<   2003年 07月 ( 1 )   > この月の画像一覧

 

「My Favorite Songs」(第31巻)

【My Favorite Songs】の過去紹介した記事一覧(INDEX)はコチラから

c0119160_184260.jpg



★(164)エイジア 「ヒート・オブザ・モーメント」 (1982年) (2017.2.11公開)


         
c0119160_21492487.jpgロック界大物スター2017年訃報の第1弾は、1月末のジョン・ウェットン(67歳・元キング・クリムゾン)、そしてその1ケ月前(昨年12月)にはグレッグレイク(69歳・元 EL&P)が亡くなっています。この2人に共通するのは①英国プログレシッブロック(1970年初頭に世界席巻した先進ロック)の雄であったこと。②さらに10年後にプログレの大御所ミュージシャン達で結成された「エイジア」のボーカリストだったことです。こんな深い縁ある大物が一遍に2人も天に召されてしまったとは・・、こうなればスーパーグループ「エイジア」の衝撃的なデビューアルバム『Asia(詠時感?時へのロマン)』の全曲を紹介するしかありません!9週連続全米NO.1で1500万枚セールスを達成したこのモンスターアルバムは「プログレのエッセンスをポップスとして鏤めた3分半の楽曲」というスタイルを確立して世界的な大人気を博しました。最初にシングルカットされた「ヒート・オブ・ザ・モーメント」(冒頭曲)は、ヘヴィなリフと透明感のあるジョン・ウェットンのヴォーカルから始まり、ワクワクさせるビートがエンディングまで連続する名曲!いきなり全米チャート4位に輝きエイジアはあっという間に世界に大ブレイクしたのです。続く曲はアルバムタイトルにも通ずる「時へのロマン」(Only Time Will Tell)は魅惑的なイントロと華美で絢爛豪華なサウンドのメロディアス曲ですが、歌詞内容は惨めな男の恨み節的な心情が吐露された男女の別れの歌だったとは知らなかった・・。3曲目「孤独のサヴァイヴァー」は、米国プログレハードを彷彿させる魅力的なメロディーラインでシングルカットされてもいい作品。亡きグレッグレイクと今や仙人のようになってしまったスティーヴ・ハウがまだ若々しかった頃の姿が実に貴重ですネ~。エイジアのオリジナル・メンバーはジョン・ウェットン(vo,bs:元・キングクリムゾン)、スティーヴ・ハウ(gt;元イエス)、カール・パーマー(dm:元・EL&P)、ジェフ・ダウンズ(kb:元・バグルス→イエス)という往年のプログレバンドのスター達が集結し、夢の様なスーパーグループとして注目されました。RWも中3~高1時代にイエス・ELP・クリムゾン・ピンクフロイドに夢中になっていたので、彼らのデビュー盤がリリースされた当時(24歳)はもう興奮の坩堝だったことが今も鮮明な記憶として蘇ります。EL&Pのグレッグ・レイクは一時的な参加にも関わらずオリジナルメンバーのような存在感が今も鮮烈に残っています。「ワン・ステップ・クローサー」はユーモラスなイントロから始まり、洗練されたコーラスを重視したヴォーカルが実に魅力的!「タイム・アゲイン」は、叙情的なメロディーのシャッフル・ビート曲で往年のEL&Pやユーライア・ヒープっぽい印象を受けます。スケールの大きなプログレ色と3分間ポップという相反する両極面を融合することを、見事にやってのけた名作はどの曲も素晴しく捨て曲は一つもありません。ソングライティングにおいて全曲を手掛けているジョン・ウェットンのセンスに脱帽するしかないですネ~!B面(今や死語)の冒頭を飾った曲「この夢の果てまで」(Wildest Dreams)は兵士を称賛した作品でドラマティック・スリリング・ダイナミックさが重なった名曲です。1970年初頭のプログレファンからすれば、このバンドへの批判・風当たりに相当に厳しい意見があったのも事実です。心地いいメロディアスなPOP志向性はどの曲も同じように聞こえ、キング・クリムゾンやイエスのコアなプログレファンからすればまさに商業主義の軟弱路線にまみれた邪道、産業ロックの象徴的バンドに見えていたのでしょう。しかしプログレへの拘りを忘れて聴けば、ポップでもキャッチー過ぎず英国らしいメロディー満載!上質な産業ロックはRWにとっては大のお気に入り路線なのでした。「ウィズアウト・ユー」は、美しくメロディアスなバラードで始まるジェフ・ダウンズのキーボード・ソロ、スティーブ・ハウのギター・ソロもたっぷり聴けてまさにエイジアの真骨頂!歴史的なプログレメンバーが集結したからこそ生み出された壮大曲というしかありません。「流れのままに」( Cutting It Fine)は、プログレシップな指向の中になおもポップなセンスが息づいた作品。明るくリズミックで牧歌的な一面をあり何度聴いても飽きることはありません。最後の締め曲は、「ときめきの面影」(Here Comes The Feeling)、これもポップでキャッチーながらもエンディングまで息をつかせない名曲!大好きだったグレッグ・レイク(丸々と太り過ぎだけど・・)が元気な姿を見せているのが実に嬉しいことです!エイジアは名曲が多過ぎるので、あと2回位は記事をたっぷりと書いていきたいと思っています。最後にあらためてジョン・ウェットンとグレッグ・レイクのご冥福を祈念いたします。お二人が天国でエイジア名曲のWコーラスで盛大に霊界を熱狂させているのかもしれません。


