<2017年11月>静岡中部・駿河国探訪①:「由比・清水」編


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★静岡市在住時を懐かしく思い出す一人旅(駿河国探訪)

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これまで静岡県の名所関連記事は東エリア(伊豆・富士市・沼津市)を中心に数回レポートしてきましたが、徐々に西移動(rollingwest)して、今回から県・中央部「駿河エリア」の見所紹介シリーズ(2017年11月周遊)を開始したいと思います。


    .....毎日富士山を間近に見て暮らした静岡時代(1999~2001)、素晴らしい思い出ばかり...
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実はRWは静岡市で3年間(1999~2001年)勤務しており、当時は娘が6歳前後(幼稚園から小学校入学)でした。この時期は家族一緒で県内の様々な所へ出かけ、懐かしき思い出が濃縮・・、全国転勤地の中でも最も楽しかった時代です。今はカミサンも娘も、還暦オヤジには殆ど付き合ってくれなくなり誠に寂しい限りです。(苦笑)                

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    .....(左)1999年幼稚園運動会  (中)2000年七五三(浅間神社) (右)安東小学校入学式....
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                                            静岡東部探訪①:「富士宮」編   

昨年11月、久しぶりに静岡県の空気を味わいたいと思い立ち、郷愁懐古の一人旅(1泊2日)に出かけました。世界文化遺産・富士山の冠雪雄姿も色々な角度から眺める目的なので冬の快晴日を狙いました。半年前記事なので今と季節感が合わず、2000年前後の家族写真も随所に入って、時間感覚も混乱するかと思いますがご容赦下さい。





★桜エビ・シラスの名所「由比」、富士絶景の古戦場「薩埵峠」


11月下旬、典型的な冬の快晴日(西高東低型)となった日を捉えて自宅を5:30出発!東名高速道・沼津IC・富士ICを通過して富士川を渡ると、いよいよ静岡県中部(駿河国)に入ります。由比PA(海岸沿い)で停車して一休みしよう。


    .....(左)東名大井松田から冠雪富士が間近に迫る  (右)富士川を過ぎ駿河エリアへ....
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雲一つない好天気となった駿河湾上には眩しい朝日が輝いています。桜エビ・シラス名産地として名高い由比・興津周辺の周遊訪問は今回省きましたが、当エリアは多くの見所があるので静岡時代に訪ねた写真をレビューして紹介しましょう。


    .....(左)駿河湾・伊豆半島から昇る朝日 (右)歴史由緒深く桜エビも沢山獲れる「由比」....
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由比(yui)は旧東海道16番目の宿場街、「由比本陣跡」は門と塀が立派な外観で、江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気!中に入ると葛飾北斎コレクション見学ができ、近くには「由比正雪」(江戸前期、幕府転覆を図った反乱首謀者)の生家もあります。


    .....歌川広重「東海道五十三次」の浮世絵で有名な「由比・薩埵峠」、由比宿を周遊....
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由比には歌川広重が「東海道五十三次」で描いた浮世絵で有名な東海道の難所「薩埵峠」(フォッサマグナ=糸魚川・静岡構造線の最南端)が聳え立っています。海に迫る断崖絶壁からは眼下に広がる駿河湾と秀麗な富士絶景を満喫できる穴場の大展望台!


      .....「薩埵峠」や「浜石岳」は富士山大展望のお気軽ハイクが楽しめる。(1999年)....      
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峠の眼下は交通・物流の大動脈(東海道線・国道BO・東名高速)が集中、当時とは様変わりの風景ですが、広重が描いた浮世絵光景のアングルに変わりはありません。「薩埵峠」は古戦場としても有名です。「太平記」足利尊氏・直義の兄弟対決、武田信玄vs北条氏政の決戦舞台ともなりました。


    .....崖下は交通大動脈が集中する街道難所「薩埵峠」、桜エビ干し風景や古戦場が見所....
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薩埵峠を過ぎて清水方面に抜けると、西園寺公望・井上馨など名立たる政治家達が別荘を構えた興津(okitsu)へ出ます。ここには、奈良時代創建の「清見寺」(seikenji:日本十刹・第七位)があり一度は必見の名古刹!五百羅漢も並ぶ境内庭園は国の史跡名勝に指定され、幼少時代の家康(今川氏の人質)が学問を学んだ寺でもあったのです。


    ....浮世絵にも描かれた興津の古刹「清見寺」、2000年薩埵峠ハイクの後に立ち寄る....
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                               静岡東部探訪②:「富士・沼津・伊豆の国」編  





★富士山の眺望景観地「三保の松原」(世界文化遺産)


東名高速・清水ICで降りて、清水中心街(今は静岡市に合併されて清水区と呼称)から三保半島へと向かいました。ここには約7kmの海岸に約3万本の松が生い茂る「三保の松原」が横たわり、天女伝説で知られる「羽衣の松」があることでも有名です。


