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<2014年4月>信州春爛漫の旅情風景「松本・松代の史蹟探訪」(前編)

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                                    「諏訪湖・茅野の縄文遺跡探訪」より続く


★天下の名城「松本城」と桜風景


今回レポートは先日公開した諏訪縄文遺跡探訪の続編。昨年春の満開桜ですので御了解下さい。諏訪から北上して、次は松本市&松代町の訪問!信州の商都(交通・産業・金融・教育)として発展してきた松本市は、県の行政地・長野市とはライバル関係にあり、互いにプライドを持ち競い合っています。


        .....2014年昨春、諏訪の次は松本城へ、まさに春爛漫の光景だった!.....
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松本のシンボルといえばやはり「松本城」!日本全国で江戸時代からの現存天守閣は12城しかなく、その中でも国宝指定されているのは、姫路城(世界遺産)・犬山城・彦根城、松本城の4城だけです。


      .....国宝現存四天守の一つ「松本城」の威風堂々たる姿、まさに日本の名城だ!.....
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   .....(左)立体的に見えるシャープカット石垣 (右)細やかな造形と優雅な千鳥破風と唐破風.....
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文禄年間に建てられた五重六階の天守としては日本最古で、4百余年の風雪に耐え戦国時代そのままの天守が保存されています。市民の情熱により、幾度の存続危機を乗り越えてきたことに松本城の価値があります。いつか桜の時期に対面したいと願っていたので、やっと本望が叶いました~!


        .....(左)黒門に入る (右)城郭内から見る松本城はまた違った印象.....
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威風堂々とした姿はまさに松本の誇りとして市民に親しまれ、周辺は松本城公園として整備されています。季節とともに移ろう様々な表情が美しい日本屈指の名城は別名「深志城」とも呼ばれます。


        .....(左)大天守からの松本城公園の桜風景 (右)松本城の構造.....
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大天守を見上げれば威風堂々とした姿!早速、構内に入ってみよう!二階には火縄銃を主とした「鉄砲蔵」が展示されており、最上部の月見櫓に上がると松本の街が360度パノラマで楽しめました。


        .....大天守の中に入れば磨かれた黒塗り廊下や立派な鯱瓦が鎮座.....
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  .....(左)月見櫓に上がって見る (右)戦国時代の黒具足、鉄砲の数々 (下)歴代城主......
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★「旧開智学校」、松本人が誇りとするもの

憧れていた桜コラボの松本城を十分堪能、次も松本市民のシンボル「旧開智学校」(重要文化財)を訪問しました。1873年に開校した最古級の洋風小学校建築で、構造は木造で桟瓦葺、寄木ニ階土蔵造りで中央に八角塔が高く聳え立ち近代学校建築として最初の重要文化財に指定されています。


    .....松本の象徴「旧開智学校」は文明開化時代の小学校建築で高い気品が溢れる.....
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      .....(左)目の前にある開智小学校もデザインを模倣 (右)立派なポプラの大木!.....
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日本で最も古い旧制小学校の一つ、昭和36年に国の重要文化財に指定され昭和40年に旧校舎は教育熱心な県民の象徴として教育博物館に生まれ変わりました。何とも懐かしい木造校舎だ!


    .....(左)伝統が積み重ねられたロビー (右)開智学校の教室、懐かしい達磨ストーブも!.....
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           .....伝統と気品に溢れる旧・開智学校、建築外観を斜め撮り.....
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松本市は歴史的建築の宝庫!旧制松本高校の校舎を文化財保存した「あがたの森文化会館」、明治22年フランス神父が建築した旧司祭館、伝統ある松本深志高校の正門も見所!そして喫茶店のサッカー仲間が結成した市民クラブだった「松本山雅」がついにJ1昇格し頑張っていることも素晴らしい!


