<2018年8月28~30日>北アルプス上高地の名峰「霞沢岳」、2泊3日テント旅


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★上高地を見下ろすように聳える日本200名山「霞沢岳」


北アルプス登山のメイン基地・入口として本格的な登山者は必ず訪れる日本屈指の山岳リゾート「上高地」、登山をしない人にとっても憧れの場所で、年間150万人以上の観光客が押し寄せます。近年はインバウンドブームで外国人客も急増、今や世界に誇る有名観光地です。


  .....上高地を代表する光景 (左)河童橋から仰ぐ穂高連峰 (右)化粧柳と清流「梓川」.....
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登山に目覚めた大学生時代、まずは北アルプス「槍ケ岳・穂高連峰」に憧れるもので「上高地」は何度も訪れましたが、初体験の感動は今も忘れられません。学生時代の北アルプス縦走や新婚時代にカミサンと登った蝶ケ岳・槍ケ岳も含め、上高地エリアへの訪問は10回位になるかなあ・・。


  .....(左)大学時代は北アルプス山行が圧倒多数 (右)久しぶりに上高地散策を楽しもう.....
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今回は遅い夏休み取得で、大正池や上高地を真上から睥睨するが如く聳える200名山「霞沢岳」(2646m)への挑戦!社会人以降の北アルプス登山は、北部の剱岳・立山、裏銀座・雲ノ平が中心だったので上高地は随分遠ざかっており、17年ぶりの訪問(2001焼岳・西穂高への登山以来)でした。


  .....「霞沢岳」は上高地や大正池を背後から見下ろすように鎮座する日本200名山.....      
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霞沢岳は上高地の背後にあり穂高連峰に対峙する山で、徳本(tokugo)峠からの道しか登山できません。メイン縦走路から外れるため登山者も少なくマイナーな存在。10年前の出向先同僚「T架橋」さん(今も洋楽カラオケを歌う仲)が「いつか霞沢岳に登りたい」と拘っており、彼の30数年来の夢を叶えようと今回ついに意を決した経緯にあります。






★久しぶりに特急「あずさ」に乗って松本駅から上高地へ!


初日早朝6:40、T架橋さんと新宿駅南口で待ち合せ7:00発特急「あずさ」で松本駅へ!学生時代はキスリング重装備で夜行列車に乗るために新宿駅アルプス広場に長い行列で並んだもんだなア・・。昭和時代の登山を象徴する懐かしい駅構内風景が蘇りました。


  .....(左)特急「あずさ」で 新宿駅出発 (右)大学時代は夜行列車、アルプス広場に並んだ.....    
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9:40松本駅到着、駅前のアルピコ交通に乗り換え直通バスで上高地へ向かいました。天気は前線が北陸停滞で長野県は不安定で微妙な状況かなア・・。沢渡・中ノ湯を過ぎると相当な雨になってきた~!晴れ男を自称するRWですが今回の山行は厳しいのかも・・


    .....(左)松本駅到着 (右)駅前広場前のビルに上高地行きバスターミナルがある.....
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    .....(左)上高地バスターミナル到着 (右)T架橋氏とザック準備を整えていざ出発.....
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12:00過ぎに上高地バスターミナル到着。雨は何とか上がっている。12:15に出発して5分程歩くと大正7年創業「五千尺ロッヂ」が見えてきました。名の由来は3千m級峰(アルプス1万尺)の半分・五千尺(1500m)が上高地の標高だからです。ロッジ目の前にある上高地のシンボル「河童橋」・・、新婚時代カミさんと槍ヶ岳登山して以来30年ぶりの対面だ~!


    .....(左) 100年の歴史を誇る「五千尺ロッヂ」 (右)上高地のシンボル「河童橋」.....
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    .....上高地でテントを張るならば「小梨平キャンプ場」が一番有な場所かな.....
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★「穂高神社奥宮」を参拝し「明神池」散策。テント泊基地の「徳本峠小屋」へ


小梨平キャンプ場を通過して暫く歩き進むと「明神館」に到着。荷物を降ろして一服休憩した後は、天候回復と安全祈願のため「穂高神社奥宮」を参拝していきましょう。裏手奥宮参道途中、「梓川」に架かる「明神橋」(2003年リニューアル)があり、橋を渡って「明神池」へと向かいます。


    .....(左) 「明神館」に到着 (右)T架橋さんと「穂高神社奥宮」の石碑前にて.....    
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  .....(左)リニューアル「明神橋」は初体験! (右)梓川を渡って30年ぶりに「明神池」へ.....
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明神池・奥宮が目前に迫ってくると左手に、北アルプス登山史を語るに欠かせない「嘉門次小屋」が現れました。地元猟師だった上條嘉門次は、日本近代登山の父「W・ウエストン」(著書「日本アルプスの登山と探検」)を槍ヶ岳に案内しました。ウエストンは彼の人柄と技術に敬服し20余年の親交を深め、小屋には友情記念として贈られたピッケルが現在も残っています。


 ....北アルプス山岳史に不可欠の「嘉門次小屋」、ウエストン&上條嘉門次の交流が記される.....
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    .....(左) 穂高神社奥宮に参拝するT架橋さん (右)海神が鎮座する「明神池」.....
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「明神池」(拝観料300円が必要)を久しぶりに散策してみよう!梓川の古い流路が、明神岳の崩落砂礫で堰き止められてできた大小2つの池(一之池・二之池)で、冬でも全面凍結しない透明感あふれる水面が空を映し静寂に広がります。まさに神が見守る鏡池という雰囲気!


