<   2007年 09月 ( 5 )   > この月の画像一覧

 

<2007年9月27日>長沢浄水場(その1)~「山田建築美」と「水のありがたさ」を知る~

★長沢浄水場

先日掲載した「隅田川三橋・東京下町風景」レポートの作成に携わった時、「永代橋」「清洲橋」の設計者である「山田守」の名前を初めて知りました。→「隅田川三橋と東京下町風景」

                   永代橋(左)と清洲橋(右)c0119160_15122247.jpgc0119160_15201568.jpg


川崎市自宅の近隣丘陵には、この方によって昭和32年につくられたお洒落でモダンな芸術建築「長沢浄水場」があります。(小生と同い年生まれであり、今年で建築50周年を迎えます。)

また「長沢浄水場」は、少年時代夢中になった特撮TV「ウルトラQ」「ウルトラマン」の撮影舞台だったということもあって、「山田守アート建築美」と一緒に取材すべく早速に構内見学をしてきました。

c0119160_15245174.jpgc0119160_15273319.jpg
..↑建築当時の浄水場(建築家山田守研究所サイト:掲載了解済)...今年改築お色直しした建物↑...

事前に見学許可を得て職員の方に構内案内をしてもらい、東京・神奈川に供給されている上水道の水源や水系・流路も勉強することができましたのであわせてレポートいたしましょう。


★建築家「山田守」

「山田守」(1894-1966)は日本を代表する近代建築家のひとりで、数々の有名な建築物(東京逓信病院・電信局、日本武道館・聖橋・京都タワー・新潟万代橋など)をつくった人だそうです。
このたび「山田守建築事務所」様や「建築家山田守研究所」様よりご協力を頂きました。
誠にありがとうございました。  リンクHP→リンク:「山田守建築事務所」


....(左)日本武道館(九段)......                    ....(右)万代橋と信濃川(新潟)..
c0119160_154838100.jpgc0119160_15443598.jpgc0119160_1545541.jpg
....「山田守の」肖像写真↑(建築家山田守研究所サイトよりお借りしました)....

先日紹介した「永代橋」「清洲橋」のデザイン設計の他に、数々の公共建築物(病院・電信局・水道局等)にその名を残しています。ファンタジックな美しい曲線やアーチを取り入れた不思議な美しさを建物の中に表現しており、多分この方は先進・未来志向でお洒落な人物だったのでしょう。


★「マッシュルーム・コラム」建築

長沢浄水場」は川崎市北部(多摩区)の丘陵地高台に立つ浄水施設で、近くには聖マリアンナ医大病院・専修大学生田キャンパス・向ヶ丘遊園・生田緑地・岡本太郎美術館などがあります。
ここには東京都と川崎市の2つの浄水場が隣接していますが、今回構内見学させてもらったのは「東京都の長沢浄水場」でした。(隣接の川崎市水道局建物は後半「ウルトラQ」で紹介します。)


この建物が特徴的だな・・と思ったのは「マッシュルーム・コラム」と呼ばれる「キノコ型円柱」が列をなして配置されていることです。長い廊下に林立するキノコの列柱は、浄水場とは思えない美術館通路のような独特な雰囲気を醸し出していました。この廊下風景が一番優美でよかったですね・・。
c0119160_16213553.jpg
...「マッシュルーム・コラム」が連続する「操作廊下」↑以前は外柱も含めオレンジ色だった。.....


「山田守」のデザインは、曲面を用いた伸びやかな造形を特徴として日本の建築界に異彩を放っている・・・。と紹介されているとおり、建物内部に散りばめられている「マッシュルーム・コラム」群は「京都タワー」の和ロウソク表現や「聖橋」の美しいアーチに共通するものを感じます。「キノコ柱」は構内エントランス・階段などにも配置、会議室はさながら美術館ギャラリーのようでした。

c0119160_16315960.jpg
        .....「マッシュルーム・コラム」の会議室↑、実に優美秀麗!.....


キノコ柱は建物外壁からも見ることができますが、このような外観デザインこそ山田建築の独特な優美表現です。でも優しい色に塗り変わり、建設当時(白黒写真)と雰囲気は大幅にイメチェ~ン!

..(左)京都タワー(批判も受けましたが・・)....          ...(右)聖橋のアーチ(御茶の水)..c0119160_16421223.jpgc0119160_16422993.jpgc0119160_16424512.jpg
.....建物を支える「マッシュルーム・コラム」↑は外面からも見えて、モダン建築美は一層映える。....


今年、耐震強化のため改修が行われたのですが、目に優しいアイボリーホワイト色に塗り変えられたことから、さらに「美観を意識した建造物」に生まれ変わっているような気がします。




★「浄水場」構内見学

せっかく構内見学の機会が得られて、建築美だけでなく「浄水の仕組み」についても職員の方から教えていただいたので、今回構内撮影した水道局としての浄水施設写真も公開してみましょう。

...↓浄水プール内部....沈殿・ろ過装置や水処理プール池↓...(ここは高台で景色がよい)c0119160_1743910.jpgc0119160_1745490.jpgc0119160_175724.jpg
                              ...高度浄水処理装置↑(出典:東京都水道局)...

「浄水」とは、河川から取り入れた水を安全な飲料水にするために行う3段階の処理工程、「沈殿」「ろ過」「消毒」のことをいいます。長沢浄水場が取り入れている水の源は相模湖・津久井湖です。

浄水場には、これらの処理を行うプール池・ろ過装置・取水ポンプ・太陽光発電パネラー等が配置されており、活性炭・オゾン処理ができる「高度浄水処理装置」もありました。この装置は、東京の各浄水場にも順次増強していく予定で、東京の水もだんだんと美味しくなっていくことでしょう。



★「東京の水源」・「神奈川の水源」

東京都の水源を調べてみると78%が「利根川・荒川」水系」(群馬・秩父のダム)、19%が「多摩川」水系、「相模湖」水系他は3%となっていました。「東京都長沢浄水場」は「相模湖」水源で世田谷区・大田区に水を供給していますが、東京全体の中での供給量割合は超少数派なんですね。

              ※↓クリックするとグラフ・地図が拡大表示がされます。
c0119160_17281415.jpgc0119160_17283634.gif
 .....↑東京都の水源(出典:都水道局).....神奈川県の水源・ダム・河川↑(出典:神奈川県HP)....

今年は「暖冬による雪不足」・7月初めの「カラ梅雨傾向」で全国的渇水が心配されるという局面が一時ありましたが神奈川県については水不足で困ったという話をあまり聞いたことがありません。
実際に調べてみるとやはり神奈川県の水源は実に豊富、何と4つの貯水ダム湖と2つの大きな川によって支えられていることがわかりました。

c0119160_17403664.jpgc0119160_17405396.jpg
.......神奈川県の豊富な水を支える水源ダムは4つある。(左)相模湖ダム、(右)宮ケ瀬湖ダム.....


