<2024年3月>多摩川・遡上探訪記③:池上本門寺~ガス橋周辺の見所を周遊
多摩川遡上探訪記①(羽田・川崎大師・六郷橋)
多摩川遡上探訪記②(下町風景&池上本門寺)より続く
★前編から続く「池上本門寺」の境内風景、「日蓮上人・入滅の地」~「本行寺」を巡る
前回「多摩川・遡上探訪記」②は「多摩川大橋」~「池上本門寺」(正月風景)のレポートでしたが、今回続編③も寺境内の別風景や日蓮入滅の史跡をまずは詳細に紹介したいと思います。
.....(左)大田区の名刹「池上本門寺」の本堂 (右)池上周辺の地図.....
本門寺は1282年に創建された古刹で、病身の日蓮が生涯を終えた地です。かつて江戸庶民に「池上は大堂、上野(寛永寺)中堂、芝(増上寺)小堂」と謂われた程の巨大な堂(加藤清正が建立)を誇りましたが1710年焼失、徳川8代将軍・吉宗が修復して現在に至っています。
.....大堂内部は豪華絢爛の仏殿、本堂から眺める広大な境内の先には山門.....
本門寺正門から山門への石階段を登ると右手に日蓮聖人の立像があり厳しい表情で「南無妙法蓮華経」の題目を唱えています。庶民人気は高いものの、鎌倉政権や他宗批判では相当過激な宗祖の一面も!本堂の東側には関東最古の赤い五重塔(2代目将軍秀忠が建立)が聳えています。
.....(左)存在感に圧倒される「五重塔」の足元 (右)「日蓮聖人」巨大な立像.....
五重塔の裏手には広大な墓地があり、街頭TV時代の大スター・力道山、映画監督・溝口健二、その他にも幸田露伴・永田雅一・松本幸四郎・片岡仁左衛門など著名人の墓が沢山あります。
五重塔の裏手には広大な墓地があり、街頭TV時代の大スター・力道山、映画監督・溝口健二、その他にも幸田露伴・永田雅一・松本幸四郎・片岡仁左衛門など著名人の墓が沢山あります。
..... 広大墓地には有名人のお墓が多くあり、「力道山」の墓前は腕を組む銅像.....
1282年、日蓮聖人は湯治療養を行うため身延山・久遠寺を降り常陸国を目指しました。武蔵国・池上に逗留時、病が悪化し臨終を迎え、その入滅地が池上の本門寺なのです。本門寺の境内や隣接地には日蓮の灰骨を納めた御廟所、荼毘に付された地に建立された多宝塔などがあります。
.....(上)広大な「御廟所」(下)荼毘地に鎮座「多宝塔」、毎年10/12は「お会式」.....
本門寺に隣接する「多宝塔」の階段を下りて行くと「本行寺」があり、当地こそ日蓮が入滅した真の場所です。聖人は旅途中で池上宗仲の屋敷(武藏国池上郷)で長らく逗留し療養をしていました。日蓮は弟子信者に「立正安国論」を論じていましたが、病状が悪化し生涯を閉じました。
.....(左)「大坊本行寺」は本門寺に隣接 (右)威厳ある「赤門」から境内へ!.....
池上宗仲は日蓮入滅後に屋敷を寄付し、寺院が建立されました。池上三院家の首席で、赤門は「大坊本行寺」の格式の高さを示します。池上家の仏間跡に建てられた堂は都の指定史跡である「臨終の間」、その他にも旅着堂・御灰骨堂・瘡守稲荷・硯井戸など見所が沢山あります。
.....(上)山門を入れば「臨終の間」&「本堂」 (下)並ぶ「旅着堂」&「御灰骨堂」.....
RWは全国各地の日蓮所縁の地を巡ってきました。生誕地「安房鴨川」、青年修行時の「比叡山」、立教開宗宣言の「清澄寺」、「立正安国論」を著し辻説法で迫害を受けた「鎌倉」、島流しされた「佐渡島」、流罪放免で上陸した「柏崎・番神岬」、修身道場を開山した「身延山・久遠寺」、入滅した「池上」の地・・。日蓮の生涯や所縁地は記事に纏めてありますのでご覧あれ!
身延久遠寺(日蓮宗総本山)七面山&日蓮聖人の生涯1282年、日蓮聖人は湯治療養を行うため身延山・久遠寺を降り常陸国を目指しました。武蔵国・池上に逗留時、病が悪化し臨終を迎え、その入滅地が池上の本門寺なのです。本門寺の境内や隣接地には日蓮の灰骨を納めた御廟所、荼毘に付された地に建立された多宝塔などがあります。
.....(上)広大な「御廟所」(下)荼毘地に鎮座「多宝塔」、毎年10/12は「お会式」.....