    .....静けさと神々しさを感じる「一之池」の風景、北アに鎮座した神のオーラが!.....
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  .... 明神岳を見上げる「二之池」の池中に配された大岩石は大自然の造形美そのもの.....
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「穂高神社奥宮」が鎮座する神域には、遠く北九州に栄えた「安曇族の海神」が北アルプスの祭神・総鎮守として鎮座しています。上高地は古くから、神降地、神河内などとも呼ばれ、神々を祀るに最も神聖な場所とされてきました。毎年10月8日は明神池に龍頭鷁首の御船を浮かべ、一年の山の安全を祈願する平安朝の神事「御船祭り」が行われます。


    .....(左)「嘉門次小屋」から立ち上る煙 (右)「御船祭り」に登場する「龍頭鷁首」.....
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さていよいよ霞沢岳のベースキャンプ「徳本(tokugo)峠小屋」への登り!明神分岐から真っ直ぐ徳沢方面に進めば、涸沢カール経由で槍・穂高登山のメインルート、我々は右からのコース経由で峠を目指して上がります。2時間半の登りですがテント・食糧をフルで担ぐ急登道はやはり辛かった~!


  .....明神から徳本峠小屋への急傾斜な山道、難儀な登りで最後の水場にて一服休憩.....
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かつて上高地への入山は、松本から島々谷経由で徳本峠越えする道が唯一のルートでした。T架橋さんは、古から続く歴史深い登山道を挑戦することが長年の夢でしたが、結構厳しいロングコースで彼自身が30年ぶりの登山なのです。RWは彼に「いきなり無理すると遭難事故が懸念されますよ。」と何とか説得し、整備された上高地経由コースを選択してもらいました。


    .....(左)古から上高地入口だった「徳本峠」の小屋 (右)雨の中でテントを張る....
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16:00過ぎ「徳本峠小屋」へ到着。久しぶりのテント泊だなあ・・。それも同じ場所に連泊とは初めての体験!しかしテントを張り始めると猛烈な雨になってきました。それぞれのテントで食事を済ませ明日に備えましたが、低い位置にテントを張ったT架橋さんは敷きマットに雨水が浸水して大変だったようです。明日は大丈夫かなあ・・。激しい雨音に不安感がよぎる・・。






★「霞沢岳」への挑戦(10時間半往復ロード)、北アルプス大絶景を堪能!


朝4時起床、テントから空を見上げると昨夜の雨は上がり青空が見えているぞ!今回も晴れ男RWの無敗連続記録(2012年11月の山行以来20勝4引分)を25に伸ばせそうな気がしてきた!5:45出発、サブザック軽装のピストンとはいえ霞沢岳へは10時間の長丁場往復です。


  .....(左)感激的な晴天の朝を迎える! (右)ジャンクションピーク通過、いい気持ち!.....
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徳本峠から森林帯を歩き、最初の節目「ジャンクションピーク」に到着!青空と雲の織り成す芸術的なパノラマを楽しみ、8:00小湿地を通過しました。この辺りまでは実に軽快な気分で登って行けた道中、8月下旬はまだ沢山の高山植物が豊富に咲き誇り、大いに癒されました!


    ....ジャンクションピークで眺望した青空・陽光・雲の芸術!暫し見とれましたネ~.....
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    .....美しい高山植物が続々と登場!8月下旬はまだ花は頑張って咲いている.....
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しかし8:30を過ぎると再び雨が降り出してきました!北陸に停滞する前線が長野に南下してきたのかな?不安定な天候が続いた今年の夏、やはりそう甘くはなく山頂パノラマは期待できない懸念が再び頭を擡げてきました。無敗連続記録は今回で終わりを告げてしまうのかも・・


  ..... 晴れと思いきや急に雨が降ってきた!不安定な天気、膨らんだ希望が一挙収縮.....
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  .....(左)憂鬱な気持ちで登っていく (右)雨で元気なのはキノコばかりかな・・(泣).....
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それからはずっと霧の中・・、霞沢岳が一体どんな姿をしているのか羨望しつつも状況は依然変わりません。11:15漸くT架橋さんが30数年憧れ続けてきた山頂に立ちました。昼食を摂って霧が晴れるのを待ち続けましたが望みはついに叶わず諦めて下山開始。


 .....何も見えない霧中山行が続く。念願の「霞沢岳」山頂に立つもホワイト世界、霞見た岳(涙).....
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しかし12時過ぎ、何と!霧が晴れてパノラマが開けてきた!天は我々を見放さなかった~!(感激) 復路でもう一度K1ピークに12:40立つと、先程は霧で包まれていた灰色光景とは一変!


    .....諦めて下山開始・・、しかし数分後奇跡的に霧が晴れてきた!何たる天の配剤!.....
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喘ぎながら歩いてきたナイフリッジ登山道がクッキリと浮かび上がってくる。左半分が霧、右半分が緑に覆われる稜線尾根!ついに「霞沢岳」も全貌を鮮やかに現してきた~!かくもボリュームある雄々しい山だったのか!「10年来の夢が報われた~!」と2人は喜び感激に浸りました。


  .....雲が一挙に晴れナイフリッジ稜線やワイルドな山容が徐々に露わになってきた!..... 
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  .....(左)上高地の目の前に聳える「六百山」 (右)「霞沢岳」の全貌山容がついに現る.....
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霧は完全に晴れ渡り上高地の全貌が識別できます。真下にはセレブも憧れる帝国ホテル(大正池の近く)の赤い屋根も見えるではないか!目の前には「六百山」が鎮座、奥穂高岳から急激に落ち込む「岳沢」の地形も睥睨できます。大学時代にこの厳しい急坂道を下山したなあ・・。


