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<2009年6月20~21日>奥秩父秘峰・断念、梅雨の合間に・・


★2回連続の200名山登頂断念


今年の関東地方の梅雨明けは関西よりも早く7月14日、その後も暑い日が続きました。また今年も猛暑なのかね~?暑すぎる夏は困るけれど、景気回復も考えれば肌寒い冷夏よりはいいかも・・
(⇒・・と7/20に記述しましたが、その後全国的な天候不順。今年は稀に見る多雨冷夏です。)
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RW記事は季節移ろいに1ケ月の遅れを取っているため、梅雨に悩まされた6月時のレポートです。
この6月は200名山・奥秩父秘峰「和名倉山」(別名・白石山)をマツさんと制覇する予定でした。

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6月は雨の多い週末が続き、1泊2日計画に見合う土日晴れの日が訪れません。日程が二転三転したあげく、土曜好天日に見切り発車で出かけたものの翌日は雨に見舞われて最終的に断念・・。ゴールデンウィーク・「笈ケ岳」(雪道が消え断念)に続き、2回連続で登頂を諦めるハメに見舞われた・・(泣)
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しかし、初夏の奥秩父は瑞々しく、苔蒸したムードで緑深まりゆく山歩きを味わうことができたし、久々の山小屋宿泊ではエキスパートの山ベテランとの会話も楽しく、なかなか有意義な旅でありました。





★「和名倉山」へのアプローチ

和名倉山」へのトライは5月下旬から日程を決め出発を何度か試みたものの、週末梅雨が続いて2回延期。しかし6/20(土)晴天!日曜予報はやや不安定ながらもう我慢ならずいざ決行じゃ~
マツさんとはJR相模湖で待ち合わせ、中央道・勝沼ICから北上して山梨県北部に向かいました。


         .......(左)一ノ瀬高原(三ノ瀬登山口)より登りはじめる。 (右)苔の蒸した岩........c0119160_17594197.jpg










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「和名倉山」(別名・白石山)は日本200名山ですが、多分殆どの人が聞いたことがないマイナーな山です。奥秩父にある秘峰で北に両神山・東に雲取山・西に甲武信岳を望む位置にあります。


         .......「和名倉山」(2036m)のルート図 (奥秩父の最深部にある)........c0119160_18123474.jpgc0119160_181351100.gif







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車は甲州市(旧・塩山市)の山奥道を上り詰めていき、三ノ瀬登山口に12:30に到着し登山開始。
緩やかな道を歩いて行けば堰堤滝の水風景や瑞々しい緑に包まれます。楽な登りで気持ちいい。


                ........林道途中にあったコケに覆われた堰堤の滝........c0119160_1833079.jpgc0119160_1841979.jpgc0119160_18524710.gif





★「将監小屋」に宿泊

2時間半程歩けばやがて今日の宿泊地・「将監小屋」に15時前に到着~、荷物を下ろして山小屋泊りの手続を済ませます。明日が頂上挑戦のメイン日、今日は前衛までのアプローチの位置づけ


          .........「将監(しょうげん)小屋」は青いトタンで覆われた質素な佇まい........
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一服した後に翌朝登山の下見を兼ねて「将監峠」まで登ってみましたが、どんよりと曇っており視界は開けず・・。明日の天気予報は雨模様だけどまた一変青空の奇跡を期待するしかないね~(祈)


    ..........(左) 「将監小屋」の   (右)目の前に広がる草原を登り「将監峠」へ下見......
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さて下見からは戻った後は、待望のビールをプシュッ!つまみを開け焼酎に移行してマツサンとしばし歓談。この小屋に飼われている犬がクンクンと鼻を鳴らしながら餌をねだりににじり寄ってきたぞ。
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  .......餌をねだりに来た小屋のワンコロ。(カメラを向けると吼える。鹿肉を沢山貰ったくせに)......c0119160_20424010.jpg
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マツサンと麻雀の話題で盛り上がっていたところ、気さくなオジサン(麻雀好きの団塊世代の方)が話しかけてきた。この方たち、話が弾んでいくうちに200名山はおろか静謐な難関峰(景鶴山等)を専門に登っているエキスパートであることがわかりました。話の内容が大いに参考になったなあ・・


  ..........(左)草原から見下ろした「将監小屋」  (右)山のエキスパートおじさんたち(同泊)........ c0119160_20575425.jpg




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盛り上がっていましたが明日に備え、早めに就寝(19時過ぎ)。夜空を見上げると雲が少なく何か晴れそうな予感!もしかして、またも大逆転? 「何だかいけそうな気がする~♪アルと思います。」
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★雨の翌日、登山断念でやむなく下山
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バシャバシャ、ザーザー、早朝4時過ぎに目覚めれば激しい雨音。あ~あ、やはり天気予報は当たっちまったか・・(落胆) このところずっとお天気男で自信を深めていたのに・・そう幸運は続かないか。


             .........日曜朝は強い雨、登頂は断念(残念・・・カエロウ)........c0119160_21331567.gif
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それにしてもすごい降りだなあ・・。わざわざこんな山奥まで来たのだから、小雨程度なら登頂したいけど・・、さらに雨音は強くなる。エキスパートおじさんたちは完全に行く気なし。我々もや~めた・・。
無理は禁物、安全第一・・、また来ればいいや。


    .......(左)下山途中で見た渓流水(風流なる流れ) (右)鮮やかなレンゲツツジ........c0119160_21382932.jpgc0119160_21385711.jpg

昨日歩いてきた登り2時間半の山道は、下山なら所要2時間なので朝8時にはもう駐車場に到着。

車は昨日来た道を引き返しますが、この近くには「おいらん淵」とよばれる戦国時代の悲劇の場所がありました。ここは心霊スポットとしても有名で、遊女達の霊が彷徨う場所とも云われています。