本門寺に隣接する「多宝塔」の階段を下りて行くと「本行寺」があり、当地こそ日蓮が入滅した真の場所です。聖人は旅途中で池上宗仲の屋敷(武藏国池上郷)で長らく逗留し療養をしていました。日蓮は弟子信者に「立正安国論」を論じていましたが、病状が悪化し生涯を閉じました。
.....(左)「大坊本行寺」は本門寺に隣接 (右)威厳ある「赤門」から境内へ!.....
池上宗仲は日蓮入滅後に屋敷を寄付し、寺院が建立されました。池上三院家の首席で、赤門は「大坊本行寺」の格式の高さを示します。池上家の仏間跡に建てられた堂は都の指定史跡である「臨終の間」、その他にも旅着堂・御灰骨堂・瘡守稲荷・硯井戸など見所が沢山あります。
.....(上)山門を入れば「臨終の間」&「本堂」 (下)並ぶ「旅着堂」&「御灰骨堂」.....
RWは全国各地の日蓮所縁の地を巡ってきました。生誕地「安房鴨川」、青年修行時の「比叡山」、立教開宗宣言の「清澄寺」、「立正安国論」を著し辻説法で迫害を受けた「鎌倉」、島流しされた「佐渡島」、流罪放免で上陸した「柏崎・番神岬」、修身道場を開山した「身延山・久遠寺」、入滅した「池上」の地・・。日蓮の生涯や所縁地は記事に纏めてありますのでご覧あれ!
★本門寺脇に都内有数の立派な梅園があった!梅満開の「池上梅園」を周遊
次は梅が真っ盛りの「池上梅園」を訪ねました。本門寺は過去何度も参拝していますが、隣接地に都内有数の立派な名所梅園があったとは・・!灯台元暗し・今年2月に初めて知った次第です!
.....「池上梅園」は本門寺の隣、国道1号線にも面する都内屈指の梅の名所.....
池上梅園は丘陵傾斜を利用した庭園で本門寺の西隣にある閑静な庭園です。丘の斜面を生かした園内に30種の梅花が咲き誇ります。蝋梅・牡丹・躑躅・菖蒲など季節に応じた花々も楽しめます。入園料は100円ですが、前期高齢者は無料、シニア恩恵を受けられてニンマリ気分!
.....(上)丘陵斜面には紅梅が満開! (下)雪吊りが残る広大な和庭園を歩く.....
「梅」と「楠」が随所に植えられ、それぞれ大田区民の木・花に指定され、地元に馴染んだ立派な庭園となっています。池上梅園には3つの茶室・和室もあり抽選予約で受付されています。
.....(上)茶室がある池には鯉が泳ぐ (下)背後の紅梅の山をグルリ廻る.....
池上梅園は丘陵傾斜を利用した庭園で本門寺の西隣にある閑静な庭園です。丘の斜面を生かした園内に30種の梅花が咲き誇ります。蝋梅・牡丹・躑躅・菖蒲など季節に応じた花々も楽しめます。入園料は100円ですが、前期高齢者は無料、シニア恩恵を受けられてニンマリ気分!
.....(上)丘陵斜面には紅梅が満開! (下)雪吊りが残る広大な和庭園を歩く.....
「梅」と「楠」が随所に植えられ、それぞれ大田区民の木・花に指定され、地元に馴染んだ立派な庭園となっています。池上梅園には3つの茶室・和室もあり抽選予約で受付されています。
.....(上)茶室がある池には鯉が泳ぐ (下)背後の紅梅の山をグルリ廻る.....
★「呑川緑道」を歩き、「佐伯山緑地」から「太田区立・龍子記念館」で日本画を鑑賞
本門寺の正門下には大田区中央部を東西に横断する「呑川」に沿って「呑川緑道」があります。9kmに渡って続く散策路は、都会にありながら水や緑、自然に触れる川歩きが楽しめます。
..... 本門寺から「呑川緑道」を歩き、教会幼稚園を見ながら住宅街の中を進む.....
「呑川緑道」に沿って東側に歩いて行くと「佐伯山緑地」という住宅街の中に小高い緑地がありました。敷地内へは歩き易い階段が整備されており、大田区の街の眺めがいい!佐伯博士と言う方の所有地だったのでこの名前が由来とのこと、こんな広い私有地があったとは驚きですね~!
.....(上)「佐伯山緑地」の「公園 (下)「北野神社」にはピンクの花桃が満開.....
佐伯山緑地から公園を下り暫く歩くと「太田区立・龍子記念館」がありました。近代日本画の巨匠「川端龍子」(1885-1966)の文化勲章受章と喜寿を祝って1963年当地に設立されました。
.....「太田区立・龍子記念館」、静かな住宅街に素晴らしい日本画展示館が・・!.....