  .....(左)上高地のシンボル「帝国ホテル」 (右)穂高連峰から下る「岳沢」の長い雪渓.....
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  .....(左)穂高連峰の峻嶮な稜線風景は大迫力! (右)ピラミダルな「常念岳」の雄姿も!.....
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しかし戻り路はまだまだ長くあと3時間以上は歩かなければなりません。アップダウンを繰り返す下山、相当歩いても次の通過目標地が出てこない・・。(泣)疲れはどんどん増していきます。徳本峠小屋に16:00過ぎヘトヘト状態で到着。今日は10時間半も歩いてしまった。テントに荷物を降ろし食事の準備をして「お疲れ様~乾杯~!」満足感に溢れたビール・焼酎で大いに報われました。


    .....(左)徳本峠のマイテントに戻る (右)乾杯~!ついに達成しましたね~!.....
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 .....(上)充実感の宴会を終え、夕暮れが深まる (下)疲れ果てて月夜のテントで爆睡・・.....
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★上高地から充実満足感のバス帰京!


最終日は4時過ぎに起床、朝食を摂りテントを撤収して6時に徳本峠小屋に別れを告げました。初日登った時は重い荷物の急坂で苦しかったけれど、帰り道は軽くなったザックなので快適でスイスイの下り道。梓川沿いに出て8:15明神館に到着しました。


  .....徳本峠小屋を出発し明神分岐へ下る。昔はこのルートで上高地へ入った歴史道.....
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「穂高神社奥宮」石碑に向かってお礼参拝・・「不安定天候で殆ど諦めていたのに、頂上付近で大逆転の天恵なる晴れ間とパノラマ絶景を与えて頂き感謝します!」今回は穂高神の配剤により土壇場で引分けに持ち込み、何とか連続無敗記録を25(20勝5分け)に伸ばすことができました。


   .....(左)穂高神社奥宮に御礼祈願 (右)神の山「明神岳」はいつ見ても大迫力の姿.....
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帰りは初日の復路、梓川沿いの道を歩き小梨平キャンプ場経由で8:30「河童橋」に到着。今日は曇りがちで穂高連峰は雲の中。上高地バスターミナルから9:20新島々行きバスに搭乗


   .....梓川の清流に見惚れ、瑞々しいケショウヤナギと河童橋をバックに!旅の終わり.....
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    .....(左)朝早い河童橋には観光客がまだ少ない (右)上高地バスターミナルを出発.....
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帰りのバスは松本電鉄「新島々駅」止まりなので乗り換えて松本駅へ!ちょうど昼時なので再びビールで乾杯!お疲れ様でした~!松本からはアルピコ交通バスで新宿バスタまで直通(お値段は3千円の割安!)、17時に帰宅して満足感で入浴後もう一杯!


    .....松本電鉄「新島々駅」、ここでバスから電車乗換え。カラフルな車両だネ~!.....
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 .....松本バスターミナル「王将」餃子でビール2杯、帰りは新宿まで直通バス、楽チン帰京.....
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久しぶりの北アルプス2泊3日テント山旅は、2人の10年来の霞沢岳への思いを実現し、自分自身も無事200名山162座を刻むことができました。次回も2人で北アルプス北部名峰に再挑戦しようと誓い合いました。


  .....(上)徳本峠から見た朝焼けの前穂高岳 (下)霞沢岳から撮影した焼岳~穂高山麓.....            
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                                             おわり

  # by rollingwest | 2018-09-23 16:00 | Comments(176)

<2017GW>「佐渡ケ島」一周の旅⑤:小佐渡の南ルート穴場周遊(灯台・棚田・古刹巡り)


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                       佐渡ケ島一周の旅④:朱鷺と古刹を巡る旅(内陸部編)  より続く


★佐渡ケ島の南海岸ルートを行く


昨年GW、弟・娘達と3泊4日で廻った「佐渡ケ島」一周旅から早くも1年半が経過し、前回記事④公開からも半年が過ぎてしまいました。「そろそろ続編を再開しないと2019年を迎えて丸2年が経っちゃうぞ・・!」と思い始め、久しぶりに佐渡旅シリーズ続編⑤のレポートです。


    .....(左)今回佐渡一周がほぼ実現 (右)小佐渡・最西端の沢崎鼻灯台から見た夕日.....
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第4編は佐渡のシンボル・朱鷺、能舞台、穴場の古刹、日蓮上人足跡など島内陸部からの記事でしたが、第5編は佐渡ケ島南ルート(姫埼灯台~岩首~赤泊~沢崎鼻灯台等)の見所をレポート、小佐渡の東西両端を見守る灯台、佐渡の深い歴史ある古刹などが登場、美しい棚田風景も紹介します。


    .....(左)佐渡の棚田(岩首)を満喫 (右)孔雀が横たわったような神子岩をバックに.....
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今回の佐渡旅は当初4人(弟、娘&友達)でスタートしましたが、旅途中で2人(2日目に娘の友達、3日目は弟)が仕事に戻らざるを得ず随時離脱。朱鷺を見学した後、3人で昼食を摂り、弟を両津港フェリー乗り場に送りここでお別れとなりました。3日目午後からは、日頃親父には殆ど付き合ってくれない娘と人生初めての2人旅となります。


    .....(左)弟を両津港まで送りここでお別れ (右)加茂湖から見た佐渡最高峰「金北山」.....        
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★小佐渡の最東端「姫埼灯台」