相模川」「酒匂川」・鮎も遡上する2系の河川、「相模湖・津久井湖・宮ヶ瀬湖」(3つの湖の水系元は山梨)と「丹沢湖」(神奈川)という合計4つの大きなダム湖、これらの水源供給力は万全です。
相模川の源流を辿っていくと先日訪ねた大月「桂川」や富士「山中湖」、酒匂川の源流は丹沢や御殿場に行き着きます。つまりそのルーツは「富士山」や「丹沢・道志山塊」ということなのか・・・。

な~るほど、神奈川が豊富な水に恵まれている理由がよくわかりました。先日「川崎の水ってマズそうだね。」という人がおりましたがそれは大きな誤解・・、実は神奈川県の水は美味しいのです。

c0119160_17393383.jpg
   .....「長沢浄水場・水彩画」、浄水場パンフレット表紙(掲載許可了解済).....


人間の命の源は水。人体の60~70%が水から構成されており健康維持は水が大事と云われます。(汚染水拡大の現在の中国の人たちは環境激変・健康不安の恐怖に晒されていることしょう。)
日本は世界的にも水に恵まれた国のひとつ(←山や森林の多い国土・雪解け水・多雨気候・台風・高度な水利技術等)ですが、このようなプロセスを経てさらに安全かつ美味しい水を安定供給してもらえる幸せを日本人は感謝しなければならないと思いました。 水道局の皆さん、ありがとう・・。


 
(後半)            →長沢浄水場(その2)~「怪獣特撮TV」ゆかりの地を訪ねて」に続く



                                               

  by rollingwest | 2007-09-27 23:03 | レトロな風景 | Comments(0)

<2007年9月27日>長沢浄水場(その2)~「怪獣特撮TV」ゆかりの地を訪ねて」

(前半)      長沢浄水場(その1)~「山田建築美」と「水のありがたさ」を知るより続く


      
★円谷プロ特撮TVの撮影場所           


小学生の頃、小生は「怪獣マニア」少年でした。
東宝映画「ゴジラ」シリーズや大映「大魔神」「ガメラ」、その他B~C級特撮映画に至るまで夢中になって雑誌・写真・模型などを集め、怪獣の諸データ(身長・体重・出生等)を覚えたものです。

  .....塗装される前はオレンジ配色だった長沢浄水場↓(出典:「光跡」HP).....
c0119160_19493028.jpg

長沢浄水場」は今回構内見学した「東京都」施設、それに隣接する「川崎市」の浄水場施設ともに、円谷プロの初期TV特撮映画の金字塔「ウルトラQ」「ウルトラマン」の撮影場所だったのです。

     カネゴン           ペギラ           ガラモン        ケムール人    
c0119160_9461635.jpgc0119160_9462843.jpgc0119160_9464392.jpgc0119160_9465574.jpg

今回の構内見学の契機は、「少年時代に味わった懐かしいTV特撮の感激をフラッシュバックしてみたい。現場をこの目で見てみたい・・・。」という思いがあったからなのでした。


 ..↓隣接する「「川崎市」の「長沢浄水場」(こちらは山田守建築ではないがSFチックな外観).....c0119160_2013868.jpgc0119160_20135288.jpg
.....「ウルトラマン」の「科学特捜隊:科学センター」や「ウルトラQ」の数多くの撮影に使われた。.....


★「ウルトラQ」

昭和41年1月9日、「ウルトラQ」TV放送開始「第1話ゴメスを倒せ」を視聴した時の感動を忘れることはできません。オープニングで現れた「ウルトラQ」のタイトル(徐々に変化形成されていくマーブル文字)、不気味さを奏でるBGM、石坂浩二の神妙なナレーション。(ああ、懐かしい・・・)c0119160_20535823.gifc0119160_2054295.gif
...「ウルトラQ」オープニングを飾る文字、「ガッチャン!キキキー」、不気味なBGMが恐怖感をそそる。...


この番組は「ウルトラマン」開始前に放映されていた空想特撮TV映画なのですが当時は白黒。
これが実にいい・・・。このモノクロ映像が一層のリアリティさと恐怖感を高めてくれていたのです。

   ゴメスvsリトラ         パゴス      マンモスフラワー        モングラー   c0119160_9521979.jpgc0119160_9523947.jpgc0119160_9525376.jpgc0119160_953468.jpg
 

日曜日のゴールデンタイム、毎週タダでお茶の間で怪獣が見られることが本当に嬉しくて嬉しくて、毎日ワクワクしてこの放送時間を待っていたものです。  (((*^o^*)~~~ワクワク・・・!


c0119160_2163616.jpgc0119160_2165083.jpg
.....「ゴメス」「ゴロー」「ジュラン」↑自宅撮影にて不鮮明画像ご容赦↑「ケムール人」「ペギラ」....


「長沢浄水場」がこの「ウルトラQ」で撮影に使われた番組は次のようなものがありました。
→「2020年の挑戦」(ケムール人)、「宇宙からの贈り物」(ナメゴン)、「虹の卵」(パゴス)など・・・
今の時代にはマニアックすぎかも・・(笑)大ファンの方がいましたら是非とも友達になりましょう!

     ラゴン                                       バルンガ
c0119160_9561232.jpgc0119160_9562674.jpg

                     リンク:「光跡」HP(参照→ウルトラQ・ウルトラマン)



★ウルトラマン

c0119160_2202587.jpgc0119160_2205661.jpg

TBS系日曜夜7時から8時といえば、日本全国の子供たちにとっては断トツのゴールデンアワーでした。「タケダ・タケダ・タケダ~」のBGMで始まる「武田薬品」空撮CMは「月光仮面」・「隠密剣士」「ウルトラQ」「ウルトラマン」「セブン」と続く、TV時代黎明期から高度成長時代までの夜のお茶の間人気番組。そして7時30分からは「不二家」提供の「ポパイ」「オバQ」「パーマン」「怪物くん」「サインはV」等が登場。(ああ、今から思うとスゴイ!幅広い世代の方が懐かしがる時間帯です。)

c0119160_21394372.jpgc0119160_2140048.jpg
...「ウルトラマン」登場の怪獣達、「バルタン星人」「アントラー」「ゼットン」、まだまだ紹介したい。...


