび上がる。
上野公園は歴史・文化・芸術施設が集合する日本でも有数の都市公園です。
今日訪れた東京国立博物館の他にも3つの美術館・博物館、東京芸大・国立図書館などがあり、本当にアカデミックな場所であります。この辺はじっくり歩いたことがなかったので、国立博物館構内や周辺を散策してみると「う~ん!やっぱりアカデミ~!」再発見の建築物が数々とありました。
....↓東京国立博物館外観、ダビンチ展に並ぶ人の行列、館内の庭園池風景↓....
東京国立博物館は日本最古(明治5年)の博物館です。その建物はなにか皇居を思わせるような威厳ある雰囲気、瓦屋根に寺院のような破風を付した帝冠様式の代表建築とのことです。
その隣には、緑色のドームを冠した明治洋風建築「表慶館」があります。大正天皇の成婚目的での開館でしたが、今は特別展示や教育普及センターの場として使われているそうです。
...「表慶館」のドームを中から仰ぎ見てみると、イスラム寺院のような雰囲気....
上野公園は本当に大きい。↓広い上野動物園の占める面積も全体の1割程度しかないんですね。
博物館の構内裏手には、落ち着いた雰囲気の武家屋敷(因州(鳥取県)の池田屋敷の黒門)
とドデカイ鬼瓦(筑前福岡藩士黒田家屋敷の瓦)がありました。この博物館の構内も和洋ゴッタ煮のような気もしますが、さすがに日本の美術・国宝文化財の宝庫、威厳と気品が伝わってきます。
↓これら武家屋敷は徳川幕府に参勤交代を命じられた諸大名が江戸城周辺に構えた屋敷の1つ
↓緑のライオン像と国立博物館の威容。 国立子ども図書館↓エッ?こども用?さすがアカデミック・・
★不忍池
アカデミックな博物館構内を満喫したあとは、不忍池の自然や下町風情への散策となります。
上野東照宮・寛永寺を過ぎて右に坂を下っていくと、不忍池が広がっており「弁財天」のお堂が見えてきました。初夏の池は蓮の葉や緑藻が覆い茂ってモヤ~ッとした雰囲気になっており、冬の清冽な空気に見える池風景とは対照的です。(冬は多くの水鳥が飛来して賑やかです。)
徳川家光は江戸の鬼門封じを目的として「不忍池」=「琵琶湖」に、「上野の山」=「比叡山」に、「寛永寺」=「延暦寺」と見立てました。
弁財天堂の「弁天島」は琵琶湖に浮かぶ信仰の島「竹生島」を象徴的に再現したものなのです。
....↓不忍池のシンボル「弁財天堂」、2ケ月前は桜満開だったが今は夏風景.....
池を一周していくと「下町風俗資料館」があり、入ってみると懐かしき昭和レトロ風景(下町長屋や駄菓子屋、ちゃぶ台居間)が展示されています。ここ数年はあちこちでALWAYS昭和ブームです。
....↓長屋や駄菓子屋の路地風景...懐かしい台所とレトロな炊事道具たち↓.....
上野のさまざまな風景を楽しみながら、名残惜しくも上野駅をあとにします。
☆☆...................................................................................................................☆☆
★両国駅周辺
秋葉原で乗り換えて、次の目的地である両国駅(総武線)に降り立ちました。
駅前には大相撲国技館に隣接する「江戸東京博物館」(93年オープン)があり、ここで開催されている「ロシア皇帝・クレムリンの至宝展」の鑑賞が今日2つ目の訪問目的です。
「江戸下町風情」と「ロシア皇帝東欧キリスト教の至宝」は完全にミスマッチな雰囲気ですが、今日はゴッタ煮での文化鑑賞日ですので悪しからず。(ここまできたら、気にしない気にしない。)
↓江戸東京博物館の入口、ロシア至宝展の告知幟、 ↓館内にある「浅草酉の市」の熊手飾り
「両国」とは、隅田川を挟んで西側が「武蔵国」、東側が「下総国」、この二つの国に跨る「両国橋」が由来のようです。「下総国」といえば千葉県だけとばかり思っていたのですが、よく調べると昔は隅田川東側(墨田区・江東区・江戸川区)は全て「下総」だったんですね。大変勉強になりました。
...↓両国のシンボル「両国橋」、北斎浮世絵↓「冨嶽三十六景色の両國橋」↓...
今日は、大相撲夏場所・千秋楽の日。
両国国技館は各部屋の幟旗が立ちはためき最終日の活気が伝わってきます。
次々と取り組みを終えた力士、これから戦いに向かう力士たちには、沿道の贔屓する応援客たちから励ましの声がかかっていました。
...↓国技館に向かうロシア・東欧力士、部屋の幟旗が競い合う国技館風景↓....
