<2023年5月>能登半島一周・家族4人旅(後編:輪島~能登最北端~七尾)
今年5月、娘の北欧から帰国に合わせ、柏崎の母親と能登半島一周家族旅をしましたが、後編レポートに入ります。前編は能登西海岸を北上でしたが、輪島から能登先端に向かい七尾へと戻るコースで進行!まずは曹洞宗(禅宗)の大本山だった「総持寺祖院」から再スタートします。
「能登半島一周(前編:氷見~能登西海岸)」より続く
.....能登西海岸から輪島市門前町へ入り、曹洞宗大本山のルーツ「総持寺祖院」へ....
曹洞宗の2大本山は「永平寺」(福井)と「総持寺」(横浜鶴見)ですが、元は能登の地にありました。1898年大火で焼失し能登から横浜に移転したのです。大火後の再建で消失を免れた建物とともに総ケヤキ造りの風格ある山門・仏殿等が蘇り、今も根本道場の威厳を伝えます。
.....焼失後に再建された山門・仏殿・経殿はかつての本山の威厳と風格に溢れる....
法堂(大祖堂)の大伽藍で正面に開祖・瑩山禅師、左右に道元禅師と峨山禅師を祀っています。我々が訪問した時期は青空と輝く新緑、鮮やかに咲き誇る躑躅など最高の季節感を満喫!
輪島市門前町から海岸部(黒島地区)に行くと北前船の廻船問屋だった「旧角海家住宅」があります。旧角海家住宅がある黒島地区は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、「黒瓦」「格子」「下見板張り」という共通要素を持つ町並みが保存されています。
.....輪島市黒島地区にある北前船の廻船問屋「旧角海家住宅」を見学....
日本海に大きく突き出す地理的条件ゆえ、能登半島は古くから経済・文化の交差地であり北前船の要所でした。寄港地は大いに賑わい、能登船主は海運業で大儲けして巨万の富を築いたのです。
.....(上)北前船で発展した日本海側の寄港地 (下)加賀文化・輪島塗の見事な展示....
旧角海家の近くには「黒島天領北前船資料館」があり、北前船ミニチュア模型、天領祭に使われる豪華な曳山屋台、航海で使用された道具、神社に奉納された絵馬等が展示されています。
.....(左)「黒島天領北前船資料館」の曳山屋台 (右)重要伝統的建造物群を歩く....
★能登半島・北海岸に広がる「白米・千枚田」(日本の棚田百選)の絶景を満喫
能登半島北側の海岸部に出れば、いよいよ憧れの棚田「白米千枚田」とのご対面!日本海に面して小さな田が重なり合い海岸まで続く絶景は奥能登を代表する観光スポット!日本の棚田百選、国指定文化財名勝に指定された海に面する棚田に降りて畦道を歩きながら散歩を楽しもう!
.....日本初の世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」の象徴「白米千枚田」....
2011年日本で初めて世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」だけあって海と棚田の絶景は実に見事!古くより「田植えしたのが九百九十九枚あとの一枚蓑の下」と古謡に歌い継がれ、里山里海に寄り添う絶景は四季折々の表情を見せながら、訪れる人を魅了しています。
... 「つなぐ棚田百選」「国指定文化財名勝」の棚田と日本海のコントラストが見事!....
日本海を遥かに眺めると7つの島が見えます!「こんな所に島があるのか?」と調べてみると「荒子三島」等を含む七ツ島(能登国定公園)と分かり、能登沖の島を発見して目から鱗!
能登・日本海に面する「白米千枚田」は四季ごとの諸景観を見せてくれます。水田が空を映して煌めく春、青い稲と青い海コントラストが美しい夏、黄金色の稲穂が揺れる秋、雪模様に覆われる冬、LEDが彩るイルミネーションイベント「あぜのきらめき」は一度見てみたいものだ!
.....日本海に傾斜する棚田の幾何学的模様!夜のイルミ写真も必見!....