昭和41年7月10日、「ウルトラマン」放送開始。「ウルトラQ」に次いで登場したこの番組の平均視聴率は30%を超え、最高視聴率は42.8%だったそうです。(まさに国民的ヒーロー登場!)
世は高度成長時代の真っ只中。怪獣・特撮ドラマの世界でも、当時斜陽化し始めていた映画銀幕からTVで楽しむ時代にトレンドシフトしておりました。

      ウー            ガバドン           ガボラ         ガマクジラ    
c0119160_2265838.jpgc0119160_2275930.jpgc0119160_228133.jpgc0119160_2282653.jpg

殆どの家庭にTVがようやく普及し、ちゃぶ台で家族が夕食を一緒にとった時代。日本国民の意識・価値観も、ニュース・事件・歌・娯楽等への興味も現代のようにバラバラ・自分勝手ではなく、皆で共通のものに関心を持っていました。だからこそ驚異的な高視聴率は必然的な数字であり、今でも同世代の人たちと一緒に「昭和レトロ」を懐かしがることができるのも、我々世代の少年時代がまさに「ALWAYS・三丁目の夕日」の街風景を同時に見ていたからに他なりません。

      ギガス           ギャンゴ          ケムラー        シーボーズ    
c0119160_22144332.jpgc0119160_22145869.jpgc0119160_22153825.jpgc0119160_2215539.jpg

第1話の「ベムラー」登場から最終回の「ゼットン」(唯一ウルトラマンが倒された怪獣)まで、次々に登場する新怪獣たちに小生は本当に夢中になりました。シール・写真やソノシートを集めたり、怪獣図鑑で全プロフィールを覚えたりしたものです。少年心に昭和40年前後は濃縮した数年間でした。


「長沢浄水場」は「科学特捜隊の科学センター」として登場した懐かしいレトロ風景だったのです。
c0119160_21462796.jpg
            .....「長沢浄水場・水彩画」、↑浄水場パンフレット表紙....


自分が小学校高学年になるにつれ、怪獣TVへの夢中な気持ちは当然徐々に薄れていくのですが、その後ウルトラヒーロー物がシリーズ化されて、完全に興味を失ってしまいました。
初代ウルトラマン」が、以降のウルトラヒーロシリーズと決定的に違う点は、「ウルトラマンが決して主役でなかった」ことです。この物語主役は「科学特捜隊」、あくまでも怪獣の脅威から地球を守る「人間が主役」(ウルトラマンは最後のお手伝いという位置づけ)なのです。
でも結局最後は人間の手に負えず「葵の御紋」ハヤタ隊員に頼ってしまうわけなのですが・・・。

      ジラース          スカイドン          ダ ダ        テレスドン    
c0119160_2220324.jpgc0119160_22204737.jpgc0119160_2221271.jpgc0119160_2221167.jpg

何が言いたいのか・・。小生の大好きな特撮映画は「リアリティ・恐怖心」を感じさせてくれるものでないと満足できません。モノクロ映像が醸し出す不気味さや人間主体のSFドラマになっていないと、そこに臨場感はなく全く燃えないのです。ウルトラマンシリーズは×印、単なるヒーロー物です。
初代ウルトラマンは「人間主役」なので許せますが、やはり特撮TVの金字塔は白黒「ウルトラQ」。これを超えるものはありません。その素晴らしい舞台となった「長沢浄水場」・・に会えてよかった。

     ネロンガ           ヒドラ          ペスター        レッドキング    
c0119160_22233991.jpgc0119160_22235551.jpgc0119160_2224117.jpgc0119160_22242726.jpg




★特撮映画のルーツ・トライアングルゾーン

川崎市多摩区を挟む多摩川に架かる橋「多摩水道橋」を渡ると、東京都西部ゾーン狛江市・調布市・世田谷区に入ります。ここに怪獣映画のルーツ「東宝」と「大映」の撮影所があることを発見!
県境・多摩川を越えてはいるものの、当3ケ所は何と半径2Km圏内に近接・存在しているのです。
c0119160_100135.jpg


「怪獣映画の里」がこんな近隣に点在していたのか!今回その盲点を発見したことに気づいて自己満足で舞い上がり、勝手に「特撮映画のルーツ・トライアングルゾーン」と名付けさせて頂きました。
怪獣ルーツ探索心に火がつき、さらに「レトロ懐古探訪の東京ミニ旅」を続けることにしました。

c0119160_2155113.jpgc0119160_21552332.jpg
  .....「多摩川水道橋」、相模川の水を都内供給用に水道管が設置されていたことが名の由来.....


「長沢浄水場」をあとにしてこれから訪ねる場所は、調布市にある「角川大映撮影所」と世田谷砧の「東宝スタジオ」です。ご存知の通り前者は「大魔神」「ガメラ」、後者は「ゴジラ」「ラドン」「モスラ」「キングギドラ」など、我々少年時代の夢を彩ってくれた怪獣たちの生まれ故郷です。

      ガメラ          バルゴン          ギャオス           ガッパ  
c0119160_1022096.jpgc0119160_1023419.jpgc0119160_1024898.jpgc0119160_1025834.jpg
 
  
いずれもスタジオ内部は一般公開されていませんが、各2ケ所のスタジオにはそれらを代表する「大魔神」と「ゴジラ」のモニュメン像が雄々しく仁王立ちしていました。  (n^。^)/ カッコイイー!


 .....「大魔神」の憤怒像(左)と埴輪像(右)、↓人間の愚行に鉄槌を下す金剛武神の大迫力.....c0119160_2205869.jpgc0119160_2214537.jpg
  ....↑大魔神が「そんなの関係ねー!」やっているように見えるんですけど(笑)~オッパッピー


★「大魔神」

この映画(三部作)は大映が成し遂げた日本特撮映画の歴史に名を残す秀作と言えましょう。
大映の怪獣といえば「ガメラ」シリーズが有名ですがあまり感動を感じませんでした。(特撮技術や物語内容が子供ダマシっぽかった)。しかし「大魔神」シリーズは違います。本当に怖かった・・・。

カラー映画にもかかわらず、白黒映画の持つ陰翳とリアリティ・恐怖感がひしと漂っていたのです。日本の民話・伝説も取り入れた時代劇が背景となっており、民俗考証表現もしっかりしていました。
c0119160_1045429.jpg

そして、あの重厚で不気味なBGMの作曲者は誰かと調べてみたら何と「ゴジラ」BGMで有名な「伊福部昭」・・。なるほど、迫り来る恐怖を呷る「伊福部サウンド」は大映でも活躍していたのです。

リンク:「大魔神」ストーリー

c0119160_1152190.jpgc0119160_1154354.jpg
....自宅撮影につき不鮮明画像、ご容赦↑......「角川大映撮影所」を守る「大魔神像」雄姿2体↑...


