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<2018年8月28~30日>北アルプス上高地の名峰「霞沢岳」、2泊3日テント旅


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★上高地を見下ろすように聳える日本200名山「霞沢岳」


北アルプス登山のメイン基地・入口として本格的な登山者は必ず訪れる日本屈指の山岳リゾート「上高地」、登山をしない人にとっても憧れの場所で、年間150万人以上の観光客が押し寄せます。近年はインバウンドブームで外国人客も急増、今や世界に誇る有名観光地です。


  .....上高地を代表する光景 (左)河童橋から仰ぐ穂高連峰 (右)化粧柳と清流「梓川」.....
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登山に目覚めた大学生時代、まずは北アルプス「槍ケ岳・穂高連峰」に憧れるもので「上高地」は何度も訪れましたが、初体験の感動は今も忘れられません。学生時代の北アルプス縦走や新婚時代にカミサンと登った蝶ケ岳・槍ケ岳も含め、上高地エリアへの訪問は10回位になるかなあ・・。


  .....(左)大学時代は北アルプス山行が圧倒多数 (右)久しぶりに上高地散策を楽しもう.....
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今回は遅い夏休み取得で、大正池や上高地を真上から睥睨するが如く聳える200名山「霞沢岳」(2646m)への挑戦!社会人以降の北アルプス登山は、北部の剱岳・立山、裏銀座・雲ノ平が中心だったので上高地は随分遠ざかっており、17年ぶりの訪問(2001焼岳・西穂高への登山以来)でした。


  .....「霞沢岳」は上高地や大正池を背後から見下ろすように鎮座する日本200名山.....      
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霞沢岳は上高地の背後にあり穂高連峰に対峙する山で、徳本(tokugo)峠からの道しか登山できません。メイン縦走路から外れるため登山者も少なくマイナーな存在。10年前の出向先同僚「T架橋」さん(今も洋楽カラオケを歌う仲)が「いつか霞沢岳に登りたい」と拘っており、彼の30数年来の夢を叶えようと今回ついに意を決した経緯にあります。






★久しぶりに特急「あずさ」に乗って松本駅から上高地へ!


初日早朝6:40、T架橋さんと新宿駅南口で待ち合せ7:00発特急「あずさ」で松本駅へ!学生時代はキスリング重装備で夜行列車に乗るために新宿駅アルプス広場に長い行列で並んだもんだなア・・。昭和時代の登山を象徴する懐かしい駅構内風景が蘇りました。


  .....(左)特急「あずさ」で 新宿駅出発 (右)大学時代は夜行列車、アルプス広場に並んだ.....    
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9:40松本駅到着、駅前のアルピコ交通に乗り換え直通バスで上高地へ向かいました。天気は前線が北陸停滞で長野県は不安定で微妙な状況かなア・・。沢渡・中ノ湯を過ぎると相当な雨になってきた~!晴れ男を自称するRWですが今回の山行は厳しいのかも・・


    .....(左)松本駅到着 (右)駅前広場前のビルに上高地行きバスターミナルがある.....
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    .....(左)上高地バスターミナル到着 (右)T架橋氏とザック準備を整えていざ出発.....
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12:00過ぎに上高地バスターミナル到着。雨は何とか上がっている。12:15に出発して5分程歩くと大正7年創業「五千尺ロッヂ」が見えてきました。名の由来は3千m級峰(アルプス1万尺)の半分・五千尺(1500m)が上高地の標高だからです。ロッジ目の前にある上高地のシンボル「河童橋」・・、新婚時代カミさんと槍ヶ岳登山して以来30年ぶりの対面だ~!


    .....(左) 100年の歴史を誇る「五千尺ロッヂ」 (右)上高地のシンボル「河童橋」.....
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    .....上高地でテントを張るならば「小梨平キャンプ場」が一番有な場所かな.....
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★「穂高神社奥宮」を参拝し「明神池」散策。テント泊基地の「徳本峠小屋」へ


小梨平キャンプ場を通過して暫く歩き進むと「明神館」に到着。荷物を降ろして一服休憩した後は、天候回復と安全祈願のため「穂高神社奥宮」を参拝していきましょう。裏手奥宮参道途中、「梓川」に架かる「明神橋」(2003年リニューアル)があり、橋を渡って「明神池」へと向かいます。


    .....(左) 「明神館」に到着 (右)T架橋さんと「穂高神社奥宮」の石碑前にて.....    
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  .....(左)リニューアル「明神橋」は初体験! (右)梓川を渡って30年ぶりに「明神池」へ.....
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明神池・奥宮が目前に迫ってくると左手に、北アルプス登山史を語るに欠かせない「嘉門次小屋」が現れました。地元猟師だった上條嘉門次は、日本近代登山の父「W・ウエストン」(著書「日本アルプスの登山と探検」)を槍ヶ岳に案内しました。ウエストンは彼の人柄と技術に敬服し20余年の親交を深め、小屋には友情記念として贈られたピッケルが現在も残っています。


 ....北アルプス山岳史に不可欠の「嘉門次小屋」、ウエストン&上條嘉門次の交流が記される.....
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    .....(左) 穂高神社奥宮に参拝するT架橋さん (右)海神が鎮座する「明神池」.....
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「明神池」(拝観料300円が必要)を久しぶりに散策してみよう!梓川の古い流路が、明神岳の崩落砂礫で堰き止められてできた大小2つの池(一之池・二之池)で、冬でも全面凍結しない透明感あふれる水面が空を映し静寂に広がります。まさに神が見守る鏡池という雰囲気!


    .....静けさと神々しさを感じる「一之池」の風景、北アに鎮座した神のオーラが!.....
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  .... 明神岳を見上げる「二之池」の池中に配された大岩石は大自然の造形美そのもの.....
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「穂高神社奥宮」が鎮座する神域には、遠く北九州に栄えた「安曇族の海神」が北アルプスの祭神・総鎮守として鎮座しています。上高地は古くから、神降地、神河内などとも呼ばれ、神々を祀るに最も神聖な場所とされてきました。毎年10月8日は明神池に龍頭鷁首の御船を浮かべ、一年の山の安全を祈願する平安朝の神事「御船祭り」が行われます。


    .....(左)「嘉門次小屋」から立ち上る煙 (右)「御船祭り」に登場する「龍頭鷁首」.....
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さていよいよ霞沢岳のベースキャンプ「徳本(tokugo)峠小屋」への登り!明神分岐から真っ直ぐ徳沢方面に進めば、涸沢カール経由で槍・穂高登山のメインルート、我々は右からのコース経由で峠を目指して上がります。2時間半の登りですがテント・食糧をフルで担ぐ急登道はやはり辛かった~!