        .....(左)旧制松本高等学校&あがたの森公園 (右)松本市旧司祭館.....
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    .....(左)今年J1昇格した「松本山雅」は市民の誇り (右)伝統ある松本深志高校.....
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学生時代、上高地から北アルプス登山する時は必ず松本駅経由で「新島々駅」(松本電鉄)から入山したものです。松本市は何度も足を踏み入れているのですが、実は市内の歴史的建築や史蹟は殆ど訪問していなかったことに気がつきました。次回は松本の古の面影の残る街を散策してみたい。


           .....松本城と旧・開智学校の間には松本神社が鎮座.....
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  .....(左)新緑の柳が輝く松本城. (右)花見で賑う満開桜の中、松本に別れを告げる.....
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★松代探訪①:陸軍が本土決戦に備えた戦争遺構「松代・大本営」

松本から北上し、次は松代(長野市)へ!川中島合戦で武田信玄本陣となった城郭「松代城」(別名・海津城)を5年前に訪問したことが懐かしい!三方を山に囲まれた平城(山本勘助が築城)は千曲川を堀とした天然要害です。謙信・信玄が一騎討ちした川中島古戦場も近いしお薦めの見所!


    ...(左)江戸時代城下町で栄えた松代に訪問(2010冬) (右)松代城(別名:海津城).....
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                        2010年松代・海津城、川中島合戦、善光寺の記事はコチラから

      .....2009~2010柏崎年末帰省途中で海津城(信玄が川中島合戦の拠点)を訪問.....
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さて今回の松代訪問の目的は3つ、まずは終戦間際に陸軍が政府・大本営の移設計画した「松代・象山地下壕」、2つ目は吉田松陰・坂本龍馬・勝海舟の師匠「佐久間象山」生誕地、3つ目は真田幸村で有名な真田一族の史蹟を訪ねることでした。こんなに見所があるのに松代は殆ど無名に近い。


    .....軍部が本土決戦最後の拠点として政府・大本営の移設計画した「松代・大本営」.....
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今年は戦後70年、先日の横浜・川崎の春爛漫記事で、慶応大学キャンパス(横浜日吉)に眠る海軍地下壕をレポートしましたが、今回の松代・大本営の規模・構想・狂信性は半端なものじゃありません。

                       慶大キャンパス(横浜日吉)の海軍地下壕の記事はコチラから 

            .....太平洋戦争の遺構、陸軍司令部の地下壕に入ってみる.....
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松代・大本営は、太平洋戦争末期、松代町の3山(象山・舞鶴山・皆神山)を中心に善光寺平一帯に分散して作られた地下壕などの軍事地下施設群です。敗色濃厚だった当時、軍部は本土決戦を覚悟し、決戦の指揮中枢を守るためのシェルターとして松代大本営の地下壕建設を計画したのです。


     .....当時2億円の巨費を投じて工事が進められた総延長10kmに及ぶ巨大地下壕.....
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軍部は地下壕(約10km)に、皇居・政府官庁・放送局等をまとめて移転する計画を立て、昭和19年11月から天皇には秘密で着工し突貫工事を進めました。そして昭和20年6月、松代移転が奏上されますが、昭和天皇はこれを拒否。怒りと悲しみのあまり翌日から2日間体調を崩したとのこと・・


    .....象山に碁盤の目の如く掘り抜かれたシェルター基地は戦争が生んだ狂気の残骸遺構.....
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ヘルメット着用で見学できるのは500m区間だけですが削岩機の先端ロッドが岩にめり込んだまま光景は岩盤がいかに強固かを実感できます。たった9ヶ月でこんな掘削労働をさせたとは驚くばかり!


     .....(左)削岩機ロッドの残骸 (右)延300万人の住民や朝鮮人労働者が強制動員.....
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マリアナ諸島陥落から敗戦までの1年間、軍部は松代地下壕(大本営)で徹底抗戦を計画しましたが、沖縄戦、広島・長崎の原爆投下で連合軍に完全降伏。巨大な地下壕群は降伏までの時間稼ぎをしただけの虚しき地下壕跡となってしまいました。まさに戦争狂気が残した悲しみの暗闇遺構だ・・


         .....完成まで計画の75%時点で終戦を迎えて工事はついに中止.....
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食糧難の戦争末期、困窮する国民・朝鮮人を強制連行し苛酷な使役労働を強いた事実は殆ど知られていないのでは・・?松代地下壕は大本営の狂気が産み落とした負の戦争遺跡そのものでした。


     .....(左)朝鮮人労働者の慰霊塔 (右)満開桜の下で平和のありがたさを再認識.....
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★松代探訪②:幕末思想家「佐久間象山」の生誕地


       .....巨大地下壕の隣に「恵明禅寺」(黄檗宗)の桜はまさに盛りを迎えていた.....
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悲惨な戦争遺構「松代・大本営」の訪問した後は日本の春を心おきなく楽しめる桜の輝き・・、平和な時代に生まれたありがたさを実感!地化壕入口の隣には満開桜の「恵明禅寺」や高台から松代の街を見渡せる「竹山稲荷神社」(真田幸村の甥が祀っていた鎮守神社)があるので訪ねてみよう!