★「能登輪島温泉」に宿泊し「御陣乗太鼓」を満喫!翌朝は輪島マリン散策
2日目は「能登輪島温泉」(ホテル高州園)に宿泊。日本海が一望できる天然温泉・露天風呂と能登随一の広さを誇る大浴場に浸り、ビールで乾杯!美味しい海鮮料理に舌鼓を打ちました。食後は「御陣乗太鼓」(郷土芸能)の無料公演を鑑賞!迫力ある勇壮な太鼓実演に圧倒されました。
..... 「能登輪島温泉」に宿泊して海の幸を味わい「御陣乗太鼓」の公演を鑑賞....
ついに最終日の朝を迎えました。日本海をオレンジに染める美しいサンライズ絶景に感動!能登半島・最北部の5月は日本海から日の出と日の入りがほぼ同じ位置から見える特別な場所。2017年5月の佐渡一周旅行でも最北端・二つ亀で宿泊時にて同じ様な光景を見ることができました。
.....輪島の岬から上がる日の出!日本海がオレンジ色に染まり刻々と変化....
朝食前に家族3人で朝散歩、石川県輪島港にある「みなとオアシス・輪島マリンタウン」(2010年整備完成)を朝日浴びながらのウォーキング!最終日も素晴らしい天気に恵まれそうだ!
.....朝日が昇り雲一つなき快晴!輪島マリンタウンのデッキ道を親子三人で朝散歩....
★「輪島朝市」を初体験!朝一の朝市・開店直後で人は疎らも昭和雰囲気を満喫
ホテルをチェックアウト後は、能登半島観光のメイン「輪島の朝市」を初体験!岐阜高山・千葉勝浦と並ぶ「日本三大朝市」は、毎朝8時から12時まで歩行者天国となる約360mの通りに農家や漁師町のおばちゃん達が店を開きます。能登半島・輪島の女性は早朝から働き者ですね~!
..... アサイチは「輪島の朝市」からスタート!まだ人が少ない市場通りを散策....
干した蛸や日本海で採れたて新鮮魚介類、野菜や地元民芸品などが露店テントで沢山売られています。我々も訪問時は開店直後で人はまだ疎らでしたが、休日10時過ぎは大混雑になります。
.....(上)タコの吊り干しや海鮮類 (下)テント売り場を覗きながら、まったり時間....
2015年NHK朝ドラ「まれ」(主役・土屋太鳳)の舞台は輪島市でした。舞台となった朝市近くに「輪島ドラマ記念館」があります。ここに朝ドラのロケセットなども多数展示されています。また漫画家・永井豪は輪島出身で記念館もありましたが、朝早すぎて開店しておらず残念・・
..... 朝ドラ「まれ」のロケ舞台は「輪島ドラマ記念館」として残され展示している...
★「曽々木海岸」&「上時国家」(能登平家屋敷)、能登半島最先端の「禄剛崎」に立つ
「曽々木海岸」のドライブ中は窓岩・ゴジラ岩など奇岩風景が次々と現れます。さらに進むと「揚げ浜式」による塩作りの資料館「揚浜館」と体験塩田が出てきました。塩田に海水を撒き塩水を窯で煮詰めて作る製塩法で約500年前と同じ方法で、唯一珠洲で受け継がれてきました。
.....(上)「曽々木海岸」の奇岩 (下)「揚げ浜式塩田製法」が能登に今も残る....
当地は「能登平家の郷」、壇ノ浦の戦いで捕えられた平時忠は三種の神器「神鏡」を守った功績で死罪を免れ能登に配流。嫡子平時国は当地で大規模な水田経営を展開し、海運業も手がけ、時国家を構え800年続く旧家となりました。今尚も系譜は受け継がれている重要文化財屋敷です。
.....「能登平家の郷」には上下の名前が付いた「時国家屋敷」が残されている....
いよいよ能登半島の最北端の岬「禄剛崎」に到着!外浦と内浦との接点にあたるところです。この岬は「海から昇る朝日と、海に沈む夕陽」が同じ場所で見られることで有名なレア岬です。
.....珠洲市に入り能登半島の最先端「禄剛崎」に向かって歩いて行く....
ここには明治時代に日本人の設計で造られた白亜の「狼煙灯台」があります。高校3年で初の一人旅は能登半島周遊でしたが、48年ぶりに再会した懐かしき灯台を見上げて感慨深いね~!
..... 禄剛崎に立つ 「狼煙灯台」、高校生時代の一人旅(当時17才)以来の再訪....