      ....清水といえば、やはり世界文化遺産「三保の松原」の素晴らしい景観が有名....
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2013年に富士山世界文化遺産となった場所だけに、近隣にはパワースポットとして人気の「御穂神社」や「神の道」(常世神の通り道)があり、清々しい気持ちで歩き進んで行きました。


    .....羽車神社は羽衣の変化名、「神の道」の先に「羽衣の松」が鎮座、家族でよく来たなア・・....
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打ち寄せる白波、青い海を背景に富士山が聳える絵画絶景を満喫できる「三保松原」は、まさに日本を象徴する風景で歌川広重・浮世絵や数々の絵画・和歌に表現されてきました。ここを訪問するのは今回で5度目ですが何度見ても素晴らしい!


    .....羽衣松から砂浜に出て波打ち際に向かうと眺望地点、冠雪富士が姿を現した!....          
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2013年富士山世界文化遺産となった「三保の松原」ですが、登録まで紆余曲折がありました。イコモスから富士山との距離が遠く三保松原は対象除外すべきと勧告を受けたのです。静岡県と文化庁は猛烈な説得活動を続け、富士山景観地として構成資産価値を認めさせることに成功しました。


    ....日本人に生まれて良かったと思う絶景!今は亡き義父母を案内した回想2000年写真....
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過去4回の訪問は全て穏やかな季節ばかりでしたが、今回(2017年11月下旬)は典型的な西高東低気圧配置となり、強風快晴の中で怒涛の波が押し寄せていました。護岸にぶつかる波は噴水の如く天に向かって飛沫を上げ、こんなレアな光景を眺めるのは初めてだ!


    ....日頃穏やかな三保半島海岸なのに、凄まじい荒海が押し寄せている!大感動~!....                   
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荒波渦巻く海に冠雪富士、感動的な光景との出会いでした。三保の松原は今や富士絶景が体感できる外国人の憧れSPOT!日本人ならば一生に一度は訪問すべき景勝地(絶対お勧め)です!


    .....(上)怒涛の波と冠雪富士のコラボ  (下)真崎海岸の方は内海となり波は穏やかだ....
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                                  静岡東部探訪③:「三島・韮山・北伊豆」編  






★清水中心部の歴史ある名刹を訪問


清水市街部には歴史あるお寺が沢山かあります。東海の名刹と謳われる「龍華寺」を最初に訪問しました。寺は高台にあり「観富山」と言われ富士眺望が満喫できます。境内には国の天然記念物「大蘇鉄&大サボテン」があり、中国上海の龍華寺から移植したと伝えられます。


    .....大蘇鉄&大サボテンが植えられる茅葺屋根、清水の名刹「龍華寺」は趣あり....
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奥の本堂(江戸初期建立)は富士のような茅葺き屋根が特徴で富士山と並べて眺望すると一層趣が増します。明治文豪「高山樗牛」(小説・滝川入道で有名)の墓と銅像があり、資料館も覗いてみました。温暖な土地・静岡には文豪・文化人の足跡が多いなあと感心した次第です。


    .....(左) 龍華寺本堂と富士山が並ぶ眺望  (右)明治文豪「高山樗牛」に所縁あり....
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「鉄舟寺」は明治維新に功績をなした「山岡鉄舟」に因むお寺。飛鳥奈良時代からの古刹で、行基(大仏開眼功労)が久能寺と名付け栄えました。江戸時代に衰退したものの明治初期に静岡藩大参事として赴任した山岡鉄舟が再興し彼の名を冠する寺に呼称変更されました。


        .....「鉄舟寺」は龍華寺に隣接する1300年以上の歴史が刻まれる名古刹....
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鉄舟は剣客(千葉周作の北辰一刀流に師事)としても有名、当初幕臣でしたが江戸無血開城で活躍して天皇近臣となった歴史人物。勝海舟と西郷隆盛の江戸無血開城会談に先立ち、官軍駐留の駿府で鉄舟と西郷は面談しています。


       .....「山岡鉄舟」は西郷隆盛と面談し幕末・明治維新に名を残した重要人物....
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清水といえば「清水の次郎長」!江戸末期~明治初期に「東海道の暴れん坊」として名を馳せた有名な侠客ですが、単なるやくざの親分ではなく地元開墾事業での大貢献者です。


  ....梅蔭禅寺には「清水の次郎長」の墓がある。次郎長親分は山岡鉄舟とも交流があった....
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梅蔭禅寺境内に墓があり、寺の近く生家があり「清水次郎長資料館」として功績資料が展示されています。次郎長親分に子分の大政・小政・森の石松などの人形があり可愛らしいね~!


    .....(左) 清水の次郎長の生家  (右) 「清水次郎長資料館」は中々見応えあり!....
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清水といえば、娘が幼少時からファンで家族一緒に見ていたTVアニメ「ちびまる子」でも有名。「さざえさん」と並び昭和の良き時代を思い出すことのできる長寿アニメ番組です。清水エスパルスプラザにある「ちびまる子ちゃんランド」に3人で楽しんだことが懐かしい!