          .....その隣には「竹山稲荷神社」。赤鳥居をくぐり高台へと登る.....
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     .....(左)松代の街を見下ろす(なかなかの絶景!) (右)横田家住宅前を通過.....
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次はかねてから訪問しかった幕末思想家「佐久間象山」の生誕地へ!彼が開いた私塾の弟子は幕末・明治維新ビッグネームが続々!吉田松陰・坂本龍馬・勝海舟・小林虎三郎・河井継之助・・。吉田松陰の弟子が高杉晋作・伊藤博文・山県有朋。佐久間象山の偉大さをあらためて再認識した次第!


       .....「佐久間象山」 神社には馬にまたがった象山の威風堂々たる姿!.....
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    .....黒船で来航したペリーが、唯一会釈をしてしまった日本人が佐久間象山.....
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松陰密航事件に連座して投獄され、44才から9年間松代に蟄居されましたが、この地に高杉晋作・久坂玄瑞・中岡慎太郎らが面会に訪れ、時世について激論し、象山の学識に感動したとのこと。


   .....(左)象山の偉業、兵学や数々の発明 (右)吉田松陰・密航のあおりを受けて牢獄へ.....
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    ..... 「旧松代藩鐘楼」 象山は鐘楼に電線を張り通信実験を実施(日本通信の発祥地).....
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蟄居を解かれ京都へ上り将軍家茂・一橋慶喜に公武合体開国を説得しましたが、京都で尊攘派の凶刃に倒れ非業の最後を遂げました。しかし4年後に明治維新の世を迎えたので、象山も自分の願いが弟子達により叶えられ、尊皇開国の捨石となれた満足感を草葉の陰で感じていたのでは・・


        .....(左)象山の誕生地 (右)象山神社はまさに桜満開の春爛漫でした.....
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松代は真田一族に縁の深い街でもあり真田博物館や長国寺(真田一族の菩提寺)も訪ねましたが次回のレポートとします。来年のNHK大河は真田幸村が主役なので当地も大いに賑うことでしょう。


           .....(左)真田博物館の甲冑 (右)真田一族の菩提寺「長国寺」.....
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諏訪・松本・松代の歴史、美しい山々。信州の自然や歴史の魅力を再発見しているRWですが、まだまだ訪ねていない隠れたお宝物を発見できそうな気がしております。次回は何に出会えるだろう。


      .....(左)ピラミダルな常念岳 (右)北アルプス連峰、松代の街から見る姿も圧巻!.....
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                           北信濃「飯山街道」(野沢温泉・小布施)の旅はコチラから 
 

                                                         おわり

  by rollingwest | 2015-04-19 00:00 | 旅の風景 | Comments(118)

 <2015年4月>2014九州歴史探訪旅(最終⑤):神仏習合発祥地「国東半島」巡り

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                 九州歴史探訪旅④:双葉山の故郷・宇佐&昭和の豊後高田より続く


★石仏群の聖地「国東半島」巡り、まずはクライマックス「熊野磨崖仏」から訪問


昨年5月、九州の日本百名山200名山にデビューし歴史探訪も兼ねた4泊5日の旅からもう1年近くが経過してしまいました。過去4編(登山記事2回、宇佐神宮、豊後高田)の記事をダラダラ掲載してきましたが、今回でようやく最終編。以前から憧れていた国東半島(大分県)で締めたいと思います。


      .....別府湾に寄せ来るさざ波、穏やかなから海から仰ぐ高崎山(猿の山で有名).....
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別府駅前のビジネスホテルを朝6時に出発し、まずは別府湾の海岸へと出てみました。湾に突き出て猿の山で有名な「高崎山」が青空に映えて実に素晴らしい姿を見せている!今回はひたすら時間効率化で廻る旅だったので、次回は老舗温泉にゆっくり浸かり鶴見岳から別府湾を俯瞰して見たいネ~