佐渡は2つの島が重なった形をしていますが、北部を「大佐渡」、南部を「小佐渡」と呼びます。娘との2人旅は小佐渡の北東部にある「姫埼灯台」から佐渡内陸部経由で小木へ向かう計画でしたが、ルート変更して島の南海岸を走り南西部「沢崎鼻灯台」を目指すことにしました。


    .....大佐渡は北の半島、小佐渡は南の半島、今回は小佐渡の南海岸ルートを走る.....  
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「姫埼灯台」は、両津港(佐渡の表玄関)の入口に突き出した姫埼岬に設置されており、1895年に点灯された佐渡で初めて建設されました。新潟港から両津港に向かうフェリーが初めて佐渡ケ島を見る岬の崖上に聳える白亜六角形の中型鉄造灯台です。


    .....(左) 100年の歴史を誇る小佐渡最東端「姫埼灯台」 (右)両津港フェリーの道しるべ.....          
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この灯台は日本最古の鉄造りの灯塔として歴史的価値が認められ、1997年「世界の灯台100選」「日本の灯台50選」に選ばれました。また2009年には我が国の海運業等を支えた安全船舶航行に貢献した灯台として近代化産業遺産群としても認定されています。


   ....(左)当時のまま現存する鉄製白灯台の凛々しい姿 (右)真っ青な海に太公望が!.....         
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明治期の職員が西洋から伝えられた製鉄技術を明治維新後の短期間に習得し、独自の鉄灯台の製法を確立しました。周辺はキャンプ場や岬周辺を巡る遊歩道が整備されており、断崖絶壁には釣りを楽しむ地元の人達がいい時間を過ごしていました。


    .....「姫崎灯台館」は貴重な資料展示館、当時の製造技術の高さを伺い知ることができる.....
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★島流しにされた順徳上皇の史跡を発見!


灯台近くに八大龍王社が鎮座、島流しされた順徳上皇の句碑を発見!「束の間も身も放たじと契りしに波の底にもさや思うらむ」・・・。佐渡流罪で失意・嘆きに明け暮れた上皇の史跡については、第1編「佐渡歴史伝説館」「真野宮」火葬塚「真野御陵」を訪問してレポートしてきましたが、小佐渡の最東部にも訪問史跡があったと知ってビックリ!


  ....順徳上皇(承久の変で島流し)の史跡「八大龍王社発見!初日の「真野御陵」を思い出す.....
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                                  佐渡ケ島一周の旅①:(新潟~両津~相川) 

小佐渡の最西南部「小木」にも順徳上皇所縁の「海潮寺」がありました。境内には上皇の御手植えの名木「御所桜」。一重と八重の白花が混り咲き、花弁の先端が不規則に細裂する珍しい桜ということ。恨み嘆きに苛まされる上皇の無念が桜に乗り移っているのかも・・。


    .....順徳上皇の御手植桜がある「海潮寺」、本堂前道を挟み左右2株が並んでいる.....
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島内には崩御まで過ごした「黒木御所跡」、真野湾を背にした「順徳上皇石碑群」(父帝・後鳥羽上皇を思う和歌を刻まれる)など上皇に所縁ある史跡が点在しています。失意・嘆きの順徳上皇、佐渡の随所各地を回っていたのだなあ・・。


  .....(左)黒い丸太で造営された「黒木御所跡」 (右)後鳥羽上皇和歌を刻んだ「恋ケ浦碑」.....
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★佐渡の棚田風景を楽しむ


次は、「岩首昇竜棚田」「養老の瀧」を訪問しました。当初は小佐渡海岸コースを行く計画ではなかったものの現地道路の標識表示で初めて知り、「えっ?佐渡に棚田があるの!」と急遽立ち寄ってみました。岩首郵便局から山に入っていくと、「岩首昇竜棚田」と「養老の滝」があります。急勾配のヘアピン道で一般車は相当きついけれど頑張って上がってみよう!


    .....「岩首昇竜棚田」をドライブ途中で発見!佐渡にこんな棚田があったとは!.....
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急坂を上がり棚田展望台の看板を通過すると駐車場があります。日本海を望む集落から標高350Mを越える山間部に棚田が広がっています。ここからの景色は本当に素晴らしい!江戸時代頃に開田が進み、その形状を残しながら今に受け継がれた460枚の田圃風景です。


    .....(左) 岩首棚田の展望台看板 (右)海沿いの集落から山間部に棚田が広がる.....
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山の清水・湧水にも恵まれ、海から昇る朝日光と海から吹く風の環境でゆっくり丁寧に育てられた佐渡のお米。段差があり変形田が多いため、機械作業も難しいので棚田保全に努める「農家の方々の苦労は如何ばかり・・後継者不足の悩みは尽きないだろうなあ」と思いました。


    .....急峻な棚田を維持していくことは大変だろうなあ・・。高齢化で後継者不足が心配.....
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近くには「養老の滝」もあります。落差が30mの三段滝は実に見事!木々の緑と滝のコントラストが美しかった。さらに5月なのに紅葉を発見してビックリ!棚田では桜が見られ隣の滝では紅葉を見るとは・・、何か不思議な経験をしたような気持ちだ!


    .....子宝に恵まれる伝説の「養老の滝」、娘には30才までに結婚しろと言っているが・・.....
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★赤泊港を通過、弥彦山・米山(故郷新潟の名峰)の日本海越しの展望!