    .....清水港・エスパルスプラザからの富士も絶景ポイント、「ちびまる子」とご対面(2000年)....
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                  <2017早春>伊豆半島・夫婦旅①:南伊豆(河津・下田)【前編】 





★富士山展望の「日本平」、徳川家康の墓がある「久能山東照宮」


「日本平」は静岡市駿河区と清水区境界の名勝地(日本観光地100選)!富士山の美しい姿と駿河湾・伊豆半島・三保松原の絶景を一望できる素晴らしい観望台として知られています。


    ....富士山と駿河湾の大展望「日本平」、この景勝地も5~6回は来ているかなア・・....            
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 .....日本平からの富士山18年ぶり!今は亡き義父母を案内した2000年以来だなあ.....
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日本平という地名は、古事記・日本書紀に登場する「日本武尊」(ヤマトタケル)に由来します。日本武尊が東征の折、駿河国に入り地元豪族に囲まれて当地で野火攻めに遭った際、「天叢雲剣」(三種神器の一つ)で周辺の草を薙ぎ払い火の勢いを止めて敵を倒しました。


    .....ヤマトタケルが草を薙いで切った「天叢雲剣」は八岐大蛇の尾から出てきた神剣....
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神剣は霊験貢献により「草薙の剣」と呼ばれるようになり、近くには「草薙神社」も鎮座しています。静岡時代は日本神話に興味なかったRWでしたが今回違う目で神の空気に触れました。


    .....久しぶりに参拝した「草薙神社」、ヤマトタケルが活躍した足跡が残る....
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                  <2017早春>伊豆半島・夫婦旅②:南伊豆(河津・下田)【後編】 

日本平から「久能山東照宮」結ぶロープウェイがあります。ここも4回目の参拝となりますが、社殿大改修が完成しているのでまた行ってみよう!久能山は日光、芝・増上寺、上野・寛永寺と並ぶ全国四大・東照宮の一つで、家康の遺命によって遺骸がこの地に埋葬されています。


    .....久能山参拝ルートは2通りのみ(ロープウェイor久能海岸側から1159石段を登る)....             
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家康は今川氏人質で幼き頃に静岡に暮らし、晩年も駿府城(静岡市)で余生を過ごし大御所政治を行いました。縁深い風光明媚な当地をこよなく愛し、75才で亡くなる直前に「遺骸は久能山に埋葬すべし」と遺命したことから、2代将軍秀忠が久能山に家康を権現として祀る神社の造営を命じたのです。


    .....静岡で唯一の国宝建造物「久能山東照宮」、日光東照宮建立の19年前に完成....
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     .....(左)楼門への石階段を登る (右)18年前は義父母を案内して豪華建築を堪能....
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日光東照宮同様に社殿は当時の最高建築技術・芸術が結集された権現造様式で実に豪華絢爛!創建時の極彩色きらびやかな江戸時代技巧の極みが今の世に甦っていました。権現・家康の他に、豊臣秀吉・織田信長も一緒に祀られており、全国47ある東照宮のうち戦国3英傑が同時に鎮座しているのは「久能山東照宮」だけです。


    .....豪華絢爛な建築の粋「久能山東照宮」、実は「日光東照宮」は久能を模して造営された....
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         .....家康の遺骸が祀られる神廟の右側にあるは「金のなる木」が鎮座....
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今回の参詣で驚いたのは韓国・東南アジアなどの観光客が圧倒的に多かったこと!静岡在住時には想像もしなかった客層変化でした。外国人にとって富士山周辺観光地はまさにゴールデンルート、インバウンド隆盛となった時代の変化をひしひしと肌に感じました。

                      <2017>伊豆半島夫婦旅③:中伊豆(修善寺温泉・吉奈温泉)  

    .....清水・三保半島(真崎海岸)からの冠雪富士、銭湯富士の3本指に数えられる風景....
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数々の富士山絶景を捉え、静岡在住時の思い出をレビューする旅はまだまだ続きます。次回のレポートは静岡市内中心部に移動、家族で住んだ懐かしきマンション、娘が通った幼稚園・小学校、七五三祝いをした静岡浅間神社、家康が晩年暮らした駿府城・人質として暮らした臨済寺、弥生時代の農耕生活が再現された登呂遺跡などが登場しますのでお楽しみに~!            


  .....富士山眺望を楽しむのはやはり西高東低・冬晴日が最高!怒涛の波と富士には驚愕....
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      世界文化遺産「三保の松原」          豪華絢爛建築「久能山東照宮」  
 




  # by rollingwest | 2018-06-04 20:00 | Comments(170)

<2017年8月・10月>「毛野国」探訪⑤:(前橋市内&榛名山周辺)


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★「毛の国探訪」、群馬県の魅力を再び!