モンゴルからの応援来日で集まる力士の家族の誇らしげな表情、ロシア・東欧系の力士が闊歩する、まさに「両国」の地は国際的な人間模様です。
そういえば先程「下町両国」と「ロシア・東欧文化展」がミスマッチとか言ったけれど、とんでもない。大相撲の世界ではロシア・東欧とも十分融合しておりました。(日本人力士よ!もっと頑張れー!)
..↓この日は大関白鵬が全勝優勝を決めた。 めでたく横綱昇進↓明治神宮での奉納土俵入...
................↓両国国技館もあと2年で建設100年の歴史を刻む..........................
当日は大関白鵬が朝青龍を下しての完全優勝!生で見られたわけではないですがこの目出度い日に同じ空気を吸っていたと思えば、自分にとってもメモリアルな気持ちです。
今度は、青白時代?それとも龍鵬時代とでもいうのでしょうか。モンゴル力士の両横綱ではちょっと寂しい気持ちもしますが、日本人のルーツもモンゴリアンだから顔立ちが一緒な分、あまり違和感はありません。(でもやっぱり日本人横綱、早く出て来-い。)
☆☆.........................................................................................................................☆☆
2011年地上波テレビ放送が完全にデジタル化に移行されるにあたり、電波塔としては世界最高の610mの第2東京タワーが「墨田・台東エリア」(業平橋地区)に将来建設されるとのことです。
地元では新たな観光目玉・活性化につながると張り切っているようですが、この下町エリアはあまり最新景色に変わってほしくないなあと思います。特に上野駅周辺はずっとレトロであってほしい。
部外者の勝手な意見ですみませんが、新潟県人の単なる郷愁心から思う希望です。
おわり
by rollingwest | 2007-05-28 16:09 | 都会の風景 | Comments(5)
色々行けない所が見られて楽しかったですよ。これからも色々楽しませて下さいね。
Commented
by
rollingwest at 2007-06-10 18:37
これからも「旅の会」の真髄を発揮し、バーチャル旅行ツアーコンダクターとしていろいろな所へご案内いたします。
これからも楽しい書込みをお待ちしています。
これからも楽しい書込みをお待ちしています。
Commented
by
マリリン
at 2007-09-19 12:44
x
今、依頼していた手書きの原稿を、パソコンで打っていて、疲れたから、コーヒーブレイク。上野のレンブラント展。私の絵画の入り口が、まず幼少の頃の「フランダースの犬」のルーベンス。次が高校時代のレンブラント。その後、レオナルドダビンチやラファエロ、ボッティチェリなどに。
中でも好きなのが、レンブラントの「母の像」。これにはまいったの。ずっと私の憧れの老婆の姿。レオナルド・ダビンチは私にとっても特別な画家。モナリザは目を見ているだけで落ち着く大好きな絵。正に「哲学=母の像」。昨年、お気に入りの画家をみつけました。多分わからないわよ。私も昨年はじめて気にともまったの。レンブラント派の第4期の、ニコラス・マースとアールト・ド・ヘルデル。ニコラスの「ゆりかごのそばの若い女」や「風景の中の子供達」、そしてヘルデルの「天使達をもてなすアブラハム」や、「ヤコブの夢」は、画家の前に、人として、分析力の鋭さが心地いい。レンブラントの作品で、「神殿奉献」という作品はもうたまらない。本を拡大コピーして、黒い額縁の中に入れて、モナリザの顔写真が表紙の本の近くに置いて、時々眺めてホットしているのです。芸術は、いいですね。
中でも好きなのが、レンブラントの「母の像」。これにはまいったの。ずっと私の憧れの老婆の姿。レオナルド・ダビンチは私にとっても特別な画家。モナリザは目を見ているだけで落ち着く大好きな絵。正に「哲学=母の像」。昨年、お気に入りの画家をみつけました。多分わからないわよ。私も昨年はじめて気にともまったの。レンブラント派の第4期の、ニコラス・マースとアールト・ド・ヘルデル。ニコラスの「ゆりかごのそばの若い女」や「風景の中の子供達」、そしてヘルデルの「天使達をもてなすアブラハム」や、「ヤコブの夢」は、画家の前に、人として、分析力の鋭さが心地いい。レンブラントの作品で、「神殿奉献」という作品はもうたまらない。本を拡大コピーして、黒い額縁の中に入れて、モナリザの顔写真が表紙の本の近くに置いて、時々眺めてホットしているのです。芸術は、いいですね。
Commented
by
rollingwest at 2007-09-19 13:18
ちょっと小生には高尚過ぎて、ついていけません。キャラ違い・・(笑)
Commented
by
おっちょこ
at 2008-01-07 22:04
x
どこが高尚よ~!原点は、フランダースよ!
ごめん!勉強苦手な、≪「給食」「体育」「音楽」「図工」が命≫の学校生活の「感じるだけの世界」の延長でしか過ぎませんよ!
ごめん!勉強苦手な、≪「給食」「体育」「音楽」「図工」が命≫の学校生活の「感じるだけの世界」の延長でしか過ぎませんよ!