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<2014年11月>群馬・埼玉の世界遺産探訪(後編):藤岡・伊勢崎、深谷・小川

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★「絹産業構成遺産群」(その1)「高山社跡」


昨年秋に世界遺産指定の「富岡製糸場」「荒船風穴」を訪ね前編で記事を公開しましたが、後編は構成遺産「高山社跡」「田島弥平旧宅」をレポート!埼玉県に入り、渋沢栄一(富岡製糸場創設者)の生家(深谷)、最後は和紙・世界無形文化遺産を祝って小川町も訪問したのであわせて御覧下さい。


   .....(左)富岡製糸場・東繭倉庫の雄姿 (右)ポール・ブリュナー館を背景に・・(昨年秋).....
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                  「群馬・埼玉の世界遺産探訪(前編):荒船風穴&富岡製糸場」より続く


     .....富岡製糸場の他に、世界遺産・構成遺産3ケ所を全て廻った(藤岡に宿泊).....
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今回のミニ旅は、初日に荒船風穴・冨岡製糸場を訪問して藤岡駅前のビジネスホテル宿泊。翌日は早朝出発し高山社跡へ!駐車場からは竹林遊歩道が整備されておりチト長い時間を歩かされましたが、静謐な空気が爽やかで気持ちいい~!充実したスケジュールのスタートを飾るにはナイスな朝の雰囲気!


      .....高山社跡への見学遊歩道、朝の竹林道、風情がありすがすがしさを満喫.....
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     .....(左)紅葉鮮やか・朝の空も実に爽やか! (右)遊歩道終点から.高山社跡へ....
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開場30分前に到着したので時間を持て余し周囲を散策。道祖神や道端石碑群が日本の原風景を感じさせます。開門時刻を迎えると数人の地元ボランティアに迎えられ丁寧な案内をして貰えました。


    .....(左)史蹟近くの道端には道祖神や石碑群 (右)立派な石垣坂道を登り正門へ.....
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        .....「高山社跡」に入って見ると立派な庭!紅葉が実に鮮やかでした~.....
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「高山社跡」は、養蚕法「清温育」研究と人材育成をした創始者・高山長五郎の生家で絹産業遺産群の構成資産(国指定史跡)に指定されました。長五郎は明治6年「養蚕改良高山組」を組織、自宅で養蚕法改良と組合員指導を行い、現在は蚕室(養蚕用家屋)が当時の面影を残してくれています。


          .....高山社(繭の教育機関)の応接間、朝の光が蚕室に差し込む.....
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奥座敷は歴史を感じる風格ある落ち着いた佇まい、二階に上がると蚕室になっています。5歳頃の親父の本家では養蚕をしていたので、子供の頃を思い出して非常に懐かしい光景が蘇りました。


     .....2階の蚕室、ここで清温育法が確立され日本絹産業発展に大貢献を果たした......
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絹産業発展の礎の一つを勉強して得した気分で藤岡から伊勢崎へ移動。次の世界構成遺産「田島弥平旧宅」がある島村へと向おう。利根川の雄大な流れと広い空、開放感溢れる群馬の光景だ!




★「絹産業構成遺産群」(その2):「田島弥平旧宅」

        .....伊勢崎市へと入る。「利根川」堰堤の道を散歩する人、ジョギングする人.....
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田島弥平旧宅の観光地運営は地味ながらも地元有志達により手作りで維持されており真心溢れた雰囲気を感じました。冨岡製糸場が世界遺産指定され郷土愛に火がついた人達が盛り上げて行こうという前向き心がヒシヒシ伝わってきます。観光事務所では無料レンタサイクルのサービスが実に嬉しい!