       .....(左)別府温泉街 (右)高崎山に別れをつげて国東半島へ!....
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いよいよ長年の憧憬地「国東半島」へと足を踏み入れます。国東半島は古くから瀬戸内海と大陸を結ぶ交易要所の役割を担い、奈良時代から宇佐八幡信仰と仏教が混ざり合った「六郷満山」と呼ばれる山岳仏教が形成されました。当地域を中心に発展した山岳仏教はまさに神仏習合の発祥地


    .....(左)国東半島の六郷満山、田園風景 (右)神仏習合の発祥地「国東半島」.....
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まずは国東半島の象徴である「熊野磨崖仏」から訪ねてみよう!磨崖仏への入口にある胎蔵寺(国東・六郷満山霊場の第五番札所)は1300年前に宇佐神宮によって造営された寺で鋸山の奇岩秀峰の一角をなしています。胎蔵寺境内には銀色メッキの大黒天・不動明王・十二支碑、何じゃコリャ~!


      .....胎蔵寺に到着。銀色の十二支碑・大黒天・不動明王を見つめる観音様.....
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暫く行くと磨崖仏へ向う長い石段が現れてきました。鬼が一夜にして築いたとされる乱積みの石階段は険しく長い道のりだ!足場が悪く傾斜が厳しいので杖と手すりを頼りにユックリ上っていきます。


      .....(左)熊野磨崖仏へと続く石階段 (右)神仏習合の鳥居をくぐりいざ出発!.....
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          .....(左)熊野磨崖仏へと続く石階段 (右)胎蔵寺奥の院に到着.....
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石段を8~9割上った辺りで2体の磨崖仏が現れました!憧れだった日本最古・最大級の磨崖仏についにご対面できた!巨大な不動明王像は実に柔和な表情をしているね~!対照的に大日如来像の方は、頭部上方に三面曼荼羅が刻まれて厳しい顔つきをしている。イヤ~素晴らしい、感激だ!


          .....ついに「熊野磨崖仏」(国東半島の象徴的な石仏)にご対面の夢が叶う!.....
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      .....平安時代後期の日本最古・最大級の磨崖仏(左)大日如来&(右)不動明王.....
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国東半島は天台密教文化のメッカ、歴史表舞台から遠く離れる大分の地に、奈良・平安期の大きな社寺や様々な石仏史跡が残されているのは何故だろう・・?そんな気持で次のお寺へと向いました。 





★かつては国東半島・最大の寺院だった「伝乗寺:真木大堂」


国東半島は「仏の里」と呼ばれます。古代の宇佐で生まれた八幡信仰は古代仏教と融合し国東半島にある六つの郷で天台宗と結びつき多くの寺院が山に建立されました。神仏習合発祥地は岩場修行の独特な仏教文化を形成し、大きく華を開かせてやがて全国的な仏教として広まっていったのです。


                          2014九州歴史探訪旅③「宇佐神宮・八幡神の深い謎」

        .....国東半島特有の山・谷の急峻な地形が山岳仏教修行の場となった.....
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真木大堂は六郷満山の本寺「伝乗寺」の堂宇の1つとして建立され、伝乗寺は(かつて六郷満山の最大規模)を誇り、満山の中心的寺院として隆盛を極めたといいます。しかし、その草創については確たる文献もなく「幻の大寺」とされる寺院です。真木大堂に収められた9体の仏像(国の重要文化財)はその名残と伝えられ、地元の人々の厚い信仰を集めてこの地で大切に保管されてきました。


       .....「真木大堂」には9体の仏像があり、地元の人々の厚い信仰を集めている.....
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本尊は、邪鬼を制する四天王を従えた阿弥陀如来坐像(藤原時代作)。白い水牛に跨り、六面・六臂・六足を持ち大憤怒といわれる恐ろしげな表情を見せながらも実は慈愛に満ちている感じだネ~


        ....かつて六郷満山の最大寺院だった伝乗寺の仏像群は実に迫力あり.....
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★九州最古の阿弥陀堂「富貴寺」&修験道修行の「六郷満山」風景


富貴寺大堂は「蕗の大堂」とも呼ばれる阿弥陀堂(西国唯一で九州最古の和様建築物)を持つ日本三大阿弥陀堂(中尊寺色堂と宇治平等院鳳凰堂と並ぶ)の一つに数えられています。堂内には極楽浄土を夢想させる極彩色の阿弥陀浄土変相図が残されていて日本四壁画とも呼ばれています。