久しぶりに「毛野国探訪紀行」レポート、「毛の国」と聞きピンと来ない方も多いと思いますが、群馬・栃木南部(上毛=群馬県、下毛=栃木県)、茨城西部・埼玉北部で実に地味な印象。ここ数年当該エリアを何度も訪問し、未知の魅力を再発見できる場所に沢山出会えています。


  .....群馬県は高崎・安中・館林・富岡・桐生・大田、栃木県は足利・佐野・足尾を公開済....
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群馬県の47都道府県魅力度ランクは何と最下位・・、確かに「かかあ天下」のイメージが強いだけで観光・食・名産品で殆ど魅力がないと思われている可哀そうな県です。そりゃねーだろー!世界遺産富岡製糸場や名峰・名湯も沢山あるし、総理大臣は4人も輩出してるんだぞ!


  ....群馬県の温泉はキラ星の如し(伊香保・草津・万座・四万・猿ケ京・水上・宝川・老神).... 
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                               「上州武尊山」登山&奥利根・水上紀行」

 ....群馬県歴代総理(福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康夫)優秀人材輩出・教育熱心....     
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                                「皇海山」(足尾山地の日本百名山)

大学同級生「寂恋法師」(館林市出身)から数年前に「群馬県観光大使」を任ぜられたので、今回も気合を入れて擁護PRします!(無償奉仕でございますよ。) 第5編は再び上毛エリアにスポットに光を当てて前橋&伊香保温泉・榛名山の景色を中心にレポートいたしましょう!






★群馬県の県庁所在地「前橋市」


「群馬県庁所在地って前橋?高崎?」・・こんな声も時たま聞こえる程に他県人からは実に解りにくい。ともに人口30万人超の県内2大都市ですが、隣接しているがゆえ非常に強いライバル意識を剥き出しにしています。互いの市庁舎間の距離は僅か12km、合併して政令指定都市になればいいのに・・!でもそう簡単ではない複雑な歴史事情があるようです。


    .....(左)高層ビルの群馬県庁前橋  (下)交通の要所・経済規模は高崎が優位....
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江戸時代は別藩で競い合っており、双方ともプライドが高いんでしょうね~。不仲の決定原因を作ったのは大河ドラマ「花燃ゆ」のヒロイン・ふみ(吉田松陰の妹)が再婚相手に選んだ「楫取素彦」。長州・萩出身で吉田松陰・高杉晋作・久坂玄瑞・伊藤博文と一緒に歩んできた人物ですが、初代群馬県令に任ぜられて養蚕業振興・県民教育に尽力し上州を発展させてきた大恩人です。

                               2015大河ドラマ「花燃ゆ」登場人物

  .....(左)前橋公園の楫取素彦・ふみの銅像  (右)大河ドラマでは大沢たかおが楫取役....
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最初の県庁は高崎に置きましたが、7ケ月後に前橋に移転。県合併で再び高崎が仮県庁になって二転三転、両市間で県庁誘致合戦が起こり角を突き合せました。1881 年ついに政府の太政官布告により県庁所在は前橋に正式改定されたのです。高崎市民は怒り爆発!

                           「毛の国」探訪①群馬県:「高崎・安中・館林」

  .....(左)発展の礎・富岡製糸場 (中)養蚕業を発展させた楫取 (右)前橋市蚕糸記念館....
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明治政府官僚の楫取は高崎市民には「県庁舎を再び元に戻す」と説明していましたが、ついに約束が守られずに「話が違うぞ!」と前橋に対して大いなる恨みを募らせてきたのです。

                      群馬の世界遺産探訪(前編):「荒船風穴&富岡製糸場」





★「前橋城跡」(前橋公園)周辺の風景


前橋城は関東七名城の一つに数えられ、徳川家康が「関東の華」と称賛する程の堅強雄姿。その歴史は15世紀末まで遡りますが、戦国時代は有名武将達の攻防ドラマ(上杉謙信の関東進出拠点、その後は武田・北条の城、豊臣秀吉の小田原攻めで落城)の舞台となりました。徳川家康が関東に入ると酒井重忠が入封、三層三階天守造営の大改修が行われています。


 .....前橋城は華々しい城の歴史、利根川の度重なる氾濫に耐えてきた歴史も重ねられた....
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大政奉還後に廃城となったため往時城郭の土塁がわずか残るだけの遺構となり、現在は城址の一部が前橋公園として整備されています。かつては厩橋城(うまやばし)と呼ばれていましたが、語音が変化して現在の「まえばし」地名になったという訳です。

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「臨江閣」は、初代県令楫取素彦の提言で建てられた迎賓館で茶室も有する近代和風の木造重要建築物。前橋公園には「前橋東照宮」も鎮座。群馬県は東照宮が2つあり、徳川氏ルーツといわれる太田市「世良田東照宮」と並び立ちます。家康は自分が新田源氏の流れだと自称しており上州がいかに徳川家から重要視されていたかがよくわかります。