......心霊スポット「おいらん淵」は、旧・塩山市の「黒川鶏冠山」の武田隠し金山に由来した悲劇....c0119160_22433555.gif
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黒川鶏冠山の山中には、戦国時代に武田家の隠し金山があり、武田軍の豊富な軍資金を産出しました。最盛時には鉱夫や遊女がここに集められ繁栄を誇りましたが、武田氏滅亡で黒川金山はついに閉山。金山の秘密漏洩を危惧した武田残党に騙されて、遊女らは淵に沈められたのです。
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夜中にこの道をドライブすると数々の怪奇現象に遭遇するそうです。この淵近くでは死亡事故も多くちょっとヤバイな場所かも・・。同乗のマツサン(武田信玄好き)が急に強い吐き気に襲われ体調を崩し始めました。おお、怖~、もしかして花魁の霊が憑依してきているのかもしれない。逃げろ~!
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            ........輝く緑を目にしながら、山梨の麓へ再び下っていく........c0119160_7555599.jpg








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雨に濡れた新緑は一段と生き生きとして輝き始めている。緑は目に眩しく、車窓風景はなかなかの絶景です。フルーツの里・勝沼を通り中央道経由でJR相模駅到着。マツサンとはここでサヨウナラ~




★相模湖・津久井湖、梅雨風景

さ~て、まだ日曜日朝の9時・・、時間がエラく余ってしまった。(本来今は奥深い山に挑戦中・・)
帰路は相模湖・津久井湖の風景を楽しみながら、下道経由で厚木に抜けて川崎自宅に帰ろう。


      ........雨に煙る相模湖、観光ボートは出番なく係留されている。........c0119160_842033.jpg


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        ............雨の季節もまた一興、白鳥ボートくんもゆっくりと休養日........c0119160_8375913.jpg





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朝早い雨の相模湖には殆ど人の姿が見られません。出番のない観光船やボートは雨に濡れながら湖面に寂しく浮かんでいました。GWと夏休みの狭間なので本番出勤に備えゆっくり休んで頂~戴


        ............相模湖に煙る雨霧、絵画のような梅雨時の風景........
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相模湖を後にして次は、隣接の津久井湖に向かいます。この2つの湖は神奈川県の水源を担う重要な人造湖。その水は富士山・忍野八海から桂川を経てこの湖に貯められています。その流れは相模川に繋がっていきますが、神奈川県の人は富士山水源の美味しい水を飲んでいるのですよ。


        ..........津久井湖周辺の民家沿道には、鮮やかな紫陽花が咲き誇る。........
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津久井湖
は一望できるような展望台や公園はなく、周辺は地元の一般道です。梅雨時期の象徴・アジサイが民家脇にひっそりと咲いています。雨の日はやはり菖蒲か紫陽花が似合いますなあ・・


             .......相模川・津久井湖を横断する道志橋からの眺め........
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神奈川・水源風景を十分堪能し、厚木方面に南下し自宅に戻りました。今回の登頂断念も残念でしたが、山は逃げる訳ではない・・(1ケ月前北陸山行を断念した時も同じ言葉を言ったような・・笑)
でも次回のFツアー・北アルプス餓鬼岳(7月下旬)こそ、晴天に恵まれてほしいなあ・・。(祈念)


          ...........相模湖・津久井湖周辺の地図 (クリックすると拡大表示)........
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さていよいよ夏本番!季節の花は紫陽花・菖蒲から、向日葵の鮮やかな表情の花に変わっていきます。16年ぶりの冷夏も予想されますが、皆様、お互い健康に注意し夏を乗り切って参りましょう。
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                                                    おわり



次回は久々の「東京都心風景シリーズ」をお届けします。
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  by rollingwest | 2009-06-25 17:35 | Comments(28)

<2009年6月7日>世田谷探訪①:「九品仏・浄真寺」(はけの道:最南部を歩く/後編) 

↓(その1)から続く           「はけの道シリーズ」第3回

リンク:世田谷「等々力渓谷」、「はけの道」最南部を歩く(その1)




★世田谷の名古刹を訪ねる


世田谷には名刹がいくつかあります。「九品仏・浄真寺」、この名前は昔からよく聞いていたもののまだ来たことがなく、好機会と思い立って初の訪問。 「くほんぶつ」と読むが何故なんだろう・・?


      .......「九品仏・浄真寺」の落ち着いた雰囲気の境内、(左)「仁王門」 (右)「本堂」.......
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こんな広い立派な寺が世田谷高級住宅街のド真ん中にあったのか~!これは素直な感想でした。
入口の山門も立派でしたが、仁王門は圧倒的な存在感を誇っています。長い参道が続いており、
京都の名刹の如く格調高い雰囲気が漂っているねエ・・。正式名称は「九品山唯在念仏院浄眞寺」
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         .........(左)若い緑.に覆われた「鐘楼」  (右)境内中央の参拝道......c0119160_16595064.jpgc0119160_170911.jpg

参道を進むと左手には風格ある「鐘楼」、右手には閻魔大王を祀った「閻魔堂」があります。柏崎の「閻魔堂」が日本一と信じていますが(故郷贔屓?)、ここの大王も相当の迫力。地獄の沙汰も・・。


       .......恐ろしい顔で睨み付ける「閻魔大王」、国民裁判員制度のお師匠様......
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時節は新緑がまだ旺盛な頃(1ケ月前の季節遅れでゴメン・・)、目に眩しい緑は気持ちが和む・・。「ししおどし」の風情、水子地蔵の佇まい・・、「等々力渓谷」と同様にここが23区内とは思えない。


       .........石臼と植栽の「ししおどし」石鉢&赤い涎掛けの「水子供養地蔵」.......c0119160_17192797.jpgc0119160_171946100.jpg

何故に「九品仏」なのか?本堂に相対し「下品堂」「中品堂」「上品堂」の三仏堂に阿弥陀如来像が各3体安置されており3×3=9品仏なんだそうな。「上品堂」に向かう上品な貴婦人をタイミングよく撮れてNICE~!カミサンの前で時たまオナラするRWだけど「下品堂」と云われぬよう気~つけよ~


            ............「上品堂」に向かう気品ある傘を携えたご婦人.......
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東急線「等々力駅」から「等々力渓谷」とは反対側に歩いていくと「満願寺」に行き当たります。
江戸時代の陽明学者「細広光沢」なる人の菩提寺とのこと。ここに「日本三大地蔵」の1つ「一言地蔵」が祀られます。願いを一言云えば叶えられるらしい。しまった・・!三言もお願いしてしまった!


