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「My Favorite Songs」(第32巻)

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★(167)ランディ・ヴァンウォーマー 「アメリカン・モーニング」 (1979年) (2017.3.28公開)



c0119160_22313278.jpg1980年前後にかけて、多くの人達に親しまれた癒し声のシンガー・ソングライターランディ・ヴァンウォーマー」・・・、「名は体を表す」の言葉通り、音楽を愛する人達の心を暖かく包んでくれました。彼の名前を今や殆ど知られてはいませんが、冒頭掲載の「アメリカン・モーニング」(Just When I Needed You Most)を聴けば、「あっこの曲か~!」と40代後半以上の方ならば多くの方が知っている名曲だと思います。全米チャート4位の大ヒット、そして、日本では何度もTVのCM曲(トヨタやヤマハ等)に採用されておりサブミリナル効果的に多くの人々の脳裏に刻まれているはず・・。邦題はなぜか「アメリカの朝」と命名されており、その語感からはコーヒーの香り漂う爽やか朝風景をイメージしてしまいますが、実際の歌詞は愛する男に捨てられた女の失恋歌です。改めて聴いてみると、未練が漂う恋人を慕う心情が、清廉曲で一層切々と訴えかけてくるような気がするネ~。ランディの歌には捨て曲が殆どありません。美しいピアノとバラードで癒される「ヨア・ライト」(1979)は月の光も太陽の光も君には敵わないと多幸感溢れる恋の歌、切なくなる程メロディアスな「The One Who Loves You」(1979)も聴けば一遍に心が暖かくなるばかり!AORアーティストに括られていますが、カントリーテイストを感じるのも彼がロッキー山脈の麓(コロラド州)に生まれたからなのでしょうか。12歳で父親を交通事故で亡くし15歳で英国へ移住、少年時代から音楽活動をスタートさせても芽が出ずに1978年ニューヨークへ移住。苦労を重ねた末に24歳でようやくアルバム「Warmer」(1979)でデビューにこぎつけました。そして「アメリカンモ-ニング」はデビューアルバムを含めて予想もしなかった英米での大ヒットを記録し一挙世界的なブレイクを果たしてしまったのです。美しいバラードだけではなく、「Losing Out on Love」(1979)のようなPOPで明るいナンバーや、溌剌さを感じさせるAORナンバー「フォーエバー・ラヴィン・ユー」(1979)や、「愛のシャワー」(Whatever You Decide) (1980)も名曲!また、宇宙をモチーフにした「テラフォーム」(1980)は壮大な組曲となっており、このアルバムも彼の隠れた必聴のお宝物名盤。彼の曲は爽やか系・軟弱系の曲ばかりと思いきや、ポリスみたいな雰囲気を感じさせる「彼女はスージー」(1981)のような異色のお洒落曲もあり彼の音楽性の幅広さを感じます。ちなみにスージーとは彼の妻歌った曲、彼は愛妻家としても知られ家族を大切にしたいい夫であり父親だったそうです。しかし無念にも2003年に白血病を病むこととなり、その1年後に48歳の若さで亡くなってしまいました。ランデ・ヴァンウォーマーの遺した爽やかで暖かき名曲の数々は名前の通り「Warmer」でした・・。透明感溢れるミディアム・バラード・ナンバーは永遠に我々の心に暖かく刻まれ続けます。最後は、さらに彼の代表曲「コール・ミー」(1979)を聴いてお別れとしましょう。



⇒次回は、ピンクフロイドのデビュー50周年を記念して初期の名曲「夢に消えるジュリア」(1968)をお送りします。♪\(^◇^)/♪





★(166)クリスタルゲイル 「瞳のささやき」 (1977年) (2017.3.12公開)