                  「毛野国」探訪④:「世良田東照宮」(源氏・東国武士ルーツ探訪)

  .....(左)前橋の迎賓館「臨江閣」 (右) 「前橋東照宮」も鎮座(徳川氏との所縁が深い)...
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前橋公園の向いには中央児童遊園地「前橋るなぱあく」。飛行塔、電動木馬・もくば館(1回10円で乗れる国登録有形文化財)があり、まさに昭和30年代のレトロ光景が広がっていました。


  .....「前橋公園」(厩前橋城址整備)の前に「るなぱあく」(前橋市民のレジャーランド)がある...
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開園以来、60年以上も現役で稼働し続け、のべ5百万人以上の子供たちが楽しんだ市民憩いの場所。園内を探索すると、臨江閣石垣跡、昭和8年NHK前橋開局ラジオ塔、赤城牧場趾の石碑等、貴重な文化財が当時のまま残っていて宝物発掘の遊園地という感じでした。


  .....憩いの児童遊園地はまさにアナログ、懐かしき昭和の郷愁風景が目の前にあった!...
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★「前橋文学館」から「敷島公園」へ


前橋は「水と緑と詩のまち」とも呼ばれており、市内中心部を流れる広瀬川と柳の風景には大いに感動しました。絶え間ない水の流れに心地よい風が河畔の柳を揺らしており何とも品格の高い街並みだネ~!詩と文学の町に相応しい光景です。


  .....広瀬川の清流に柳がそよぐ前橋文学館周辺の景色、何とも優雅な気分になった...
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川沿いには詩人・萩原朔太郎など多くの詩人たちの資料を展示する「前橋文学館」がありました。荻原朔太郎は近代詩史に大きな足跡を残した巨星的な存在で、その詩集は口語自由詩で確立されました。やはり最も有名な作品は「月に吠える」をおいてありません。


  .....「月に吠える100年記念展」、前橋文学館前には荻原朔太郎アニメパネルが展示!...
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萩原朔太郎の書簡・原稿・愛蔵品において、当文学館資料の質・量は全国一を誇っており、常設展のほかイベント的な企画展も随時開かれるようです。正面玄関前の橋を挟んで、朔太郎生家から移築された書斎と離れ座敷・土蔵が当時の姿のまま残されていました。


    ....朔太郎生家から移築された建物が展示。前橋文学館前の橋とのコラボが素敵だ!...
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その後は市内の神社仏閣を巡ってみました。前橋藩主酒井氏歴代の墓所(初代~15代藩主)がある「龍海院」(曹洞宗)を訪ねてみよう。戦国時代は、厩橋城に武田・北条が5万の大軍で攻めてきて時の領主・上杉謙信がここに陣屋を置き敵情偵察拠点にしたと伝えられます。


  ....酒井家菩提寺「龍海院」、立派な山門には色鮮やかな増長天王らが屹立、威厳の鎮守....
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元々は(愛知県岡崎家康の出生地)に建立された禅寺ですが、家康の江戸幕府開闢で重鎮家老・酒井氏が川越藩主になったことで関東へ引っ越し、さらに前橋藩主への転封に伴い当地に菩提寺も移設という経緯を辿っています。
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前橋公園から敷島公園へ北上していく途中の道路交差点に前橋のパワースポットが現れました。高さ約10m、周囲60mの岩塊が祀られる朱色の鳥居が鮮やかな「岩神稲荷神社」です。


 ....巨石が鎮座する「岩神稲荷神社」、花崗岩ではなく巨大溶岩を祀る神社は珍しいかも....
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なぜこんな所に巨岩があるのか?と後で調べてみたらこれは「岩神の飛石」といい2万4千年前の浅間山噴火で山体崩壊泥流が流入し利根川を流れ下り当地に鎮座したのだそうな・・。
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敷島公園は陸上競技場・野球場・サッカー・ラグビー場・テニスコート・プールがあり、1971年バラ公園としても開園。2008年開催の「全国都市緑化ぐんまフェア」の総合会場となる際に大規模改修工事が行われ、バラ園は拡張整備されて現在は600種、7,000株の規模となりました。明治洋風建物「蚕糸記念館」は園内に残り、前橋市の歴史や文化に触れることもできます。


 .....「敷島公園」スポーツ施設・バラ園・植物園が充実した前橋市民もう一つの憩い場所....
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★榛名湖から榛名山ロープウェイ(上州名峰を俯瞰)         

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さて次は前橋・高崎の北西部に聳える榛名山エリアを久しぶりに訪ねてみよう!「榛名山」は上毛三山の一つで赤城山・妙義山と並ぶ群馬県を象徴する山です。山頂にはカルデラ湖である「榛名湖」と中央火口丘の「榛名富士」(13903 m)が均整のとれた美しい姿を見せています。


