デビッドボウイ  「ラザロス」

★(139)デビッドボウイ  「ラザロス」 (2016年) (2016.1.24公開)



c0119160_8572534.jpg「20世紀で最も影響力あるアーティスト」デヴィッド・ボウイ死去(1月10日・享年69歳)のニュースは、全世界に大衝撃・喪失感を与えています。彼の影響力がいかに大きかったのかその偉大さにあらためて驚くばかり・・。デビッド・ボウイは18ケ月間がんと果敢に闘った後、家族に看取れながら安らかに息を引き取ったとのこと。デヴィッド・ボウイ記事は【第5巻】(043)で一度掲載したきりですが、今年は続編で1980年代曲(レッツダンス等)をレポートする予定だったので、突然の訃報に茫然・・。今回は、彼が全世界ファンに別れを告げるようにリリース(亡くなる2日前)した遺作ブラックスター】の全7曲を紹介します。現在このアルバムは小売店で品切れが続出、すでに初登場全米・全英1位に輝いており、さらに売上を伸ばし歴史的名盤になる可能性も高い!生前の彼が終ぞ成しえなかったNO1快挙を有終の美で飾ることができて本当によかった・・!上記に掲載した「ラザロス」(アルバム収録3曲目)は全体を覆うサックスサウンドが印象的でボウイの歌唱力が光るミディアムテンポな重厚曲。ユーチューブ映像は彼がまさにガンと闘病している最後の自分自身を映し出しているではないか~!この映像は彼がファンへの「別れの挨拶」だったという情報が後日明らかにされました。「ラザロス」とは新約聖書(ヨハネ11章)に登場する人物(死後4日目にイエスによって蘇らされたラザロ)で、今回全米NO1となり世界に蘇ったボウイの姿そのものを予言した暗示的な題名・・!それでは遺作盤の全てを紹介しましょう。冒頭曲はアルバムタイトル名にもなった10分近くの長い曲「★ブラックスター」でスタート。死の暗黒星へと旅立つに際して、人生の裁きを受ける前の恐怖が感じられ沈潜・浮上が繰り返される暗示的な曲。聴く側も耳をそらすことができない彼の深い叫びがひしひし迫ってくるようです。2曲目の「'Tis a Pity She Was a Whore」は激しいビートに吹き込まれる様ななサックス(ピンポイント爆撃の上空映像が連続)と彼のボーカルが随所に登場する不思議な曲、「スー」(Or In a Season of Crime)はジャズロックサウンドと融合した深淵な雰囲気を感じさせるイメージ、死を間際にして人生の懺悔を歌いあげているのか・・? 第5曲目「ガールラヴズミー」はややノスタルジック曲調でボウイのエコーヴォーカルが魅力的!往年の退廃的なムードと中性的なボウイのエロい妖しさが溢れ出ておりオールドファンには喜ばしい限り!艶溢れる声、妖しい色気ある容姿(昔の映像かな?)を見ればとても病床にいたとは思えぬ程、衰えを感じさせない・・!我々世代が夢中になったデビッドボウイは1970年初頭、当時出現したグラムロックの両雄が強烈な印象で音楽シーンを席巻!一世風靡していたマーク・ボラン(Tレックス)が悪魔的エレキサウンド全開のスタイル、そのライバルだったボウイは宇宙人ジギー・スターダストとして地球に舞い降り、中性的かつド派手なコスチューム(歌舞伎チックかも)でハードなロックサウンドを次々披露していました。さて再び遺作紹介へと戻りましょう。第6曲目「ダラーデイズ」はサックスソロが全体を引き締める正統派なボウイサウンド!宇宙的な神秘性もありデビッドボウイの音楽人生がこのユーチューブに全てレビュー総括されている気がしています。RWはこの曲が一番お気に入り、地球の皆様に対する実質的な締めの曲なのかも・・。そしてアルバム最期の曲(生涯を閉じたフィナーレの7曲目)は「I Can't Give Everything Away」、ストレートで深みあるロックはまさにボウイの定番サウンドが展開され1970年代LP時代の雰囲気も漂います。曲題を直訳すれば「私は皆さんに自分の全てを与えられず、ついにあの世へと去る・・」こんな心境を彼はノスタルジーを込めた曲で惜別の挨拶しているのだろうか・・?←いえいえ・・何を仰る、ボウイ様!貴殿は地球・全世界の皆様に十分過ぎる程に素晴しい贈り物を沢山して頂きましたよ・・! 死の病床にありながら往年の美しさを失わずこれだけのアルバムを創り上げたとは・・、まさに驚異の生命力と執念!彼の美学を最期まで突き通した姿に唸らせられます。彼が大ブレイクした1970年はビートルズが解散した年、世界の若者達は新たなスターの出現を待望していました。次々と音楽スタイルを変化させ時代を先取りしていったデビッドボウイ、まさに「20世紀で最も影響力あるアーティスト」の冠名に相応しいのかもしれません。(ビートルズやストーンズは、最も影響を与えたのは当然俺達に決ってるだろ!と自負してるでしょうが・・苦笑) 
往年のロックスター達も年を重ねて鬼籍に入る方が多くなってきましたが寂しい限りです。さようなら・・デビッドボウイ、地球に降りて来た宇宙人、再び天に戻ってもバサラな格好で先鋭的な曲を歌い続けて下さい。あらためてご冥福を祈念したいと思います。