愚かな圧制君主を成敗する魔神、埴輪から変化する「蒼白・憤怒表情」の物マネは皆の大流行り。
昭和41年、「ウルトラQ」「ウルトラマン」と同じ年にデビューした「大魔神」の登場は子供心に衝撃的でした。当時の「ゴジラシリーズ」はすでに子供向映画に堕落しており、大映「大魔神」は東宝に大鉄槌と喝を与えてくれた「職人的な特撮映画」だったと今でも崇め信じております。 (`ヘ´#)怒




★「ゴジラ」


「ゴジラ映画の堕落」を嘆いてしまいましたが、やはりゴジラが「シェー」をした昭和40年「怪獣大戦争」(悪役キングギドラにゴジラ・モスラ・ラドンが結集して宇宙で戦う物語)あたりから、東宝特撮映画に対してはシラケ感と虚しさを感じ始めていました。その後「ゴジラの息子」が登場し、ゴジラが火を吐きながら空中を飛ぶシーンなどはもう馬鹿馬鹿しくて見ていられません。溜息が出ました。

c0119160_1122408.jpg
...↑世田谷区砧「東宝スタジオ」前には迫力ある怖い「ゴジラ」が立ちはだる。アアアー!フォー!咆哮...


やはり第1作・昭和29年「ゴジラ」(世界に誇る日本特撮映画金字塔)を超えるものはありません。小生は製作時期には生まれていませんが、何回見ても素晴らしい恐怖感と感動が味わえます。
(製作:田中友幸、監督:本田猪四郎、特撮監督:円谷英二、音楽:伊福部昭の黄金のカルテット)
c0119160_1010176.jpg


原水爆実験が生んだ大怪獣、得体の知れぬ登場プロセス、伊福部音楽が奏でる独特の恐怖感、傷ついた多くの人たちが病院に運ばれていくパニック光景と祈りの姿、身を犠牲にして人々を救う芹沢博士の葛藤、博士を慕う娘の悲しき恋愛物語など、恐怖におののく人間たちのドラマがきめ細かく表現されています。モノクロ映像の陰翳がより一層のリアリティで迫ってくる大名作なのです。
そして放射能や環境破壊に対する強烈なアンチテーゼ・メッセージを送る映画でもありました。

              リンク:「昭和29年・第1作ゴジラ」ストーリー
c0119160_11273746.jpgc0119160_11275889.jpg
...第1作「ゴジラ」(自宅撮影で画像不鮮明・ご容赦)...東宝スタジオ近く、「仙川」の美しい桜並木...


東宝映画特撮物ではむしろあまり注目されなかったB級怪獣映画(ドゴラ、バラン、マタンゴ、フランケンシュタイン対バラゴン、サンダ対ガイラ等)の方が好きでした。ラドンやモスラのソロ初登場の映画も人間主役で印象深い内容です。そしてゴジラは常に悪役でなければなりません。アンギラス、キングコング、モスラと1対1で戦った頃の「怖いゴジラ」が小生の怪獣映画に燃える原点です。

        ラドン               モスラ           キングギドラvs三大怪獣
c0119160_10133343.jpgc0119160_10134595.jpgc0119160_10135872.jpg

    バラン       海底軍艦        ドゴラ     フランケンシュタイン対バラゴン サンダ対ガイラ
c0119160_22131335.jpgc0119160_22134142.jpgc0119160_2214676.jpgc0119160_22142119.jpgc0119160_2214487.gif
 

        ↓詳しく懐かしい怪獣映画を思い出したい方はこちらよりどうぞ!
           リンク:(懐かしい沢山の怪獣たちが見られるHPです!)


その怪獣たちを生み育ててくれた「東宝スタジオ」は、閑静な世田谷区高級住宅街の中にひっそりと佇んでいました。(でも最新鋭の未来的なスタジオで非常にいい感じ)
                            リンク:「東宝スタジオ」HP
c0119160_11383768.jpg
.....「ゴジラ」の左に見えるスタジオ壁面には、名作「七人の侍」(三船敏郎ら)のヒーロー達!.....

                              リンク:「青梅:昭和レトロの歩き旅」


★ふたたび「長沢浄水場」

c0119160_20572136.jpg
c0119160_11404662.jpg
           .....建築当時の浄水場↑(山田守建築事務所HP:掲載許可済).......


長沢浄水場施設の見学から多摩川を渡った途端にかなり横道へ外れてしまいましたが、今日はなかなか楽しい一日でした。(未取得の夏休み休暇残を有効に使うことができ大いに満足・・)
c0119160_21353894.gif

「山田守の建築美」、「水源・水路のお勉強」、「懐かしい怪獣映画への回想フラッシュバック」。
これらの3テーマには何の脈絡もないのですが、「長沢浄水場」が触媒となってくれていい機会を与えてもらいました。浄水場と同じ50歳を迎えるこの年に「懐かしい昭和少年時代の思い出」を引き出してもらい、感謝・感謝!  大変お世話になりました。ありがとう~! (##^0^)//" 
 
     
                                                       おわり

  by rollingwest | 2007-09-27 19:39 | レトロな風景 | Comments(16)

<2007年9月17日>隅田川三橋と東京下町風景 

            (祝!隅田川三橋:国の重要文化財指定)


「隅田川」は江戸・東京下町を流れる代表的な川ですが、現在20数脚の橋が架けられています。
その中にも個性的な橋が沢山あり、いくつかは「水の都:東京の名所」にもなっています。
橋の下を行き交う隅田川ライン下りも非常に人気、一度体験してみてはいかがでしょうか?


 ...出典:「隅田川にかかる橋」:(財)東京都公園協会HP(地図掲載許可済)...

c0119160_1740859.gif

リンク:東京都公園協会HP「公園へ行こう」
     ↑地図をクリックすると綺麗に見られます。


今年(2007)6月、「勝鬨橋」・「永代橋」・「清洲橋」の有名な三橋梁(何れも中央区と他区を架橋)が「国の重要文化財」にめでたく指定されました。  ヽ(^◇^*)/ オメデト~ォ!
これを機会に歴史ある近代建築の鋼橋を訪ね歩くとともに、「重要文化財:三橋」周辺に残っている東京の数少なくなった「レトロ風景」もあわせて取材してきました。
山や自然の紹介ばっかりでは飽きられますのでたまには大都会の風景をレポートしてみましょう。

 (各写真クリックで拡大写真が表示、夜景写真はインターネットよりお借りしました。ご容赦下さい)


★かちどき橋c0119160_20292587.jpg

「かちどき」とは勇ましい名前ですが、日露戦争の祝勝記念\( ̄▽ ̄ )/~~~として「築地」と「月島」を結ぶ渡し舟「勝鬨の渡し」が設置されたことにその名の由来があるそうです。

