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<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 

スキー骨折事故遭遇から半年、完全回復に近いものの、今年の登山は一切自粛しておりました。
しかし10月のFツアー参加(東北)を機会に、山歩きを徐々に再開したいと考えています。
このたび、食山人さん・Y木氏から「快気祝い」を兼ねて、軽い足慣らし(腰慣らしかも・・)をしようとのお誘いを頂戴し富士山中湖に足を向けました。


            山中湖の「花の都公園」ひまわり畑から望む8月の富士
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....実は当日、ガスが深く富士の姿は全く見えませんでした。(インターネット画像より拝借、ご容赦)....


当初計画は①食山人さんの山中湖別荘「仙遊荘」(共同オーナー所有)に宿泊して快気祝い②翌日は篭坂峠ハイクの足慣らしでしたが、現地に行ってみれば富士周辺はガスが立ち込めて小雨模様。

食山人さんの膝の不調(古傷痛み)もあり、ハイキングは中止して山中湖散策と決め込みました。
この日は残念ながら富士山の雄姿を拝むことはできませんでしたが、翌日帰りに大月周辺も探訪したところ、偶然にまたも富士絶景の魅力に触れる機会に恵まれました。(意外な掘出し物発見)


★山中湖にて

                       「花の都公園」
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...... (左)「花の都公園」に咲き誇る「百日草」、(右)「ベゴニア」と「マリーゴールド」の花畑.....

富士山はガスの中、足慣らしとして期待した復活ハイキングの日は晴天とはならず意気消沈・・・。
東名御殿場から東富士五湖有料道路経由で、食山人さんと待ち合わせて山中湖観光施設の散策に切り替えて、まず訪ねたのは「花の都公園」です。
二人とも最近は高山植物には関心を持っているものの、人工的な花壇や公園は今ひとつ感動がないと敬遠気味でしたが、いざ中に入ってみればその鮮やかな多様の花々には感心~関心・・!
冒頭の「ひまわり畑と富士山とのコラボレーション」の実物風景は是非一度見てみたいものです。

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......秋9月を迎え「コスモス」が盛り(左)、「ヒマワリ」は色褪せていても依然華やかな風情(右).....

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.....「百日草」はメキシコ原産の園芸植物。暑い日も百日持つ程丈夫な花(色は多様)が咲く.。....


この公園はやはり人工的なので「白糸の滝」を模した「岩清水の滝」などは何の感動もありませんでしたが、富士噴火の時に自然造形された「溶岩樹形群」は非常に興味深く面白かった!
下記右の写真に見られるように中が空洞の大筒のような岩がいくつか自然展示されています。
噴火後に流れてきた溶岩に樹木が取り込まれて、幹の部分が炭になります。その後、炭化木部分が風化してなくなってしまい、溶岩の中に円筒状の空洞が残ってできた珍しい岩なのです。
また溶岩に樹皮の模様を残しているものもあり、富士山大爆発の生々しい彫刻が沢山ありました。


          (下記写真↓をクリックすれば拡大写真が別途表示されます。)
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....↑癒しの水車風景....富士火山爆発でできた「溶岩樹形群」↑大砲の様な岩の筒穴は樹木跡....



花の公園のあとは、近くにある「紅富士の湯」(高アルカリ泉)で心身を十分癒して、食山人さんの別荘に初めて入ります。「仙遊荘」は昔の会社仲間数人で共同購入したもので今でもOB交流会を定期的に開催しているようです。(食山人さんはメンバー最年少なのでいつもお世話役とのこと)
Y木氏もあとから駆けつけて合流、持参してくれた刺身(カツオ・ホヤ)の珍味は実に新鮮でした。
とりとめもない話をしながら、美味しい酒と肴を味わう楽しいひとときは過ぎていきます。

                    「仙遊荘」    (クリックで拡大写真表示↓)   <2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_19333626.jpg<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_19363986.jpg<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_19341157.jpg
...「仙遊荘」で快気祝してくれたY木氏・食山人さん。差入れのカツオ・ホヤ刺身は超絶品だった...

翌朝は食山人さん手製の味噌汁と鯵干物焼の朝食。ご本人が「飲めなくなったなあ・・。昔ならカラの一升瓶が何本も転がっていたのに・・・」と飲み残しの酒瓶を見て呟いていたのが印象的でした。



★大月探訪

朝2人と別れたあとは、このまま東名高速でUターンせずに河口湖へ北上し、大月を探訪して中央高速経由で帰りました。大月にある「猿橋」(日本三奇橋の一つ)はかねてから是非とも訪れてみたいと思っていた史跡です。

                       「猿 橋」<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_19483751.jpg<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_20563271.jpg
.....「猿橋」は「岩国錦帯橋」「木曾の桟」と並ぶ「日本三奇橋」、四層の木で支える珍しい形の橋....