    .........等々力にある「満願寺」、右は「日本三大地蔵・一言地蔵」、立像で結構大きい!.......c0119160_1725196.jpgc0119160_17251366.jpg

さて世田谷寺社の静かな雰囲気を十分堪能した後は、世田谷のリッチな風景を覗きに行こう~。



★素晴らしいし庭園を有する「五島美術館」


五島慶太(⇒強盗慶太)・・、大正から昭和初期・戦後にかけ「白昼札ビラを切り、強盗(企業買収)を働く」と豪語した東急グループの創始者です。ライバルは西武グループ総帥の堤康次郎(⇒ピストル堤)。2人が繰り広げた「箱根山戦争」(箱根・観光開発競争)は企業・昭和立志伝として有名な話です。


    .........「五島美術館」の正門、元東急電鉄のドン「五島慶太」の収集した美術品が展示.......
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   .........何とも立派な庭園!渓谷地形を生かし実に広い!つつじの盛りは壮観だろうなあ・・.......
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この稀代なる大金持ちが収集した茶器・陶器・書・日本画等が収蔵されている所が「五島美術館」です。「源氏物語絵巻」「紫式部日記絵巻」もあるぞ~! 当日は「長崎出島オランダ゙歴史展」が公開中
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     ..........多摩川に次々に建設中のリバーサイドマンション。庭園とのコラボがなかなかいい。.......
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美術館は書院造りをイメージした立派な建物でしたが、とにかく驚いたのは広大で深い自然庭園!
はけの道・渓谷丘陵の地形をそのまま生かしたものですが、人工的な日本庭園も多くあります。
まさに世田谷セレブ大豪邸の庭・・、余りにもドでかい~!遠方には高層マンションが次々林立している。


             .........初夏の光と影、新緑時期の目に眩しいヴィジュアル・メッセージ......
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       ......(左)風情ある茅葺の庭門静かな庭の湧水 (右)「ししおどし」の波紋水面.......c0119160_18573784.jpgc0119160_18582587.jpg




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庭は一周するにもいろいろなバリエーションコースがあり最低でも20~30分をかけないとジックリ全景を味わうことはできません。強盗慶太氏もプライベート文化遺産や雄大な庭園を万人に残しましたな~




★リッチな豪邸と庶民風景を併せ持つ世田谷区の表情


世田谷区はリッチな豪邸・静かな住宅街とあわせて、庶民的な下町ムード漂う雰囲気が共存しているエリアです。等々力周辺は、成城や田園調布と並びセレブ達の住まう有数の超高級住宅地です。


      ..........世田谷区の豪邸.が立ち並ぶ超高級住宅地、さすがに違いますねエ・・......
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200~300坪を有する広い敷地には頑丈で豪勢な家、手入れされた庭木・植栽。セレブな家には高級車数台、家政婦も数人はいるのかねエ・・。まあいずれにしてもRWに縁のない世界だね(笑)
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    .......世田谷は庶民的な表情を持つ街並も多い、その象徴でもある「東急世田谷線」.......c0119160_2136069.jpg




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三軒茶屋と下高井戸を結ぶ「東急世田谷線」。住宅街を縫うように走る姿は都電荒川線のように東京下町情緒を醸し出しています。昔は「玉電」(玉川電鉄)という愛称で親しまれましたが、今は東急傘下に・・。駅前風景も庶民的で結構物価も安い。セレブとは対照に気さくな街が多く点在します。

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「お魚くわえたドラ猫~」♪国民的なTV漫画で今年放送開始から40年を迎えた「サザエさん」の舞台も世田谷区新町だし・・、今度いつか世田谷をじっくり歩いて探訪記事をつくってみようかな・・(笑)
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★おわりに


東京の深い渓谷や古刹など、結構身近には遠出しなくとも穴場の場所が多くあります。世田谷や近隣の多摩川にも取材ネタが多くあります。また同じ場所でも季節ごとの表情は少しずつ違うし・・


      ..........多摩川のゆったりした流れ、遠くには武蔵小杉の高層マンション群が見える.......c0119160_2201655.jpg
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最近、山はご無沙汰で平地歩きの記事ばかりですが、「はけの道」シリーズも含めて、身近な湧水・水辺の風景を紹介したいと思います。「こんな場所があったんだ~」という反応が一番嬉しいね!乞うご期待~  

        ....今回、辿った「等々力渓谷」~世田谷のコース地図(クリックで拡大).....
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                                                       おわり


次回は「奥秩父秘峰断念、梅雨の合間に」をお届けします。
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  by rollingwest | 2009-06-24 16:38 | 近郊歩きのミニ旅 | Comments(16)

<2009年6月7日>世田谷「等々力渓谷」、「はけの道」最南部を歩く(前編) 

                      「はけの道シリーズ」第2回

★はじめに

東京を斜め縦断する「国分寺崖線」に沿って、清流・湧水が点在する「はけの道」の記事シリーズを昨年秋よりスタートしましたが今回は「はけの道」最南部に位置する「等々力渓谷」を紹介しましょう。
ここは東京23区(世田谷)に存在する「清流と湧水」を味わえる癒しの自然散策SPOTなのです。(知る人ぞ知る)


         ......東京の中心部にもこんなにも立派な渓谷があるのか!と驚く人が多いと思う.......c0119160_21495683.jpg







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ここが23区内か!と信じられない程、結構深い渓谷だ。川崎の自宅からは車で15分程度、昔は自転車でも来たことがあり今回の訪問は4回目です。いつ来ても心が癒されるねえ・・。(目に青葉
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あわせて「等々力渓谷」を取り巻く世田谷の諸風景(渓谷・湧水風景、豊かな自然、歴史の古刹、高級住宅街と庶民的な雰囲気が混在する表情etc)を前・後編に渡り紹介します。


                   リンク:武蔵野「はけの道」(国分寺崖線・湧水エリア)を歩く



★「等々力渓谷」


渓谷のアプローチは、東急大井町線「等々力駅」駅前の蕎麦屋脇から下るルート、または第3京浜玉川IC付近の「等々力渓谷公園」から入るのがお奨め。あっという間に幽邃の世界