    .....「榛名湖」は標高1084mの高所にある火口原湖で冬のワカサギ釣りで有名....
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湖畔の高原駅から一気に榛名富士の山頂までロープウェイ(昭和33年営業開始、2004年2両連結式ゴンドラに一新)があり山頂には簡単に上れ、展望台からは関東平野や上州の山々が一望できます。13年前の登山旅以来今回で2回目ですが、また絶景を体験してみよう。           


    .....榛名富士の山頂へ!ロープウェイであっという間に関東平野や榛名湖の大展望....
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展望台からは榛名湖を見下ろすことができ遥か向こうには峻険岩峰で有名な妙義山も見えるぞ!季節は秋(10月上旬)、山頂に向かって歩くと山の紅葉も少しずつ色づき始めています。暫く進と榛名富士神社(朱色の宮)が鎮座しており、ひと時の山頂部散歩を楽しみました。


    .....(左)榛名連峰を代表する鋭鋒「相馬山」 (右)山頂に鎮座する「榛名富士神社」...
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    ..... 上毛三山の一つ「妙義山」、奇怪な雰囲気を漂わす峻険岩峰(修験道の山)...
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榛名連峰は2005年に静岡時代からの山仲間3人で氷室山・天目山・相馬山までの縦走コースを楽しんだことがよき思い出です。相馬山の鋭鋒頂上に立った時の爽快感と360度大展望の感動は今でも忘れることができません。


  .....2005年晩秋、食山人氏(昨年300名山達成)・Y木氏と榛名連峰縦走した思い出写真...
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   .....(左)縦走コースは奇岩が次々登場 (右)鋭鋒「相馬山」の頂上を目指す...
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上毛三山(榛名山・赤城山・妙義山)はいずれも古来より山岳信仰・修験の山であり、群馬県民からも親しまれるシンボル的な名峰。遥かから見る山容の美しさにいつも目を奪われます。


  .....榛名湖対岸から見る円錐形の「榛名富士」、いや~まさに絵画のような美しさです!...
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このあとは「伊香保温泉」の温泉街や長い歴史を誇る「水澤観世音」を訪ねましたが、もう記事の掲載写真が満杯状態になってきたので群馬県観光大使の筆はこの辺りで留めておき、次回上毛編で温泉の風景をたっぷりお届けすることにしましょう!


  .....万葉集や古今集にも登場する歴史ある「伊香保温泉」. 360段続く石段の温泉街....
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 ..... 1300年以上の歴史(推古・持統天皇期より)で崇敬を重ねてきた名古刹「水澤観音」......
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 .....(左)水沢うどんは地元の名物 (右) 「水澤観音」と「伊香保温泉」は隣接エリアにある.....
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今度公開する「毛野国」探訪記事(その⑥)は両毛エリアのバランスを取り、次回は栃木県側の魅力を掘り起こして皆様に紹介していきたいと思います。           
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                                              おわり
                         「毛の国」探訪②:(足利・桐生・渡良瀬川)の記事
                              「毛野国探訪」③:(足尾銅山&田中正造)


                                                                                                                                                                                                                                              

  # by rollingwest | 2018-05-20 07:00 | 毛の国探訪 | Comments(166)

<2015年9月>長崎・上五島・雲仙の旅④:雲仙・島原(前編)


                         2015長崎夫婦旅③:「祈りと大自然の上五島」 より続く

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★「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連資産」の世界遺産登録がついに実現!


2015年9月長崎夫婦旅(長崎市内・上五島・雲仙島原)の第4編を3年目で漸く公開!「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連資産」がついに世界遺産登録に向けて正式にユネスコが勧告したという朗報が5月4日に入ってきました。苦節17年の夢実現、ついにやりましたね~!


    .....第1~3編は長崎市内・上五島をレポート済。第4編は雲仙・島原半島・前編を紹介....
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世界遺産登録を目指したキリシタン関連遺産ですが、イコモスからコンセプト不明確だと指摘されて何度も紆余曲折。明治日本・産業文化遺産や宗像大社・沖ノ島に先を越されて苦渋の涙を飲みました。その後当初の名称を変更し、物語テーマを禁教・潜伏に絞り込んでの変更シフト、構成資産の見直しも行い再挑戦してついに今年5月の登録実現となったのです。


    .....長崎市内を早朝出発し諫早を通過、島原半島に入り千々石町の清水棚田を眺望....
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第4~5編は「雲仙普賢岳」登山レポートと合わせて「島原のキリシタン弾圧」(天草四郎の乱等)の史跡探訪レポートを前・後編に分けて紹介します。2015秋・長崎旅の記事は長らく蔵の中で温めて封印中でしたが、今年5月イコモス登録朗報が入ったタイミングに合わせて満を持しての公開です!


