<2008年7月6日>新宿ゴールデン街とその周辺街を訪ねて(その1)

★祝!出版快挙

大学時代の山・旅サークルの先輩「神楽坂女史」が今年6月、「新宿ゴールデン街・花園街案内」という本をD社から出版する快挙!この方は痴性溢れる当サークルに於ける「名だたる文豪」です。
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女史は昔「YとK谷社」に在籍し「東京の名所歩きコース」ガイドブックを執筆されたこともあります。
「知」と「痴」を併せ持ち、それを使い分ける博識・文才ぶりは日頃より皆から尊敬を集めている方。

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7月4日、高田馬場「花福」で今回の出版快挙のお祝い会開催で大いに盛り上がった次第です。
 (ほとんど1年上の先輩たちの同期会という雰囲気でしたが・・)




★「新宿ゴールデン街」


大学時代に新宿「歌舞伎町」は時たま行きましたが、隣接「新宿ゴールデン街・花園街」は畏怖感と気後れを感じてなかなか近づき難い場所の一つでした。 今回「神楽坂ガイドブック」の発刊をきっかけに、「奥深く・喧騒なる・昭和の濃~い街」を見てみたいという気持ちに駆られ訪ねてみました。

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今回発刊された神楽坂殿の著書やインターネット公開の諸情報から、「新宿ゴールデン街の歴史」を調べてみました。概ね下記内容で記載されておりましたので、ダイジェストにまとめてみます。

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歌舞伎町一丁目の飲食店街。新宿区役所や花園神社と隣接し、第二次世界大戦後に建てられた小さな店舗(木造長屋建て)が狭い路地をはさんでマッチ箱のように沢山並んでいる。c0119160_21375579.jpg
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もともとは新宿駅東口にあった闇市が発祥。当時は繁華街から離れた場所であり、殆どの店が飲食店名目で「赤線」(昭和33年以前の国家公認売春地域の俗称)紛いの営業をしていた。風営法無許可営業のため、「青線」の名で呼ばれ歌舞伎町付近は当時都内でも有数の売春街だった。
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売春防止法施行(昭33)を契機に「ゴールデン街」と名を変え、密集街の飲み屋は「文壇バー」「オカマバー」「ボッタクリバー」の3分類になると言われた。3坪~4.5坪と狭くカウンターに数人並ぶと満席になる店が多い。雑踏と喧噪、議論・口論、そして喧嘩…というイメージが強烈に残る街
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文壇バーには作家やジャーナリスト・全共闘世代の闘志などが集まり、文学と演劇、映画・哲学を肴に酒を酌み交わし熱い議論や喧嘩を繰り広げた場所でもあり、文化発信地の自負も持つ。

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常連の文化人では、安部公房・遠藤周作・大江健三郎・中上健次・野坂昭如・半村良・佐木隆三・村上春樹・志茂田景樹・立松和平・村上龍・山田詠美・渡辺淳一等、名立たる文士が集った。

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昭和50年、佐木隆三「復讐するは我にあり」が直木賞受賞でこの街は文化人の集う場所としてマスコミに取り上げられ一挙に有名となった。バブル期には地上げの嵐に見舞われ、崩壊とともに無残な時代を迎えた。しかし平成12年以降、若い経営者が続々と出店して再び活気づいている。
今もなお、全共闘世代や出版関係・馴染みの店がまだまだ残り、ハードコアな店も多く存在する。

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さすが噂通り独特なムードとレトロ感が漂うところ・・。「夜の世界遺産」とも呼ぶべき昭和の香りを残す貴重な街並がその存在感を強烈主張しており、「修羅場を潜った者・夜通しに酒で議論を尽くした者以外、新参者が安易に近づくんじゃねエ・・」と軒を連ねた店々が呟いているように思えます。  

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でも神楽坂ガイドブックでは「ゴールデン街の掟6カ条」を守れれば一見さんでも十分歓迎とのこと。6カ条とは・・①1-2名の少人数で行く。②他所で腹ごしらえがお薦め。③値段は遠慮なく聞く。④積極コミュニケーション。⑤混んできたら席を譲り合う。⑥ハシゴ酒を楽しめ!ただし泥酔は厳禁。


.....ゴールデン街の脇にはこんな潤いの緑の道があった!「四季の道」といい旧・都電軌道跡....c0119160_2221859.jpg




★「花園神社」

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ゴールデン街向かい側には「花園神社」が鎮座、1階が倉庫・2階が神社という不思議な光景を見せています。花園神社は江戸時代から芸能との縁が深く、劇団等の催し物が頻繁に開かれてきたそうです。(昭和40年代は唐十郎や寺山修司らのアングラ劇団が何度も公演を重ねたとのこと)

