クイーン 「ボヘミアン・ラプソディ」 




★(136)クイーン 「ボヘミアン・ラプソディ」 (1975年) (2015.12.7公開)



c0119160_20532920.jpg今年(2015)は「クイーン」の代表的なアルバム「オペラ座の夜」(1975年:彼らの最高名盤)がリリースされて11月23日で丁度40年の節目を迎えました。またフレディマーキュリーの命日は翌11月24日(HIV感染合併症によるカリニ肺炎で45歳の若さで死去)、来年は四半世紀目の命日となるのか・・!(早いもんだなあ・・、俺も年をとるわけだ。) 初期の時代(Ⅰ~Ⅲ)が大好きなRWは、過去の洋楽記事でクイーンを紹介したのは第3巻(027)「輝ける七つの海」のみですが、やはりこの金字塔アルバムを掲載しない訳にはいきません。当名盤における超傑作曲といえば「ボヘミアン・ラプソディ」(冒頭掲載曲)、英国音楽誌の読者投票で20世紀を代表する曲の第1位に選ばれた大傑作です!この曲は3部構成の大作で、序盤はピアノ伴奏と落ち着いたバラードで静かに始まり、中盤では一転して壮大なオペラ世界へ、終盤はハードロックのエキサイティングな展開、最後には再びピアノに導かれて静かに終わりを迎える・・、というドラマティックかつストーリー性に溢れた展開(一曲が全体6分)は本1作品自体がアルバムタイトルの如くまさにオペラ劇場にいるかのような錯覚さえ覚えてしまいます。「ボヘミアン・ラプソディ」は当時シンセを使用しない事で有名だった彼らが200人分以上のコーラスを4人で重ね録りし、また巨額の制作費が投じられたプロモーションビデオ(「クイーン Ⅱ」ジャケットがモチーフ)が大きな話題にもなりました。フレディ・マーキュリーの才能を集結した曲の意味深な歌詞(冒頭から「母さん、たった今僕は人を殺してきたんだよ」というショッキングな内容)には色々な解釈があります。「ボヘミアン」とは「異邦人・移動型民族・放浪者」(かつてはジプシーとも呼ばれた)を意味し、彼の出自(タンザニア生まれのインド系英国人,ゾロアスター教)と同性愛者だったことが創作の動機となったと云われます。英国内ではマイノリティ立場であり、その被差別意識や苦しい思いを跳ね返したいというメッセージがこの名曲に籠められているのかもしれません。リリース40周年を記念し「オペラ座の夜」特集を徹底的にレポートしましょう!オープニング曲は「Death on Two Legs」、衝撃的なイントロから始まり目まぐるしく曲調転換を見せながら息つく暇もなくエンディングへと一気に突っ走るアレンジは実に巧妙!壮大なクイーン・オペラ劇場開演を打ち鳴らす幕開けに相応しい序曲です。「I'm in Love With My Car」はハードロック調で迫るRWのお気に入り曲で、車が趣味のロジャー・テイラー(dm)が作曲、カーレーシングのレトロチックなモノクロPVには目を奪われます。POPなリズムの「マイ・ベストフレンド」は、ジョン・ディーコン(bs)の作曲で彼の初シングルヒットとなりました。RWは当時大学に入学して上京してきたばかり、四畳半下宿のFENラジオから毎日のようにこの曲が流れていたことが実に懐かしい!「'39」は、ブライアン・メイ(gt)が作曲し自身もボーカルをとっているカントリー調のアコースティック・ギターと牧歌的なメロディが実に秀逸です。ミュージカル調のコミカル作風が魅力の小作品「シーサイド・ランデヴー」(昔の海水浴風景を、デキシーランド・ジャズっぽい軽快なリズムで歌いあげた心地良い曲)や「グッド・カンパニー」(ジャズ風の金管・木管楽器・手回し式演奏オルガンをブライアン・メイが全て演奏)を聴くと、クイーンはこのオペラ劇場的なアルバムを、ビートルズの2大名盤(SGTペッパーズ、アビーロード)と対比させたかったのではないでしょうか?これらのホノボノ曲が時たま散りばめられていることも、ビートルズ2大名盤に疑似させているような気がします。初期3部作はひたすら才能をアピールし、先鋭的な作風が剥き出しになっていた傾向がありましたが、このアルバムから遊び心と余裕が生まれ、クイーンの音楽スタイルのターニング・ポイント・分水嶺となった作品です。この名盤でクライマックスシーンを迎えるのは最長曲「預言者の歌」、冒頭と終焉の琴とアコースティックギターのコラボが不思議な世界に誘い、ロックサウンド展開後の絶頂部は絶え間なく響く声明的な幽玄世界は僧侶集団が輪唱しているかの如し!まるでイエスサウンドの世界に引き込まれたかのような錯覚を覚える壮大なる曲です。最後の締めを飾るのは、クイーンファンの間でも人気の高い名曲「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」(せつない失恋の心情の歌詞)、メランコリックなピアノとハプシコードに導かれるままフレディ・マーキュリーがしっとりと歌いあげる数あるバラードの中でも3本の指に入る美しさを誇ります。クイーンのメンバー4人は、それぞれのパートでロック界のNo1と言えるほどの実力を持ち合わせたインテリ集団、その傑出した能力が結集してクラシック音楽とロックを融合させた完璧と言えるアルバムは永遠にロック史に刻まれ伝説として受け継がれていくことでしょう。



  by rollingwest | 2003-01-01 00:13 | 洋楽(ロック・POPS)

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