佐渡・新潟のフェリーは、両津⇔新潟・小木港⇔直江津が有名ですが、もう一つ赤泊⇔寺泊の合計3ルートがあります。赤泊は佐渡金山の隆盛に伴い小木とともに江戸幕府直轄領の佐渡奉行渡来港・北前船貿易港として栄え、今もフェリー就航路が残っています。


    ....寺泊とフェリー航路が結ばれる「赤泊港」を通過。フェリー存続問題で揺れている.....
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しかしマイナー航路の悲哀で赤字累積が積み重なり、佐渡汽船が最近撤退方針を示しており地元は大きなショックを受けています。過疎化に悩むエリアは全国各地で同様な事態になっている場所が多く、ますます過疎に拍車がかかる悪循環や葛藤に陥る傾向だ・・


    .....(左)鄙びたフェリー港が何とも風情あり (右)美しい海岸にキャンプ場も多く点在.....
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さらに南海岸を進む行くと左手に、日本海越しの「弥彦山」(越後の鎮守)と「角田山」が見える!こんな風に海に鎮座しているのか・・。小木が近くなると海越しにもう一つ尖った山が現れました。地図を確かめると、わが故郷柏崎の名峰「米山」ではないか~!佐渡から海越しで故郷名峰を生まれて初めて仰ぎ見られて最高~、大いなる感動に浸りました!


      .....佐渡南海岸を走っていくと、道端に手作りの可愛いオブジェ人形を発見!.....    
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    .....(右)佐渡から見る「弥彦山」&「角田山」 (下)故郷柏崎の名峰「米山」だ~!.....
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                                   佐渡ケ島一周旅②:(七浦・佐渡金山・尖閣湾)  





★いよいよ佐渡旅行の終着点「小木」へ!


佐渡のお寺といえば今回記事まで、日蓮に所縁ある「妙宣寺」「根本寺」、奈良平安期創建の古刹「清水寺」「長谷寺」、順徳上皇の「海潮寺」をレポートしました。最後に佐渡最大級の境内を誇る古刹「蓮華峰寺」を紹介します。


    .....「小比叡山」とも呼ばれる伝統ある古刹「蓮華峰寺」、「佐渡八十八ケ所霊場」の一つ.....
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「蓮華峰寺」は平安時代に弘法大師が創建したという伝承を持つ佐渡寺の一つで、国指定重要文化財(金堂・弘法堂等)の登録有形文化財(大門・仁王門・八角堂)が満載!広い境内をすべて回るのはかなりの時間を要しますが娘と一緒に歩き探訪してみました。


  ....小木の山中にある京都鬼門の日本海延長、佐渡最大規模を誇る広大・圧巻の境内.....
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寺伝では、佐渡が京都の海上鬼門にあたることから、王城鎮護の霊場として806年空海によって開かれたとのこと。京都御所から見て比叡山と蓮華峰寺は同一線上にあり、このために「小比叡山」と呼ばれているようです。境内地は3000坪もある広さで回り甲斐がありました。


    .....弘法堂・金堂・骨堂は国の重要文化財指定。「八角堂」は江戸中期の建物.....
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再び海岸部に出て最後は島の南西部にそそり立つ沢崎鼻灯台を目指しました。ペーパードライバーの娘が「車を運転したい」と言い出し「交通量の少ない佐渡の道路ならば大丈夫かな・・」と判断し、助手席に座りハンドル指導。何とか慣れて無事灯台方向へと進んで行きました。


    .....「沢崎鼻灯台」、佐渡の最西端の溶岩台地の芝生に映える八角形の白い灯台.....
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ついに小佐渡の西端・小木半島突端に建つ「沢崎鼻灯台」に到着~!高台の展望台から夕日に映える穏やかで雄大な水平線、周囲にはクジャクの横顔のような神子岩など険しい岩の風景が広がっていました。


    ....波立つ様な雲に美しき白亜灯台、雲間から差し込む夕日の日本海、絵になるなあ・・!.....
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これで佐渡ケ島1周がほぼ完結!さすがにここまで訪ねる人は少なく人混みとは無縁の静けさです素晴らしい夕暮れの絶景を堪能して再び娘の運転(だいぶ慣れてきてやや安心)で宿泊する小木の街へ向かいました。


    .....(左)神子岩は何度見ても孔雀が寝そべる姿 (右)幻想的な夕暮れ海に別れを告げる.....
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最終日に泊まる宿は小木港から徒歩10分程の住宅街の中に佇んでいる民宿「かもめ荘」。地味な宿かなと思ったら予想外にお洒落な雰囲気!喫茶店のようなエントランス、その先を行くとモダンな美術館を思わせる空間が広がります。源泉掛け流しの露天風呂温泉と、地元漁港で揚がる新鮮な魚介を娘と2人で良き時間を過ごしました。


    .....最終宿泊は小木の民宿「かもめ荘」、高級感溢れ、かけ流し温泉・海の幸で大満足.....
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初日の両津~真野湾・七浦(大佐渡・西端)~外海府から最北端(大野亀・二つ亀)~内海府~両津・内陸部~姫埼灯台(小佐渡・東端)~岩首・赤泊~小木・沢崎鼻(小佐渡・西端)までグルリ周遊できました。それにしても佐渡ケ島は実に奥深く広い島だなあ・・とあらためて感心した次第です。


                                  佐渡ケ島一周の旅③:外海府~佐渡最北端 


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昨年GW旅記事を2年に渡ってダラダラ書き続けてきましたが、次回はいよいよ最終編!娘と小木・宿根木の街並・たらい船を楽しみ、直江津港フェリー経由で柏崎実家帰省のラストレポート となります。