     ..........等々力駅前のそば屋の脇から下る渓谷の入口。真っ赤な「ゴルフ橋」がある。.......
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渓谷を初めて訪れたのは今から20年以上前。まだ新婚で甘いムードだった時代に、カミサンと2人で歩いたことが思い出されます。嗚呼、今はそのカケラもありません。あの日に戻りたいねエ・・(泣&苦笑)

 
        .......ゴルフ橋から散歩道に下ればあっという間に清流と渓谷の静けさ.......c0119160_22165691.jpg







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当時「東京23区内にこれ程まで自然豊かな場所があったのか~!」・・と本当に驚いたもんじゃ~。環8通りの真下、「はけの道・国分寺崖線」が多摩川に向かう終点で渓谷地形を成す場所。渓谷脇には静謐な散歩道が続き、清流音を聞きながらやがて「不動の滝」に出会います。
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       ........「等々力不動尊」の「不動滝」、23区内の景色とは思えない。.......
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チョロチョロの水量だけれど、23区内にある滝だと思うと何かありがたみが増してくるなア・・。 この滝の脇道を上がってみると立派な神社がありました。「等々力不動」・・、世田谷の渓谷・守り神です。


   ........「等々力不動」は、都心から目黒通りの最終点。多摩川に近い野毛にある。.....c0119160_5595678.jpg


 .......「等々力不動」本尊に「」の文字・・、運気は上がるのかなア・・(笑).......
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トドロキ」という地名は全国的に轟音激流や滝のある所を示し、「等々力渓谷」が幽谷になるまでは滝・激流・岩石崩壊等の地学的活動が何回も繰り返された結果の光景なのでしょう。


       ......東京23区とは思えない森林と清流の渓谷。環状8号線の下に続いている。.......
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都会雑踏・ビル群の中で人間関係等に疲れた人は是非渓谷を訪れてみ下さい。東京円周の大環状道路の下にかくも静かな清流・渓谷が眠っていたことに驚き心が癒されることでしょう。


         ........「等々力渓谷」のルート図  (クリックで拡大).......
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さて次はこの都心渓谷の周りにある寺社史蹟や自然公園・美術館等の「世田谷風景」を紹介~!
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★世田谷「等々力・野毛」&大田区「田園調布」


世田谷・大田区には古墳が多くあります。自宅近くの丸子橋を渡った多摩川台公園や横浜都築にも古墳や先人遺跡が残されています。大森貝塚に象徴される大昔、多摩川周辺・大田区・川崎・横浜南は海であり、はけの道の丘陵地帯が先人にとって海岸部・生活場所だったのでしょう。


     .......(左)等々力渓谷にある「横穴3号古墳」 (右)「野毛大塚古墳」、埴輪が沢山.......c0119160_73648.jpgc0119160_7362539.jpg

等々力渓谷にも幾つか横穴古墳がありましたが、近くにある「野毛大塚古墳」は結構な見所です。5世紀初頭に築かれた大型の帆立貝形古墳(前方後円墳の一種)は周濠全長104mで日本第3位規模とのこと。古墳を取り巻くように赤茶の埴輪(動物・器を象る)が沢山置かれていました。


              ..........「稲荷神社」(五島美術館の下に鎮座).......
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       .........「上野毛自然公園」 (五島美術館と対峙する坂の途中にある)......
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この辺りには自然公園や有名寺社や美術館等が多くあります。「五島美術館」(後編紹介)の近くの「稲荷神社」.「上野毛自然公園」、「玉川神社」「満願寺」「九品仏・浄真寺」等の見所満載


         .........等々力駅から程なく歩いた所には「玉川神社」も鎮座する。.......c0119160_883545.jpgc0119160_885319.jpg

当地に近い場所にはリッチ&セレブな雰囲気が漂う「自由が丘」「田園調布」があります。通勤で通過する駅だけど、あんまり最近降りたことがないねえ・・。久しぶりに夜の「田園調布駅」を散策してみましたが、駅舎が新しくなっており駅裏も結構も人通りが多くなった感じがするなあ・・。
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     ........「等々力渓谷」から環8を数km移動すればあの有名な「田園調布駅」.......c0119160_8305912.jpg







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         ........... 「等々力渓谷」から「自由が丘」「田園調布」周辺の概念図.......
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後編では「九品仏・浄真寺」や「五島美術館」、世田谷に混在するリッチと庶民的な表情を紹介してみたいと思います。最近、ち~と仕事が忙しくて次の更新は一体いつになるのやら・・(苦笑)

                                                    おわり

(その2)へ続く↓
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世田谷「等々力渓谷」、「はけの道」最南部を歩く(その2)
      

  by rollingwest | 2009-06-23 21:44 | 近郊歩きのミニ旅 | Comments(37)

<2009年5月2~4日>「ちょっと渋めの玄人旅」09GW:北陸紀行(その2)

↓(その1)から続く リンク:「ちょっと渋めの玄人旅」09GW:北陸紀行(その1)


★深田久弥(百名山選定者)が愛した地元の名峰

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車は広々とした越前平野の田園風景の中を走り向けていきます。地平線の向こうには形のいい山が聳えている。あの山は何だろう・・? そうか!「日本百名山」の著者・深田久弥が愛した地元の名山「荒島岳」(1523m)ではないか!三角頂を空に突き上げ、稜線は緩やかに羽を広げている・・。

                
       ......深田久弥が愛した故郷の百名山「荒島岳」 まさに絵画のような風情が漂う。.......
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「荒島岳」が「百名山」に入ったことの岳人評判は「深田久弥の身贔屓選定か」と芳しくありません。実際RWも6年前にこの山に登りましたが、頂上の電波塔にはガッカリ・・、何の感慨もなかった・・。
しかし今回この美形シルエットを見て考えを改めました。富士山同様、遠くから見る名山だったのか!
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深田久弥も百名山決定に当っては、地元の名峰からは「荒島岳」と「能郷白山」のどちらを選ぶべきか相当迷ったようです。深田久弥については下記「山の文化館」で紹介していますのでご参照





★白山信仰の巨大な宗教都市跡:「平泉寺白山神社」を訪ねる。
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越前大仏・勝山城から至近1~2km東に離れた所に、「平泉(ヘイセン)寺・白山神社」はありました。
寺名に白山神社の呼称が並列しており、霊峰「白山」を信仰する山岳信仰の寺社です。ここは司馬遼太郎の著書「街道をゆく」(越前の諸道)を読んで以来、いつか訪ねたいと願っていた史蹟です。


           ......「平泉寺・白山神社」は多くの僧兵に守られた巨大な宗教都市だった。.......
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「平泉寺」は717年に「泰澄大師」(越の大徳)が開闢した霊峰白山を崇める山岳信仰の寺社です。
中世以降は比叡山延暦寺の勢力下に入り、九頭竜川の豪族たちが競って居を構え、戦国時代には48社・36御堂、6千僧坊、僧兵8千人を擁した巨大な宗教都市だったとのこと。(兎に角広大!)