  .....明神から徳本峠小屋への急傾斜な山道、難儀な登りで最後の水場にて一服休憩.....
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かつて上高地への入山は、松本から島々谷経由で徳本峠越えする道が唯一のルートでした。T架橋さんは、古から続く歴史深い登山道を挑戦することが長年の夢でしたが、結構厳しいロングコースで彼自身が30年ぶりの登山なのです。RWは彼に「いきなり無理すると遭難事故が懸念されますよ。」と何とか説得し、整備された上高地経由コースを選択してもらいました。


    .....(左)古から上高地入口だった「徳本峠」の小屋 (右)雨の中でテントを張る....
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16:00過ぎ「徳本峠小屋」へ到着。久しぶりのテント泊だなあ・・。それも同じ場所に連泊とは初めての体験!しかしテントを張り始めると猛烈な雨になってきました。それぞれのテントで食事を済ませ明日に備えましたが、低い位置にテントを張ったT架橋さんは敷きマットに雨水が浸水して大変だったようです。明日は大丈夫かなあ・・。激しい雨音に不安感がよぎる・・。






★「霞沢岳」への挑戦(10時間半往復ロード)、北アルプス大絶景を堪能!


朝4時起床、テントから空を見上げると昨夜の雨は上がり青空が見えているぞ!今回も晴れ男RWの無敗連続記録(2012年11月の山行以来20勝4引分)を25に伸ばせそうな気がしてきた!5:45出発、サブザック軽装のピストンとはいえ霞沢岳へは10時間の長丁場往復です。


  .....(左)感激的な晴天の朝を迎える! (右)ジャンクションピーク通過、いい気持ち!.....
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徳本峠から森林帯を歩き、最初の節目「ジャンクションピーク」に到着!青空と雲の織り成す芸術的なパノラマを楽しみ、8:00小湿地を通過しました。この辺りまでは実に軽快な気分で登って行けた道中、8月下旬はまだ沢山の高山植物が豊富に咲き誇り、大いに癒されました!


    ....ジャンクションピークで眺望した青空・陽光・雲の芸術!暫し見とれましたネ~.....
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    .....美しい高山植物が続々と登場!8月下旬はまだ花は頑張って咲いている.....
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しかし8:30を過ぎると再び雨が降り出してきました!北陸に停滞する前線が長野に南下してきたのかな?不安定な天候が続いた今年の夏、やはりそう甘くはなく山頂パノラマは期待できない懸念が再び頭を擡げてきました。無敗連続記録は今回で終わりを告げてしまうのかも・・


  ..... 晴れと思いきや急に雨が降ってきた!不安定な天気、膨らんだ希望が一挙収縮.....
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  .....(左)憂鬱な気持ちで登っていく (右)雨で元気なのはキノコばかりかな・・(泣).....
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それからはずっと霧の中・・、霞沢岳が一体どんな姿をしているのか羨望しつつも状況は依然変わりません。11:15漸くT架橋さんが30数年憧れ続けてきた山頂に立ちました。昼食を摂って霧が晴れるのを待ち続けましたが望みはついに叶わず諦めて下山開始。


 .....何も見えない霧中山行が続く。念願の「霞沢岳」山頂に立つもホワイト世界、霞見た岳(涙).....
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しかし12時過ぎ、何と!霧が晴れてパノラマが開けてきた!天は我々を見放さなかった~!(感激) 復路でもう一度K1ピークに12:40立つと、先程は霧で包まれていた灰色光景とは一変!


    .....諦めて下山開始・・、しかし数分後奇跡的に霧が晴れてきた!何たる天の配剤!.....
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喘ぎながら歩いてきたナイフリッジ登山道がクッキリと浮かび上がってくる。左半分が霧、右半分が緑に覆われる稜線尾根!ついに「霞沢岳」も全貌を鮮やかに現してきた~!かくもボリュームある雄々しい山だったのか!「10年来の夢が報われた~!」と2人は喜び感激に浸りました。


  .....雲が一挙に晴れナイフリッジ稜線やワイルドな山容が徐々に露わになってきた!..... 
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  .....(左)上高地の目の前に聳える「六百山」 (右)「霞沢岳」の全貌山容がついに現る.....
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霧は完全に晴れ渡り上高地の全貌が識別できます。真下にはセレブも憧れる帝国ホテル(大正池の近く)の赤い屋根も見えるではないか!目の前には「六百山」が鎮座、奥穂高岳から急激に落ち込む「岳沢」の地形も睥睨できます。大学時代にこの厳しい急坂道を下山したなあ・・。


  .....(左)上高地のシンボル「帝国ホテル」 (右)穂高連峰から下る「岳沢」の長い雪渓.....
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  .....(左)穂高連峰の峻嶮な稜線風景は大迫力! (右)ピラミダルな「常念岳」の雄姿も!.....
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しかし戻り路はまだまだ長くあと3時間以上は歩かなければなりません。アップダウンを繰り返す下山、相当歩いても次の通過目標地が出てこない・・。(泣)疲れはどんどん増していきます。徳本峠小屋に16:00過ぎヘトヘト状態で到着。今日は10時間半も歩いてしまった。テントに荷物を降ろし食事の準備をして「お疲れ様~乾杯~!」満足感に溢れたビール・焼酎で大いに報われました。


    .....(左)徳本峠のマイテントに戻る (右)乾杯~!ついに達成しましたね~!.....
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 .....(上)充実感の宴会を終え、夕暮れが深まる (下)疲れ果てて月夜のテントで爆睡・・.....
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★上高地から充実満足感のバス帰京!


最終日は4時過ぎに起床、朝食を摂りテントを撤収して6時に徳本峠小屋に別れを告げました。初日登った時は重い荷物の急坂で苦しかったけれど、帰り道は軽くなったザックなので快適でスイスイの下り道。梓川沿いに出て8:15明神館に到着しました。


  .....徳本峠小屋を出発し明神分岐へ下る。昔はこのルートで上高地へ入った歴史道.....
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「穂高神社奥宮」石碑に向かってお礼参拝・・「不安定天候で殆ど諦めていたのに、頂上付近で大逆転の天恵なる晴れ間とパノラマ絶景を与えて頂き感謝します!」今回は穂高神の配剤により土壇場で引分けに持ち込み、何とか連続無敗記録を25(20勝5分け)に伸ばすことができました。


   .....(左)穂高神社奥宮に御礼祈願 (右)神の山「明神岳」はいつ見ても大迫力の姿.....
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帰りは初日の復路、梓川沿いの道を歩き小梨平キャンプ場経由で8:30「河童橋」に到着。今日は曇りがちで穂高連峰は雲の中。上高地バスターミナルから9:20新島々行きバスに搭乗


   .....梓川の清流に見惚れ、瑞々しいケショウヤナギと河童橋をバックに!旅の終わり.....
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    .....(左)朝早い河童橋には観光客がまだ少ない (右)上高地バスターミナルを出発.....
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帰りのバスは松本電鉄「新島々駅」止まりなので乗り換えて松本駅へ!ちょうど昼時なので再びビールで乾杯!お疲れ様でした~!松本からはアルピコ交通バスで新宿バスタまで直通(お値段は3千円の割安!)、17時に帰宅して満足感で入浴後もう一杯!