この橋自体の完成は昭和15年。戦前に開かれるはずだった「幻の東京オリンピックと万国博」の開催予定地への入り口として象徴的に設置されたとのこと。
当時は海運が主流の時代。隅田川を行き来していた3千トン級船舶の航行支障を防ぐために橋の真ん中が跳ね上がって開くという珍しい仕掛けがしてありました。
(1日5回の開脚、最大70度の角度まで開いたらしい!)★スゴイ・・・ (*゜0゜)

...その名のとおり威風堂々とした風格の「勝鬨橋」、銀座と月島を結ぶ.....
c0119160_1875923.jpg


「跳開されている勝鬨橋の」古い写真をインターネットで探してみたのですが、なかなか公開されておらず、やっと見つけた下記の映像は結構貴重なお宝モノなのかもしれません。
20年前の東京支店セールス時代、豊洲・有明に販売店さんがあってこの橋を通って頻繁に訪問したものだなあ・・と久しぶりに懐古感慨。(その時の橋の色は水色だったことを記憶しています。)

  .......現在は見ることができない「勝鬨橋」跳開と船舶航行時の写真........
c0119160_18101781.jpgc0119160_18103710.jpg
         ......出典:↑ASHYさんのHP「東京探訪」よりお借りしました。........

高度成長時代爛熟期の中で、昭和45年を最後に「勝鬨橋」は「開かずの橋」となってしまいました。21世紀の今、この東京風景を復活し跳開させたいという市民運動や都の動きもあるようです。
しかし現実的には多額の費用がかかり大渋滞影響も懸念されて夢の実現には至っておりません。
c0119160_9164071.jpg


「勝鬨橋」がある場所は、まさに銀座・有楽町・日比谷といった日本一等地のすぐ近く。
「晴海通り」を銀座から橋に向かえばやがて左手に「歌舞伎座」や「築地本願寺」が見えてきます。

                         「歌舞伎座」
c0119160_1816097.jpg

「歌舞伎座」は東銀座に威風堂々と鎮座する名実ともに日本を代表する歌舞伎劇場。
明治22年建築後、関東大震災や東京大空襲の災禍に見舞われましたが見事復活し、今は世界無形遺産「KABUKI」の殿堂として、東銀座の雰囲気に幅広さ・深みを与えている建物です。
歌舞伎観劇は難解のイメージがありますが意外とそうではありません。今から10数年前に優秀販売店の奥様招待会をこの場所で催して大好評でした。解説イヤホンをつければ非常にわかりやすいし、現代喜劇的なものもあったりして意外と親しみやすいんだなあ・・・との印象を受けました。



                      「築地本願寺」
c0119160_18282092.jpg

「築地本願寺」は、浄土真宗のお寺ですがその外観は圧倒的かつ個性的!古代インド様式のオリエンタルな雰囲気の建物です。20年前初めて本堂に入ったとき、堂内にパイプオルガンがあることを発見し大変驚きました。コテコテの日本仏教「浄土真宗」のお寺なのに、西洋楽器とインド建築のトリプル・コラボレーション。何じゃコリャー~、|)゜0゜|) 日本のお寺じゃねー!・・・と思ったものです。
ここでお葬式があげられる人は、社会的に相当地位の高い方や有名人というイメージがあります。


               「築地市場」(東京都中央卸売市場)c0119160_18314919.jpgc0119160_18321079.jpg
........↑活気ある市場の中.......川面から望む「築地市場」外観、高層ビル群に東京タワー↑........

江戸時代は日本橋が最大の魚河岸でしたが、関東大震災壊滅を受けてここに臨時市場を開設したのが「築地市場」の始まりだとのこと。首都圏の食生活をまかなう生鮮食料品流通の一大拠点(3千トン以上の魚や野菜が入荷)に発展しており、場外市場や場内飲食店には多数観光客が押しかけるようになりました。(有名寿司店は2時間並ぶのもザラだとか・・。小生には到底できません)

c0119160_18354944.jpgc0119160_1836531.jpg
........↑場外市場は新鮮な魚が並ぶ......高層.ビルがどんどん増え、時代の波が迫り来る↑........

「築地」は日本一有名な市場!築地地名は江戸時代、振袖火事の後に築かれた埋立地が由来。
石原知事が5年後に豊洲(東京ガス工場跡)へ移転しようとしていますが、「土壌汚染の危険性がある場所への移転は反対!」「新鮮・安全の食のイメージが崩壊する」と拒否の声も強いようです。

                     「波除神社」c0119160_20114587.jpgc0119160_2012345.jpg
散策してみると、喧騒な築地市場の脇には「波除(なみよけ)神社」が静かに鎮座しています。
厄除けや航海安全の神として信仰されていますが、鳥居をくぐると雌雄1対の「神楽獅子」の頭が奉納されていました。(結構大迫力!大祭の時にはこの獅子頭が神輿で担がれるとのことです。) 

....「勝鬨橋」遠景、左側が銀座・築地方面、右側が月島・晴海方面....
c0119160_2017339.jpg


それでは銀座・築地方面から「勝鬨橋」を渡り「月島・佃島」下町風景を訪ねて行くこととしましょう。


                    「月島もんじゃ焼き」c0119160_2022137.jpgc0119160_20221813.jpg
...「もんじゃ」の名の由来は「文字焼き」。昔、駄菓子屋で子供達に「いろは文字」を書いて焼いた...

街の雰囲気は東京湾埋立地の「下町風情」に変わってきました。「月島もんじゃ焼き」は東京名物で有名!店が70軒以上ある「もんじゃストリート」は地域の強い結束力を誇っており街の雰囲気・食文化を守ろうとしています。やはり目を惹くのは「細い路地の長屋風景」。ソースのにおい・猫の日向ぼっこ、こんな光景が銀座の近くにまだ存在していたんですね。(本物の東京レトロ・・・)



                    「隅田川の灯台」と「佃島」c0119160_21142866.jpgc0119160_2114454.jpg
......「石川島灯台」は超高層マンション群の中で全く目立たない。右下の白い建物が灯台↑....