     .....(左)富貴寺の山門 (右)拝観窓口の猫の爆睡ぶりに笑ろた~.....
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幹線国道から相当深く入り込んだ山里に風格ある御堂が静かに佇んでいたことは驚きました。大きな山門を見上げ、いざ中へ入らん!猫が気持ちよさそうに爆睡している姿を見て吹き出した・・(笑)


   .....(左)富貴寺山門を振り返れば新緑の輝き (右)九州最古の阿弥陀堂(国宝).....
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石段をゆっくり登り行くと仁王門が現れたぞ。御堂を包み込む清浄な気と輝く新緑は心を癒してくれます。阿弥陀堂には。薬師・釈迦浄土など東西南北に描かれた四浄土があり、曼陀羅絵は実に興味深い。平安末期の浄土への憧れ(末法思想)が都から遥か離れた九州の地で栄えたことは驚き! 


      .....数々のライトアップ仏様が鎮座、中央には本尊・阿弥陀如来坐像(重文).....
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車を走らせていく妙義山の様な六郷満山岩峰群が目の前に現れてきました。奇岩や秀峰がそびえる景勝地でもあり天念寺耶馬といわれている景勝地です。その秀峰に架かる石橋が「鬼会の里」の裏にあります。「天念寺無明橋」と呼ばれ頂上付近は鎖を伝って登る難所はなかなかスリリングです。


       .....(左)六郷満山風景の岩峰群 (右)ここは修験道の峯入修業の地.....
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             .....天念寺の無明橋は峯入修業のクライマックスポイント.....
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六郷満山の峰入修行の「天念寺」は行きたかったのですが時間がなくて訪問できませんでした。長岩屋川の大岩に巨大な不動明王と2童子が彫られているらしい。ネット写真ですがここは是非ご紹介!


        .....川中不動の水風景(ここには実際に行けなかったのでネット写真).....
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次の目的地は六郷満山の最大見所「両子寺」に向い車を走らせていきます。途中に並石ダム湖が出現、静かな湖面背後には六郷満山のシンボル「屋山」がユッタリとした貫録の台形姿を見せている!


       .....並石ダム湖は輝く新緑、「屋山」は六郷満山を代表する名峰の一つ.....
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★六郷満山の最大クライマックス「両子寺」&「文殊仙寺」


国東半島の中心部に位置する両子山(標高721m)、150万年前の太古の火山活動で形成された山の中腹にあるのが「両子寺」。国東・山岳修行の根本道場で六郷満山の全山統括する総持院です。両子寺の境内に立つと、正面に両子山、左側は書院・客殿、右側は修業道場の護摩堂が配置


        .....(左)両子寺の駐車場に到着 (右)緑と花が鮮やかだった護摩堂.....
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明治時代に焼失した護摩堂(本尊・不動尊)は、その後再建され山岳修行の根本道場の威厳を保っています。寺の大講堂横には鳥居(さすが神仏習合)が出現!奥の院へと通ずる階段があります。


     .....寺の境内に堂々と立つ山王社鳥居、正に神仏習合発祥地!新緑が眩しい!.....
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いよいよ両仁王像が守護する奥の院(本尊:十一面千手観音)へ!木々に覆われ上へと続く階段は邪気を寄せ付けない神聖な仁王門です。崖下洞窟に建物の一部をめり込ませた造り。国東半島の寺院にはこの形式が多く見られ、近くで見るとかなりの急斜面に建てられていることが分かります。


      .....両子寺の山門階段(仁王様が両脇を守る)、いよいよ奥の院へと登り詰める.....
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      ....(左)磨崖で絶妙に建築された奥の院 (右)中国仏教の影響を色濃く感ずる.....
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奥の院本殿には、両子大権現(双子の男・女二天童子)・宇佐八幡、仁聞菩薩、千手観音が祀られています。神や仏がゴッタ煮状態で祀られている光景は、出羽三山で見た神仏習合と全く同じだ!


        .....(左)新緑に静かに佇む奥の院 (右)奥の院内部は神仏習合の極致.....
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   ....(左)本尊・千手観音立像 (右)虚空蔵菩薩&文殊仙菩薩 (下)六郷満山の寺院分布.....
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奥の院裏にある洞窟にも自由に入ることができます。薄暗い洞窟には観音像が祀られていて蝋燭の炎が静かに揺らめいていました。ここで湧き出る水は「不老長寿の霊水」とされているそうです。


      ....(左)ありがたき十一面千手観音像のお姿 (右)奥の院裏の洞窟に入って見る.....
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両子寺周辺は、自然に恵まれ四季折々の変化が感じられる全国森林浴の森百選の指定地で気軽に参拝や森林浴ができる格好の場所。磨崖上の国東塔などを見て下山。次は文殊仙寺へ向おう!