  ......旧境内跡は一面の青苔に覆われまさに絨毯の如し(京都の苔寺と並ぶ名所).......c0119160_21233189.jpg

戦国時代は朝倉氏と比肩の一大勢力でしたが、一向一揆勢に焼討ちされ衰亡、秀吉復興支援を得たとの歴史だそうな・・。日本では珍しい石で築かれた宗教都市、国内最大の中世・石畳道や石垣も多く残されています。こんな広大敷地でも、旧境内全体の僅かまだ1%の発掘率だとは驚き!


 .....(左)神社の拝殿には可愛らしい巫女さん2人 (右)中央奥には威厳ある本社が鎮座.......c0119160_2125842.jpg


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越前海岸の断崖絶壁・名所「東尋坊」は平泉寺の1僧兵の名前です。「東尋坊」は相当の悪行坊主で、恋仇によって断崖から突き落とされ、地名由来になったとのこと。「こら~!坊さんが女の取り合いして修羅場見せてんじゃね~!」♪チャッチャッチャ~、まさに「火曜サスペンス劇場」の世界です。


      .......静謐なる「御手洗池」、深碧の神秘的な雰囲気は実に素晴らしかったね~!......
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福井・石川・岐阜3県が共同で「霊峰白山と山麓の文化的景観」を、07世界遺産暫定リストに文化庁申請しました。霊峰白山の信仰拠点は「平泉寺」の他に加賀市「白山比咩神社」(前編で紹介)、郡上市「長滝寺」と並んで、「白山信仰の三馬場」と呼ばれたとのこと。祈念・世界遺産登録成就!
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★国内最大級!規模・内容とも充実の「恐竜博物館」

勝山にはもう一つ観光の名所があります。恐竜展示では国内最大級の「福井県立恐竜博物館」・・
ここは日本一の恐竜化石・産出地、「福井竜」の国産サウルスも輩出し正に博物地の縁に相応しい!

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  ....正式名称は.「福井県立恐竜博物館・かつやま恐竜の森」、日本一の規模を誇る常設展.......c0119160_2001552.jpg










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     ......エントランスを進むと未来都市のような光景!各フロアに通ずる曲線エスカレーター.......c0119160_2045084.jpgc0119160_2053479.jpg







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千数百点標本の豊富な展示アイテム、発掘化石を忠実に再現した生存時代の想像姿、効果的な照明展示や大型ビジョンを使った映像演出、わかり易くて臨場感のある会場は実に好感が持てるね~


        ......(左)剣竜の骨格と背景には再現模型 (右)恐竜の卵に見入る見学客.......c0119160_20245214.jpg



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           .....恐竜生態の解説映像は大きなハイビジョン。食い入るように見る子供達.......c0119160_20341383.jpg






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かくも充実なる内容なのに入場料は大人500円・小中生250円、実に安い!2000年7月博物館開業ですが、今年3月300万人大台を突破したとのこと。年々着実に増加する入場者数は納得!


.....(左)翼竜!ビューン! (右)県立博物館だがアミューズメントパークの如く、随所に心にくい演出が!...c0119160_20503224.jpg

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       ......「ステゴサウルス」の骨格も大迫力!陳列標本は千数百点を誇る内容充実度.......c0119160_2173254.jpg










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子供達は博物館に一日中いても飽きないと思います。また来たくなる素晴らしいミュージアムでした。数々のテーマパークが破綻してきた過去20年間で、公立博物館としては稀に見る成功事例なのでしょう。中年オジサン2人は童心に帰りもう少し見たかったけれど、次があるので車に乗り込みます。
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★越前の小京都・「大野」

勝山から九頭竜川を横断して南下すると「大野市」に入ります。この市は福井県面積の1/5も占める広さを有しながらも人口僅か36千人、ほのぼのとした田園風景が溢れる心の安らぐ街です。


  .....「大野城」は金森長近が築城、天守閣からは落ち着いた大野の街や水田風景が一望.....c0119160_21161754.jpg




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ここは「越前の小京都」と呼ばれる城下町、是非とも訪れてほしいお薦めの街。由緒ある武家屋敷、寺町の落ち着いた街並小路、400年歴史の七間朝市・・・、市内には「御清水」(オショウズ)と呼ばれる湧き水SPOTもあります。豪雪白山が恵む豊富な水は、貴重な市民の生活水となっている。


     ......(左)大野「寺町」の落ち着いた風情 (右)「御清水」の水を汲む人の行列が・・。......c0119160_212173.jpg






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「大野市の風情」を十分満喫したあとは北西に進路を切り、2日目の宿泊地芦原温泉向かいます。
残念ながら風情ある温泉中心街ではなくて、国道沿いにある簡易スパ温泉ホテルでしたが・・(笑)
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★一向一揆のルーツとなった北陸の真宗拠点「吉崎御坊」

3日目は宿を早立ちして、マツさんが切望する「吉崎御坊」を目指しました。ここは15世紀半ばに「蓮如」が比叡山勢力から迫害を受け、京都から北陸に逃れ真宗布教拠点を置いた所なのです。


  ...... 「北潟湖」は芦原から吉崎に向けて広がる北陸の汽水湖.、周辺は広大な水田風景......c0119160_10271214.jpg






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当所は2年前に北陸家族旅行で訪れた寺。住職から吉崎御坊の由来、本願寺との歴史的関係、「嫁おどしの肉付け面」の熱弁を聞かされました。「肉付け面」とは、毎夜神社参拝する敬虔な嫁をいびる姑が鬼の面を付けて脅そうと企んだ結果、顔から面が離れなくなったという地元民話です。