昔、隅田川には川を往来する船のための灯台があったそうです。沖を通る船のために1866年に築かれたのが「石川島灯台」、今はモニュメント建造物のみが残った石垣の上に建っています。
時代に貢献した史跡はマンション群(大川端リリバーシティ)の中で本当に情けなく埋もれていました。


c0119160_21203698.jpgc0119160_21212480.jpg
迫りくる無機質な高層ビルの圧迫感、失われていく下町風情、逆らえぬ年齢、世代交代の波・・・。
「もんじゃ焼き店」や「老舗佃煮屋さん」当地で育ってきた人々には辛い時代の潮流でありましょう。
時代の流れに逆らいながら、今後も下町風景を残すべく力強く生きていかれんことを祈念します。




★永代橋
c0119160_21354292.jpg

永代橋」は1698年に徳川綱吉(5代将軍・犬公方)の50歳を祝して架けられたそうです。
初代木造橋から300年以上の歴史をもち、その間洪水や火災で何度も架け直しがされましたが、
過去の史実には群衆が多く乗りすぎて落橋し1,500人超の死者を出した悲劇もあります。
近くに鎮座する「富岡八幡宮」大祭(深川祭り)のときに、江戸の民衆が次から次へと押しかけて、その重みに耐えられずに橋が落ちたとのこと・・・。 w(*゜o゜*)w アンビリーバボー!


c0119160_21392651.jpg

現在の「永代橋」は大震災復興事業で架設された鋼製アーチ橋。男性的重量感が溢れています。別名「帝都東京の門」と呼ばれたこの橋はドイツライン川鉄道橋をモデルにして建築されたとのこと。何とも誇らしげな雰囲気!日本が欧米を目標に発展を目指していた時代の夢が感じられます。

                      「富岡八幡宮」c0119160_2141986.jpgc0119160_21413052.jpg
....富岡八幡宮の本殿(応神天皇を祀る).....  .... 境内の中には日本一大きい神輿が飾られる.......


「江戸三大祭り」とは何の祭りでしょうか? 調べてみる「神田明神」と「山王日枝神社」が当確。
もうひとつは、「富岡八幡宮の深川祭り」と「浅草の三社祭り」が三番目の座をめぐって昔から覇権争いをしているそうです。「三社祭り」の掛け声が「ソイヤ、ソイヤ」なのに対して、「深川祭り」は「ワッショイ、ワッショイ!」 神輿の担ぎ方にも違いがあり、お互いライバル意識を燃やしています。
c0119160_17403085.gif
それにしても境内に飾られていた「金箔みこし」はデカイ!日本一の大きさを誇る大迫力の神輿。
いっそのこと「江戸四大祭」にしちまえ!→(;`皿´)→(三大にこだわる日本人、江戸っ子の意地・・)

c0119160_2147996.jpgc0119160_21472862.jpg
.......横綱力士碑(江戸勧進相撲発祥の地).....  ....測量日本地図で有名な伊能忠敬の銅像....


「富岡八幡宮」は江戸大相撲の発祥地で歴代の名横綱・大関を顕彰する力士碑があり、また有名な伊能忠敬(日本全図を行脚作成)にも縁の深いお宮様です。 威厳と歴史の深さを感じました。
c0119160_910458.jpg

  ...↓深川めし「日本五大銘飯」のひとつ.....  .....木場の木遣り・角乗り(無形民俗文化財)↓...c0119160_21524258.jpg
c0119160_21525896.jpg







c0119160_21531477.jpg
      ....「永代橋」は↑中央区(茅場町・新川)と江東区(門前仲町・深川・木場)を結ぶ。...

ご飯にアサリ汁をぶっかける「深川めし」は気短でキップのよさを身上とする「江戸っ子」の大好物。材木商で繁栄した「木場」の「木遣り・角乗り」の技も、粋を重んずる「江戸っ子気質」に通じます。
10年前に初めて「角乗り」実演を見ましたが、まるでサーカスにように足で貯木を操っていました。



★清洲橋c0119160_2292350.jpg


「清洲橋」は日本橋と深川を結ぶ優美な外形を誇る橋(ドイツ・ケルンの吊り橋がモデル)です。
関東大震災復興事業の象徴として「永代橋」の復興とあわせて昭和3年に完成しました。
男性的な「永代橋」に対して「清洲橋」は女性的な美しさをもっており、この2橋は「夫婦橋」としてその対比が讃えられています。この2橋をデザインした人は「山田守」、日本武道館・湯島聖橋・新潟万代橋・京都タワーなどの建築設計者です。(この方については後日レポート予定)

c0119160_2212049.jpg
         ........「清洲橋」のモデルはライン川に架かる「ヒンデンブルグ橋」......

まずは日本橋側から渡ってみることにしましょう。安産祈願で有名な「水天宮」が鎮座しています。

                           「水天宮」                  
c0119160_22202964.jpg
        .......安産と水難除け・水商売にご利益があると信仰を集める「水天宮」......

我が家も14年前に安産祈願でお宮参りにきましたが、当宮ご利益は「安産」だけでなく「水難除け」「水商売繁盛」もあるとのこと。「水天宮」の起源を調べてみると何とビックリ!「安徳天皇」の御霊が祀られています。(源平合戦最後の悲劇「壇ノ浦の戦い」で母と共に海に身を投じた幼少天皇)
そいうえば平家も「水軍」がルーツ。お産も「羊水」を連想するし、水に纏わる縁で結ばれています。

c0119160_22264236.jpg
........「清澄」と日本橋「中洲」の各一文字を取り入れ「清洲橋」の名がある。......


                   「清澄庭園」c0119160_2230503.jpgc0119160_22311144.jpg
    .....池のシンボル、数寄屋造りの「涼亭」..........カルガモ、亀、錦鯉(仲良く餌を待つ).......

人工的な海浜公園が多い江東区の中で「清澄庭園」は唯一歴史ある和風庭園として心を癒してくれます。材木豪商で有名な「紀伊国屋文左衛門」の屋敷跡を、岩崎弥太郎(三菱財閥の創始者)が別邸としたものです。中央に大きな池があり、その周囲は奇岩名石の築山が配されています。c0119160_22343173.jpgc0119160_22345010.jpg
.......カワウが十文字姿、羽を乾かして寛ぐ......  .......秋なのに厳しい残暑、白鷺は飛んでいく.....


                    「江東区芭蕉記念館」

深川には「松尾芭蕉」の草庵がありました。東北・日本海・琵琶湖を経由して岐阜大垣に至るまでの長大な旅「奥の細道」の出発地も深川です。「芭蕉記念館」の築山最上部には「芭蕉庵」を模した祠と句碑が置かれていました。そこにはあの有名な句が・・・「古池や蛙飛び込む水の音」c0119160_22373759.jpgc0119160_22375750.jpgc0119160_22381621.jpg


近くの川沿いには「芭蕉史跡庭園」もあります。そこにはドイツ様式「清洲橋」と林立する高層ビル・マンション群をバックに「松尾芭蕉」が静かに座して川を眺めています。(このミスマッチが面白い)

「春のうららの隅田川~♪」と唄われた水辺は全てコンクリート高潮護岸壁で覆われていますが、
最近は隅田川の景観向上のために、水辺を散歩できるテラスが設置されており良い雰囲気です。
c0119160_22413248.jpg