     ......田島旧宅がある「島村」は蚕種業発展に大きく貢献した農村(レンタサイクルで周回).....
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島村の蚕種業開始は約2百年前、文政年間で利根川が頻繁な洪水で多くの田畑を失った農家が桑の木(氾濫土砂の土質は桑栽培に適す)を育て蚕種農家に転換しました。明治初期は全村の2/3を占めたとのこと。利根川沿岸は通船業が盛んで交通利便を生かし商売繁盛だったことでしょう。


         .......(左)世界遺産「田島弥平の旧宅」 (右)養蚕新論の版木(石碑)......
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      .....偉大な養蚕農家の邸宅は実に立派!田島旧宅を背景に満悦でポーズ取る.....
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1822年、養蚕農家に生まれた田島弥平は当時の養蚕技法(自然育が基本)に改良を重ね、空気循環の風通しの良い状態で蚕を飼育する養蚕技法「清涼育」を確立しました。屋根の上に「櫓」小窓を設け蚕室内の環境調整する構造、以後全国の養蚕建物の模範となりました。素晴らしいアイディア!


        .....(左)農家正門を出ると素晴らしい小菊の道 (右)「進水館」も貫録あり.....
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        .....(左)田島一族村の養蚕農家 (右)島村の養蚕農家は全て天窓がある.....
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当エリアの魅力は豪華な養蚕農家が集中的に犇めいており、ユックリとサイクル周遊見学できること!遠くから全体俯瞰できるポイントもありその圧巻光景に驚かされました。自転車を返却し今度は資料館内の見学。日本繭の高品質さを世界に示した田島弥平という偉人の存在・業績を初めて知りました!


   .....(左)田島弥平の肖像画 (中)蚕の発育順序模型 (右)繭といえば「モスラ~」、ッヤ!.....
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           .....島村の養蚕農家の家並みを遠望!絵になる光景でした・・!.....
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「富岡製糸場」「荒船風穴」「高山社跡」「田島弥平旧宅」、群馬県の世界遺産を十分満喫し、次は埼玉県深谷市へと向います。富岡製糸場創設者・渋沢栄一の故郷であり煉瓦建築宝庫の穴場SPOT


      .....群馬・埼玉の県境を流れる「小山川」、近代産業の父「渋沢栄一」の故郷へ.....
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★日本の資本主義経済の父「渋沢栄一」の偉業ルーツを訪ねる

       .....深谷ネギ畑が地平線の如く一面と広がる!左「妙義山」、右が「赤城山」.....
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「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一の故郷「深谷」は埼玉北部(群馬との県境)にあり、利根川沿いの有名な深谷ネギの大生産地。その地名は「血洗島」という恐ろしく物騒な地名ですが、妙義山・赤城山を遠望できる広大な農村風景。その中に「渋沢栄一記念館」が堂々と聳えていました。


      .....(左)「渋沢栄一記念館」の外観 (右)渋沢栄一が成した偉業の数々が展示.....
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冨岡製糸場は渋沢栄一により器械製糸導入・技術者養成を目的として建設され、深谷市出身の偉人達も大きな役割を果たしました。初代工場長も渋沢の従兄弟である尾高惇忠が就任しています。


  ....栄一は冨岡製糸場を設立し養蚕業発展に貢献、東京商業会議所や銀行等を次々に創立.....
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さて次は渋沢栄一の生家を訪ねてみましょう。重厚な門をくぐると屋根に蚕室を擁した大きな二階屋が眼前に広がり、右手には数棟の倉が・・。ここは「青淵塾・渋沢国際会館」と呼ばれ、日本語や日本文化研究を目的として我国を訪れる海外留学生のための寮として使われていたとのことです。


    ....渋沢栄一故郷・生家を訪ねる。当地名は深谷「血洗島」・・、実に物騒な名前だナ~!.....
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      .....(左)旧・渋沢邸「中の家」 (中)若き日の渋沢栄一像 (右)主屋の奥風景.....
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中の家は留学生の異国文化で賑い活気に溢れていたようです。屋敷裏手に回れば鬱蒼とした木立と深い水を湛えた池があり、深い水の青さに由来し「渋沢青淵」という別称がついたと言われます。


      .....渋沢邸「中の家」をグルリと廻って見る。屋敷の裏庭には立派な石碑が・・!.....
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実は東京都(北区王子)でも彼の偉大な業績を知ることができます。2012年1月、大学同期達で「都電荒川線」巡り(大塚駅→早稲田)を楽しんだ時、「飛鳥山公園」(桜名所)の中に「渋沢史料館」を発見しました。彼の全生涯に渡る資料が収蔵・展示されており、興味深く見学したことが懐かしい!