⇒次回は、蛇を首に巻きヘビーなロックをしていたアリスクーパーが一転した美しいバラード「ユー&ミー」(1977)をお送りします。♪\(^◇^)/♪;



      

★(163)イーグルス 「いつわりの瞳」 (1975年) (2017.1.24公開)
         
                 <グレン・フライ1周忌:追悼記事>





◎【変革・発展期】(1974~1975)

c0119160_164428.jpgイーグルスのグレン・フライが昨年1月18日に亡くなり1年が過ぎてしまいました。追悼の意を込めて再びイーグルス特集、今回は「変革・発展期」1974~1975年の名曲を紹介します。第1編【黎明期】(1972~1974)で紹介しきれなかった3rd「オンザ・ボーダー」収録曲と、歴史的名盤「呪われた夜」(4rth)の名曲を中心にお届けします。

イーグルスの黎明期はグレン・フライとバーニー・リードンが主導しカントリータッチのコーラスやハーモニーが重視された曲が多く、ほのぼのとした感じで愛着を持って聴ける印象がありました。冒頭に紹介した「いつわりの瞳」(1975、全米第2位)は発展期の名盤「呪われた夜」からのシングルカットですが、まさにイーグルスを象徴する代表的なカントリー調の名曲です。心癒される爽やかな歌声とは裏腹に歌詞は「金持ちの年寄りと暮らす小娘が若い男と浮気を繰り返す姿を皮肉っている」との内容だと知って、ちょっと意外でしたが・・(苦笑)。第3作「オンザボーダー」(1974)は、多様な音楽性を求めていく過程の移行期途上のアルバムでした。従来路線のカントリー調曲「ミッドナイトフライヤー」(1974)はバンジョーの響きが心地よい曲、そして若くして世を去った往年の映画スターを歌った「ジェームス・ディーン」(1974)から徐々にハードなロック志向を強める傾向が出てきました。本アルバムからの最大名曲は第1編(黎明期)で紹介済した「我が至上の愛」(BEST OF MYLIFE)ですが、RWは「懐かしき‘55年」(1974)がお気に入り!トム・ウェイツのカバー曲ですが、グレン・フライ&ドン・ヘンリーのハーモニーが美しく、まさにイーグルスを象徴するノスタルジックな曲です。このアルバムから5人目のメンバーであるドン・フェルダー(Gt)が新たに加入しています。

そして次はイーグルスの最大名盤と称賛される「呪われた夜」の紹介へと移行しましょう。このアルバムは3つのトップ10シングルを生み出した名盤です。「呪われた夜」が全米第1位、冒頭紹介した「いつわりの瞳」が全米第2位、そしてストリングスを使用した壮大なバラード「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」が全米8位、アルバムも全米No1に輝き名実ともにイーグルスが世界的なビッグバンドへと飛躍していったのです。しかしこの栄光の中でグループの中には葛藤と軋轢が生まれていました。黎明期のカントリー主体の音楽性を志向するバーニー・リードンは「このアルバムは産業ロックにシフトしすぎてイーグルス本来のアイデンティティーではない!」とアルバム完成後に脱退してしまったのです。後任ギタリストはハードロックバンドのジェイムス・ギャングからジョー・ウォルシュを迎えたことから、イーグルスのサウンドはさらにロック色を強めていき、世界的に超有名な「ホテルカリフォルニア」の商業的大成功へと繋がっていきます。音楽路線変更でのメンバー間の確執でイーグルス創設者・グレン・フライも悩み多き時代だったのかもしれません。ラストナンバーは、あらためてグレン・フライの一周忌を偲び、「アフター・ザ・スリル・イズ・ゴーン」(1975)で締めくくりたいと思います。盟友ドン・ヘンリーと一緒に歌い上げた美しきミドル・バラード、哀愁漂うリズムとメロディが実に印象的です。(合掌)・・