東京には現在、超高層ビルが800棟もあるそうです。(まさにニューヨークや上海のような光景)
20年前に東京支店セールスをやっていた頃、このあたりをよく巡回したものですが本当に下町の風景が変わってしまったなあ・・という印象です。(今回取材した「隅田川三橋」周辺の風景は、都心の中心部「中央区」とその隣接区だったので、特に変貌が激しいのかもしれません。)

c0119160_16361015.jpg

c0119160_16364486.gif

300年以上も前にここに暮らしていた「芭蕉」は、現在の日々変遷するこの風景を見て何と想っていることでしょう。是非ともその感慨を句にしてもらいたいものです。


                                                 おわり

  by rollingwest | 2007-09-17 17:35 | 都会の風景 | Comments(12)

<2007年9月26日>都心:秋の花


残暑厳しい9月でしたが、ようやく秋風も気持ちよくなってきました。
季節に移ろい、都心で見つけた花をUPいたします。薄の穂、あざやかな秋の彼岸花、夏から咲いていたムクゲ(もしかして芙蓉かもしれない)も頑張って咲いていますが、都心の花も秋の主役に交代しつつあります。

c0119160_1724527.jpg
   皇居(平川門から大手門)の散策路に咲いていたススキと彼岸花(秋の風情が感じらる。)


c0119160_17243050.jpgc0119160_1725376.jpg
.... 彼岸花クローズアップ!鮮やか(皇居) 夏から秋に咲くムクゲ(芙蓉かも)、そろそろ終わり..

こちらをクリック↓するとスライドショーがご覧になれます。   ↑写真の方はクリックで拡大表示
スライドショー画像:(都心・秋の花)←クリックどうぞ!

  by rollingwest | 2007-09-16 17:08 | 花鳥風月(季節の風景) | Comments(6)

<2007年9月1-2日>山中湖快気祝い・大月探訪 

スキー骨折事故遭遇から半年、完全回復に近いものの、今年の登山は一切自粛しておりました。
しかし10月のFツアー参加(東北)を機会に、山歩きを徐々に再開したいと考えています。
このたび、食山人さん・Y木氏から「快気祝い」を兼ねて、軽い足慣らし(腰慣らしかも・・)をしようとのお誘いを頂戴し富士山中湖に足を向けました。


            山中湖の「花の都公園」ひまわり畑から望む8月の富士
c0119160_17491193.jpg
....実は当日、ガスが深く富士の姿は全く見えませんでした。(インターネット画像より拝借、ご容赦)....


当初計画は①食山人さんの山中湖別荘「仙遊荘」(共同オーナー所有)に宿泊して快気祝い②翌日は篭坂峠ハイクの足慣らしでしたが、現地に行ってみれば富士周辺はガスが立ち込めて小雨模様。

食山人さんの膝の不調(古傷痛み)もあり、ハイキングは中止して山中湖散策と決め込みました。
この日は残念ながら富士山の雄姿を拝むことはできませんでしたが、翌日帰りに大月周辺も探訪したところ、偶然にまたも富士絶景の魅力に触れる機会に恵まれました。(意外な掘出し物発見)


★山中湖にて

                       「花の都公園」
c0119160_17575043.jpgc0119160_17581625.jpg
...... (左)「花の都公園」に咲き誇る「百日草」、(右)「ベゴニア」と「マリーゴールド」の花畑.....

富士山はガスの中、足慣らしとして期待した復活ハイキングの日は晴天とはならず意気消沈・・・。
東名御殿場から東富士五湖有料道路経由で、食山人さんと待ち合わせて山中湖観光施設の散策に切り替えて、まず訪ねたのは「花の都公園」です。
二人とも最近は高山植物には関心を持っているものの、人工的な花壇や公園は今ひとつ感動がないと敬遠気味でしたが、いざ中に入ってみればその鮮やかな多様の花々には感心~関心・・!
冒頭の「ひまわり畑と富士山とのコラボレーション」の実物風景は是非一度見てみたいものです。

c0119160_185250.jpgc0119160_1851699.jpg
......秋9月を迎え「コスモス」が盛り(左)、「ヒマワリ」は色褪せていても依然華やかな風情(右).....

c0119160_18124286.jpg
.....「百日草」はメキシコ原産の園芸植物。暑い日も百日持つ程丈夫な花(色は多様)が咲く.。....


この公園はやはり人工的なので「白糸の滝」を模した「岩清水の滝」などは何の感動もありませんでしたが、富士噴火の時に自然造形された「溶岩樹形群」は非常に興味深く面白かった!
下記右の写真に見られるように中が空洞の大筒のような岩がいくつか自然展示されています。
噴火後に流れてきた溶岩に樹木が取り込まれて、幹の部分が炭になります。その後、炭化木部分が風化してなくなってしまい、溶岩の中に円筒状の空洞が残ってできた珍しい岩なのです。
また溶岩に樹皮の模様を残しているものもあり、富士山大爆発の生々しい彫刻が沢山ありました。


          (下記写真↓をクリックすれば拡大写真が別途表示されます。)
c0119160_18171989.jpgc0119160_18173957.jpgc0119160_1818688.jpg
....↑癒しの水車風景....富士火山爆発でできた「溶岩樹形群」↑大砲の様な岩の筒穴は樹木跡....



花の公園のあとは、近くにある「紅富士の湯」(高アルカリ泉)で心身を十分癒して、食山人さんの別荘に初めて入ります。「仙遊荘」は昔の会社仲間数人で共同購入したもので今でもOB交流会を定期的に開催しているようです。(食山人さんはメンバー最年少なのでいつもお世話役とのこと)
Y木氏もあとから駆けつけて合流、持参してくれた刺身(カツオ・ホヤ)の珍味は実に新鮮でした。
とりとめもない話をしながら、美味しい酒と肴を味わう楽しいひとときは過ぎていきます。

                    「仙遊荘」    (クリックで拡大写真表示↓)   c0119160_19333626.jpgc0119160_19363986.jpgc0119160_19341157.jpg
...「仙遊荘」で快気祝してくれたY木氏・食山人さん。差入れのカツオ・ホヤ刺身は超絶品だった...

翌朝は食山人さん手製の味噌汁と鯵干物焼の朝食。ご本人が「飲めなくなったなあ・・。昔ならカラの一升瓶が何本も転がっていたのに・・・」と飲み残しの酒瓶を見て呟いていたのが印象的でした。



★大月探訪

朝2人と別れたあとは、このまま東名高速でUターンせずに河口湖へ北上し、大月を探訪して中央高速経由で帰りました。大月にある「猿橋」(日本三奇橋の一つ)はかねてから是非とも訪れてみたいと思っていた史跡です。

                       「猿 橋」c0119160_19483751.jpgc0119160_20563271.jpg
.....「猿橋」は「岩国錦帯橋」「木曾の桟」と並ぶ「日本三奇橋」、四層の木で支える珍しい形の橋....