    ....(左)「吉崎御坊・願慶寺」(東本願寺派) (右)この寺に保存される「肉付けの面」......c0119160_21352585.jpg









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南無阿弥陀仏」、この六文字名号を唱え続ければ苦行修行などせずとも極楽往生できると親鸞は説きました。農民にとってはそのシンプルな教えは革命的であり、爆発的なブレイク!その信仰心と結束力が一向一揆の大勢力へと成長していきました。まさに一向宗徒の聖地・ルーツなのです。


  .....(左)蓮如が愛した「鹿島の森」は汽水湖(向こうは日本海) (右)蓮如上人の大立像.......
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寺上には高台があり「蓮如」大立像は、お気に入りの風景眺望「鹿島の森」を見下ろしています。
マツサンは切望場所を満喫し十分ご満悦でしたが、でも次の目的地こそが憧れ訪問先のようです。
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★「深田久弥」の故郷にある「山の文化館」

現在、中高年(小生もか・・泣)の「百名山」ブームは「深田久弥」の著書によるものですが、生まれ故郷は加賀市大聖寺町(吉崎御坊を海岸線に数km北上)。ここに彼の偉業を顕彰する「山の文化館」がありました。昔の絹織物工場を改造しての建物ですが、実に素朴で雰囲気ある記念館です。


     ........「山の文化館」の玄関には立派なオオイチョウの木が聳えていた。.......c0119160_724132.jpg







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     .......深田久弥は昭39年に「日本百名山」を発表、今の中高年登山ブームのルーツを築く.......
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深田久弥は当初は純文学者としてデビューしたものの、その後文壇仲間に某事で咎めを受け、失意のうちに生まれ故郷に戻り雌伏充電生活。この期間に書き上げた「百名山」が文学賞を受賞して人気作家として返り咲きました。山梨「茅ケ岳」で登山中に死去・・、本人とっては本望の死かも・・


     ........(左)大聖寺川の流し舟 (右)市内にある鐘楼、 ともに風情があるね~!.......c0119160_1739170.jpgc0119160_17392185.jpg

この「大聖寺」(加賀市)の街も、上記紹介の大野市同様に癒しを感じる歴史ある北陸の街でした。時間があれば、流し舟に乗って大聖寺川を下り、川沿いにある長流亭の写真を撮りたかったなあ。
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★義経・弁慶の勧進帳:「安宅の関」


安宅の関」は謡曲・歌舞伎「勧進帳」の舞台として有名な所です。(小松空港近く、北陸海岸松原)
源義経弁慶が頼朝の目を逃れ、山伏姿に変装して北陸海岸を北上し奥州平泉を目指しました。
関を通過する時、守護・富樫氏に義経と見破られ制止を受けたのです。 果たして運命は如何に?


   ......義経・弁慶が奥州に逃れる際に通過した「安宅の関」=「住吉神社」(小松空港近く).......
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ここで弁慶大芝居を打ちます。白紙勧進帳を読み上げ、自分達は山伏であることをPRし、義経を殴りつける演技をします。主君ではないとアピールするために苦渋の決断でした。守護・富樫氏は義経だと知りながらも主従の迫真演技に感銘を受けてしまい、通過を許したという史実の物語です。


       .......一度は義経と見破られたものの、守護・富樫氏に通過を許してもらった.......
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       .......(左)弁慶が白紙勧進帳を読み上げる。 (右)弁慶が義経を殴打する光景.......c0119160_1832325.jpg








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「安宅の関」は07北陸家族旅行では時間がなく訪ねそびれた史蹟で、今回やっと見ることができて満足!実はこの後、木曽義仲の「倶利伽羅峠」、能登一ノ宮「気多大社」(羽咋市)の訪問予定でしたが、親父の容体悪化の連絡を受けて、旅を急遽切り上げ、金沢で解散。柏崎に向かいました。
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★おわりに


北陸は実に長大で自然に溢れて歴史が深い・・。今回マイナーな場所を重点にかなり網羅することができましたが、まだまだ見ていない興味ある場所が多くあります。氷見海岸から見る立山、日本の歴史が濃縮した能登「七尾」、30数年前訪れた能登金剛の奇岩群・・etc 次回訪問が楽しみ~


           .........今回の北陸旅で辿ったルート(クリックすると地図が拡大).......
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山は逃げる訳ではない。史蹟・観光地も逃げる訳ではない。雪道が解けて登山断念した「笈ケ岳」も、まだ見残した北陸の見所もまたいつかトライしましょう。健康ならば20年後でも可能なのだ・・。
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                                                    おわり

  by rollingwest | 2009-06-14 20:37 | 旅の風景 | Comments(24)

<2009年5月2~4日>「ちょっと渋めの玄人旅、09GW:北陸紀行(その1)


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今年のGWは北陸を駆け巡り、一般的には殆ど知られぬマイナー名所・観光地を訪ねてきました。旅の終盤で、お袋から「親父が危ない状態になった。」と連絡を受け、急遽柏崎に向かうハプニングも発生し尻切トンボでしたが、それでも2泊3日で玄人受けする多くの名所を見ることができました。
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★登山断念「笈ケ岳」⇒北陸周遊旅に切り替え


笈ケ岳」(オイヅルガタ)、この名峰を知る人は山に相当詳しい方です。日本200名山の1つですが、この山には何と登山道がありません。(深い山奥・豪雪で、山道が切り開かれなかったのでしょう)
夏は道がなくヤブ木に覆われますが、雪が残る時は踏み跡に沿って登山可能になる山なのです。
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実は今回マツさんと2人で、この難関峰へ残雪期にテントを担いで登頂する計画を立てており、麓の一里野温泉に宿泊予約をしていました。しかし出発直前になって登山中止をせざるを得ないことが判明!今年の超暖冬が原因で、雪道が融けてしまって登山することができなくなったのです。
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2人はちょっと落胆しましたが気持ちをすぐに切り替え、北陸奥地温泉を折角GWに予約しているんだから、滅多に行けない北陸路を徹底的に回ろうと計画変更!それもメインの観光地(金沢・東尋坊・永平寺等)は一切除外し、マイナーで渋目の穴場SPOTをレンタカーで回ることにしました。
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【コース日程】(1日目):「白山比咩神社」⇒「加賀一向一揆・鳥越城」⇒「綿ヶ滝」⇒「一里野温泉」泊
(2日目):「手取渓谷」⇒「手取ダム」⇒「越前大仏」⇒「平泉寺」⇒「福井恐竜博物館」⇒「大野城」⇒「芦原」泊  (3日目):「吉崎御坊」⇒「深田久弥記念館」⇒「安宅ノ関」⇒金沢で解散、柏崎へ