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境内には「芸能浅間神社」があり、玉垣には芸能人の名がズラリ。藤圭子(宇多田ヒカルの母親)のヒット曲「圭子の夢は夜ひらく」の歌碑もあるぞ~!「15・16・17と~私の人生暗かった~♪」
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11月の「酉(とり)の市」では昭和30年代の縁日にワクワクしながら行った「見せ物小屋」(人間火炎放射器やへび女など)が催されるらしい。あ~懐かしい!昔の柏崎「えんま市」でよく見たものだ。「親の因果が子に報い、同じ人間・同じ母親~!さあさご覧あれ!」・・もう一度あの日に戻りたい。c0119160_6251939.jpg
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★明治文豪の史跡
c0119160_634338.jpgc0119160_792886.jpg地図をクリックすると拡大で見れます。

文壇・芸能関係者が集ったこの地は、明治時代の文豪にも所縁があるようで日本文学のビッグネームの史跡が近隣に見られます。都営大江戸線・東新宿駅出口近くには、「島崎藤村旧居跡」が見つけられました。同和問題を扱った小説「破戒」を明治38年この地で完成させたのだそうです。


     .....(中) 「島崎藤村旧居跡」       (右)「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)終焉の地」....c0119160_636860.jpgc0119160_710368.jpg

おお~!「小泉八雲終焉の地」石碑も近くにある。偶然先月、40年ぶりに「耳なし芳一」や「むじな」の入る作品集「怪談」を読んだばかりだ!帰化人だが日本人以上に日本の心を持った八雲はここで名作を完成させ、明治37年当地で生涯を終えたとのこと。(松江在住イメージが強いけど・・)
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鬼王神社という怖い名前の神社も発見、入口に鬼が支える手水鉢があります。鬼の伝説があるらしいですが、本来は稲荷神社であり水商売の店がよくお参りする商売繁盛の神社だとのことです。
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明治時代に童話専門の「赤い鳥」という雑誌があったとのこと。その社屋跡と創刊者・鈴木三重吉という作家(夏目漱石門下生で近代児童文学の中興者らしい。)の居住地もありました。「赤い鳥」創刊号には芥川龍之介「蜘蛛の糸」や島崎藤村・泉鏡花・徳田秋声の物語も掲載されたんだって!



(その2)に続く

  by rollingwest | 2008-07-05 21:01 | 都会の風景 | Comments(18)

Commented by こだま at 2008-07-06 06:06 x
RWさん、こんにちは。
ディープな新宿が好きでした。夜明かしして新宿から出社したりしていました。
でもって、六本木や麻布のどこが面白いの?と思っていた20代でした。
建物もひとも腐れかえったような店で、また呑みたいな♪
Commented by rollingwest at 2008-07-06 09:02
ひえ~、こんなディープな世界を彷徨い歩いていたんですか・・!
小心モノの私にとっては、とても恐ろしげな場所に見えていました。
朝まで飲み明かしたなんていうことも今まで経験ありません。
徹夜マージャンはしょっちゅうやっていましたが・・(笑)
Commented by ペガサス at 2008-07-06 14:33 x
それにしても、その二本の足で、あちこちよく探索なさる事!
あっぱれ!
Commented by rollingwest at 2008-07-06 16:28
ガイドブックで点火されました。(笑) 
Commented by 葛飾のオヤジ at 2008-07-07 06:05 x
小4~6年は西口に毎週塾に通い、
中学・高校の6年間は新大久保だったので、
通算9年間は新宿にお世話になっています。
よって、目をつぶってでも新宿は地上も地下も知り尽くしていたつもりですが、藤圭子のさんの石碑があったとは!!サスガ、先輩です!!

