<2007年10月20-21日>秋田・岩手の名山を訪ねて(Fツアー復帰登山) 


★東北の山

東北大陸には実に多くの名山があります。

東北6県に存在する200名山をカウントしてみると31座(うち百名山が16座)にもなりました。
標高が高い山は意外と少なくて2千m以上の山は7座しかありませんが、豊かな植生・野生動物、湿原・池塘、大らかなパノラマ風景・温泉に恵まれ、これらの山々は実に飽きることがありません。

ネックといえば、やはり東北大陸はドデカくて遠くてアクセスが不便、なかなか手軽には行けない場所だということでしょうか。


 ...朝もや、秋田の田園風景(大曲IC付近)、東北の山を象徴する田んぼ旅情....
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東北北部(青森・秋田・岩手)はまだまだ手付かずの自然が多く残っており、ブナ大木などが多い原生林を有する深山が多い(世界遺産で有名な「白神山地」は青森・秋田県境)ことが特徴です。



★第1日目:「風雨の苦行登山」
<日本200名山・「和賀岳」(1.440m)>

東北地方を東西に分ける巨大な脊梁・「奥羽山脈」において火山に関係ない山は少数派ですが、今回訪れた2つの200名山はそれに該当し古い地層が隆起・侵食によって形成された山地です。
1日目に訪ねた「和賀岳」は秋田・岩手県境の壮年期山地で、「ブナ原生林がたくさん残る奥深いマタギの聖地」なのです。

 ...「和賀岳」甘露水コース登山口。真木渓谷全体を俯瞰するセンスいい看板.....
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金曜夜に東京を出発した夜行バスは雨の中。天気予報も雨天確実で半分あきらめムードで北進。しかし翌朝、登山口到着時は晴れ間が覗いています。
「何とラッキー!やはり我々は日頃の行いがよいのだ・・・。」と一瞬錯覚させてくれました。


しかし登り始め徐々に標高を上げていくとともにその願いは虚しくやはり雨が降り出してきました。すでに晩秋。緯度・標高が高い東北山地の雨は冷たく、いよいよ修行登山のスタートです。


 ...晴れてこんな風景↓が見えると期待したが残念!雨にたたられてしまった。...
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今年は8月が史上最高猛暑、9月も残暑も厳しかったため全国的に紅葉は大幅に遅れています。
通常この時期の東北北部はモミジも終わり枯葉が目立っているはずですが、今回丁度色付きのいい見ごろを迎えていました。しかし紅葉の美は光と青空がないとその彩りは全く映えないのです。


      ......紅葉の色づきも申し分なかったが・・・、実に惜しい。「もっと光を!」.....c0119160_2112052.jpgc0119160_21121878.jpg
薬師岳を過ぎると広々とした草原が出現。ここは夏に高山植物が咲き誇る「お花畑」なのですが、今の状況は極楽浄土と対極。冷たく厳しい風雨に向う我々はまさに「野晒し修行僧」状態でした。
さらにクマザサが生え放題の登山道では、覆い被さる葉の雨露がさらに身をグッショリと濡らして体を冷やしてくれます。  (T_T)「たまには地獄もいいもんだ~!」ヤケクソ・・(笑)


          .....稜線に出ると強い風と冷たい雨に悩まされた。(苦行の行進)...
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      .....風雨に晒される広い枯草高原にもあちらこちらに秋の風情が見られる。.....c0119160_2159582.jpgc0119160_21594282.jpg



秋田・岩手の山奥は世界に名だたる豪雪地帯。「和賀岳」周辺もブナやミズナラ等の巨木が沢山生えています。この母なる森が豊富な生命を育み、熊が多いマタギの里となっているのでしょう。

     .....さすが秋田の深山・豪雪地帯、ブナの巨木があちこちに聳えていた。.....c0119160_2142277.jpgc0119160_21425156.jpg
 ...広葉樹林はいい紅葉だったが紺碧の空があればもっと感動できたのに!....c0119160_2144879.jpgc0119160_21442227.jpg
「食山人さん」の生まれはこの近く「和賀仙人」という場所なのだそうです。なるほど、毎週のように幾多の山をハンティングするその姿を見れば「狩人マタギ」の血が流れているのかもしれません。
それとも「お酒の仙人」の方でしょうか?どちらにしても私には違和感がありません。


和賀岳山行はかなりの時間を要し下山時はもう闇が迫っており、まさに「秋の夕日は釣瓶落とし」。



★海の幸満載!男鹿半島の民宿「夕なぎ」

男鹿の民宿「夕なぎ」はFツアー東北遠征時の御用達宿。絶品料理が大人気、今回で3回目です。
念願の宿湯に浸かって、氷雨に濡れた体はようやくポカポカと生き返りました。
これからは本日のメインイベント「豪華な海の幸三昧」の時を迎えます。