                                                       おわり

  # by rollingwest | 2018-09-08 16:50 | 佐渡ケ島一周旅 | Comments(162)

<2018年7月14~16日>朝日連峰の盟主「大朝日岳」(日本百名山)、猛暑の苦行登山


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★山形・新潟県境に鎮座する奥深き原生林の山「朝日連峰」


前回の越後名峰「巻機山」(日本百名山)レポートに続き、今回も登山記事にお付き合い下さい。日本200名山も登頂160座(うち百名山80座)となり、残すところあと40座となりましたが、ここ数年めっきり登山回数が落ちている自分の体たらくぶりを反省(昨年は2座しか進まず)・・。今年はちょっと気合を入れ直してみようと思い、珍しく連続の百名山レポートとなります。

                              「日本200名山登頂データ」(2018.1月時点) 


 .....山形県の「朝日連峰」は奥深い自然の山々!7月中旬、連峰盟主「大朝日岳」に挑戦!....
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今回挑戦したのは山形・新潟県境に連なる「朝日連峰」の主峰「大朝日岳」(1870m・山形県に帰属)、この山は百名山にも関わらず全国的知名度はかなり低い気がします。東京からの交通アクセスが悪くて兎に角行きづらい・・登山歩行距離が長いことが最大の理由と思います。


   ....7月中旬の東北はまさに梅雨明け!猛暑の中で、急坂登りが続く苦行の登山に!....          
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7月中旬なので「天気は大丈夫かな?」と心配しましたが、東北南部はまさに14日が梅雨明けとなり、超快晴に恵まれました。しかし今年は記録的な猛暑の年(8月は全国各地で41度を超える箇所続出)、我々が挑戦した7月3連休も梅雨明け直後の異常猛暑の中で長時間歩く羽目となりました。体力が衰えた還暦親父達のヘトヘト登山・苦行レポートをお伝えします。





★【初日】:朝日連峰山麓の「寒河江」に宿泊 (山形新幹線経由)


今回計画も巻機山と同様にマツ氏が立案し同行してくれました。1日目は大朝日岳登山口に近い最寄り街・山形県中央部の「寒河江市」(sagae)に入って前泊する計画、東京駅正午発の山形新幹線(マツ氏は大宮乗車)で山形駅にて在来線へ乗り換えて寒河江駅に夕方到着


   .....(左)山形新幹線「つばさ」は初体験  (下) 猛暑の山形駅で在来・左沢線へ乗り換え....
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  .....朝日連峰登山は寒河江市(山形県のほぼ中央にある西村山郡の中核都市)から入る....
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寒河江市は山形盆地の西側に位置し人口は約4万1千人。朝日連峰・出羽山地から流れる最上川と寒河江川(最大支流)が合流する扇状地の街で県内随一のサクランボの産地としても知られます。駅前から数分歩き予約済のビジネスホテル「サン・チェリー」に投宿しました。


   .....寒河江市内は源泉かけ流しの温泉が沢山!夕方に到着したが日はまだ高く明るい....
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7月中旬は夕方でも日が長く、夕食まで十分時間があるので、寒河江に鎮座する有名なお寺「慈恩寺」を見学してみよう!タクシーを呼んで10数分走った小高い丘から坂道を歩くと奈良時代の古刹(国指定重要文化財)が出現!「こんな凄いが寺があったのか~」と驚愕!


   .....寒河江川市には天平時代からの古刹「慈恩寺」(聖武天皇の勅命で建立)が鎮座....
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天平18年(746)、聖武天皇勅命によりインド僧・婆羅門僧正が開基したと伝わる鎮護国家の勅願寺で本堂・三重塔・山門など3院17坊を構成し、鳥羽上皇や摂関家藤原氏・奥州藤原氏・寒河江荘大江氏・山形城主最上氏らの崇敬を集めました。一大山岳寺院として開山されて以来約1,300年、東北随一の巨刹として栄え、江戸時代になっても幕府により篤く庇護されてきたとのことです。  


   .....朝廷や幕府の繁栄を願う祈願寺。修行のために全国各地から僧が集まった....
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重要な文化財平安末期から鎌倉中期にかけて作られた仏像など、国指定重要文化財も多数あります。周辺に築かれた中世城館祉群、修験場跡などを含む一帯エリアとなっており、日本仏教信仰の歴史を知ることができる極めて貴重な場所らしい。こんな素晴らしい名古刹が山形県にあったとは目から鱗でした!


 .....境内は本堂・三重塔・山門の名建築続々登場、周辺にも中世城館祉群、修験場跡がある....
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帰りは「寒河江八幡宮」にも立ち寄ってみました。平安時代からの古い神社で、祭神は誉田別命(応神天皇)、「出羽国風土記」には平安後期の「前九年の役」で源頼義・源義家親子が八幡神に戦勝祈願して勝利したことから現地に八幡神社を創建したことに始まると伝わります。


   .....「寒河江八幡宮」は平安時代からの古い神社、「出羽国風土記」にも記される....
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八幡宮本殿・拝殿は江戸時代の建物で、寒河江を代表する古建築、寒河江まつりの歴史は、鎌倉時代から始まりすでに800年を超えていると言われ、古来よりの流鏑馬神事も有名です。


   ....帰りは歩いて寒河江「ホテルサンチェリー」へ宿泊。かけ流し天然温泉なのに5千円....
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今日宿泊する「ホテルセンチュリー」に戻って入浴、何と源泉かけ流し温泉ではないか!これで素泊まり5千円は安い!夕食はホテル内居酒屋で前祝い!調子に乗り、美酒と新鮮な肴をバンバン追加、注文し過ぎてしまい飲み代はホテル代以上の6千円・・。ありゃ~やっちまった~!(苦笑)


 .....ホテル内・居酒屋も素晴らしい食事、ついつい料理・酒を頼みすぎて宿泊費より高くつく....
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★【2日目】中ツル尾根コース(前半):ブナ原生林・吊り橋、「朝日川渓谷」を快適に遡上


ホテルにタクシーを呼んで早朝出発、寒河江市内から国道287号・県道289号経由で1時間以上走り続け登山口の朝日鉱泉に到着!料金は何と片道1万3千円だ!新幹線や宿代よりタクシー代が一番高いなんて・・、それだけ交通が不便で山奥深い場所だと言うことだネ~!