★立山連峰を望む「見附島」、九十九湾で「イカキング」と対面!和倉温泉に入る
灯台から南へ下ると鵜飼海岸沖に軍艦が向かって来る様な巨岩(高さ28m)が大迫力で聳え立っています。能登のシンボル「見附島」は、弘法大師が布教で佐渡から能登へ渡る際に見付けた故事の由来名です。ここからも海に浮かぶ冠雪の立山連峰の絶景が俯瞰できて大感動でした!
..... 巨岩が海に浮かぶ「見附島」、海に浮かぶ北アルプス・立山連峰の絶景に感動....
独特な形で「軍艦島」とも呼ばれる「見附島」に渡る道は立入禁止状態でした。能登で発生した大地震の直後で岩の根元が崩れたからです。珠洲市も随所に倒壊被害の爪痕が見られました。
.....(左)「見附島」は地震で岩が崩壊 (右)鐘を鳴らすと恋が叶う縁結び海岸....
さらに南下すると「九十九湾」に到着!「イカの駅つくモール」という施設に巨大なイカのオブジェ「イカキング」があります。TVで税金の無駄遣いの象徴として話題になったものの逆に人気のスポットとなりました。当地はリアス式海岸となっており、日本百景にも選ばれています。
....(上)「九十九湾」を象徴する「イカキング」と対面 (下)珠洲の食堂で昼食....
さらに南下して七尾市に入りました。ここは超高級温泉ホテル「加賀屋」が有名な「和倉温泉」があります。北陸随一の海の温泉は開湯1200年を迎え、「総湯」という地元の共同浴場もあるぞ!女性陣は足湯を楽しみたいとの声が上がり、RWは一人で「七尾城跡」へ向かいました。
.... (上)「和倉温泉」の総湯 (下)「加賀屋」宿泊代は1人数万円!我家は無理!....
★「七尾城史資料館」一人見学、家族合流後に無事帰路へ!旅の思い出を噛み締める
「七尾城跡」は能登国の守護・畠山氏が戦国時代に築いた城館跡で、全国でも屈指の規模を有する山城です。山上から山麓までの自然地形を巧みに利用し、七尾の地名の由来となった七つの尾根筋を中心に多数の曲輪(屋敷地)を連ね山麓に城下の町並みが形成されていたようです。
.....(上)「七尾城史資料館」を訪問 (下)能登国の守護・畠山氏の歴史を勉強....
能登畠山氏の支配で繁栄が築かれこの地で京風の文化が華やいでいました。しかし1577年上杉謙信が攻め入って落城、畠山氏の領国支配170年の幕が閉ざされたのです。落城後の七尾城は上杉方が入りましたが、1581年に織田信長から能登一国を与えられた前田利家が入城します。
.... (上)尾根筋の自然地形を生かした山上城郭 (下)地元で花開いた京風文化.の数々...
石動山系に築かれた城域は地元で「城山」と呼び親しまれています。山頂には時間がなく断念しましたが資料館で七尾の歴史を勉強できて満足。再び和倉温泉に戻り、家族と合流しました。
.....(上)七尾市のシンボル「能登島大橋」(下)「能登食祭市場」で能登旅が完了....
能登島に架かる能登大橋が遠望できる「能登食祭市場」でお土産を購入して北陸自動車道に乗り、柏崎実家の帰路へ!高速SA「有磯海」で夕食を摂り、3日間の能登半島・家族旅でしたが結構欲張って廻ったなあ・・。随所で撮影した写真を見ながら旅の思い出を噛み締め直しました。
.....北陸自動車道の「有磯海SA」で見た見事なサンセット、夕食を摂り柏崎へ戻る....
海外在住の娘と高齢のお袋と4人で2泊3日旅行ができるのもこれで最後かもしれないと企画しましたが、快晴に恵まれ事故なく企画通り周遊が出来てホッとしました。来年お袋が88歳を迎えるので2024年5月に弟家族と一緒に湯沢温泉で米寿祝い会を企画する予定。お袋も呆けず健康で長生きしてほしいと願います。90歳過ぎでも元気ならば再び親子三代旅をしたいものです。
おわり
# by rollingwest | 2023-09-25 07:00 | Comments(214)