    .....松本電鉄「新島々駅」、ここでバスから電車乗換え。カラフルな車両だネ~!.....
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 .....松本バスターミナル「王将」餃子でビール2杯、帰りは新宿まで直通バス、楽チン帰京.....
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久しぶりの北アルプス2泊3日テント山旅は、2人の10年来の霞沢岳への思いを実現し、自分自身も無事200名山162座を刻むことができました。次回も2人で北アルプス北部名峰に再挑戦しようと誓い合いました。


  .....(上)徳本峠から見た朝焼けの前穂高岳 (下)霞沢岳から撮影した焼岳~穂高山麓.....            
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                                             おわり

  by rollingwest | 2018-09-23 16:00 | Comments(176)

<2011年10月8~10日>北アルプス難関峰「毛勝山」&北陸「魚津」探訪

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★(1日目):難関の200名山「毛勝山」へのアプローチ (無人小屋・前泊)


北アルプス「剱岳」の北部に聳える名峰「毛勝山」、嘗ては登山道がなく残雪期しか登れない秘境でした。10年前に尾根道が開かれましたが、厳しい難関峰に変わりはなし。9月3連休にマツ氏と挑戦企画したものの天候不順で、10月初旬に変更延期。結果的には快晴に恵まれた最高の山旅となりました。


  .....(左)08GW:常願寺川から仰いだ雪の毛勝 (右)今回、間近に見た「毛勝山」、大迫力~!......
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                  ↑  08年5月毛勝山:「残雪の立山大周遊」記事  はコチラから


初日は登山口へのアプローチのみ。東京駅を昼に新幹線出発、越後湯沢経由ほくほく線で富山の魚津駅に到着が15時40分。駅前でレンタカーを調達し北陸電力の社員宿泊施設「片貝山荘」(現在は無人施設)に向かいます。事前に登山口の確認を終えて、17時過ぎに到着し小屋の中に入りました。


     ......(左) レンタカーで片貝山荘(無人小屋)に向かう道 (右)片貝川の電力治水施設.......
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        ......(左) 夕暮れの片貝川堰堤風景 (右)第5水力発電所の放水ゲート.......
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小屋には我々2人の他は、横浜から自家用車で来られたN川さんという人だけでした。自炊食事・酒を飲みながらお互いに情報交換。難関200名山を中心に単独行で登っている方なので話も合いました。


   .....(左)無人の北陸電力の元・宿泊寮(水は使えない) (右)美しい月夜の晩、山荘で語らう.......
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★(2日目):「毛勝山」への挑戦、往復11時間近いハードな行程


翌朝4時に起床。N川氏と一緒に3人で登ることにしました。登山口まで車を乗り入れ5時40分登山開始。樹林帯からはいきなり猛烈な急坂が始まります。10年前に開かれた北西尾根は連続急登、切り開いた人達は大変な事業だったろうなあ・・。2時間程登って漸く三角点(1479m)に到着、大休止・・


  ......(左)尾根ルートは厳しい急坂 (中)三角点(1479m)  (右)朝の光に「越中駒ケ岳」が輝く......
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    ......(左)厳しい急傾斜を登りダケカンバを過ぎる (右)越中駒ケ岳、雄大な稜線ラインが広がる......
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幸い秋の素晴らしい快晴に恵まれましたが、夏場にこの急登道を登ったら汗が噴き出て相当辛い思いをするでしょう。途中に水場は一切なし。我々は2ℓ強の水でしたが、夏場では3ℓは必要かも・・


     ......(左) 遥かには日本海の海岸線が (右)標高1800m付近からは霜の草付き場へ.......
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8:40大岩(1730m)通過、9時過ぎに霜に覆われた草地帯に出ました。振返れば背後には魚津市街と日本海がウッスラ見える。左手には僧ケ岳・越中駒ケ岳、標高を稼ぐと白馬三山が眼前に現れてきたゾ!


            .....遥か彼方に冠雪の「白馬三山」が見え始めた!手前は滝倉山.......
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             .......朝日に照らし出せれる霜が被った草付き場を登っていく......
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幻想的な霜の草付き場を登り詰めると2千m付近(9:45)で池塘「モモアセ池」が出現!枯れたチングルマ、草モミジ、輝く苔、何とも幻想的な世界が・・。そして屹立する毛勝山の大迫力ある姿が間近に!


    .......(左)毛勝山が全貌を現し始めた!大迫力 (右)一番目の池塘モモアセ池に到着......
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左側に「後立山」の大連峰パノラマが雄大に広がっている!白馬・杓子・白馬鑓~不帰のキレット~唐松岳~五竜岳~鹿島槍ケ岳~爺ケ岳、35年前の学生時代に長大山脈を縦走した数日間がフラッシュバック


    ......(左)白馬三山クローズアップ(白馬・杓子・白馬鑓) (右)後立山連峰(五竜岳&鹿島槍)....... 
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10:45「クワガタ池」に到着。確かに池塘の形は完全にクワガタ!ウルトラ怪獣「アントラ」ーと実にソックリ!池を過ぎると草付き大斜面が出現!これを越えれば頂上だが、最後の登りは本当にきつかった~!


     .........「クワガタ池」に到着、名前の通りクワガタの角、↓正に「怪獣アントラー」だ!........
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    .....(左)頂上への最後の大急登(草尽き斜面) (右)大斜面をヘバリ苦しみ登るマツ氏.......
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11:40、歩き始めて丁度6時間。ヘロヘロになりながら漸く登頂!しかし苦行は頂上から仰ぐ北アルプスの大絶景で報われました。「剱岳」の迫力ある裏容姿、毛勝三山とコラボした連峰は初めて見る光景!