     ....2012年1月、大学同期旧友(中年軍団)で「都電荒川線」巡りを楽しんだ.....
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   ....北区「飛鳥山公園」(王子駅の隣)の中に「渋沢栄一記念館」が堂々と鎮座していた.....
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               「都電荒川線ぶらり旅」(飛鳥山・渋沢栄一史料館)の記事はコチラから

第一国立銀行・東京商工会議所・証券取引所・三井銀行・王子製紙・東京電力・東京ガス・日本郵船・東京海上・石川島播磨重工・サッポロビールなど有名企業500社、日本赤十字社・帝国ホテル・帝国劇場・早稲田大学・日本女子大の創設にも関わり、日本初の田園都市構想(田園調布)も提唱・・


 ....(左)栄一喜寿祝いで建築された「晩香蘆」(飛鳥山別邸) (右)若き日の雄姿&第一国立銀行.....
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史料館の隣接庭園は大正期建築「晩香廬」&「青淵文庫」(旧渋沢邸の一部で国指定の重要文化財)が当時のまま威厳ある姿で残っていました。都心にかくも立派な建物があったとは驚きでした~





★埼玉県「深谷」は煉瓦建築の宝庫の街!


再び深谷風景に戻しましょう。渋沢記念館から深谷駅に向う途中の小山川沿いに佇む渋沢・喜寿祝いで建築された「誠之堂」や所縁ある「清風亭」は必見!渋沢が創設した第一銀行の関係者が寄付したものでお洒落な建築が河川敷大地に堂々と聳えており、不思議な気持ちになりました。


     .....渋沢栄一の喜寿記念で第一銀行員の出資で建築された「誠之堂」(深谷市).....
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     .....大正建築史の貴重な白壁煉瓦造「清風亭」、迎賓観内部は高貴な雰囲気!.....
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深谷は江戸時代から屋根瓦の名産地でしたが、冨岡製糸場建設計画で洋煉瓦製造技術が必要となり瓦職人が集められました。地元の赤土を利用した国産煉瓦は近隣に名建築を多く残しました。


    .....日本の近代産業発展を支え続けた日本煉瓦製造(ドイツ人技師が指導)の工場煙突....
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暫く進むと長い煙突がある工場資料館が出現!これこそ渋沢栄一が創業した日本煉瓦製造の深谷工場。ホフマン輪窯で焼く初の国産煉瓦工場は2006年まで操業しており、当工場で焼いた煉瓦は鹿鳴館・東京駅・迎賓館・東大・法務省・日銀など明治期の名だたる建築の壁に採用されたのです。


     .....(左)日本煉瓦製造の施設模型 (右)ホフマン輪窯で焼き上げられた初の国産煉瓦.....
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       .....「プレートガーター橋」とよばれる福川鉄道の鉄橋。現在は遊歩道脇に移築.....
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煉瓦製造工場と深谷駅を輸送往復した専用線「福川鉄道」(廃線マニアでは有名地)やJR深谷駅の見事な煉瓦建築にもご対面。深谷市は「レンガのまち」をPR、随所にテーマパークの様な雰囲気が・・;


        .....JR深谷駅の見事な建築、まるで東京駅の様な風格を見せている!.....
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   .....(左)塚本燃料商会 (下)旧・柳瀬金物店倉庫 (右)甲子園出場した名門・県立深谷商業.....
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この2日間、富岡製糸場を中心とする群馬の世界遺産群を徹底的に廻り、その設立の最大貢献者「渋沢栄一」の生れ故郷(埼玉県深谷市)の隠れた魅力を発見でき満足気分で帰宅の途に・・。関越道を走っていると小川の地名!10月に世界遺産登録が決まった和紙の里もついでに立ち寄ろう!