  # by rollingwest | 2002-11-01 00:22 | 洋楽(ロック・POPS)

ビートルズ 「リボルバー」発売50周年特集

★(149)ビートルズ 「フォー・ノーワン」 (1966年) (2016.6.23公開)

(名盤「リボルバー」発売50周年・記念特集)


c0119160_19131864.jpg今年夏は「ビートルズ来日・武道館公演50周年」(6月29日~7月3日)を迎え、さらに秋はライヴ映像映画『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』が公開予定。リンゴスターも来日公演もあり今から楽しみですね~。またもビートルズのミニブームが再燃し盛り上ってきそうな気がしています。半世紀前の日本中が大フィーバーした様子は、2016年元旦に公開した「ビートルズ来日・私設資料館訪問」記事で再度振り返って見て下さい。ちょうど50年前・1966年は彼らにとって音楽性や活動内容を大転換させた画期的な年でもありました。日本公演の2ケ月後に彼らは「今後公演活動を一切中止する」と宣言、以後はスタジオミュージシャンとしての音楽活動に徹していきました。遊び心で録音テープを逆回転させ重層的な曲編集、インド音楽を取り入れた幻想的な世界への挑戦、スタジオに籠って新・音楽境地を開いていく活動スタイルはその後ロック界全体に広く深く影響を与えていく契機となったのです。その変化を象徴する歴史的な名盤が【リボルバー】・・、今年8月で発売50周年を迎えるのでこのアルバムから数々の名曲をお届けしたいと思います。冒頭曲「フォーノーワン」はポールが淡々と歌い上げ美しいホルンの響きがコラボする癒しの名曲・・、RWお薦めのお宝ナンバーを今回記事のTOPとして選択いたしました。名盤「リボルバー」の第1曲目はジョージがリードボーカルを取ったアップテンポ曲(英国の税金制度を諷刺)「タックスマン」でした。デビュー以来、一番目立たなかったジョージがアルバム冒頭を飾り3曲がフューチャーしているとは・・、彼が徐々に実力を積み上げ前面に出て来た時期だったのかとあらためて再認識されます。当時のジョージはインド音楽魅力に傾倒しており「ラブ・ユー・トゥ」はその真骨頂、シタール楽器の音色・魔法の打楽器タブラ・シンプルなコード進行などビートルズの他メンバーも独特な世界に触れ大きな衝撃を受けていたのです。次に紹介する曲は、ひょうきんなアニメ演出で遊び心で重層録音編集を楽しんでいる「アイム・オンリー・スリーピング」、気だるさを醸し出す味わい深いさには彼らの余裕が感じられます。実験的・先進性の曲が多い名盤の中には、従来路線の美しいバラード曲も随所に健在!ポールの声で織りなす歴史的な名曲「エリナーリグビー」「ヒア・ゼア・アンド・エヴリウエア」等でバランスを取っており、このアルバムの魅力をより一層際立たせていると思います。ヒアゼアのユーチューブを見ると、ポールが婚約発表(1967年)したものの翌年婚約破棄されてしまったジェーン・アッシャー(4年越しの恋人)と仲良く写っているではないか!ポールの結婚生活は本当に波乱に満ちているなア・・。ジェーンとの破局後は、リンダ・イーストマンと1969年結婚しウイングスで仲良く黄金時代を築きましたが、リンダが乳ガンに侵され1998年に逝去。その後、若いモデルと結婚と離婚を繰り返し、最近では50億円慰謝料など武勇伝を繰り返すポールのお元気さには頭が下がります。さて次は有名曲の一つ「イエローサブマリン」の登場です!リンゴがほのぼの調で歌う日本でも馴染み深い曲は、のちに同名でアニメ映画化されたサウンドトラックでも大ヒット。おとぼけ雰囲気が相変わらずいいですね~!そして最後に紹介する曲は当然「トモロウ・ネバー・ノウズ」、テープ式のループ(繰返し音)が鳴り、ミニマルなドラムやベース・ギター、カモメの声が絡み合う曲はやがてLSDの世界に誘うような宇宙的展開、この曲こそ画期的な名盤「リボルバー」(ジャズ゙・クラシック・インド音楽への接近、LSD麻薬体験での幻想的なエレクトロ技術の曲が続々登場)の象徴的な曲といえましょう。この名盤から、ロック史の最高名盤と称賛される「サージェント・ペッパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド」へと受け継がれていくのです。