★(1日目): 「ほくほく線」車窓から見た名峰

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ほくほく線」とは97年に開通したJR新線です。上越新幹線と接続し、北陸の各都市を結ぶ特急「はくたか」が運行されています。(越後湯沢駅が始発で乗り換え) これによって首都圏から北陸方面へのアクセスは非常によくなりました。しかし逆に故郷の柏崎はバイパスされ交通不便に・・(泣)

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 ....(左)今年何度も見た魚沼「越後三山」  (右)我が故郷「米山」の裏側(頚城地区)を通過....c0119160_1556521.jpg

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東京駅を出発し、越後・魚沼~頚城エリア経由で日本海に出ていくのですが、この車窓から見た数々の名峰は実に感激しました!「越後三山」~故郷「米山」裏側~「妙高山」「火打・焼岳」~「雨飾山」~「毛勝山」「立山」「剣岳」・・。日本の名峰が次々に現われ興奮の余りシャッターをバシャバシャ!
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  ....田植えも終わり、鏡の如く水が張られた車窓の水田風景、防風林の向こうは日本海が・・.....
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こうして見ると越後には色々な所に名峰が散りばめられているなあ・・。田植作業が丁度終わった時期なので、鏡の如く水面が広がる田んぼに美しい景色が映りこんで見飽きることがありません。


...越後・名峰群、左から「妙高」「火打・焼岳」、右は「雨飾山」(食山人氏、今夏・百名山達成予定)...c0119160_16183233.jpg

直江津(直江家・開墾湊の意味)を過ぎると、日本海が出現!糸魚川・親不知・黒部川・・、全ては日本列島の激しい造山運動が創った峻険な北アルプス地形が海にまで迫っている場所なのです。


   .....(左)日本海に流れ出る黒部川、国道8号線橋脚はカラフル (右)「親不知」断崖絶壁海岸......c0119160_16222116.jpg







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               .....魚津・滑川辺り(富山県)から、「毛勝山」と「立山連峰」を望む......c0119160_16265763.gif
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富山通過では「立山」&「剱岳」(映画「点の記」が公開)を仰ぎ見て、13時半に金沢駅に到着~!
駅前のレンタカーを借り早速に出発!まずは「白山市」(05年市町村合併で誕生)に向かいます。
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★「白山神社」の総本社(北陸最大の守護大社)を訪ねる


「白山神社」は全国に3千社近くありますが、その総本山は「白山比咩(しらやまひめ)神社」です。
石川県白山市に鎮座する本守護大社は「加賀一宮」と呼ばれ、北陸最大の尊敬を集めています。
加賀名峰「白山」(2702m)は、富士山・立山(or御嶽)と並び「日本三大霊山」と崇められてきました。

  
          ......「白山比咩神社」本殿に拝礼。威厳ある狛犬&ホワイト神馬(写真下)が鎮座.......c0119160_16432833.jpg











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世界有数の豪雪地帯に鎮座する気高き山は、常に残雪に覆われ白く輝く「白山」として古代文献に多く登場してきたのです。崇敬厚い「白山信仰」総本社は、想像に違わず威厳に満ちていました。


            ......「白山比咩神社」山門からは、鮮やかな新緑光が・・(額縁の如く).......c0119160_16531358.jpg








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鳥居・神門をくぐると巨大杉や欅に囲まれた境内、銅板葺の風格ある大社殿が登場します。阿形・吽形像、狛犬・神馬などは深い歴史が刻まれた社の雰囲気がたっぷり。崇神天皇時に創建、イザナギ・イザナミノミコトも祀られ2200年近い歴史を誇る古社、数多くの重要文化財・宝物が収められます。


          ......日本三大霊山白山」(2702m)、水田が広がる山里の村.......c0119160_16593114.jpgc0119160_16595028.jpg

霊験神社を後にして、色気無くムサ苦しき男2人のレンタカーは「加賀一向一揆」所縁の地へに一路向かいます。水の張られた田んぼ広がる山里、遥か遠方には崇高な白峰が聳え立っていました。
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★「加賀一向一揆」拠点と、「手取川」の名瀑を再び訪問


百姓の持ちたる国」と呼ばれた農民自治国が戦国時代に加賀で存在しました。一向宗(浄土真宗・別名)の熱狂的な農民信者が築き、100年も続いた独立国。「親鸞」が開いた真宗は北陸で「蓮如」が布教拡大し、瞬く間に百姓達の心を捉えました。 「南無阿弥陀仏」の称号と共に・・


           ....「加賀一向一揆」の拠点・「鳥越城」、「百姓の持ちたる国」のシンボル.....
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マツさんは日本史好き(他の趣味も多彩)ですが、宗教や農村に根差す民族史(一向一揆史・カムイ伝等)は特にお気に入り。本人たっての希望で「鳥越城」は今回観光で外せぬ必須訪問先です。


       ......(左)「鳥越城」から見下ろす農村風景 、(右)一向一揆を模した漫画.......c0119160_17231441.jpg






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織田信長にとり、コントロールが効かない宗教集団は目の上のタンコブでした。全国各地で一向宗を弾圧、「鳥越城」は最大の抵抗勢力拠点だった場所で柴田勝家軍と血みどろの戦いが繰り広げられた所。「本能寺ノ変」の悲劇は、比叡山を焼き払い、一向宗農民を殺戮しまくった信長への仏罰か?