★祝!和紙の世界無形文化遺産登録!(小川町)

       .....帰路の途中、道の駅にある「和紙の里」(埼玉伝統工芸館)を訪問.....
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小川インターを下りて暫く行くと道の駅「おがわまち」に到着、この中に埼玉伝統工芸館があり、世界遺産登録された小川和紙や細川紙(東秩父)の魅力が紹介されており製作工程も公開されています。


        .....めでたく無形文化遺産登録に輝いた埼玉県の小川和紙・細川紙.....
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             .....和紙の作製作業は初めて見たような気がする!.....
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和紙原料は楮(kouzo)や三椏(mitumata)、独特な紙の風合いで色々な製品が生み出されるものだナと感心!和食に和紙と日本の高い技術力と分化が評価され世界に発信されて何よりなことです。


     .....(左)細川和紙と着物のコラボ (右)和紙と竹細工で表現された和紙行燈芸術.....
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「祝ユネスコ無形文化遺産登録!」の懸垂幕や幟が誇らしげにたなびいています。小川・細川紙を育み脈々と技術を伝えてきた地元・小川町と東秩父村の関係者の喜びはひとしおだったことでしょう!


    .....(左)祝!埼玉和紙の世界無形文化遺産登録 (右)世界遺産三昧の2日間でした.....
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                                      「埼玉県探訪」の記事
                                      「秩父探訪」の記事


今旅では富岡製糸場・構成遺産、創設者達の偉業、深谷の煉瓦街、小川和紙を勉強し、日頃は地味な印象の群馬・埼玉がかくも魅力的なのだと再発見!満足感に浸りつつ筆を置きたいと思います。


                                                         おわり

  by rollingwest | 2015-02-22 00:00 | 旅の風景 | Comments(110)

<2014年11月>群馬・埼玉の世界遺産探訪(前編):荒船風穴&富岡製糸場

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★群馬・埼玉の世界遺産を訪ねる旅


今年は6月に「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)が世界文化遺産に、11月は「和紙」が同・無形文化遺産登録のお目出度いニュースが飛び込んできました。昨年の「富士山」と「和食」に続きこの2年間で日本は一挙に4つの世界遺産が誕生!日本人ノーベル受賞と合わせ何と誇らしいことだ!


    ......(左)富岡製糸場・世界遺産登録決定のニュース (右)群馬・埼玉の世界遺産を巡る.....
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冨岡製糸場は約10年前に家族で訪問しましたが、当時は繰糸場内部が見学できなかったし、新たに3史跡も構成遺産群で加わったことから年内にリベンジする機会を窺っていました。また埼玉県にも足を延ばし製糸場設立者「渋沢栄一」の生まれ故郷(深谷市)、「和紙」の小川町も探訪しました。


          ......(左)「東繭倉庫」の雄姿 (右)富岡製糸場と絹産業遺産群MAP.....
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今回のミニ旅は藤岡市内のビジネスホテル宿泊し2日間で下記のルートを廻りました。①荒船風穴⇒②冨岡製糸場⇒③高山社跡(藤岡)⇒④田島弥平旧宅(伊勢崎)⇒⑤渋沢栄一史蹟(深谷)⇒⑥煉瓦建築群(深谷)⇒⑦和紙のふるさと(小川)。前編は「荒船風穴」&「冨岡製糸場」を紹介致しましょう。


       ......(左)関越道から藤岡JCTで上信越道へ (右)下仁田ICから南牧川を遡上.....
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★名峰「荒船山」:家族登山を懐かしく思い出す