   .....山形の山奥・木川ダムを走りぬけ、朝日鉱泉「ナチュラリストの家」脇の登山口へ....
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  .....梅雨明け快晴の青空、遥かに今日目指す「大朝日岳」の尖った頂上が見えている!....
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朝日鉱泉は朝日川渓谷に位置し、ここにはお洒落な建物があります。大朝日岳への登山基地として宿泊・休憩・食事を提供する「朝日鉱泉ナチュラリストの家」です。遥か先に我々が目指す大朝日岳が尖った雄姿を見せている!さあ、いざ出発!これから長丁場の歩きだ・・


   ....いきなり朝日川を渡る吊り橋が登場! 前半の川沿い4kmは標高稼がず、横の移動....
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朝日鉱泉から登山道に入り猿渡取水場経由で5分程歩くと吊り橋が出現、さらに行くと分岐から降りる小道があり開けた笹河原、その先に弘法大師の石像が佇んでいました。大師伝説は全国にありますが、こんな山奥の渓谷にも残っているとは・・!いや本当に驚いたネ~。


   ....弘法大師散歩道の分岐から左手に降りてみると開けた河原、奥の森に空海像が出現....
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   .....美しいブナの森の中を歩いていく。朝方は強烈な日差しが避けられてまだ快適状態....
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大朝日岳登山は、古寺鉱泉コースや朝日鉱泉からの鳥原山経由の稜線歩きが最もオーソドックスで人気あるルートですが、我々が選択したのは「中ツル尾根コース」。ややマイナーなコースで地図には7時間前後の最短路とありますが、最初の渓谷歩きから始まり途中から猛暑の中でひたすら急坂登りが続く苦行のロングコース(日本100急登の一つ)でした。


  .....(左)急坂が延々と続くく「中ツル尾根コース」  (右)吊り橋が次々に登場する渓流歩き....
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コース前半(4km)は朝日川の遡上で、途中何度か吊り橋を渡り、実に気持ちいい歩き道です。朝日川(大朝日岳が源流)は山形県内で最も美しい渓谷流でイワナ・ヤマメ・カジカが棲み渓流釣りファンには堪らない場所と聞いて納得!水流と光の美しさはまさにジブリ映画の如し!


    ....渦巻く飛沫。滝の連続、マイナスイオン溢れる沢を遡上していく爽快感!....
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 ....(左)何という透明度、イワナが沢山いそう  (右)こんな幻想的水光景は見たことがない!....
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朝日川渓谷の道はブナ原生林に覆われ、広大な原始森は白神山地(世界遺産)に匹敵する規模と言われます。三階滝に対面して、マイナスイオンを浴びまくる爽快感・・!強烈な直射日光も森林の木陰で避けられて、ゆっくりマイペースで進み、ここまではよかったのですが・・。 


   .....(左)渓谷のハイライト「三階滝」  (右・下) 奥深い朝日川渓谷風景を楽しみながら進む....
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★【2日目】中ツル尾根コース(後半):急坂・猛暑の苦行登山、夕暮れの登頂・テント泊


前半終点の「二俣出合」は2つの沢が合流する地点、大朝日岳登山3ルートの分岐点でもあります。我々が選択した「中ツル尾根コース」後半部は標高差1200mを一気に頂上まで登る急坂が始まります。ここから、炎天下の中で牛歩状態、地獄の登り道となったのです。


   ....3ルートの分岐点から「中ツル尾根コース」が始まる。1合目・2合目表示が出てきた....
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この分岐からの2合目~4合目が胸突き八丁の急登、2人のペースは一挙に後退低迷。還暦過ぎて体力の衰えが著しい我々は息が上がって「ハーハ~、ゼーゼ~」‥。少し歩いてはすぐ立ち止まる完全に亀歩きの登山に陥りました。時が増すごと猛暑の日差しが強烈に照りつける。


   ....真夏の猛暑日差しが否応なく照り付け、体力が奪われ休み回数がドンドン増えてくる。....
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ここはひたすら我慢して登るしかありません。こんな超スローペースでは大朝日避難小屋に到着する予定時刻はかなり遅れそうだ・・。日が長くて高気圧が強烈で青空天気が安定していたので助かりましたが、午後から雷雨などに遭っていたら相当ヤバイ状況だったろうなあ・・。


   .....青空に映える美しいブナ森林歩き。太く立派な見応えあるブナ巨木が続々と登場!....
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4合目長命水岐に到着、余りの猛暑で2人はへたり込みました。水場も暑さで水が枯れ果てている!(水は十分な量を持っているので大丈夫だったものの・・) その時です。コース上部から女性の悲鳴が突然聞こえてきました。「誰か助けて~!」何度も助けを求める金切声が・・!