大正初期から戦後にかけて描かれた龍子の作品140点を所蔵し、多角的な視点から龍子の画業を紹介しています。大画面に描いた迫力ある作品群の展示はなかなかの素晴らしいセンスで!記念館は多角的視点から龍子の画業を紹介しており、国の登録有形文化財建造物に登録されました。
.....(上)近代日本画の巨匠「川端龍子」 (下)結構、個性的な絵や彫刻も展示.....
★かつて「平間の渡し」に架けられた「ガス橋」周辺の風景(大田区側)や見所紹介
かつて多摩川にあった「平間の渡し」には現在「ガス橋」が架かっています。東京ガスが鶴見製造所のガスを東京に供給するため1929年にガス管橋を作りましたが、その後一般交通用の橋に拡張されました。この付近から見る富士山遠景は実に素晴らしい穴場のビューSPOTです。
.....(上)「ガス橋」は昔は「平間の渡し」 (下)隠れた富士眺望の名所穴場.....
ガス橋の袂付近(大田区側)には「キャノン」と「白洋舎」の本社ビルがあります。「白洋舎」創業者五十嵐健治は日本のドライクリーニングの創始者で業界のパイオニアを顕彰するため本社ロビーに記念館があるので見学させて貰いました。当館は洗濯道具の歴史資料が満載なのです!
.....(上)ガス橋脇の「白洋舎」本社 (下)「五十嵐健治・洗濯資料館」が併設.....
創業者「五十嵐健治」の著書・遺品、洗剤原料の植物、昔の洗濯板・火熨斗や炭火を用いたアイロンなど貴重な洗濯の歴史や技術に関する資料を展示しています。当時は多摩川工場として稼働しましたが、その後は日本橋にあった本社が当地に2014年に移転して現在に至っています。
.....(上)白洋舎の歴史・多摩川工場 (下)火熨斗・鉄アイロン・洗濯機械.....
★夜明けの「御嶽山」&大田区の鎮守「御嶽神社を」参拝、「丸子橋」方面へと向かう
大田区住宅街は起伏ある地形ですが、小高い御嶽山には木曾御嶽山で修業した行者が社殿を造営した「御嶽神社」がひっそりと鎮座しています。神社境内の奥に広がる「霊神の杜」と名付けられた鎮守の森は御嶽山信仰の神域、江戸期建築の本殿は大田区の指定文化財となっています。
.....(上)夜明け前の大田区風景 (下)巨大な社号「御嶽神社」が出現.....
昨年は猛暑続きで昼間にウォーキングする気は全くなかったので、まだ空気が涼しい夜明け前に多摩川近くのコンビニ等に駐車して5時頃から大田区周辺もよく歩き回っていました。「御嶽神社」も早朝参拝に何度か来ましたが、本殿に施された彫刻(文化財指定)はお見事・必見です!
.....(上)黎明の境内・社殿に参拝 (下)区指定文化財の彫刻が施された本殿.....
1535年創建され旧嶺村の鎮守として境内入口には巨大な社号と威厳の鳥居、木造銅板葺きの拝殿正面には「三社宮」と記された社号額が掛かっており、健康安全を祈願して二礼二拍手一礼
..... 参拝を終えて本殿・鳥居から社号碑を再度見届けて「御嶽神社」にお別れ.....
神社から住宅街・商店街を通って行くと東急電鉄池上線の「御嶽山駅」がありました。私鉄駅は大きな神社仏閣の参詣路線として敷設拡張した事例が多いですがこの駅もそのパターンだったんですね~!朝日を浴びながら、大田区の高級住宅街から多摩川に向かって早朝ウォーキング!
.....(上)東急池上線「御嶽山駅」 (下)大田区・高級住宅の道を早朝散歩.....
大田区は東京23区内で最も銭湯が多い街です。46件の銭湯が東京都浴場組合に加盟しており区内には「黒湯」と呼ばれる温泉が有名、黒褐色湯でヌルヌルした感触があるとのことです。
.....(上)大田区は銭湯が多く昭和レトロ感が満載 (下)「鵜の木」周辺の風景.....
御嶽山からは「鵜の木」の商店街を歩き多摩川の河川敷に出て「沼部」へと歩いて行きます。対岸を見れば川崎市・武蔵小杉のタワーマンション群が林立しています。いよいよ2連アーチの「丸子橋」が見えてきたぞ!次回は多摩川園・田園調布など大田区側のレポートに入ります。
.....多摩川リバーサイド風景、武蔵小杉高層マンション群を見て「丸子橋」へ!.....
おわり
# by rollingwest | 2024-03-23 09:00 | Comments(141)