(追伸):皆様から多くのコメントを頂戴し誠にありがとうございます。今回、皆様からこの曲は是非掲載してほしかったという強いリクエストが寄せられた2つの名曲「and yourbirds can sing」「got to get you into my life」を追加させて頂きます。このような嬉しい反応を頂くと記事の書き甲斐があるなあと相互の切磋琢磨ができる感謝の気持で一杯でございます。

  # by rollingwest | 2002-11-01 00:21 | 洋楽(ロック・POPS)

アースウインド&ファイアー 「宇宙のファンタジー」


★(142)アース・ウィンド&ファイアー 「宇宙のファンタジー」 (1977年) (2016.3.8公開)




c0119160_22362769.jpgまたまた1970年代のトップアーティストの哀悼レポート・・、米国人気バンド「アース・ウィンド&ファイアー」(以下EW&Fと記載)の創設者「モーリス・ホワイト」(パーキンソン病・享年74歳)が2月に亡くなり1ケ月が過ぎました。デビッドボウイ、グレンフライ(イーグルス)に続く3連続訃報は、自分自身が還暦近くなり1970年代巨星達が次々と天に召される時代を迎えたのか・・と複雑な気持ちです。第25巻はボブウエルチも含めて紹介の4記事が全て物故者シリーズとなってしまいましたね・・(涙) 南部テネシー州のジャズ・ドラマーだったモーリス・ホワイトはシカゴで音楽活動に入り「アース・ウィンド&ファイアー」を結成、ファンクとR&Bをポップに融合し黒人・白人の両方から称賛されるバンドとして注目を集めました。やがてAORも取り入れて1970年~80年初頭に世界を席巻(総売上は9000万枚超、グラミー賞6回)、2000年にはロック殿堂入りを果たしています。ヒット曲は「セプテンバー」や「ブギー・ワンダーランド」「アフター・ザ・ラブ・ハズ・ゴーン」など数えきれませんが、やはり日本人に一番知られているのは冒頭の「宇宙のファンタジー」でしょうね~!高校野球開会式曲やドラマ「電車男」等で若者にも十分浸透している感じです。EW&Fは有名曲が多いので前後編に分けて紹介、今回は1973~1977年のややワイルドでファンキーなナンバーを中心にレポートします。フィリップ・ベイリーが加入しツインボーカルとなった1973年「ヘッド・トゥ・ザ・スカイ」がゴールドディスクを獲得し一躍有名になり始めました。当時はまだ落着いた大人のジャジ―な雰囲気が伺えます。1975年に映画主題歌「暗黒への挑戦」が全米アルバムNO1を獲得、「シング・ア・ソング」(1975)や切れ味鋭く攻撃的かつ商業的な曲で全米NO1に輝いた「シャイニングスター」(1975)が大ヒット。RWが初めて彼らを注目し始めたのはこのあたりの曲だったような気がします。大学生で上京した1976年、この頃から世界的に空前のディスコブームが始まり、EW&Fまさに当時の中心的な存在になっていました。ファンキーでジャジ―な即興演奏のディスコサウンドは解りやすくて日本人にも大受けし「サタデイ・ナイト」(1976名盤「魂」/ Spiritより) やアップテンポでワイルドな乗りの「ゲッタウェイ」(1976)を聴きながら新宿ディスコで踊ったことが懐かしい~!上京したてのダサイ大学生は夜の大都会で夢のような出会いが起こるはずと期待したものの結局何の成果も得られず虚しい気持で四畳半下宿に一人帰宅したのでした・・(苦笑) アルバム「魂」はEW&Fの音楽性が最高レベルに凝縮した作品、2週連続全米2位ダブルプラチナを記録しています。そして翌年1977年には名盤「太陽神」がリリースされ「宇宙のファンタジー」が世界的なヒットとなると、彼らの人気はさらに高まり栄光の全盛時代を迎えていきました。モーリスホワイトの誕生星図は占星術によればEarth, Air & Fire(土・空気と火)の3要素があり、それがバンド名の由来ですが、惑星の中心「太陽の神」に対して彼は深い崇敬意識を抱いていたのかも・・。最後は名盤から「ジュピター」(太陽神・1977)で前編を締めくくりましょう。天に召され天空の輝ける☆となったモーリス・ホワイトの冥福をあらためて祈念いたします・・。
(PS)3月は、ジョージマーチン(ビートルズの父親的存在)、キース・エマーソン(EL&P)とその後も訃報が連続・・、1~3月の洋楽大物逝去の連続は5人目となりました。 再び、合掌・・

  # by rollingwest | 2002-11-01 00:20 | 洋楽(ロック・POPS)