     .....(左)「日本の滝100選」に名をなす「綿ヶ滝」  (右)滝の源頭部から滝壺を覗き見る.....c0119160_17324227.jpgc0119160_1733132.jpg

「一向一揆の里」の近くには、「手取川」(水源は白山連峰)が刻んだ素晴らしい峡谷があります。
そして知る人ぞ知る名瀑「綿ヶ滝」が豊富な水量で轟音を立てています。07年夏に北陸家族旅行をした時にこの名滝を見て衝撃・感動を受けました。2年ぶりの再会でしたがその迫力は圧倒的!

               リンク:07夏・北陸家族旅行の記事 (綿ケ滝・手取渓谷の大絶景)
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渓谷道に沿ってレンタカーが徐々に標高を上げて行くと、白山が生む豊富な雪解け水が刻んだ「手取川渓谷」は、さらに谷底深い景観を見せてきます。本日の宿泊地「一里野温泉」はもう間近・・・・(1日目宿泊)c0119160_1756843.jpg






★「笈ケ岳」登山道の下見、手取川渓谷&ダム


宿泊地「一里野温泉」を後にしての朝、マツサンは来るべき「笈ケ岳」挑戦に備えて、登山口がどこにあるか事前下見を怠りません。ウ~ン、さすがだ・・。車を林道終点まで詰め渓谷道を探ります。
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   .....(左)「笈ケ岳」の雄姿が遠くに見える!(右)登山道は水道パイプに沿った長い石階段......
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手取川渓谷に下る道は結構長い・・。お~、やっと見つけた!長い水管脇に奥の院神社に続くような石階段。かなり気付きにくい登山口なので、事前下見してよかったかもしれない。そして遥か遠くに憧憬の「笈ケ岳」が見えてきた!実に荘厳なシルエット・・、あの名峰登山はまた次回のお楽しみ・・


              ......「笈ケ岳」登山道に沿って「手取川渓谷」の絶景が広がる。.......
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「手取川渓谷」の奥深き真髄を肌に感じて、再びレンタカーに乗り込み次は「手取ダム」を目指していきます。ここは岩石を積み上げ造成されたロックフィルダム!豊富な雪解水の放水圧は大迫力!
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        ......「手取川ダム」はロックフィルダムとして独特な景観風情を醸し出している。......
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         ......「手取ダム」は静謐な雰囲気、何これ~?前衛的な石のオブジェが沢山.......
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水に溢れた白山の大自然をあとにして、レンタカーは福井県方面にハンドルを切って行きます。
九頭竜川を横切って行けば越前平野のおおらかな水田風景が目前に広がってきました。
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九頭竜周辺の大野・勝山は、生まれて初めて足を踏み入れる場所ですが結構見所があるのだ!
でも今回は「永平寺」「東尋坊」等の有名観光地は一切訪ねる気はありません。マイナーのみを!




★経営悪化で公売に出された巨大な大仏・五重塔

日本で有名な大仏といえば云わずと知れた「奈良」と「鎌倉」の大仏ですが、「三大大仏」があるとすれば3つ目はどこなのだろう?調べてみると高岡、兵庫、岐阜に三大を主張する仏があるようですが、あまりよく知らないなあ・・。そういえば牛久大仏という超巨大なコンクリート仏も茨城にあります。
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そういえば「越前大仏」っていうのも聞いたことがある。好奇心旺盛な2人はそこを訪ねて見ることにしました。まあ、どうせ高崎観音や牛久大仏のようなコンクリート製の観光大仏だろうと思ってね・・。

   ......「越前大仏」で有名な清大寺、壮大な大仏殿(マツさんの姿が豆つぶのようだ).......
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広い駐車場に降り立つと朝早いからかもしれぬが、ガラ~ンとしている。寺の正式名は何だろう・・?「大師山清大寺」、全く聞いた事ないなあ。参道を上がると壷・お守りの土産屋が・・。誰もいない。
何かやはり俗物的な寺っぽいな・・と進んで行くと、ドデカイ大門・大仏殿が目前に飛び込んできた!


  .......広大な境内には参拝者が殆どいない、正に伽藍(ガラ~ン)としている。(oyaji gyagu)....
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         .......これが有名な「越前大仏」か~!とてつもなくデカイ!........
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大仏殿の中に入ってみれば、こりゃ~スゲエ~!奈良の大仏より大きく、その建造内容もかなり本格的である・・!大仏脇には4体の巨大羅漢・観音。へえ・・こんな場所があったんだ!驚いた。


     .....(左)巨大な羅漢・観音像(マツサンが小さく見える)   (右)日本一巨大な五重塔.......c0119160_2142778.jpg







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   ....大空間(呆)・・巨大な羅漢・観音も小さく見えるくらいにデカイ大仏!兎に角スゴイ!.....
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誰が建造したのかと調べてみると「T田氏」なる地元出身実業家が20年前に巨額な金を投じ開眼したとのこと。五重の塔も京都東寺を上回り日本一の高さだそうです。でも・・、バブル期・人工物には全く手を合わせる気が起こらない。刻まれた歴史・背景がないと深みがなく単なるハコモノだねエ・・

           .....エレベーターで五重塔最上部に上がって、大仏殿の全景を見渡す。.....
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建物の運命は曰くつきです。「T田氏」が03年死去、その後の国税調査で追徴課税され不動会社が経営難に陥り、大仏・五重塔が公売されたニュースが昨年流れていました。交通が不便な所で観光客はガラガラ・・。資産価値は50億円程あるようですが不況下で一体誰がこれを買うんだろう?


  .....(上)菜の花畑から見る寺社群は奈良に似た風情も・・ (下)水田に映る勝山城......c0119160_2125928.jpg
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そんな数奇な運命を辿った悲劇の大仏様ですが、建物自体の規模や迫力には相当驚きました。
ここが本当に深い歴史をもつ史蹟だったならば、見学客に溢れる大観光地だったことでしょう。
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勝山には曰くつきの寺もありますが、この近くにはあまり皆に知られていない、白山信仰の深い歴史が刻まれた古社「平泉寺」が存在します。この寺社も今回の目的の一つ(次回お楽しみに・・)


                                                     おわり


(その2)へ続く↓ 「ちょっと渋めの玄人旅、09GW:北陸紀行(その2)
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  by rollingwest | 2009-06-13 15:09 | 旅の風景 | Comments(20)