史跡橋に到着・・。なるほど!小学生の時に趣味収集で憧れた切手デザインそのものの光景だ!

推古天皇・奈良時代(600頃)に百済の人によって造られたこの橋は四層のはね木を両岸から張り出させて橋を支える非常に珍しい構造(谷が深く橋脚が立てらないための代替策)をしています。
渓谷の野猿が藤蔓をよじ登って対岸に渡っていることにヒントを得て造ったことから「猿橋」の名が付けられたとの史実由来が残されていました。(橋畔には猿王を祭る小さな祠がある。)

<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_2045951.jpg<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_20143622.jpg
.....「猿橋」を渡る。下には深い峡谷....(右)線路橋と思いきや、水力発電所の水路架け橋だって!....


橋の下には緑色の水を湛えた深い峡谷が迫っており、何やら木の線路橋とトンネルのような造形物も見えます。漠然と「何かな・・・」と思っていたものの、あとで調べてみたら「発電所用の送水路」の橋で国の文化財だと知ってビックリ・・! 東京電力(旧:東京電灯)の「八ツ沢発電所水路橋」と呼ばれ、日本の水力発電史における草分け的な施設(明治32年建築)だとのこと。
                        「桂川渓谷」<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_20171034.jpg<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_2017313.jpg
....↑「桂川」渓流には鮎釣人が集う。....サルスベリの垣間から見る川、カヤック(カヌー)に夢中の若者↑...
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渓谷の散策路を降りていくと「桂川」の清流と河原が見えてきました。鮎釣りの太公望やカヤックを楽しむ若者の姿、ここは大月の癒しのスポットの1つなのでしょう。時間がゆっくり流れています。 


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....「桂川」は富士忍野八海が源流、その流れは相模湖を経由して厚木・平塚の相模川に至る。....



              「大月郷土資料館:白旗史朗写真展」

桂川沿いの散策路を進んでいくと「大月市郷土資料館」という施設があったので何の気なしに入館見学してみました。大月市のふるさとの歴史や風土・民俗を紹介しており、入場料は100円です。
まあ、どこにでもある地元の資料館かなと・・思って中を覗いてみたら、なんと「お宝物」を発見!

館内には「秀麗富嶽十二景:白旗史郎写真展」という写真コンテスト展が併設されています。
「白旗史朗」とは、世界的に有名な山岳写真家(昭8生)であり、日本の名峰(日本アルプス・富士山)だけでなく海外の巨峰(ヒマラヤ、ヨーロッパアルプス、カナディアンロッキー等)や花々の写真著書で数々の栄誉を得た山岳写真界の国際巨匠なのです。(HPを参考願います→)リンク:「白旗史郎氏の世界」HP

私は写真に関して全くのシロウトですが、職場の同僚A山さんから先日初めて紹介していただいたKG摩さん(山岳写真に熱中の方)は、白旗史朗を心の師匠として崇めておられます。

           
  ....「大月市郷土資料館」、白旗史郎監修の「秀麗富嶽十二景」写真展が常設されている。.....
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....(大月郷土資料館さんから積極的にPRしてほしいとのありがたいお言葉を頂戴しました。)....
リンク:「大月市郷土資料館」HP
リンク:「第15回秀麗富嶽十二景写真コンテスト」
リンク:「秀麗富嶽十二景写真デジタルミュージアム」


「何でこのような場所に世界の巨匠の写真展が常設されているのかな?」と思ったら、成程~大月は白旗氏の生まれ故郷だということ、納得納得。でもたったワンコインで白旗史朗「富士山写真展」を見ることができるなんて・・、素晴らしい!  なんか、非常~に得をした気分です。
  ※白旗史朗の美術館は、山梨県早川町・新潟県湯沢町・福島県桧枝岐村にもあります。


富士山を美しく見ることができる山は山梨・静岡・神奈川を中心に存在していますが、その半径を広げていけば長野・埼玉・東京にも秀麗ビュースポットの山は数多くあります。
しかし富士のお膝元・大月市周辺にはそのような場所がなんと12ケ所もあり「秀麗富嶽十二景」と呼ばれているそうです。(岩殿山・高畑山・雁ケ腹摺山・高川山・滝子山などが有名)
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この山々から見る美しい富士山勇姿を大月出身の白旗氏がH3年「秀麗富嶽十二景」として写真公開したのを機会に、これを冠名とする一般写真家が競う写真コンテストがスタートしました。今年で15回目を迎える歴史ある写真コンテストに成長し、館内では第14回での優秀作が20数点展示されていました。さすがにハイレベルでどの作品を見ても感動的です。
しかしそのような秀作に対しても白旗氏の監修は非常に厳しく、辛口のコメント(言葉の使い方にもシビア)が添えられていました。写真家たちの激しい競争・切磋琢磨の世界が垣間見られます。