c0119160_21563629.jpg今回はいつもと趣を変えて1970年代の歌姫「クリスタル・ゲイル」を紹介したいと思います。今は殆ど知られていない女性歌手ですが、1970年代ラジオで洋楽に耳を傾けていた方には懐かしい名前かな・・。デビュー時の音楽路線は「ポップ・カントリー」のジャンル、例えばリンアンダーソン(ローズガーデンが名曲)や初期オリビアニュートンジョンと同じ様な存在だったのかもしれません。最大ヒットした上記の代表曲「瞳のささやき」(1977・全米カントリーNO1)では透き通ったボーカルとジャジーなピアノ、色っぽいスローバラードを憂いを込めて歌い上げているので、当時はクロスオーバー風なジャスシンガーの人だと思っていました。「貴方が去ってしまうと、私の茶色い瞳は悲しみのブルー色に染まってしまう・・」という内容の魅力的な哀愁歌・・。彼女がカントリ-の女王ロレッタ・ リンの妹であることやデビュー曲「アイブ・クライド」(1970)を聴けばわかる通り、初期の頃は完全にカントリー歌手カテゴリーで括られていました。しかし1970年代半ばに入ると「愛の帰り道」(1977)など、カントリー色・ほのぼの調を残しながらも徐々に垢抜けた曲調が見え始めています。彼女が音楽路線を転換させようとしている意志がさりげなく出ている雰囲気・・。名曲「瞳のささやき」も含めた最大名盤「水晶の恋人」は1978年グラミー賞カントリー女性ボーカル部門を受賞(当該部門で初のプラチナレコード獲得)となり、ついに世界的なブレイクを果たすことになりました。アメリカンTOP40を愛聴するPOPS路線愛好家(RWはその一人)にもあまねく知られる存在になったのはこの頃です。「涙のセレナーデ」(1978)は完全に洗練された大人のバラード曲「夢のひととき」(1978)のLIVE映像を見るとストリングスを導入しており音楽の幅を広げていることがよく解ります。もう一つ彼女が独自性をアピールしているのは容姿!後ろ髪の異常な長さはまるで平安時代の和歌美人の如し・・!「春風のプレリュード」(1978)のユーチューブ映像でその長い髪オバ様のお姿が御覧になれます。70年代最後は「ハーフ・ザ・ウェイ」(1979)が全米15位でヒット!「途中で終わりってのはやめてね、最後までお願い」なんて意味深ながらも爽やかな名曲が印象に残っているなあ・・。1980年代に入ると彼女はさらに交流を広げてエディ・ラビ ットとのデュエット曲ユ-・アンド・アイ」(1983)で全米7位(4周間連続)という復活を成し遂げました。カントリー歌手から華麗なるトップスターへの転進はオリビアニュートンジョンやテイラースイフトと同じ道を辿ったパターンの一つかな・・。






★(165)アリス・クーパー 「ユー・アンド・ミー」 (1977年) (2017.2.26公開)



c0119160_13534022.jpg1970年代初頭、デビッドボウイは中性的雰囲気と奇抜な姿でグラムロックの旗手としてT-REXマークボランと人気を2分していました。グラムロックのカテゴリー分けは音楽性というよりもその外観にあり、ケバいメイクとド派手衣装で刺激的に演奏するビジュアル重視のロックバンドの先鞭的な位置にあったといえましょう。追随する多くのバンドがありましたが、その中で最も衝撃的で毒々しい存在がアリス・クーパー」だったような気がします。ボウイやロキシーミュージックが官能的な姿だったのに対して、アリス・クーパーは大蛇を首に巻いてド派手なグロテスク・メイクのヘビー(蛇~)なロックを演出、当時大ヒットした「スクールズ・アウト」(1972)のサウンドとギロチン・パフォーマンスを行う姿に大衝撃を受けたものです。1969年デビュー、やや渋めの本格ロック曲「エイティーン」(1971)がヒットし、続く「スクールズ・アウト」が世界的にブレイク!さらに6枚目の最高傑作「ビリオンダラー・ベイビーズ」(1973)はゴールドディスクに輝き、その実力が大いに評価される存在となりました。この中からは「アリスは大統領」(1973)をチョイスしましょう。そんな毒々しかった彼が1970年代中盤になると突然大変身・・、美しいバラード路線に転換したのです!「アイ・ネバー・クライ」(1976)を初めて聴いた時、「こ・こ・これがあのアリス・クーパーか~!?」と本当に驚いたものです。そして冒頭に紹介した「ユー・アンド・ミー」(1977)とLASTに紹介する「時が流れても」(1977)と三大美曲を立て続けにヒットさせて復活を遂げ、RWは新しい彼の魅力を再発見し嬉しかったなあ・・!メロディ重視のデイヴィッド・フォスターとタッグを組んだ「閉ざされた世界」もリリースしていく路線転換の時代でした。アリス・クーパーの名は、可愛らしい女子の名前を付けることで実際の音楽・ビジュアルでギャップを狙ったとのことですが、彼は世間を驚かせるような変身が大好きなのかも・・。その後1980年に入ると低迷期に入りますが、今度は1986年映画「13日の金曜日ジェイソン」の主題曲「ヒー・イズ・バック」でまたまた復活したのです。ショック・ロック元祖としてホラーな初期時代のイメージがうまく映画と一致したんだろうなあ・・。その後は、「ポイズン」(1989)や「トラッシュ」(1989)などの本格的なアメリカン・ハードロックバンドの王道を走り、キッスやエアロスミス、ボンジョビ、ガンズ・アンド・ローゼズ等と並ぶロックバンドの重鎮として2011年にロック殿堂入りしています。キワモノ路線(第1期)からバラード路線(第2期)に変身し、アメリカンハードロックバンド(第3期)へと変遷・・、時代の流れを先読みしながら生き抜いていった点はデビッド・ボウイと通じるものがあるような気がします。LAST締め曲は、小生が大好きなアリス三大美曲の一つ「時が流れても」(How You Gonna See Me Now)(1977)で締めることにいたしましょう。

  by rollingwest | 2003-08-01 00:00 | 洋楽(ロック・POPS) | Comments(130)