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ケニー・ロギンス

★(128)ロギンス&メッシーナ 「川の流れのように」 (1974年) (2015.8.6公開)



ケニー・ロギンス_c0119160_21505077.jpg「ロギンス&メッシーナ」・・?今時の方にとってはまたも「誰それ~?」との反応が返ってくる気がしますが、我々世代では1970年代の代表的なアコースティックデュオのひとつ、S&G解散後からE・ダン&JFコーリー登場前の空白時期に活躍していた思い出のグループです。実はメンバーの片割れロギンスとは、「フットルース」や「トップガン」(デインジャーゾーン)など数々の映画主題歌をヒットさせ、1985年「ウイアーザワールド」(USAフォーアフリカ)にも参加したあの有名なケニーロギンス( 1980年代を象徴するアーティスト)なのです。RWの初出会いは、深夜ラジオから毎日流れていた大ヒット曲「ママはダンスを踊らない」(1972)でしたが、1980年代以降でケニーロギンス(パワフルでオシャレ・垢抜けたイメージ)を認知した人にとっては「彼がこんな泥臭くおとぼけチックな曲を歌っていたとは・・!」と意外な経歴に驚くかもしれません。この次にヒットした「放課後のロックンロール・パーティー」(My Music)(1973)も同様路線で、前年ヒットしていたポールサイモン「僕とフリオと校庭で」と並ぶお茶目で楽しい学校ネタ曲でした。またRWがよくラジオで聴いていた彼らの代表曲「愛する人」(Thinking Of You)(1972)は軽快で爽やかなほのぼの路線、淡々と歌い上げる「ピースオブマインド」(1971)を聴けばやはり彼らの基本線はフォークPOPデュオと認識できます。それもそのはず相方のジムメッシーナはあの伝説的なフォークロックバンドだったバッファロー・スプリングフィールド(CSN&Yの母体)やポコ(カントリー・ロックの源流バンドの一つ)に参加していたのですから・・。上記に紹介した「川の流れのように」(1974)は三拍子シンプルな曲ながら美しいハーモニーや聞きやすいメロディが印象的、その他にも「ダニーの歌」(1971)など叙情詩的なアコースティック美曲の数々は本当に魅力的です。しかし今回の記事編集で再認識したのは音楽性の幅広さ、ロカビリー・カントリー・ソウル・ジャズ・プログレを交えて自分達のサンウンドに創り上げている点です。4作目マザーロードからの名曲「ビー・フリー」(1974)は弦楽器(バイオリンとバンジョー)がコラボする長大曲(6分59秒)、カントリーロックとプログレが合体した雰囲気で、複雑構成ながらも手作りで叙情性溢れる壮大で独特な世界を表現しています。また「アングリーアイズ」(1972)もジャズロックと融合したような多彩かつ壮大なる構成(エレキギター、サックス、フルートの競演)!初老2人のボーカルはCSN&Yの雰囲気も醸し出しており、実にいい味を出しています。彼らの音楽性のマルチぶり・奥深さは、ホンワカムードを演出するジム・メッシーナの絶妙ギターやカントリーフィドルの浮遊する楽しさ、間奏バイオリンや美しいケニー・ロギンスのコーラスワーク、ジャズやプログレとの融合も目指した演奏全体の濃密度・・、溢れる才能と先進的な姿勢がコンビを組んだ5年間(1972~1975)に静かに花を咲かせました。 最後を飾る名曲は「プー横丁の家」(1971)、クマのプーさんをイメージするほのぼの曲はケニー・ロギンスがプロになる前(高校生時代)に作曲し、ニッティー・グリッティー・ダート・バンドがヒットさせた名曲です。ロギンス&メッシーナは本当に素晴らしき1970年代を静かに控えめに彩ってくれたデュオでした。

  by rollingwest | 2002-12-08 00:00 | 洋楽(ロック・POPS) | Comments(0)

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