          .....(左)新緑の両子寺周遊コースを下っていく (中)磨崖上の国東塔.....
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文殊仙寺は国東半島の中で二番目に高い文殊山(半島の中央に聳える)の中腹に位置し、駐車場から暫く石段を登って行くことになります。648年、役小角によって開基され、山腹の奇峰怪岩に囲まれた仙境秘境の地に本尊・文殊菩薩(三人よれば文殊の知恵)が鎮座。日本三文殊の一つです。


        .....文殊仙寺山門から杉古木の中に伸びる長い石段を登り奥の院へ到着.....
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文殊山に登った役小角(日本各地に足跡)は文殊菩薩の尊像を泰安して文殊仙寺と名付けました。文殊智水という湧水もあり小角自らノミを岩角から穿ち出した霊泉だそうな・・。数多くの重要文化財や天然記念物を有する国東半島随一の古刹は、開山以来1300年の法燈を守り続けていました。


       .....文殊仙寺・奥の院の背後は大絶壁、ここには役行者の石像が祀られている.....
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六郷満山の全山は廻れませんでしたが8割位は体験できて大いに満足!山々を後にして水田景観(中世より変わらぬ荘園)を楽しみながらいざ帰路へ!瀬戸内海・伊予灘方面へ車を走らせて行く。


       .....国東半島・田園風景や六郷満山はまさに日本の原風景、いざ帰路へ向う....
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★2014九州の山旅・歴史旅ももう終わり・・、今年5月に再度リベンジ!


海に出ると黒津崎という小さな岬から南北に白砂青松の砂浜が延びており、延長は2.2kmに及び、瀬戸内海の伊予灘に面し、海岸には奇岩が点在しています。大分百景のひとつに選定されている黒津崎海岸は美しい砂浜として有名。ウミガメ産卵が確認されており保護運動が高まっています。


         .....六郷満山から大分県の海岸線に出る。ここは名勝「黒津崎海岸」.....
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昨年5月、初めて九州の山にデビューし歴史旅も織り交ぜた濃厚な5日間もついに終わりました。翌日大分空港から飛び立ち帰京の途に・・、真下に昨日廻った国東半島の全景が見えるではないか!


                     2014九州登山デビュー&歴史探訪旅②:「椎葉峠越え&市房山」
 
     .....大分空港から飛び立つ飛行機から、先程まで廻った国東半島の形がハッキリ認識.....
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   .....(左)見事な雲海芸術 (下)淡路島と神戸を結ぶ明石大橋 (右)瀬戸大橋もバッチリ!.....
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羽田空港から飛び立った時は、京浜工業地帯(東京・川崎・横浜)・富士山・丹沢・奥秩父・南アルプス、関西エリアに入ると琵琶湖・京都を空から見下ろす絶景に恵まれましたが、帰りの飛行機からもそれに劣らずのパノラマ!瀬戸大橋、淡路島、明石大橋を見ながらあっという間に房総半島・関東へ到着

                        2014九州登山デビュー&歴史探訪旅①:「由布岳・大崩山」
 

    .....(左)東京湾と房総半島を旋回 (右)京浜工業地帯を見ながら羽田空港へ着陸!.....
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昨年5月の九州旅で唯一の心残りは九州・最難関峰「大崩山」(宮崎県)の登頂を断念し(道迷い・悪天候)敗退したこと・・。実は今年5月そのリベンジで食山人氏と一緒にこの山に再挑戦してきます。


  .....(左)国東半島・宇佐神宮は世界遺産を目指す (右)今年5月、再び九州の山にリベンジ!.....
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さらに古事記・天孫降臨・神武天皇に関する史蹟も全て廻ってくる予定。2015九州登山&歴史レポートは6月から開始し1年をかけてダラダラとお届けしますが、またよろしくお付き合い下さい。

                                                         おわり

  by rollingwest | 2015-04-04 17:00 | 旅の風景 | Comments(112)