まずは一番山奥で遠い「荒船風穴」から攻めてみることにしました。上信越道・下仁田ICを下りて南牧川を遡上し、標高を上げて行くと「荒船山」(頂上がテーブル状の奇観が特徴的)が見えてきました。


           ......群馬の名峰「荒船山」(200名山)がついに見えて来た!.....
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この山は10月に登った「御座山」(サンセット&サンライズ絶景)のすぐ近くに鎮座、2005年に家族登山を楽しんだことが懐かしい思い出です。最近はカミさんも娘も全く山に付き合ってくれなくなった・・(泣)


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      ......テーブルマウンテンの奇観(ギアナ高地みたい)の荒船山は意外とお手軽に登れます.....
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日本の山で頂上部が平な山は「平ケ岳」「苗場山」「美ケ原」等が有名です。いずれも高層湿原や高原状ですが荒船山は平な「艦岩」(tomoiwa)が頂上となっており国内では珍しい景観の岩山!遠くから見ると正に戦艦の如し!意外と簡単に登れますが断崖絶壁で高所恐怖症の人はチト怖いかも・・


     ......(左)2005年、家族3人で登頂 (右)クレヨンしんちゃん作者はこの崖から転落死.....
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あっ、横道に外れてしまいました。(失礼~) 中年オヤジの気ままな一人旅の記事に戻しましょう。
荒船山の真下を通り、神津牧場を経由していくと荒船風穴の駐車場。ここからまた山道を20~30分程歩かなければなりません。夏場の炎天下でこの道を歩かされるのは辛いだろうなアと思いました。





★蚕・繭の大量生産に繋がった天然の冷気保存庫


山道を歩き漸く構成遺産の一つ「荒船風穴」に到着しました。明治時代後期から大正時代にかけては、全国的に風穴を蚕種(蚕の卵)の貯蔵に利用することが行われていました。その中でも、荒船風穴は最大規模の蚕種貯蔵施設として機能しており、繭の大量生産に大きな役割を果たしたのです。


         ......「荒船風穴」に到着、世界遺産祝福の看板の前で、はいポーズ.....
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         ......「荒船風穴」とは蚕種(卵)の貯蔵所跡(岩の中は、冷気保存庫.....
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蚕は春に孵化するので、増産には蚕種が孵る時期を遅らせ夏・秋に養蚕数を増やす必要がありました。活用されたのが夏でも冷風が噴き出す風穴だったのです。風穴は孵化の目安となる蚕を卵のまま留めおくのに適し、気温差ずらしで孵化時期を分散し蚕種の大量生産に成功したという訳か!


    .....風穴から蚕種を時期を変えて取り出す→孵化時期をずらし蚕の大量生産を実現......
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ガイドの方が数名この山奥で待機しており懇切丁寧に解説をしてくれました。やはり世界遺産指定されただけあって地元は気合が入っているね~!国内蚕産業の仕組を知り大変勉強になりました。


      ......(左)荒船風穴の近くにある「神津牧場」 (右)牧場の背後には「浅間山」.....
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行き帰りに通過したのは「神津牧場」、ここも家族登山の帰りに訪れて牧場特製のソフトクリームを食べたことが懐かしい。当時は夏で牛が沢山いたけれど、今回はシーズンオフで一頭も姿を見なかった・・


     ......(左)神津牧場の夏風景 (右)晩秋は放牧牛は牧舎内に入れているのかな.....
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      ......(左)「妙義山」の奇観はいつ見ても圧倒される (右)南牧川が再び現れる.....
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★「富岡製糸場」と10年ぶりのご対面!