史跡橋に到着・・。なるほど!小学生の時に趣味収集で憧れた切手デザインそのものの光景だ!

推古天皇・奈良時代(600頃)に百済の人によって造られたこの橋は四層のはね木を両岸から張り出させて橋を支える非常に珍しい構造(谷が深く橋脚が立てらないための代替策)をしています。
渓谷の野猿が藤蔓をよじ登って対岸に渡っていることにヒントを得て造ったことから「猿橋」の名が付けられたとの史実由来が残されていました。(橋畔には猿王を祭る小さな祠がある。)

c0119160_2045951.jpgc0119160_20143622.jpg
.....「猿橋」を渡る。下には深い峡谷....(右)線路橋と思いきや、水力発電所の水路架け橋だって!....


橋の下には緑色の水を湛えた深い峡谷が迫っており、何やら木の線路橋とトンネルのような造形物も見えます。漠然と「何かな・・・」と思っていたものの、あとで調べてみたら「発電所用の送水路」の橋で国の文化財だと知ってビックリ・・! 東京電力(旧:東京電灯)の「八ツ沢発電所水路橋」と呼ばれ、日本の水力発電史における草分け的な施設(明治32年建築)だとのこと。
                        「桂川渓谷」c0119160_20171034.jpgc0119160_2017313.jpg
....↑「桂川」渓流には鮎釣人が集う。....サルスベリの垣間から見る川、カヤック(カヌー)に夢中の若者↑...
c0119160_1852598.jpg

渓谷の散策路を降りていくと「桂川」の清流と河原が見えてきました。鮎釣りの太公望やカヤックを楽しむ若者の姿、ここは大月の癒しのスポットの1つなのでしょう。時間がゆっくり流れています。 


c0119160_2026917.jpg

....「桂川」は富士忍野八海が源流、その流れは相模湖を経由して厚木・平塚の相模川に至る。....



              「大月郷土資料館:白旗史朗写真展」

桂川沿いの散策路を進んでいくと「大月市郷土資料館」という施設があったので何の気なしに入館見学してみました。大月市のふるさとの歴史や風土・民俗を紹介しており、入場料は100円です。
まあ、どこにでもある地元の資料館かなと・・思って中を覗いてみたら、なんと「お宝物」を発見!

館内には「秀麗富嶽十二景:白旗史郎写真展」という写真コンテスト展が併設されています。
「白旗史朗」とは、世界的に有名な山岳写真家(昭8生)であり、日本の名峰(日本アルプス・富士山)だけでなく海外の巨峰(ヒマラヤ、ヨーロッパアルプス、カナディアンロッキー等)や花々の写真著書で数々の栄誉を得た山岳写真界の国際巨匠なのです。(HPを参考願います→)リンク:「白旗史郎氏の世界」HP

私は写真に関して全くのシロウトですが、職場の同僚A山さんから先日初めて紹介していただいたKG摩さん(山岳写真に熱中の方)は、白旗史朗を心の師匠として崇めておられます。

           
  ....「大月市郷土資料館」、白旗史郎監修の「秀麗富嶽十二景」写真展が常設されている。.....
c0119160_20325811.jpgc0119160_2033192.jpg

....(大月郷土資料館さんから積極的にPRしてほしいとのありがたいお言葉を頂戴しました。)....
リンク:「大月市郷土資料館」HP
リンク:「第15回秀麗富嶽十二景写真コンテスト」
リンク:「秀麗富嶽十二景写真デジタルミュージアム」


「何でこのような場所に世界の巨匠の写真展が常設されているのかな?」と思ったら、成程~大月は白旗氏の生まれ故郷だということ、納得納得。でもたったワンコインで白旗史朗「富士山写真展」を見ることができるなんて・・、素晴らしい!  なんか、非常~に得をした気分です。
  ※白旗史朗の美術館は、山梨県早川町・新潟県湯沢町・福島県桧枝岐村にもあります。


富士山を美しく見ることができる山は山梨・静岡・神奈川を中心に存在していますが、その半径を広げていけば長野・埼玉・東京にも秀麗ビュースポットの山は数多くあります。
しかし富士のお膝元・大月市周辺にはそのような場所がなんと12ケ所もあり「秀麗富嶽十二景」と呼ばれているそうです。(岩殿山・高畑山・雁ケ腹摺山・高川山・滝子山などが有名)
c0119160_18102295.gif

この山々から見る美しい富士山勇姿を大月出身の白旗氏がH3年「秀麗富嶽十二景」として写真公開したのを機会に、これを冠名とする一般写真家が競う写真コンテストがスタートしました。今年で15回目を迎える歴史ある写真コンテストに成長し、館内では第14回での優秀作が20数点展示されていました。さすがにハイレベルでどの作品を見ても感動的です。
しかしそのような秀作に対しても白旗氏の監修は非常に厳しく、辛口のコメント(言葉の使い方にもシビア)が添えられていました。写真家たちの激しい競争・切磋琢磨の世界が垣間見られます。


その中で、上位6点(最優秀①・推薦②・特選③)を下記のとおり紹介させていただきます。


            大月市「秀麗富嶽十二景」:(第14回展優秀作品)

 特選(銅賞):「梅雨の晴れ間」(山崎勝孝氏)......特選(銅賞):「紅に染まる」(筒井章氏) c0119160_20542837.jpgc0119160_20545248.jpg
          (それぞれの写真をクリックすれば拡大写真が別途表示されます。)

特選(銅賞):「雲海上に聳える」(高橋利延氏)....推薦(銀賞):「暗雲富士にかかる」(天野昭吾氏) c0119160_20562254.jpgc0119160_20565514.jpg
          (それぞれの写真をクリックすれば拡大写真が別途表示されます。)

  推薦(銀賞):「幽玄富士」(小谷哲郎氏)............最優秀(金賞):「荒れる富士」(三浦義朗氏)c0119160_21542.jpgc0119160_2152945.jpg


こんな素晴らしい多彩な秀麗富士が多く見られる所がこんなに多くあるとはビックリ!
自分はまだこの「秀麗富嶽十二景」の山を1つも登っていないことに気がつきました。
先日、富士山レビュー記事をエラそうに紹介してしまいましたが、何だか恥ずかしい限り。
川崎・静岡と大月は交通アクセスが今一つよくない事もあって本エリアは真空地帯だったのかも・・・。

「山紀行・名峰レビュー:富士山」(その1)
 
「山紀行・名峰レビュー:富士山」(その2)


でも富士の秀麗が見られる未踏の山が沢山残っているということは、自分にとってはまた次の楽しみが増えて幸福な気持ちになります。道草してひょんな発見ができてとてもよかった・・・!

                                                    おわり

   

  by rollingwest | 2007-09-02 17:42 | 旅の風景 | Comments(8)