  ......(左) ついに登頂!3人で山頂記念写真 (右)「剱岳」の雄姿をユックリ満喫する岳人達.......
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  ......「剱岳」(左)&「毛勝三山」(右から毛勝2151峰・釜谷岳・猫又岳)、北ア最北部・レアな大絶景......
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剱岳・立山連峰の北に位置する毛勝三山(毛勝・釜谷・猫又)は魚津と黒部に跨る山岳群で片貝川源流。左には後立山連峰の全貌!昼食は素晴らしい快晴に恵まれ感動的な時間を過ごしました。


   .....長大な「後立山連峰」 (左から、雪倉岳・白馬三山・唐松岳・五竜岳・鹿島槍ケ岳)......
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          ......北側から見る「剱岳」の雄姿、大迫力!絶景を満喫し寛ぐ人達.......
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12:20出発、再び同じルートを下山。もう少し頂上で風景を味わっていたい気もしますが、まだ下山で5時間近くかかる長丁場。秋の日暮は早いので油断はできない。クワガタ・モモアセの池塘を過ぎて行く。


        ......(左)「モモアセ山」をバックに一本休憩 (右)気持ちいい草の下山道........
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     .......(左)ダケカンバ、やや色の悪い紅葉 (右)頂上の展望広場から仰ぐ白馬三山.......
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紅葉の色づきは鮮やかでなく期待外れでしたが、やはり青空と十分な光量がある時はそれなりに輝きを増してきます。頂上付近よりも中腹・紅葉樹林帯で夕暮れの日光に映えるいい紅葉に遭遇

           ......(左)青空に映える黄葉. (右)鳥の嘴の様にせり出す紅葉.......
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     ......(左) 紅葉道を下る登山者 (右)くすんだ紅葉も青空と日光があれば十分映える.......
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下りも急坂連続で本当に長い~!登りもラスト傾斜が胸突き八丁でしたが、下りも最後が辛かった・・。小生の下山到着は16:30、マツ氏は相当へばり17時過ぎ着、登山開始して11時間近いハード行程


       ...... 長く急な最後の傾斜道、11時間近くの長丁場山行も遂にフィナーレ!.......
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片貝山荘に戻り荷物を整理、レンタカーに積み込み魚津市内へと戻ります。駅前ホテルで宿泊手続を取り無事帰還し安心。2人は居酒屋でビールと地元の肴で乾杯・反省会予定が・・、マツ氏は完全にダウン




★(3日目):「魚津」の歴史探訪&三大奇観


       ......「魚津港」の歴史と自然奇観を探索、港に広がるテトラポット・砂浜風景.......
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富山県魚津市・・、4万5千人の北陸・小都市ですが、実は歴史と自然奇観が楽しめる穴場の街。まずは歴史探訪!富山湾漁港として栄えた魚津は歴史的史蹟が多い街、海岸線を歩いてみましょう。


     .....(左) 「万灯台」(魚津港最初の江戸時代灯台) (右)魚津水産(旧地方銀行の建物).......
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    .....「米騒動」発祥地は魚津、この米蔵から米が運び出された、可愛い米俵モニュメント.....
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江戸時代航路を見守った「万灯台」、大正時代に全国に広がった「米騒動」の発祥地、上杉謙信が柴田勝家率いる織田軍と戦った「魚津城跡」、那須与一にも所縁ある諏訪神社など確かに見所多し


       ......(左)「魚津城跡」の石碑     (右)「上杉謙信」の歌碑(魚津城の戦いにて).......
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          ......(左)魚津の諏訪神社    (右)拝殿内には那須与一の絵が!.......
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そして魚津には「三大奇観」と呼ばれる大自然(北アルプスと富山湾)の珍しい光景が見られる場所!3大奇観とは「蜃気楼」「埋没林」「ホタルイカ漁」、これらのルーツは全て北アルプスの山々なのだ。

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   ......(左)魚津海岸から見る「富山湾対岸」の風景  (右)蜃気楼写真はネットから拝借.......
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富山湾に広がる自然の映像「蜃気楼」の仕組み、海の中に沈んでいる「海底埋没林」を見るには「魚津埋没林博物館」を訪ねることをお薦めします。かくなる光景が見られるのは日本では富山湾のみ


     .....古の大地の浪漫「魚津埋没林博物館」、太古のマンモスやトナカイも展示されていた......
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    ......(左)乾燥埋没木の展示ホール (右)埋没林は片貝川上流に繁茂した北アの巨木群.......
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蜃気楼は、大気と海の温度差により光が屈折によって起きる自然が生み出すトリック映像。春の上位蜃気楼は遠方風景が上に伸びたり反転、冬の下位蜃気楼は実際風景の下に虚像が出るパターン

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    ......蜃気楼9変化(船泊)&富山湾地図、蜃気楼のメカニズムが紹介(目からウロコ).......
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この虚像が起きる原因は北アルプスの山々が海に迫っている急峻な富山湾の地形。春の冷たい雪解け水が海に急速に流れ込むために水と海水の温度差が生じ、海面に屈折レンズを作り出すからです。


      .......「5月の蜃気楼」写真パネル、海面に浮かぶコンビナート群はまさに幻の如し・・・......
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魚津「海底埋没林」は約2千前に片貝川(毛勝山源流)が氾濫し海に流れ出た北アルプス巨木群が海面上昇によって現在の幻想的な奇観が生み出されているのだそうです。確かにレアな光景!(驚)


           ......博物館の「埋没林プール」、幻想的な光景に遭遇して驚き!.......
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             ......プール底から眺める埋没林の神秘的な水中風景......
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「三大奇観」の3つ目は、神秘に青く光り輝く「ホタルイカ漁」。富山湾に珍しい生物が存在する不思議は富山湾地形に秘密の鍵が・・。フォッサマグナ最終到達の深海底に北アルプスから栄養ある急流水が豊富に注ぎ込んでおり、数々の神秘的プランクトンが繁栄できる珍しい生態系が成り立っている。


      ......「ホタルイカ漁」、水揚げ時の輝きはLED照明の様なブルーイルミネーション.......
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今回、富山の「毛勝山」&「魚津」を訪ね、当地が北アルプスを間近に臨む麓の街で「山と海のダイナミックなドラマ」が展開するレアSPOTだったことをあらためて認識。本当に貴重な見学体験をしたナ~!


           .....JR魚津駅プラットフォーム、右には富山地鉄のカラフルな電車が走る.......
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      ......魚津市から見える「冬の北アルプス連山」のパネル (博物館の屋上にて)......
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北アルプスも数々のルートを過去登りましたが、「フォッサマグナや海の視点」から新知識を得て、山への感慨が一層増した気が・・。毛勝山登山では、奥深い北アルプスの懐を感じ(日本屈指の難関峰・剱岳の険しい表情を北位置からジックリ味わえた)、リアルな体験と勉強ができて実に充実した3日間でした。


    .....(左)08GW残雪期の思い出(剱岳をバックに)(右)今回初めて見た北側(裏側)からの剱岳.......
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                                                        おわり




次回は、紅葉に彩られた「となりのトトロ」の故郷「狭山探訪」記事をお送りします。
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  by rollingwest | 2011-11-03 22:00 | Comments(48)

<2009年7月25~26日>北アルプスの静謐秘峰「餓鬼岳」を行く


★憧れの餓鬼岳についに登頂

今年は山頂を極めた山行は何とまだ2回しか実現しておりません。1月・伊豆半島の山、4月・丹沢縦走だけです。その後5~6月に200名山2峰に挑戦したもののいずれも連続断念となりました。
今夏は異常な天候不順が続き、戻り梅雨に悩まされた登山者は全国でゴマンといることでしょう。


