★相模国探訪シリーズを3年ぶりに再開!西湘エリア(平塚~小田原)の春風景を紹介今年も異常暖冬(2月とは思えない高気温日が続出)で春も超駆け足、桜開花宣言は3月20日には間違いなく出ていることでしょう。さて久しぶりに相模国探訪シリーズを公開したいと思います。過去記事は一番下にリンク掲載していますが2021年以来、3年近くのご無沙汰でした。
.....(左)今回は
西湘エリアを中心に紹介 (右)美しい
冠雪富士写真が続々と登場!....
公開した4回記事は、相模原・厚木・伊勢原・秦野など神奈川県中央部の山・川の景色ばかりでしたので、今回は海岸線を主体に西湘エリア(平塚~大磯~二宮~小田原~松田)のルートを紹介しましょう。撮り溜めていた過去写真を蔵出しで早春の花や新緑の見所を沢山お届けします。
.....(左)平塚の金目川に架かる「
花水橋」 (右)平塚・大磯の象徴名峰「
高麗山」....
「湘南」と言うブランド高い呼称は「鎌倉・江の島・葉山逗子・茅ヶ崎」の範囲に限定だとの意見も多く、平塚・大磯平塚から大磯・二宮・小田原までのルートは主に「西湘」と呼ばれています。今回レポートは平塚と大磯に鎮座するなだらかな独立峰「高麗山」からスタートしていきます。
★渡来人の歴史深い「高麗山・高来神社」&「湘南平」、海水浴の発祥地「大磯海岸」へ平塚・大磯「高麗山(komayama)」の山麓に鎮座する「高来(takaku)神社」は高句麗滅亡の亡命貴族に由来があり、読み方は違えど共に「コウライ」と読め、朝鮮半島に所縁深いことが解ります。神宮皇后が三韓征伐(新羅・百済・高句麗)後、応神天皇と一緒に祀られた歴史深い神社です。
.....まずは「
高来神社」を参拝、鳥居を潜り、新緑に輝く参道、静かなパワースポット!....
国道一号線に近い所に鳥居があり参道を進んで行きます。当時は新緑が輝いていた時期で爽やかな空気に包まれており最奥に鎮座する本殿に参拝!裏手から登山道があるのでここから登り、深い森林の中を周遊、参拝者・登山者も疎らで静かな時間の中でウォーキングを楽しめました。
.....(上)静謐な空気の中で
本堂で祈願 (下)後背の「
高麗山の頂上」に登ってみる....
717年、行基が山に登り千手観音を納めて「高麗寺」を創建して神仏習合の聖地となりましたが、廃寺となったので頂上部には何もありませんでした。江戸時代の大名は参勤交代時に当神社に下馬して参詣したとのこと。今も大磯の鎮守神として地域住民から深い崇敬を集めています。
.....高来神社の横には「
慶覚院」の広い境内、神仏習合の聖地だったことが窺える....
「高麗山公園」にある「湘南平展望台」は「かながわ景勝50選」にも選ばれ360度パノラマで富士山・相模湾の絶景が楽しめる場所で湘南エリアの人気スポット。TV塔とレストハウスの2つ大展望台があり、夜景も美しいとのこと。次は国道1号の松並木経由で海岸コースを行こう!
.....「
湘南平展望台」は相模湾のビュースポット、桜の名所でもあり市民憩いの場....
.....国道1号線の
松並木風景、「
東海道宿場町」として栄えた大磯方面へドライブ....
大磯は海水浴発祥の地!「照ヶ崎海岸」は徳川慶喜に仕えた江戸城の医師が病気養生を目的に日本で初めて海水浴を広めた初の地です。アオバトも飛来生息する岩礁海岸、富士山を背景にした絶景は素晴らし過ぎる~!「こゆるぎの浜」はハマヒルガオの群生地としても知られています。
.....大磯「
照ヶ崎海岸」の岩礁風景&「
こゆるぎの浜」から白雪の富士山、絵になります!...