                             2015長崎夫婦旅①:「長崎市街探索」(前編) 





★日本200名山「雲仙普賢岳」登頂!(九州の山・活発な火山活動)


「雲仙普賢岳」は日本200名山であり目指すべき山。百名山を一緒に登ってきたカミサンを誘いましたが、何と「山麓の小地獄温泉に浸かっている方がいい」との冷たい反応・・(最近は登山興味を失っちゃって本当に寂しいもんだネ~・涙)。カミサンを温泉へ送り、小生は別行動で雲仙岳の登山口へ!


    .....「雲仙岳」は島原半島中央部に聳える名峰、平成・大噴火の記憶が鮮烈に残る....
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        .....カミサンを小地獄温泉へ送ってRWは雲仙岳へ単独登山、仁田峠へ!....
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春はミヤマキリシマ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は霧氷と四季折々に移り変わる自然が楽しめる人気の山。仁田峠の駐車場から標高1333mの妙見岳展望台までは雲仙ロープウェイを使って気楽に登ることができます。


        .....仁田峠駐車場から雲仙ロープウェイのターミナルへ観光用ポニーも闊歩....
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1991年に大噴火を起こして溶岩ドーム(平成新山)が出現、そして火砕流の発生で死者・行方不明者43人の大惨事となった雲仙普賢岳。日本中を震撼させた衝撃的映像は今も鮮烈な記憶が脳裏に刻まれています。あれからもう四半世紀の歳月が経過したのか・・、光陰矢の如し


        .....妙見岳のロープウェイ改札を出ると平成・大噴火のパネルが展示されている....
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    .....1792年は普賢岳噴火・地震・山崩壊・津波災害が数ヶ月続いた「島原大変」発生....
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妙見岳展望台から島原の街・有明海を俯瞰してさあ登山開始。標高の高さは平成新山(大噴火でできた溶岩ドーム)の方が1466mで高いですが今も登山禁止。1359mの普賢岳頂上を目指します。ここからは国見岳分岐から1時間足らずの登山コース。


        .....(上)妙見岳展望台は周遊コースが整備 (下) 平成新山ドームが見える....
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実はRWは「登山中で突然噴火が起きるのでは・・?」とドキドキでした。前年に多数の死者が出た木曽御嶽山の大噴火、九州の口永良部山も巨大噴煙を上げていた時期だったからです。


    ....突然噴火が起き1991年の悪夢に襲われるのでは・・と、不安でビビリながら登山....
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       .....(左)何事も起きずに無事登頂 (右) 平成新山ドームが目の前に迫っている....
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今にして思えば雲仙普賢岳の大噴火(1991)は、その後四半世紀で日本列島に相次ぐ天変地異の前触れともいえる現象でした。阪神大震災(1995)・中越地震(2004)・中越沖地震(2007)・東日本大震災(2011)・熊本地震(2016)、九州の山は毎年大噴火が続いています。


    .....(左)熊本・大分から四国へ走る中央構造線 (右)2018年4月.霧島連山・硫黄岳が噴火...
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    .....昨年(2017)は (左)桜島が大噴火 (右)同年、新燃岳も巨大な噴煙を上げている....
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         .....(左)一昨年(2016)は熊本地震が発生 (右)さらに阿蘇山が何度も噴火した....
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6300年前の喜界島大爆発による火山灰は北半球全体まで広がり短期的な氷河期を引き起こし、南九州の縄文文化を滅亡させるほどの深刻な打撃を与えました。現代で大規模噴火が起きたら日本経済は一体どうなってしまうのだろう。まさに明日大爆発するのかもしれません。


        .....(左)2014年は口永良部山が大噴火 (右)九州の姶良カルデラが活発化....           
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★日本初の国立公園「雲仙温泉」と「地獄巡り」


雲仙岳登山を満喫し4泊目は「雲仙温泉」を当然選択しました。ここは江戸末期にシーボルトが紹介、幕末~明治期は欧米人が避暑地として愛した温泉で由緒ある洋式ホテルが多くあります。近くには噴煙が上がる地獄巡りもできる日本初の国立公園に指定された歴史深い温泉なのです。


    .....九州・長崎夫婦旅の4泊目宿は由緒ある雲仙温泉の老舗旅館「福田屋」に泊まる....
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シーボルト著書で雲仙が紹介されたことが契機となって、幕末から明治にかけて雲仙温泉の存在は広く外国人に知られるようになります。開国後、上海租界地域に在住していた欧米人が避暑として雲仙に押しかけてくるようになり、外国人客が一挙に増加しました。


    .....(左)地獄の噴気が沢山上がる (右)明治時代から外国人の避暑地として栄える....
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外国人客向けの洋式ホテルが次々建設、島原鉄道も整備され、観光客急増で日本初の国立公園に指定(1934)されました。地元では「温泉」を「うんぜん」と呼んでいたので、これを機会に「雲仙」という表記に統一され、明治・大正期にはセレブ保養地として大いに栄えたのです。