    .......(左)静かなる名峰「餓鬼岳」(2647m)  (右)奇岩が連続する「剣吊り」の縦走路.......
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今回の北アルプス「餓鬼岳」も、全国的な湿潤多雨・事前の天気予報も雨だったので、あまり期待せずに出かけましたが、何とか晴れ間に恵まれてラッキー!今年初めての200名山制覇が実現


              .......豊富な水流、滝・沢が連続するバリエーション溢れる登山道.......
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「餓鬼岳」(2647m)、北アルプスにある不気味なる名をもつこの山は昔から憧れていた秘峰でした。槍穂高に繋がるメインコース(表銀座縦走路)から東に外れた独立峰であり、アプローが長く交通も非常に不便。人が滅多に入らない山だからです。(実際今回、他人グループとは全くすれ違わなかった。)




★水量溢れる沢沿いの登山路(ハードな登り)


               .........早朝5時過ぎに白沢登山口から登山開始.......c0119160_11271729.jpg




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金曜日22:30にFツアーバスは赤羽駅を出発。今回の参加はやや少人数の9名ですが、皆この滅多に登れない餓鬼岳に憧れを持つメンバーばかりです。バスは長野県安曇野方面から白沢登山口に翌朝到着、5時過ぎから歩き始めました。天気予報はやや不安定な感じだなあ・・(期待薄)


   .......はっきりしない天候。時たま晴れ間が覗くが終始不安定で、突然の雨に悩まされた。......c0119160_1135118.jpgc0119160_11353271.jpg

森林帯に入って行くと、白沢の名前の通り、真っ白な水飛沫で水量豊富な沢や滝が次々と現れ、なかなか迫力溢れるルートです。こういう道は実に気持ちがいい!(大雨の場合は危険だが・・)


       .........紅葉の滝などの名瀑がいきなり登場!滑め沢の渓流沿いを登って行く。......c0119160_11532418.jpg



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       .........(左).緑木は湿潤な空気で生き生きと輝く。(右)オオシラビソの新しい芽が成長.......c0119160_1217987.jpgc0119160_12195245.jpg

白沢ルートの最大の名瀑は「魚止ノ滝」です。屹立した断崖から、白い瀑水は轟音を立てながら滑め落ちています。迫力あるね~!その後、沢筋から離れていき、大凪山で休憩し昼食を摂りました。


   .......(左)落差は20m以上あろうと思われる「魚止ノ滝」 (右)水量が多く渓流は荒ぶる。.....c0119160_12251391.jpg






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餓鬼岳登山道は相当ハード。皆は健脚メンバーですが、厳しい登りには息を切らして、頻繁に休憩を入れながら足を進めて行きます。この後の「百曲がり」という急登道はさらに厳しかった~!(苦)





★餓鬼岳で見た花たち(その1)

この山は渓流や奇岩溢れる峻険稜線が続くルートであり、北アルプスに多く存在する広大な花畑に遭遇することはありませんでした。しかし多くの花を見つけることができたので下記に紹介します。


     .......(左)チングルマ(稚児車)   (中)キンバイソウ(金梅草)    (右)フジバカマ(藤袴)......c0119160_12322335.jpg


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下のギンリョウソウは珍しい植物(菌類)でしょう。暗い森で出会うと一瞬小さな幽霊のようでユウレイタケの別名もあります。鎌首をもたげた小竜たちは、白く光る蝋細工の如く、不気味でもあり美しくもあり。


.....(左)ギンリョウソウ(銀竜草=幽霊草) (中)クルマユリ(車百合) (右)ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)......c0119160_12442533.jpgc0119160_12443969.jpgc0119160_1305718.jpg

でも一番華やかで多く目に付いたのは石楠花。白に上品な薄ピンクが美しいハクサンシャクナゲ、黄色をアピールするキバナシャクナゲが、厳しい登りでヒ~ヒ~喘ぐオヤジたちの苦しみを癒してくれたかな。(笑)




★やっと到着~、餓鬼岳小屋!そして翌朝に名峰に登頂!


最後の急登(今日の宿泊・餓鬼岳小屋の手前)の看板には騙された~!「あと10分」と記載してあったのに20分近く苦しんだ・・。やっと小屋に到着~!本当にタフで厳しい登り道でございました。


       ..........「西餓鬼岳」の峻険なる雄姿 (餓鬼岳小屋周辺から望む).......
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小屋到着時刻は13時過ぎでしたが、早朝5時から8時間の厳しい登りだったので皆もうヘトヘト・・。
若干のアルコールを入れて布団を敷けばもうグッタリとダウン・・。外は猛烈な雨が降り出してきました。
夕食はおでんや生グレープフルーツが出て結構豪華な食事でしたが、私は食欲もなく18時には爆睡~


   ......(左).今日の宿泊「餓鬼岳小屋」大雨が降ってきた!」 (右)小屋で食事。乾杯~!......c0119160_1256463.jpg




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翌朝は4時半に起床。睡眠をバッチリ摂ったので体の疲れはかなり取れてきた。外は雨・曇りかな・・と諦め心境だったのに何と朝日が覗いているではないか~!精鋭9名は憧れの餓鬼岳に登頂!
カラリとした晴天ではなく、北アルプス全景は見渡せなかったものの雨が上がってよかった~!


   ........(左)餓鬼岳頂上に立つ!ご来光が見えた!ラッキー! (右)頂上で集合写真.......c0119160_1371569.jpgc0119160_1373687.jpg



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★奇岩が連続する峻険なパノラマ稜線


  ......まさに仙人住む如く・・、幽谷にそそりたつ先鋭奇岩 (ナメクジ岩と勝手に命名した。).....
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餓鬼岳稜線は花崗岩・奇岩がオブジェの如く林立し、まさに餓鬼の名から想像する異界なる不気味な雰囲気が漂います。峻険な岩峰の間をアップダウンして行く道は相当にタフ&ハード、今日も苦行の始まりかな・・?しかし視界開がるパノラマウォークとスリルが連続で味わえて実に楽しいね~


   ........(左)次々と花崗岩の奇岩が連続で現われる (右)剣ズリの縦走路を行く.......c0119160_1319498.jpg




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         ..........晴れ間に望む安曇野の街、オオシラビソのシルエットが絵を引き立てる.......c0119160_13381914.jpg









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ガスが掛かり天候はやや不安定でしたが、下界は晴れ間が広がり平野部の景色がよく見える!眼前には北アルプス裏銀座名峰をちゃんと確認できたし、パノラマを楽しむには十分!ラッキー!


              .........奇岩の山岳ルートをUPdownして東沢岳へ向かう.......
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      .......北アルプス裏銀座の稜線パノラマ(200名山の野口五郎岳や烏帽子岳も見える).......
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山の谷あいに輝くコバルトブルーの湖は、日本有数のロックフェルダム(岩を積み上げた堤防)「高瀬ダム湖」です。湖から烏帽子岳(右に見える尖がった山)に登り続く「ブナ立て尾根」は「日本三大急登」の一つ。3年前この急坂ルートを重荷を担いで登り、完全ヘトヘト状態・・。あん時ゃ、本当に死んだね~!