  ....長命水分岐にヘロヘロで到着。女性の助けを求める声、熱中症で動けずうずくまっている....
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その場に駆けつけると年配女性が熱中症(水もなくなり足が攣っている状況)で全く動けなくなっています。当方の水を半分与え、痙攣鎮静剤(コムレケア)を飲ませ介護していたら何とか収まってきました。その後遅れて下山してきたご主人が合流し無事引き渡すことができて何とか一安心でした。

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この介護でさらに1時間近いロスタイムが発生。再び急坂を歩き出しますが、依然ペースは上がらない。「女性が大怪我で動けない単独行ケースだったら我々は一体どんな行動を取っていたのだろう?こんな長丁場の途中で、疲労困憊の我々が人を助けることができたのだろうか・・?すぐに回復してくれてよかった」と思いながらも、足は重くまだまだ長い道のり・・(辛)


   .....(左)鳥原山コース稜線が見える!スケールでかい! (右)赤トンボ群団舞う道を行く....
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7合目で樹高が低くなり8合目からはハイマツ帯となってきました。素晴らしい展望が開け、右手には雄大な鳥原山の稜線が見えます!頂上まではあと1時間程かかりそうだ・・。9合目になると強い風が吹き付けており、火照った体がクールダウンされて快適環境での登りでした。


   .....(左)雄大な山並風景の視界が徐々に開けてきた  (下)ハイ松地帯の道を上っていく...
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休憩時に振り返ってみると、日本有数のブナ原生林(21世紀に残したい自然100選)に映る「影・大朝日」のシルエットを背後に発見!過去に影富士・影鳥海は体験したが朝日光に映えた絶景、今回は行程遅れで偶然出会った夕日の山影のレア体験!でも「夕日の影朝日岳」とはチト洒落にならんネ・・(苦笑) 


 ....(左)夕日に映える朝日岳シルエット「影朝日」 (右)ついに頂上が見えてきた!最後の登り....
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疲労困憊状態で漸く大朝日岳の頂上に到着!計画予定時間より大幅に遅れましたが、日照時間が長い季節なのでまだ明るく、大感動の360度の大パノラマを体験できて至福の時間!


   .....(左)「大朝日岳」頂上に到着!  (右)眼前には東北の巨大名峰「飯豊連峰」の雄姿....
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東北の山々(飯豊・吾妻・磐梯・蔵王・鳥海・月山)の全てが見渡せるぞ~!飯豊連峰の遥か先には日本海に浮かぶ佐渡ケ島・・、こんな棚ボタ大絶景が見られるとは想像もせず~!(嬉)


   .....(左)薄明りに重なり合う山稜、まるで水墨画の如し (右)山形・秋田県境の「鳥海山」...
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  .....(左)福島「磐梯山」の爆裂火口  (右)何と~日本海に浮かぶ佐渡ケ島まで見える!...
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頂上の真下に見える避難小屋に到着したら、梅雨明け3連休で小屋はもう満杯状態。手軽な古寺鉱泉コースからの登山客が沢山入っているようです。管理人から有料テントを借り幕営となりました。我々も古寺鉱泉側から登って中ツル尾根を下山コースにすべきだったのかも・・。


  .....(左)頂上の真下に見える「大朝日避難小屋」  (下)小屋はすでに満員、テントを設営....
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★【3日目】古寺鉱泉へ無事下山、寒河江から山形新幹線で帰京


朝4時起床(前日夜は風が強くてマツ氏は殆ど眠れず)、朝食・テント撤収作業を終えて5時半過ぎに出発しました。銀玉水で一服、小朝日岳はトラバースして小寺山には8時過ぎの到着。今日は朝霧がかかっていますが安定的天気で猛暑は収まり楽なコンディション。


   .....(左)早朝にテントを撤収し霧の中を出発 (右)「古寺鉱泉コース」を下山して行こう....
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道もよく整備されており歩き易い!快適条件でこの古寺鉱泉コースから登ってくれば昨日の厳しい苦行登山ではなかったかも・・(苦笑) でも素晴らしい渓流・広大なブナの森、影朝日、頂上の雄大な夕絶景が体験できた難関コースの方が深い思い出・脳裏に刻まれたから正解だったかな・・!


  .....(左)山形の名峰「鳥海山」&「月山」の揃い踏み  (右)朝雲がこまめに動く芸術風景....
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帰りは5時間弱の下りコース、昨日に比べたら何とも楽チン、下山口の古寺鉱泉に到着。待たせてあった予約タクシーに乗り込み再び寒河江駅に戻りました。(帰りも片道1万3千円) 山形駅ビルにてビールで乾杯!山形蕎麦を食して山形新幹線で夕方東京駅へ。東京も一段と厳しい猛暑でした。


   .....(左)古寺鉱泉「朝陽館」を通過  (右)無事下山、山形新幹線で帰京!お疲れ様...
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「大朝日朝日連峰」は飯豊連峰(山形・新潟・福島県境)に引けを取らない美しい雄大な稜線だと大感動!開発の手があまり入っておらず、奥深い山域の大自然が多く残され、原始林や渓谷の宝庫で山岳本来の真髄に触れることができました。


  ....「中ツル尾根コース」は苦労したが、原始的で雄大な「朝日連峰」の真髄を体感できた....
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朝日連峰のマイナーコースは辛かったけれど手つかずの自然真髄を十分味わえて大満足!次回は遥かに鎮座していた朝日連峰の第2盟主|「以東岳」(日本200名山:1870m)に挑戦して奥深い東北の山の魅力をさらに一層堪能してみたいと思います。


    .....大朝日岳の頂上から望む「朝日連峰・以東岳」、次回はあの山に挑戦しよう!....         
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                                             おわり

  # by rollingwest | 2018-08-21 20:00 | ローリングウエスト山紀行 | Comments(160)