.....男鹿半島.民宿「夕なぎ」での新鮮な海の幸、ヒラマサの刺身は今にも動き出しそう!.....c0119160_21515410.jpgc0119160_2152125.jpg

タイやヒラマサの舞踊り、しょっつる汁に秋田の美酒。瑞々しい「あきたこまち」の新米御飯。
地獄を経験した後の極楽境地は余計に素晴らしい~!心地よい酒悦は瞬く間に体中を駆け巡り、自分の記憶は遠のいてあっという間にコロンと昇天してしまいました。

     ....鯛の船盛りは実に豪華で感動的! 右は秋田名物の「しょっつる」.....c0119160_21534020.jpgc0119160_21535243.jpg




★第2日目:「焦らされ続けても、最後は女神の慈悲」
<日本200名山・「姫神山」(1.124m)>

  *2日目はカメラを一時的に紛失してしまい、以下の写真は食山人さんに提供頂きました。


荒れ狂う怒涛の日本海。バスは秋田男鹿から東北大陸を横断し一路岩手に向かうものの、今日もずっと天候不安定状態が続きます。(空には何度も綺麗な虹が見えるのですが・・・)
「冷たい雨での行軍・二の舞はもう勘弁」、「姫神山」を中止して温泉極楽コースを選択するのか、登るのか、皆は最後の最後まで悩みまくります。


....「夕なぎ」さん↓大変お世話になりました。日本海・男鹿半島の磯に押し寄せる荒波怒涛.....c0119160_2233920.jpgc0119160_223528.jpg


強風・曇り・局地的な雨、でも時折青空と太陽が覗き、「姫神山」はさんざんと迷わせてくれました。
我々の男心は弄ばれ、焦らし続けられ、その名の通り最後まで気をもたせてくれる罪な女性です。
登山口に着き決断!曇りだが頂上は見えている。ここまで来た以上、行くっきゃない。いざ頂上へ!


    ....↓登り道で遭遇した「一本杉」、さすが貫禄ある名木だ!....c0119160_6103562.jpgc0119160_221253.jpg

   ....「姫神山」の登り道は快適。天候は不安定だったが虹が1日で10回近くも見えた。....c0119160_2212298.jpgc0119160_6141454.jpg


ようやく頂上!そこは素晴らしいパノラマ!さすが女神様・・・、最後は優しく受け容れてくれました。風は強かったのですが、最後にいい景色に恵まれた喜びに浸ります。最後まで「姫神山」の登山に拘り続けたM子様・・、ありがとう!女神は実は貴方だ~!


      ....「姫神山」の山頂は花崗岩の露岩群、頂上風景は名前とは逆に男性的.....
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北上川を挟んで眼前には、日本百名山「岩手山」(2,038m)の男性的な勇姿が迫っていました。
均整優雅な「姫神山」と男神「岩手山」は、昔は夫婦だったそうです。昔は・・。(つまりバツイチ)

          ...目の前には、冠雪の「岩手山」の雄大な風景.....
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当地の伝説によると夫婦の間に割り入ってきたのがもう一つの日本百名山「早池峰山」(1,917m)、
この浮気に対して「岩手山」はついに激怒、噴火爆発して大荒れとなったとのことです。

それ以来「姫神山」と「岩手山」が晴れれば「早池峰山」は曇ってしまい、「姫神山」「早池峰山」が晴れると「岩手山」は曇るというビミョーな三角関係になってしまいました。
   (神様とは思えないあまりにも人間的な愛憎劇・・)
なるほど「岩手山」が見えた当日は「早池峰山」の方はガスに覆われて全く見えませんでした。

           ...一本杉キャンプ場へ下る時の岩手山パノラマ.....
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帰りの高速道路も懸念したほどの大渋滞にはならず22時過ぎに帰宅できましたが、バスの乗車時間は9時間近く。やはり東北大陸は本当にデカイ・・!
  (特に岩手県が広くて長い。宮城・福島両県は後半戦という感じです。)

でもその車中は腹がよじれる程に爆笑しながらの9時間、そんな長丁場を全く退屈せずに本当に楽しいバスの旅でした。
(山を歩いている時間より、酒飲んで大笑いした時間の方が断然長くて濃密だったなのですから)


...「酒仙」と化した「喜悦の和賀仙人」:食山人さん。姫神山をあとにして楽しい爆笑帰京バス....c0119160_22184093.jpgc0119160_22185426.jpg