さて次はいよいよ「富岡製糸場」!日本初の本格的な器械製工場であり開業当時の繰糸所、繭倉庫などが現存する日本の近代化、絹産業の技術革新・交流に大貢献した国指定史跡は2014年6月ついに世界遺産として正式登録されました。ブームが収まったかなと思ったがやはり混雑でした~


     ......「富岡製糸場」の正門、ブームが収まった頃を狙ってきたがやはり人気は衰えず....
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ここも10年前、荒船山登山後に家族で訪問しましたが、当時は世界遺産登録に向けて市民運動が始まったばかり。構内も全て見学できる状態ではありませんでした。最近の世界遺産登録は年々ハードルが厳しくなっており、富岡は難しいと思っていたが10年の努力を実らせよくぞ夢を叶えました!


      ......初めて富岡製糸場を訪れたのは2005年夏(家族で訪問)、約10年ぶり!.....
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構内見学は解説員がグループ別(10数名)に案内してくれるのでまずは予約の申し込み。エントランス横に富岡製糸場の概要・歴史が展示披露されているので学習いたしましょう。富岡製糸場は1872年、明治政府が富国強兵策の一環で産業近代化のために設置した国内初の模範・器械製糸場です。 


           ......(左)製糸場の全景 (右)案内ガイドへの申し込みを行う.....
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黒船来航後の鎖国解禁で日本は外国貿易を開始、当時最大の輸出品は生糸でした。輸出急増で需要が高まった結果、質の悪い生糸が大量につくられる問題がおき、政府は生糸の品質改善・生産向上をめざし技術指導者の育成に向けて洋式の繰糸器械を備えた模範工場を創設したのです。


           ......展示場に飾られている機織器や工場内の繰糸器.....
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富岡が選定された理由は、①養蚕が盛んな土地で大量の繭が確保可能 ②工場建設に必要な広い土地あり ③製糸に必要な水が確保可能 ④近隣で燃料採取可能(高崎・吉井炭田) ⑤外国人指導の工場建設への地元理解でした。伊藤博文と渋沢栄一は官営器械製糸場建設のため横浜の生糸検査人(フランス技師)「ポール・ブリューナ」と契約を結び工場建設・技術移転に携わらせたのです。


   ......(左)明治天皇の払下げ許諾状  (下)製糸場開業に尽力者達 (右)美しい生糸....
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さていよいよガイド案内が始まり構内見学へ!東繭倉庫の立派な煉瓦建築がまず登場し当時まだ、煉瓦製造技術が未発達だった時代の話から始まりました。今は煉瓦の街として有名な埼玉深谷(渋沢栄一故郷)から瓦職人が集められて洋風煉瓦製造に挑戦した苦労話を聞かせてもらいました。


       ......流暢で解り易い解説の案内ガイド、グループ別に編成され構内を廻る.....
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富岡製糸場には400人以上の工女(主に旧士族の娘)が就労しましたが、彼女らの労働環境は相当恵まれていたようです。当時では先進的な7曜制導入と日曜休み、年末年始・夏期休暇、1日8時間労働、食費・寮費・医療費は工場が負担、制服も貸与、まさに福利厚生の先がけだったのですナ。


      .....(左)立派な煉瓦造りの「東繭倉庫」 (右)「西繭倉庫」 (下)「女工館」の寮.....
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           ......(左)東繭倉庫と繰糸場間の構内道 (右)工女の診療所.....
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さあいよいよ繰糸所の中へと入ってみよう!前回訪問時(10年前)はこの工場内はまだ一般公開されていなかったのでようやく念願が叶いました!あの錦絵に表現された繰糸所は敷地中心部にあり奥行140mの長大な建物、トラス構造の高い天井、鉄製ガラス窓で明るい大空間を実現しています。


           ......(左)繰糸場の入り口 (右)構内は繰糸器械がズラリと並ぶ.....
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     ......繰糸場の天井はトラス構造、小学校の木造校舎(運動場)の天井を思い出す.....
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続いては「ブリュナ館」!建設指導者として雇われたフランス人「ポール・ブリュナ」が家族と暮らし住居です。家族3人で320坪の家に暮らし、地下室やワイン貯蔵室もあったとは!もう完全に超VIP待遇だね~