その中で、上位6点(最優秀①・推薦②・特選③)を下記のとおり紹介させていただきます。


            大月市「秀麗富嶽十二景」:(第14回展優秀作品)

 特選(銅賞):「梅雨の晴れ間」(山崎勝孝氏)......特選(銅賞):「紅に染まる」(筒井章氏) <2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_20542837.jpg<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_20545248.jpg
          (それぞれの写真をクリックすれば拡大写真が別途表示されます。)

特選(銅賞):「雲海上に聳える」(高橋利延氏)....推薦(銀賞):「暗雲富士にかかる」(天野昭吾氏) <2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_20562254.jpg<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_20565514.jpg
          (それぞれの写真をクリックすれば拡大写真が別途表示されます。)

  推薦(銀賞):「幽玄富士」(小谷哲郎氏)............最優秀(金賞):「荒れる富士」(三浦義朗氏)<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_21542.jpg<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 _c0119160_2152945.jpg


こんな素晴らしい多彩な秀麗富士が多く見られる所がこんなに多くあるとはビックリ!
自分はまだこの「秀麗富嶽十二景」の山を1つも登っていないことに気がつきました。
先日、富士山レビュー記事をエラそうに紹介してしまいましたが、何だか恥ずかしい限り。
川崎・静岡と大月は交通アクセスが今一つよくない事もあって本エリアは真空地帯だったのかも・・・。

「山紀行・名峰レビュー:富士山」(その1)
 
「山紀行・名峰レビュー:富士山」(その2)


でも富士の秀麗が見られる未踏の山が沢山残っているということは、自分にとってはまた次の楽しみが増えて幸福な気持ちになります。道草してひょんな発見ができてとてもよかった・・・!

                                                    おわり

   

  by rollingwest | 2007-09-02 17:42 | 旅の風景 | Comments(8)

Commented by マリリン at 2007-09-17 09:42 x
よなよななよなよと倒れそう~な、素晴らしい美しさ!感激~!
この世のものなのですねこれは・・・。本当に地球、日本は・・・言葉がありません。ジ~ンと胸に響きますよ~!暫くこの美しさを黙って堪能します!!
Commented by rollingwest at 2007-09-17 20:03
まだ登っていない富士山ビューポイントの山が沢山あることを知って幸福気分!
これからは眺望のいい素晴らしい日を狙って、それぞれの四季の富士山をじっくり楽しませていただきます。
Commented by リトルセサミ at 2007-09-17 23:45 x
猿橋と水路橋の緑、とてもきれいです、紅葉もいいでしょうね、このあたりは11月中旬でしょうか、行きたいところが多くて困ります。
Commented by rollingwest at 2007-09-18 08:49
リトルセサミさんが特にお気に入りの場所はどの辺りでしょうか?
また情報をお知らせください。投稿楽しみにお待ちしております。
Commented by 食山人 at 2007-09-19 08:47 x
大月市の郷土資料館に白旗史朗の常設展示があるとは知りませんでした。新入社員時に給料の半分を投じて写真集「ヒマラヤ」を買ったものです。今度、山中湖の山荘に常置しましょう。秀麗富岳十二景、うち十景の山頂に立ちました。あと2つ楽しみです。
Commented by rollingwest at 2007-09-19 08:56
山中湖でお借りした「歴史の山100選」も本当に素晴らしいですね。今じっくり読みながら、コピーさせていただいております。
今後、山旅の造詣・楽しみを一層深められる貴重な掘り出し物!
今度10月のFツアーのときにお返しいたします。
Commented by リトルセサミ at 2007-09-19 23:57 x
私は、数年前、越後湯沢駅の山側のお温泉街にある、白旗先生の写真館に行き、その写真の素晴らしさに感激して何回も行ったりきたりで閉館まで見ていた記憶があります。写真を写し始めてまもなくの頃で、1枚見るごとに現場の状況、撮影意図、テクニック、その瞬間などを想像して見ていました。というわけで越後湯沢もお薦めします、スキー場もすぐそばなので是非どうぞ。
 それから、rollingwestさんの写真も、バランスが良く好きです、これからも各地の景色を見せてください、楽しみにしています。
Commented by rollingwest at 2007-09-20 08:57
リトルセサミさんの山岳写真への造詣の深さとあくなき探究心が感じられます。
小生は全くのシロウトで、ただ行き当たりばったりに撮っているだけ(デジカメ技術進歩の恩恵)です。

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