皆さんの酒量、食と趣味へのこだわり・辛らつジョークの突っ込みと大ボケ、長い人生経験で培った人間の深み、さらに新しいことに挑戦していこうとする意欲、本当にスゴイ!全くかないません。
団塊世代の先輩皆様方の「中高年パワー」には最後まで圧倒され続け改めて敬服した次第です。

                                                    おわり

  by rollingwest | 2007-10-21 21:04 | ローリングウエスト山紀行 | Comments(12)

Commented by matsu at 2007-11-15 08:13 x
和賀岳は、お天気残念でしたね。私が登ったのは、今年の6月(やはり姫神山とセット)でしたが、その時は幸い、比較的好天に恵まれ相応の眺望を楽しむことができました。白神山地といいこの山といい北東北の山は、標高のわりには、他の山域にはない深い原始性が感じられ、好きです。姫神山は山頂の巨岩群と岩手山の眺望が何ともたまりません。
 私が行ったときは、盛岡を宿泊拠点としたのですが、この北の街は、街並みがきれいで、焼き肉、冷麺、わんこそば、じゃじゃ麺といったうまいものが盛り沢山で、私は大変気に入っています。機会があれば、ぜひ来訪をお勧めします。
Commented by rollingwest at 2007-11-15 20:16
東北の山・里景色というのは、本当にゆったりとした大らかさと素朴さが感じられて実によいですね・・・。12月の奥多摩「大岳山」のあとは一杯やって来年の日高計画を練りましょう。
Commented by リトルセサミ at 2007-11-20 12:35 x
紅葉は、天気が良いと本当にきれいですね、今回は残念なことに曇りだったようですが、そういう時も多々ありますよ。姫神山 伝説を聞き、記録を読み、そうとう良いところのようで来年私も行って見ようと思います。東北は、高速バスが良いのでしょうか、それとも電車かな、いずれにしても、楽しみができました、ありがとうございました。カメラ出てきてよかったですね、それとも、新しいカメラを買うチャンスだったのかなー。
Commented by rollingwest at 2007-11-21 05:44
セサミさんから「雨男」の名前を頂いてしまいそうな連敗傾向となってまいりました。次回はいい天気の中で歩いてみたいです!(笑)
Commented by 食山人 at 2007-11-21 07:52 x
和賀仙人こと食山人です。今後は宴会時間は歩行時間を越えないようにしないと・・・暴飲暴食がたたってか胃痛に悩んでいます。トホホ(近々大好きな胃カメラを飲むことに)
Commented by オッチョコさん at 2007-11-21 10:45 x
朝もや、秋田の田園風景は、天の国そのものですね~!
感激です。そして、美味しそうなご馳走に、ただただ・・・。
Commented by rollingwest at 2007-11-21 20:10
和賀仙人殿、「食餐尽」の結果、ついに「酸性胃」となってしまいましたか?お大事に!でもあれだけ飲めば・・。
「食酸腎」になるまで悪化しないように祈念しております。
でもいつもその場で反省はされるのですが、また忘れて懲りずに復活するから心配だなあ・・・。
Commented by rollingwest at 2007-11-21 21:47
おッ猪口さんの大好きな棚田や茅葺の里に通ずる山里風景でした。
このような素朴な写真には朝霧や朝もやは構図素材として欠かせないですねエ・・・。
Commented by TARA at 2007-11-22 21:43 x
ちょっとご無沙汰している間に、写真も文章力もまた進歩したのね、さすが!その写真の腕前で、今度美しい被写体を撮ってほしいものです。頭は軽石亭でも、腕と足はお見事!
Commented by rollingwest at 2007-11-22 22:02
美しい被写体って誰~?先日スイスから久しぶりに来日したおぞましい被写体でしたら、思い出したくない記憶としてトラウマのように刻まれているのですが・・・(笑)
しかし「ガラガラ蛇のブーツ」と「熊のコート」を羽織って本当によくぞ職務質問されることなく離日できましたね。
日本の警察も妖しいものには近づかずという事なかれ主義になってきたとしか思えませんね。(笑)
Commented by 亀三郎 at 2016-08-12 10:21 x
山を歩いてる時間よりも
飲んでる時間のほうが長い、、、
それ
ある面、、、わたしの理想の旅スタイルかもです 笑

ところで
東北の山にやってきたのは
蔵王がないかなぁ、、と思ってきたのですが
蔵王は未踏でしたっけ
今月
もし
お天気よければ
お手軽コースで
お釜をみてこようかなって
いま考えているんですよ^^v
Commented by rollingwest at 2016-08-12 22:33
亀三郎様、こりゃまた懐かしい9年前の記事にコメが入るとは!東北にいらっしゃるのですね。イイ旅をされて下さい。

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