         ......首長ポール・ブリュナ(フランス人)が家族やメイドと暮らしていた住居.....
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かたや今年2月の大雪で倒壊してしまった「繭乾燥場」の無残な姿にはビックリしました。山梨や群馬は比較的大雪が降らない地域ですが、地球温暖化によってこんなリスクが年々高まってくるのかも・・


   ......「繭乾燥場」の倒壊現場、世界遺産建築がこんな姿になっていたとは想像もせず.....
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明治政府官営工場は後に民間払い下げされ、原・三井財閥へ所有権が移り変わり1939年から「片倉富岡製糸所」となりました。空襲被害も受けることなく、戦時中も一貫して操業を続け終戦を迎えています。1952年からは電化刷新を進め、1974年は史上最高生産量を誇る大工場となりました。


          ......製糸場の取水源となった「鏑川」、夕方の絶景に癒された.....
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しかし和服需要減少の社会情勢に加え1972年日中国交正常化で中国産の廉価な生糸の輸入増で生産量は減少し1987年操業停止となりました。それでも片倉工業は閉業後も「貸さない・売らない・壊さない」の方針を堅持、莫大なコストをかけて今の姿を保ったのです。片倉の貢献は素晴らしい!


           ......最後に「寄宿舎」の遠景を満喫して富岡製糸場を後にする.....
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    ......世界遺産指定は寂れていた地方都市に活性化の起爆剤!「お富さん」も大喜び.....
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富岡製糸場は10月に国宝指定も決定されました。富岡市の人口は5万人、地方都市の衰退が問題視されている中で、今回の世界遺産指定は確実に街の活性化へ繋がり素晴らしいことです!片倉工業の文化遺産を守る企業姿勢と市民一丸となった世界遺産に推挙した運動の結果ですね~


              ......鏑川の夕暮れ風景、心癒される田園風景.....
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今日は朝から絶好天気に恵まれ世界遺産2つを十分堪能できました。山ばかり登っていた群馬ですが広大平野・川風景も素晴らしい!美しい夕焼け田園風景を見ながら藤岡へ車を走らせました。


           ......紅葉の群馬絶景を楽しみながら宿泊地・藤岡へと向う.....
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★後編は藤岡・伊勢崎(群馬)&深谷・小川(埼玉)を徘徊!


藤岡ビジネスホテルに泊まり、翌日は早朝から「高山社」(藤岡市の高山長五郎が設立した養蚕業の研究・教育機関)や、伊勢崎市の「田島弥平」が養蚕理論に基づき改築した民家等を見学しました。


      ......(左)構成資産の一つ「高山社跡」 (右)ネギ畑の遥か彼方には「赤城山」.....
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         .....「田島弥平旧宅」は、群馬県伊勢崎市境島村にある歴史的建造物.....
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続いて埼玉県深谷市に入り富岡製糸場の生みの親(日本近代産業の父)である「渋沢栄一」の生家や深谷市内の煉瓦建築の数々を堪能、最後は世界無形文化遺産に登録された小川町を訪問!この詳細なレポートは後編で紹介しますが、埼玉県の魅力をここでも再発見できて実によかったな~!


           ......深谷市(埼玉県)に入り、「渋沢栄一」の生家「中の家」を見学.....
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   ......(左)深谷市「常盤園茶舗」倉庫 (右)渋沢栄一の喜寿を祝って建てられた「誠之堂」....
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         ......和紙が世界無形文化遺産に指定登録、埼玉・小川町の和紙を見学.....
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後編は来年1~2月頃の公開となります。今年の「逍遥旅日記」旅記事編はこれでラスト公開といたします。次回は「RW年末狂歌・回顧レビュー」で今年1年を振り返り本編の筆収めとさせて頂きます。



                                                         おわり

  by rollingwest | 2014-12-11 21:45 | 旅の風景 | Comments(106)