⇒次回は、ジョン・ウエットンの訃報が入り、急遽哀悼特集としてエイジアの「ヒートオブザモーメント」(1982)をお送りします。♪(;´д`)♪






★(162)Dボウイ&Mジャガー 「ダンシング・イン・ザ・ストリート」 (1985年) (2017.1.8公開)



c0119160_19262325.jpgRW洋楽コーナーも今年最初の記事をスタートさせたいと思います。昨年はロック黄金期の巨星達が次々と天に召された衝撃的な年でしたが、その口火を切った訃報が丁度1年前のデビッド・ボウイ死去(2016.1.10)のニュースでした。死の2日前に新作「ブラックスター」(参照記事:第25巻(139)「ラザロス」)をリリースしたばかりだったというのに・・!しかし宇宙から舞い降りて来たデビッドボウイのこと・・、死を予感し地球人へ強いメッセージを残した直後、敢えてこのタイミングでブラックスターへ戻る「当初からの計画的な昇天」だったのでは・・?と思えてなりません。デビッドボウイ(享年69歳)は若くしてこの世を去りましたが・・、かたや74歳を迎えるミックジャガー(ローリングストーンズ)はデビュー以来55年間音楽シーンの最前線を走り続け、今も飛んだり跳ねたり超パワフルな姿を維持し続けています!ビックリするのは昨年何と彼に8番目の子供が生まれたこと・・、普通ならピストルから赤玉(定量打ち止め)が出ている年齢なのに今も元気現役とは恐れ入りました・・(◎m◎)┌★*!そんな対照的な2人が1985年にコラボした「ダンス・イン・ザ・ストリート」を今回冒頭に掲載しましたが、彼らが1980年代に放った数々のヒット曲を紹介しながら「ボウイ1周忌の回顧」&「絶倫ミックの長命激励」のW記事にしたいと思います。

デヴィッド・ボウイの1980年代はアルバム「レッツ・ダンス」(1983)で商業的には最も成功を収めた時期といえるのかもしれません。「チャイナガール」(1983)などダンサブルな曲で音楽スタイルを一変させ、それまでのカルト的イメージを完全抹殺し一挙に主流商業路線に躍り出ることになりました。「モダン・ラヴ」(1983)や「ブルー・ジーン」(1984)などの曲もMTVに多く露出し、若い人はデヴィッド・ボウイはダンシングロック歌手と思いこんでいる人も多いのではないのでしょうか?我々世代は「スペース・オデティ」など70年代名曲を懐かしむファンが主体なので歯がゆい思いで聴いていた方も多いのでは・・?小生も80年代のボウイはアーティスト感覚が殆ど感じられず好きじゃないけど、やはりカメレオンの如く時代変化に合わせて生き抜いてきたその強かさには評価すべきものがあります。

さて80年代のローリングストーンズも同じ様な境遇に晒されていました。ストーンズといえばとにかく永遠に「ロックンロール」一途の印象が強いですが、お洒落な80年代では「もう古臭い消えゆくバンド」に見られていた感があります。しかし彼らも70年代後半~80年代は当時はやりのディスコサウンド風の曲を多く取り入れ、時代に合わせていかなければ生き残れないかもしれない・・と悪戦苦闘し路線修正に悩んでいました。しかし彼らは見事にPOPSシーン最前線へのTOP復活ができたのです!その象徴的な曲は「スタート・ミー・アップ」(1981)!往年のファンからは「流行のダンスサウンドを見境なく取り入れやがって(`ヘ´#)・・・」と強いブーイング もあったようですが、何と米国チャート2位に一挙躍り出てストーンズ自身もビックリ!予想外の成功にまだまだ自分達はやれるんだと自信を深めていきました。「エモーショナル・レスキュー」(1980)のように彼ら独特の雰囲気も維持しながら、その後も「ミックスド・エモーション」(1989)などヒットを放ち続けて90年代から21世紀へ・・、こうなると何をやっても全てロック超大御所と崇められる存在(「21世紀のローリングストーンズ」)となり、長寿・元気さも驚きの目で見られる伝説的なバンドとして鎮座し今に至っています。

「アフリカ難民救済」を目的とした20世紀最大のチャリティー・コンサート「ライヴ・エイド」企画(1985)の一環で、上記に紹介したデビッド・ボウイとミック・ジャガーのコラボ曲「ダンス・イン・ザ・ストリート」が実現しましたが、これは「往年のダサいミュージック・ビデオランキング」の上位に常にランキングされる映像で今見ると80年代のお洒落を気取った野暮ったさ加減が実に笑えます。この2人は当時おホモ達の関係にあったようで、デヴィッド・ボウイの元妻アンジーは二人が裸でベッドに寝ているところを見たとも発言しています。色恋お盛んなミックは傘寿・米寿になっても数々の話題を振りまきながら頑張っている気がします。早世したデビッド・ボウイもミックに対して「あんた、若い時には麻薬三昧でハチャメチャな生活していた割には何でこんなに長寿なの・・?」と大いに呆れ返っているかもしれません・・(笑) 両者とも時代の流れを敏感に感じ取り、往年ファンから一時罵声を浴びながらも苦しい時代を耐えて生き抜いたからこそ、後世に大御所的存在に認められ金字塔歴史を築き上げられたのだと思います。ローリング・ストーンズは昨年末に新譜「ブルー&ロンサム」をリリースし彼らの原点である泥臭いブルースやスワンプロックの道に回帰しています。生きていても亡くなってしまってもロック史に残る巨星達はしぶとく永遠に輝き続けることでしょう!

  by rollingwest | 2003-07-01 00:00 | 洋楽(ロック・POPS) | Comments(148)