★大磯プリンスホテル&ロングビーチ、歴代政治家達が邸宅を構えた大磯を巡る 大磯プリンスホテルに併設する大磯ロングビーチは昭和期から有名な太平洋を臨むプール・リゾート!海に沿って1kmに渡る広大な敷地内には全長140mのウォータースライダーや波のプールやダイビングなど湘南を代表するシーリゾート!芸能人番組でも会場でよく使われています。
.....青い空・海・富士山がコラボする「
大磯プリンスホテル」、シーリゾート先駆け....
RWは大磯ロングビーチの名前は少年時代からよく耳にしていましたが、リゾート施設に入って見るのは初めてです。開業66年を過ぎましたが、2017年に改装しているので施設は古臭さを感じませんでした。冠雪富士を眺めながら南国気分で泳げるなんて実に贅沢なことですね~!
.....夏は大賑わい「
大磯ロングビーチ」、春は誰も人がいない静寂なリゾート風景....
大磯は明治・大正・昭和で多くの政財界人や文人の別荘地・保養地として愛されてきました。国道1号線沿いに「滄浪閣」という伊藤博文の別荘があり大磯プリンスホテル別館でしたが閉鎖されました。現在は再整備中で「明治記念大磯邸園」として今年復活再開を目指しています。
.....(左)大磯を大いに愛した
明治の政治家達 (右)「
滄浪閣」は伊藤博文の別荘....
旧吉田茂邸は、吉田茂の没後、西武鉄道へ売却され大磯プリンスホテル別館として利用されました。その後、西武の経営が傾き近代政治史の歴史文化遺産として保全・活用の機運が高まり、隣接する「県立大磯城山公園の拡大区域」として県が整備する方向性で事業が進んでいました。
..... 戦後史の大政治家「
吉田茂」の旧邸宅、現在は「
県立・大磯城山公園」として整備....
しかし2009年本邸が火災で焼失してしまい、事業推進はストップ!かろうじて焼け残った日本庭園や歴史的資源(兜門・七賢堂など)を再整備することになりました。近代数奇屋建築風の総檜造りの本邸は有名建築家・京都の宮大工により見事に蘇り2017年に落成し公開されました。
.....
旧・吉田邸は2009年の火災を乗り越え、見事に大磯の名庭園が蘇っている....
★冠雪富士と早春の花のコラボ!「吾妻山公園」(二宮町)&「曽我梅林」(小田原市)大磯の西側、二宮町の高台にある「吾妻山公園」は360度の大パノラマ!箱根・丹沢・富士山が手に取る近さに感じられ、南側・相模湾には大島や初島も見られます。吾妻山の山頂付近には菜の花畑が広がり、富士山とのコラボするパノラマが最高!2月中旬まで多くの人達で賑わいます。
.....二宮町「
吾妻山公園」、菜の花満開時期は冠雪富士を背景・インスタ映えの場所....
吾妻山に菜の花が植えられたのは平成元年。「日本一早い菜の花」という見出しで掲載されました。5年をかけて斜面を開墾し、試行錯誤を重ねた結果、6万株の菜の花が咲く景色がついに完成したのです。今は二宮町のシンボルとなり、訪れる人々に感動を与えてくれています。
.....黄色の花々に囲まれる幸福感!
相模湾に目を移せば真鶴半島・伊豆半島パノラマ....
近隣にある「曽我の梅林」も今の季節で大いに賑わっています。この梅林で栽培されている梅木の本数は何と3万5千本!水戸偕楽園や埼玉・越生梅林と並ぶ「関東三大梅林」の一つです!
.....冠雪富士と梅の競演!小田原市にの丘陵に広がる「
曽我の梅林」の雄大絶景....
小田原北条氏(後北条氏)が梅の実を兵糧用にするため植えたのが始まりで、江戸時代には小田原藩が梅の栽培を奨励しました。小田原から二宮町にかけては昔から塩田が広がり食塩が豊富に採れたため、梅の塩漬け技術が育成され地元産業も栄え、全国有数の梅の産地となったのです。
.....国道1号線や
西湘バイパスを利用しながら、小田原方面に進んで行く....
西湘海岸を眺めながら進むと「酒匂(sakawa)川」、もう小田原市内に入っています。次は「飯泉観音・勝福寺」へと向かいます。「坂東三十三観音」で最も西南位置に鎮座する霊場です。
おわり