                ........ 足も竦むような垂直岩稜のルートを攀じ登っていく。.......c0119160_147430.jpg




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   .......(左)唐沢岳をバックに木に止まるアルプスの鳥・ホシガラス (右)沸き立つ山の雲.......c0119160_16222054.jpgc0119160_16482744.gifc0119160_16343962.jpg

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餓鬼岳の名の由来は「崖」の名が由来のようですが、仏教六道(天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)のランクから見れば、地獄の一歩手前。景色は天国、登山の厳しさは地獄近い苦しさだった~


   ......(左)裏銀座山稜から高瀬ダム湖を見下ろす (右)雨に濡れて黒ずんだ花崗岩の岩峰.......c0119160_16544775.jpgc0119160_1702783.jpg

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    ....... 餓鬼岳に繋がる鋸状の「剣吊り縦走路」、まさにその名前通りの峻険なる岩峰群.......
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足の竦むような垂直な岩場をハシゴ・鎖を使いながら、険しい岩峰が林立する「剣吊り」の道を抜けていくと東沢岳ピークに到着。その先にある乗越から中房川沿いに温泉下山口へと向かいます。


            .......マチコさん、激流を渡る。ヒョイ!ジャ~ンプ!.......
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この道も登りの白沢ルート同様に、水量溢れる渓流沿いの気持ちいい下山道。あちらこちらに渓流を横切る場所が現われスリル満点~!でも大雨が降って増水した時は危険な場所になりそうだ。





★餓鬼岳で見た花たち(その2)

 
再び餓鬼岳で見つけた可憐な花たちを紹介します。ハードな山行には癒しの存在。「高山植物の女王」と呼ばれる「コマクサ」が見られてよかったですね~!「餓鬼・地獄、喘ぐオヤジに極楽の花


      ........(左) コマクサ(駒草)  (中)ゴゼンタチバナ(御前橘)  (右)コイワカガミ(小岩鏡).......c0119160_17374899.jpgc0119160_1738849.jpgc0119160_17382443.jpg
 .....(左)オオレイジンソウ(大麗人草)(中)マルバダケブキ(丸葉岳蕗)(右)オオバギボウジ(大葉擬宝珠).......c0119160_1745584.jpgc0119160_17465119.jpgc0119160_1747844.jpg

    .......(左)キバナシャクナゲ(黄花石楠花) (中)カラマツソウ(唐松草) (右)ホタルブクロ(蛍袋).......c0119160_17522289.jpgc0119160_17523568.jpgc0119160_17525155.jpg

高山植物もこうやって名前を調べ整理すると少しは頭に入ったような気がするけれど、いざ生で見ると花の名が出て来ないんだよね~!あっ、花に限らずか・・。エ~、アレだよ。アレ・・(惚けの始まり)

                          リンク:過去に出会った高山植物はコチラから




★渓流下山、そして温泉

滝・沢の音を聞きながら一路「中房温泉」へと向かいますが、下山道も急傾斜でとにかく長い・・。
「早く着かないかなあ」と皆は黙々と思いながら、温泉とビールが脳裏に浮かんでいたことでしょう。


          .........激流の滝と沢、足元を気をつけて下山していく3人.......c0119160_1895516.jpg







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         .......川の水を飲んで一服休憩~!豊富な緑と沢の音で心は癒される。.......c0119160_18132110.jpg



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12時半、ようやく「中房温泉」に到着!この温泉は北アルプス表銀座縦走のスタート拠点、過去何度も通過しましたが、ゴール到着で温泉に入るのは初めてです。雨と汗に濡れた衣類を脱ぎ捨て湯に浸かれば極楽~!ヌルヌルとした実に素晴らしい名湯でした。そしてビールの喉越し!ああ報われた。

         .......名湯「中房温泉」の露天風呂で寛ぎ、バス内でビール乾杯.......c0119160_18223516.jpg





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         .......今回辿った餓鬼岳のルート図 (クリックすると拡大で見られます).......
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今年初めての200名山「餓鬼岳」・・。その名前に違わず本当に苦しんだ難関でしたが、天候も大きく崩れずにパノラマや花を堪能して、無事下山できました。「地獄・餓鬼、終わり極楽すべてよし



                                                       おわり



次回は、「往く夏を惜しんで」(その1):「河口湖・09花火大会」の記事をお送りします。
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  by rollingwest | 2009-07-30 11:14 | Comments(32)

<2008年8月20~24日>北アルプス「黒部源流」4泊5日の山旅(その1)

   ~北アルプス最深部の秘境「薬師岳」「雲ノ平」「高天原温泉」を訪ねて~


★はじめに

憧れだった北アルプス最深部の秘境「黒部源流の山々」を8月下旬、4泊5日で踏破してきました。
4泊以上の山旅は生涯で7回目(学生時代3回・社会人4回目)、2年前に食山人氏・Y木氏とで歩いた「北アルプス裏銀座・赤牛岳縦走」以来ですが、今回も3人同メンバーでの挑戦となりました。
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    山の絵クリックすると、過去の↑「北アルプス山行記」(ブログ掲載分)が全表示されます。


(富山から立山連峰南部の薬師岳経由で北ア最深部に入り、岐阜の新穂高温泉に抜けるコース)c0119160_1814625.jpgc0119160_102023100.jpg

人生初の「北アルプス体験」は大学2年(19歳)の時、まさに今回の「黒部源流・雲ノ平」から入り、「裏銀座コース」経由で「槍ケ岳」登頂、その後「大キレット」~「北穂高」~「涸沢」「上高地」に下るというルートでした。あの当時、30kg荷物を背負わされてこの長丁場は実に地獄だったなあ・・。



★長大な山容・名峰「薬師岳」:(1日目)

                        ↓クリックで拡大写真
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新宿発夜行高速バスに乗り富山経由で「有峰湖・折立峠」に20日朝に到着、いよいよ黒部源流の名峰「薬師岳」(2926m:日本百名山)をめざします。立山連峰の主峰の1つで悠然とした山容で特筆されるスケール、東側斜面には雄大な氷河地形の大圏谷群を擁していることでも有名な山です。


    ....(左)薬師岳への登山口(折立峠)にて (右)登山道・途中から有峰湖(人造湖)を望む.....c0119160_18132275.jpg
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週間天気予報は傘マークのオンパレード・・、「憧れの薬師岳登山は雨かよ・・(泣)」と半分諦めていましたが、初日は何とか「曇り」で大きく崩れる気配は今のところない感じ・・。長大稜線の分岐で「太郎小屋」を経由し「薬師岳頂上」と宿泊小屋「薬師岳山荘」を目指します。でも一面ガスの中~


