キャロルキング 「君の友達」(You've Got A Friend)


★(089):キャロルキング 「君の友達」(You've Got A Friend) (1971年) (2014.3.21公開)



c0119160_08223543.jpg1970年代の洋楽といえばシンガーソングライターブームも大きな潮流の一つでした。その頂点を極めた一世風靡アルバムといえば「キャロルキング」の「つづれ織り」(Tapestry)ですね。この名盤は15週連続も全米アルバムチャートNO1を維持し2200万枚も売り上げた驚異作品であり、当時はビートルズ 「アビー・ロード」 と並び世界で最も売れたアルバムと称された伝説の名盤。1971年度グラミー賞では、ベストのアルバム・シングル各賞、最優秀女性ボーカル賞など主要4部門をキャロルキングが独占するという快挙が成し遂げられたのです。「つづれおり」のタイトル通り、数々の名曲の中には「男と女の複雑な心の機微」がTapestryの如く丹念に織り込まれており、発表からもう40年以上も経ちますが今でもその輝きは全く失われていません。「ウィルユー・ラブミー・トモロー」(1971)は、「明日も、まだ愛してくれるかしら?」という女性から男性への温かくさりげないメッセージが率直に表現されラブソングの最高峰かも・・!ロッド・スチュアートもカバーした「去りゆく恋人」(So far away)(1971)は失恋をテーマにした曲ですが、映画の1シーンを見ているようで何故かこの曲を聴くとホッと落ち着いてしまいます。「つづれ織り」の冒頭を飾った「空が落ちてくる」(I feel the earth move)(1971)は、ソウルフルに歌い上げられ力強い彼女のピアノが響き渡る名曲。キャロルキング(1942年・生粋のニューヨーカー)は小さな頃から音楽才能に恵まれ前夫とコンビを組んで活躍していましたが1970年ソロ・デビューを果たし、ジェームステイラー(「スゥイートベイビー・ジェイムス」が大人気)と一緒にシンガーソングライターブームの先駆者となったのです。1972年グラミー賞でも、キャロルは「イッツ・トウーレイト」(全米NO1曲)で最優秀レコード賞を獲得しています。反戦で熱く燃えた1960年代も終わり、その反動からか人々が「癒し」を求めて価値観も「個人重視」に切り替わった節目時期、その時代背景こそがブームを呼び込んだ大きな理由ではないでしょうか。上記に掲載した「君の友達」(You've Got A Friend)(1971)はジェームステイラーが1971年夏に全米1位獲得した曲ですが、キャロルキングがジェームスに提供した曲のセルフカバー。しかしキャロル版の方がピアノ・バイオリン旋律に彼女の切ない声が融合し、勇気・元気を与えてくれるより一層印象深い癒しの曲に仕上がっているような気がします。ところで・・、キャロルキングとジェイムステイラーの関係って本当はどうだったのでしょうか? お互いの才能を認め尊敬しあえる仲のミュージシャン同士でプラトニックな関係を維持してきたのか、実はカーリーサイモンとの三角関係で男と女の愛憎劇があったのか?・・とRWの脳裏には下世話な妄想も駆け巡りますが、晩年の2人のコラボ映像を見ていると心の底から互いに尊敬し合っているようにも見えます。もしそうであれば、男女間にもこんな素晴らしい友情関係(精神的な繋がり)があるんだ!と感動しちゃいますネエ・・。若い頃は決して美人とは言えない普通っぽい容姿でしたが、21世紀になっての味わいある名曲「ハッピーバースディ」のユーチューブを見ると、結構色香の漂うオバチャマに変身してしっとりと歌い上げておりますね~。キャロルの歌唱力は決して超一流とは言えないものの、反戦熱の醒めた1970年初頭(癒し心を求めた個人重視時代)においては、純朴で目線を合わせてくれるような歌い方が、世界中のファンを魅了し彼女に感情移入(同一化)させていったのではないでしょうか。1971年「つづれ織り」ばかりがクローズされて陰に隠れがちですが、「ミュージック」(1972)や「ファンタジー」(1973) も名盤といわれています。最後の締めは、3rdアルバム「ミュージック」から全米1位を獲得した名作「スウィートシーズン」をお送りして筆を置きたいと思います。



  by rollingwest | 2002-11-01 00:40 | 諏訪探訪

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