      .....(上)雲仙観光ホテルは温泉の中でも最も伝統と格式が高い老舗ホテル....
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翌日はすがすがしい快晴となり朝の温泉街散策を楽しんでみました。垢抜けた洋館ホテルのセレブっぽい街並は風格があり足湯広場や温泉神社等の見所が沢山!近くには噴煙がモウモウと上がる「雲仙地獄」(熱湯や湯気の噴出場所)があり、必見の観光地です。


    .....朝の温泉街散策、足湯広場や雲仙地獄巡り(熱湯が湧き出し湯気上がる)は楽しい時間....
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     ....温泉街中心部に鎮座する歴史ある「温泉神社」は「うんぜん・じんじゃ」と読む....
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温泉街の中心部にある「雲仙地獄」の噴気の元は橘湾海底のマグマ溜まりから発生する高温高圧のガスが岩盤裂け目を通って上昇して高温熱水となったものです。邪見地獄・大叫喚地獄・お糸地獄・八万地獄・すずめ地獄・清七地獄など名前からして恐ろしい異界地の様です!


    .....八万地獄は八万四千の煩悩・悪行の果てに落ちる地獄図がイメージされる場所....
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   .....(左)大叫喚地獄 (右) 雲仙は昭和29年映画「君の名は」佐田啓二と岸恵子)のロケ地....
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ここには江戸時代初期にもう一つの大叫喚地獄の歴史が刻まれていました。キリシタン殉教者への熱湯責めなど雲仙地獄の拷問が行われたのです。その詳細は次章でレポートします。


        .....九州の温泉地で有名な地獄といえば別府&雲仙の2大地獄が並び立つ....
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★島原のキリシタン弾圧史&武家屋敷の美を訪ねる


家康はキリスト教布教を黙認しましたが、2代秀忠は1612年キリスト教の信仰を禁じ、これに従わない者や宣教師を国外に追放しました。3代 家光はさらに禁教の強化徹底策を展開し、幕府への過剰な忠誠を示す島原藩主・松倉重政は厳しいキリシタン弾圧を実施したのです。


    .....キリスト絵を人々に踏ませる「踏み絵」で信者を見つけ出し、雲仙で次々に拷問・処刑....
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雲仙地獄責めは、信者を並ばせ硫黄沸き立つ熱湯を柄杓に入れて少しずつかけるという熱湯拷問で気絶したり死にそうになると手当し生かしてさらに拷問を繰り返したといわれます。清七地獄と呼ばれる拷問河原を進むと十字架が現れ犠牲になったキリシタンの名が刻まれた石碑もありました。


  ...「清七地獄」はキリシタンの名がつく賽河原、ここで多くの信者が熱湯の拷問に苦しんだ....
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     .....(左)中山正美作「都の大殉教」(バチカン美術館) (右) 2017映画「沈黙-サイレンス」....
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昨年マーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙-サイレンス」(遠藤周作小説が原作)をカミサンと鑑賞しましたが、江戸時代初期のキリシタン弾圧の映像表現に身震いしました。現代は雲仙温泉に浸かり地獄でなく天国気分を満喫できるのだから本当に幸せな時代に生まれたものだなあ・・。


    ....雲仙地獄の蒸気・噴煙コースをカミサンと周遊し極楽気分で雲仙の地をあとにする....
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    .....島原港(熊本港とのフェリーが就航)、背後には昨日登った雲仙普賢岳が聳える....
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雲仙温泉をあとにして島原の町へと入りました。キリシタン弾圧で悪名高い島原藩主・松倉重政ですが、島原観光名所として有名な武家屋敷を今に残しています。島原城築城期外郭の西に接して中級武士達の集合住宅団地を建設したのです。早速、武家屋敷を訪問してみよう。


    .....島原の武家屋敷は鉄砲丁と呼ばれていた地区の一部、街並み保存地区に指定....
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     .....(左)地元名物の白玉団子「寒ざらし」を食して満足 (右)武家屋敷の風情ある道....
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さて次回の雲仙・島原(後編)は「島原の乱」の史跡レポートにて3年前からスタートさせた長崎旅シリーズの最終編を綴り終えましょう。徳川幕府を震撼させた天草四郎が率いるキリシタン達の最後の抵抗・弾圧の歴史、世界遺産正式登録の朗報と合わせて6月下旬に公開したいと思っています。


   .....(左)天草四郎「島原の乱」の舞台「原城」 (右)キリシタン弾圧・松倉氏の島原城....
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                              2015長崎夫婦旅③:「長崎市街探索」(後編) 


       .....(左)2001年の衝撃の大火砕流映像 (右)雲仙普賢岳のドローン撮影.....
  
   .....(左)「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連資産」 (右)2017映画「沈黙-サイレンス」....                                           


                                                         おわり

  # by rollingwest | 2018-05-04 09:15 | Comments(156)