   ....「太郎兵衛平」まで上がってくると、木道の先に「太郎平小屋」がやっと見えてきた。.....
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日本の圏谷(カール:氷河地形)は、日本アルプスや北海道・日高山脈等に幾つか見られますが、この薬師岳に見られる「圏谷群」は国指定の「天然記念物」であり、日本最大級の規模だそうです。
遠くから見ても横に長くドデカイ山!「GW:残雪の立山」を登った時の薬師・存在感は絶大でした。


    ....(左)薬師岳の東側斜面は日本有数の圏谷(カール)群 (右)最初の池塘現わる.....c0119160_10244873.jpg








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...冬の大荒れ・強風で長大稜線を歩いたら遭難危険性は高い。頂上近くに石室避難小屋が設置....c0119160_10263167.jpg


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宿泊の「薬師岳山荘」に一人遅れてようやく到着。明日は天気が崩れそうなので今日中に頂上を極めておこうと空身で岩場道を上がっていきます。稜線に出ると何と強烈な風!ここは日本海の季節風をまともに受ける吹き曝しの山、昭和38年には愛知大・遭難事故(13名)が起きています。
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何と「薬師岳頂上」に立つと一挙にガスが晴れて、有峰湖や稜線が見え始めパノラマが開けてきました。憧れの「薬師岳」で雄大眺望は見られないと諦めていただけに思わぬ幸運に大いに満足!


      ....頂上からの大展望、長い「薬師岳」の稜線を目の当たりにすると実に雄大!....
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...初泊:「薬師岳山荘」の小屋ご主人は気立てのいい美人!(隣で超ご満悦の食山人氏・提供).....c0119160_18591928.jpgc0119160_18594039.jpg

「薬師岳山荘」の女性経営者は、小松みどり似の美人!(若い頃は、川島なおみ風だったかも・・)
気立てがよくて気さくに笑顔で話しかけてくれる。食山人氏を筆頭に、中年3人男の目尻は一挙に下がります。ウルメイワシを焼きアルコールに程よく酔いながら、初日は幸福気分でめでたく就寝。

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                          ↑クリックすると似顔絵が拡大



★大雨の「薬師沢」:(2日目)


翌日はやはり予想通り朝から激しい雨、これから下る「薬師沢」は増水が激しい場合は通れなくなるとのこと。幸いにも通過可能情報を得てホッと胸を撫で下ろし、雨中にいざ出陣!この日は谷や森林歩きだったので風には吹き晒されませんでしたが、薬師岳稜線だったら大変だったろうなあ・・
                         
     ....(左)2日目は雨、薬師沢を下る。(沢の出合)  (右)霧雨のガペッケケ原を進む。.....c0119160_22474424.jpg
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ようやく渓谷最下部にある「薬師沢小屋」に到着、ここは「黒部川源流」が交差する北アルプスの最も奥深い場所の一つです。降り続く雨で水嵩を増した沢は「ゴ~!」という音を轟かせ濁流となっていました。鉄梯子・鎖の岩場を過ぎ、今度は「雲ノ平」に上がる急登の道!実にきつかった~!
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....(左)薬師沢小屋を過ぎ、沢の吊橋を渡る。 (右)雨の中、鉄梯子で断崖を慎重に下りていく。....c0119160_22491237.jpgc0119160_10331143.jpg

         ....水量を増して濁流状態となった「薬師沢」は轟音を響かせていた。.....
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ヘトヘトになりながら漸く「雲ノ平」・西端部の「アラスカ庭園」に着きました。ここまで来ればあとは山岳庭園の平坦・木道歩きなので一安心、でももう体はびしょ濡れ。早く小屋で安息を得たいよ~

        
...(左)漸く「雲ノ平」に到着、「アラスカ庭園」は霧の中。(右)「雲ノ平山荘」ずぶ濡れ衣類を乾かす。...c0119160_20253714.jpg
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11時半、「雲ノ平山荘」に無事到着。ビショビショになった衣服を着替え、ストーブで乾かします。
昼食カップラーメンを啜りビールを喉に流し込めば嗚呼極楽・・。まだ山小屋に入って来る人は少なく、余裕・独占の団欒状態。何事も早起き・早めの行動が3文の得。でも夕食まで時間あり過ぎ~(笑)
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黒部源流・4泊5日の山旅(その2)

黒部源流・4泊5日の山旅(その3)へ続く
                                          

  by rollingwest | 2008-08-24 17:47 | Comments(12)

<2008年8月20~24日>北アルプス「黒部源流」4泊5日の山旅(その2)

                                  黒部源流・4泊5日の山旅(その1)から続く



★奥深き北アルプスの大展望・「雲ノ平」:(3日目)

さて本日はメインイベント!北アルプスの秘境最深部を訪ねる時が来ました。どんなに厳しい風雨の山行であっても、今日さえ晴れてくれればいいのです。その切望が通じたのか、朝目覚めたら(前日は飲みすぎ)外は雲一つない大快晴日!心躍るような気持ちで外に飛び出していきました。


   ...小屋の外を見れば雲一つない最高の日和!期待感に胸が膨らむ黎明の稜線(Y氏提供).....
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   ....前日豪雨の溜まり池は快晴青空に映えて鏡の如く美しい!丘の上は「雲ノ平山荘」.....
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雲ノ平」は周辺を数々の名峰に囲まれた天上の山岳庭園です。その名の通り雲中の高層平原で、4km四方に湿原が広がる瑞々しい台地です。その山の端からいよいよ朝日が出てきました!
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      ....(左)ついに日の出!真っ青な空に輝く朝日の強烈な光が眩しく嬉しい!.....
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前日まで降り続いた雨は、木道・花々の雫となって残り、ダイヤモンドのように輝いています。
あちらこちらに見える溜まり水や池塘は、真っ青な空を映す手鏡となって散りばめられていました。

....(左)花枯れ「チングルマ」雨露が光る。(右)透明度100%池塘に青空が映える(Y氏提供).....c0119160_5505376.jpgc0119160_5511480.jpg

チングルマ写真↑をクリックすると拡大で水滴がよく見えますよ。

....(左)雲ノ平の中心「スイス庭園」「祖父ケ岳」に向かう (右)「祖父ケ岳」上空を飛ぶヘリコプター.....
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今度は北アルプス名峰群が一挙に俯瞰できる大展望スポット「スイス庭園」と「祖父岳」をめざしていきます。長く続く木道を行けば、右に「黒部五郎岳」と「笠ケ岳」が見えてきた!「笠ケ岳」は先月に登ったばかり、編笠のような悠然な山でしたが、こちらから見ると突起が鋭い形をしているなあ・・。

....(左)雲ノ平の名峰「黒部五郎岳」(ここも巨大圏谷を擁す) (右)先月に登った名峰「笠ヶ岳」.....
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      ....「スイス庭園」の木道を行く。「水晶岳」(別名:黒岳)が朝日の中で雄大に鎮座.....
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おおっ!2年前に縦走した「水晶岳」「赤牛岳」の長大な稜線も間近かに迫ってきた。2名峰は日本で最もアプローチの長い踏破が困難な山、あの時の苦しい山行思い出も今となっては懐かしい。