そして神楽坂女史、ご出版、おめでとうございます!!
Commented by 神楽坂 at 2008-07-07 11:39 x
本の紹介、お祝いのコメント、ありがとうございます!ゴールデン街は個性的な店が多いので飲みに行くと、本当に楽しいです。是非、夜に訪ねてみてください。ガイドブックには怖い店は載せてません(笑)。RWさんに話しましたが、「突風」のオーナーは声優柴田秀勝さんでした。それから徹マンの西武荘は、ある意味、G街よりディープかも(メンバーが)!
Commented by rollingwest at 2008-07-08 21:25
オヤジさん、小学校の頃から青春時代の多感な時期に新宿・歌舞伎町・新大久保周辺でいろいろな見聞を広めてていたんですか!?
なるほど、いろいろなものに免疫ができている訳がよ~くわかった。
お酒が好きな理由もよく理解できた。(笑)
Commented by rollingwest at 2008-07-08 21:25
神楽坂殿、誠におめでとうございました。
さすが人徳、16回生を9人も集めたとは実に快挙!
次は、地元の神楽坂・飯田橋・江戸川橋・早稲田あたりのガイドブックに挑戦されてはいかがでしょうか。

H井殿、「突風」のオーナー「柴田秀勝さん」って、よく知っている職場の先輩?
もしそうだったら、今度探訪してみますか。
Commented by shingo at 2008-07-09 19:32 x
有名な青二のベテラン声優ですよ、柴田さんは。水戸黄門のナレーションや、懐かしい「タイガーマスク」のミスターXと言えば、なんとなく声が思い浮かぶかも・・・・。今でもダンディーで若々しい方です。
青空食堂のあとは「突風」にしますか・・・・。
それにしてもコマ劇場が無くなってしまうのは、ショック!時代は刻一刻と移り変わるのですね。楽屋やけいこ場が懐かしい・・・。
Commented by rollingwest at 2008-07-09 21:44
「突風」は神楽坂殿とH井と行ったら、相当楽しい飲み会になるかも・・。一緒に行きますか~!
Commented by 3式機龍 at 2008-07-10 13:21 x
「突風」へ行くと柴田秀勝さんに御会い出来たりするのでしょうか。
そうであれば凄いな。
一頃は悪役の声を一手に担っていた方ですよね。
北浜晴子さんとの二人で一役の苦労話が面白かったです。
うーん、RWさんは凄い人の知りあいの知りあいなんですね(笑)。
Commented by rollingwest at 2008-07-10 22:07
3式機龍さんってキングギドラって意味ですよね。怪獣博士殿。
柴田秀勝さんの知り合いの知り合いという意味では、機龍さんの奥様も同じ立場の方だと思うのですが・・。
Commented by 神楽坂 at 2008-07-10 23:39 x
柴田さんには、いろいろとお話を伺いました。すごく楽しいお話でした。「突風」は会員制です。その理由を聞いたら、柴田さんの声が聞きたいという秋葉系の人たちが店を占拠して、一杯の水割りで何時間もいたことがあったからとか。いつでもご一緒します。柴田さん手作りのレーズンバターは美味でした。明日から、9月発売のワインガイドの仕事で、ワイナリーの取材が始まります。
Commented by 3式機龍 at 2008-07-11 01:17 x
ははぁ、そうですよね、「柴田秀勝さん」ですものね。
店がファンで埋まりますよね。
しかし・・・よく考えると凄いですね、ミスターXがレーズンバターを作っている・・・
「お気に召したかね伊達ナオト君、代金は君の命だよ」とか言いながら作っちゃうわけですか(笑)。

RWさん、3式機龍って最新版のメカゴジラですよー。
Commented by rollingwest at 2008-07-11 05:55
3式機龍殿、それは失礼~!
3つの首をもってジェット機のように飛んでいく龍なので、完全にそう思い込んでおりました・・。(笑)
Commented by rollingwest at 2008-07-11 05:56
神楽坂殿、ゴールデン街の執筆の反響はなかなかのものですなあ・・。
Commented by trial05 at 2008-07-13 23:58
こんばんは~。初カキコです。
いつもありがとうございます~。(_"_)
過去、新宿は敬遠してたスポットでしたが、カメラを始めてから、
「新宿ゴールデン街」を主に撮られておられる、時の写真家・森山大道巨匠の
プリントに魅せられ、ファンになりました。
アップされているお写真も見覚えが・・・・。
いつかはディープな新宿ゴールデン街を撮影して見たい・・・
と思うようになりました!
に、つきまして、「新宿ゴールデン街・花園街案内」はピッタリです。
ぜひ拝見したいものです♪
Commented by rollingwest at 2008-07-14 05:46
いらっしゃいませ。誠にありがとうございます。
関西の街風景もいろいろな視点から捉え、素晴らしい写真で表現されておられるので、このゴールデン街はウォーカーさんにとっては撮影ネタの宝の山だと思います。
いつか公開されるときを楽しみにしております。
今後ともよろしくお願いいたします。

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