....背後彼方には、2年前夏に踏破した「赤牛岳」(往復26時間かかる日本一遠い山)が遠望.....c0119160_61978.gif
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....(左)言葉に表せぬ程の究極ブルースカイ!(Y氏・提供) (右)庭園周辺を鎮護する遥か岩峰.....c0119160_635194.jpg






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「スイス庭園」へ来ると美しい池塘の数はさらに増え、目前に座する「赤牛・水晶」とのコントラストは実に見事~!さらに進むと今度は「薬師岳」が現れ、あらためてこの山体の大きさ圧倒されます。
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   ....美しい池塘が点在する「スイス庭園」からの大展望!(左:「赤牛岳」・右「水晶岳」).....c0119160_212598.jpg


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    ....「祖父岳」頂上に登り詰めていく展望木道!「水晶岳」の重厚な山容が実に雄大!.....
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「雲ノ平」の真ん中にある「祖父岳」山頂につい到着、「オオ~ッ!何も言えねエ・・」、雲ノ平を取り巻く黒部源流の山々が360度の大展望!鋭い穂先で天を突く名峰「槍ヶ岳」はやはり華がある!
2年前2回登った「鷲羽岳」はボリューム感溢れ貫禄を見せている。大満足のケルン群・頂上でした。

        ....「祖父岳」頂上に到着!食山人氏と2人で北アルプスの大パノラマを満喫.....
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     ...北アルプス名峰群の雄姿が一望、大感動!(左)ワリモ岳 (中)鷲羽岳 (右)槍ヶ岳.....


「祖父岳」をピストン登頂して満喫「した後は、雲ノ平山荘」に再び折り返します。途中、「祖父庭園」では「オコジョ」を発見!日本で一番高い所に棲家を持つイタチですが、その動きの素早いこと・・。
今まで何度か写真撮影を試みましたが毎回失敗。ピンボケながらやっとカメラに収められた。(笑)

....(左)「オコジョ」は超すばしっこい動きで撮影に苦労する。 (右)「雲ノ平山荘」よ、いざサラバ!.....c0119160_2130041.jpg









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「祖父岳」に対し「祖母岳」という展望丘もあり、ここを経由してもう一つのメインスポット「高天原温泉」に向かいます。ついに「雲ノ平」ともお別れ・・、19才の時ここを訪れましたが肩に食い込む重い荷物で息も絶え絶え、じっくりと絶景を味わう余裕はありませんでした。今回は本当によかったなア!

 
  ....「祖母岳・アルプス庭園」で再び「雲ノ平」の雄大さを実感!遠くには「槍ヶ岳」の穂先が!.....
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 ....「薬師岳」の全貌を眺めながら、「雲ノ平」を後にする。やはり薬師はドデカイ山だなあ・・!.....
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「高天原峠」への道は北ア奥秘境に北上するルートなので、「水晶」「赤牛」「薬師」の巨大3名峰が更に大きい圧倒感で徐々に迫ってくる。これらを下から見上げる縦走はこれが生涯最後かな・・。


                                  黒部源流・4泊5日の山旅(その3)                  
                                  黒部源流・4泊5日の山旅(その4)に続く

  by rollingwest | 2008-08-22 20:58 | Comments(23)

<2008年8月20~24日>北アルプス「黒部源流」4泊5日の山旅(その3)

                                    黒部源流・4泊5日の山旅(その1)

                                    黒部源流・4泊5日の山旅(その2)から続く



★秘境「竜晶池」と日本一遠い秘湯「高天原温泉」:(3日目)


今回の憧憬目的地は3ケ所、目指す最後のスポットは秘境「高天原温泉」です。ここを目指す道は
今まで歩いた北アルプスの中で一番懐の深い静かな雰囲気を味わうことができました。(大満足)

....「高天原峠」を目指す。日本一遠い山「赤牛岳」は、本当に臥牛の背に似た雄大な脊梁山.....
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....(左)「岩苔小谷」の出合、清流を渡る。(右) 「高天原湿原」から、遠く雄大な「薬師岳」を望む.....c0119160_917590.jpgc0119160_918256.jpg

「高天原峠」ルートは奥深い名峰を近くに仰ぎながら歩いた夢のような道でした。多分、こんなにもダイナミックで瑞々しく雰囲気のある自然は世界中でも指折り数える程なのではないでしょうか。
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日本の山は、険しい山稜や残雪・池塘・湿原に溢れた癒し景観、多彩な花々、豊富な温泉等、実にバリエーションに溢れており、これ程の自然を簡単・快適に味わえる国民は世界的に稀有なのです。
韓国登山者もいましたが、高山の少ない韓国にとって日本の山は本当に魅力的憧れのようです。


....秘境中の秘境「夢ノ平」に到着、まさに夢のような「竜晶池」、♪森と泉に~囲まれて~♪.....
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「高天原温泉」の更に奥には「夢ノ平」という所があり秘境中の秘池があるのです。ここまで足を踏み入れる人は殆どおらず、そこは正に深山・夢の「竜晶池」が存在していました。澄んだ湖面には昔どこでも見られた塩辛トンボや糸トンボの繁殖場所。実に懐かしい光景に出会うことができた~!


 ....(左)「竜晶池」の畔に立てば奥深い静けさを堪能できる。 (右)池には沢山のトンボが繁殖.....c0119160_22324437.jpgc0119160_5385090.jpg


さて秘境池探訪の後は本日のメインイベント~、「高天原温泉」に身を浸る瞬間がついに到来!
日本全国・秘湯ブームですが正真正銘の秘湯はこの場所、「日本一遠い秘境の温泉」なのです。
混浴・女性専用・岩場露天と揃っている!混浴湯はちょっと熱かったけれど白濁のいい湯でした。

....日本一遠い温泉「高天原温泉」、何せ片道で2日間も要する最奥秘湯だ!(岳人の憧れ).....c0119160_541258.gif
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....沢沿いの露天小屋、天然の露岩風呂もある!本望達成で喜びに溢れる食山人氏・Y氏.....c0119160_647015.jpg
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「高天原山荘」は天井も床も歪んでおり多くの鉄柱が屋根を支えていました。やはり豪雪の重みでこのような姿になったのでしょう。やや恐怖感はありしも実に風情ある素晴らしい山小屋ですな~
ランプに照らされた雰囲気ある食堂、品数多い豪華夕食。ここも日本山岳遺産に指定したいね~!

....今にも倒れそう!建物が歪んだ「高天原山荘」、豪雪の重みに耐え続けた歴史を感じる。.....c0119160_5485571.jpgc0119160_5491382.jpg

3日目は「雲ノ平・天上楽園」「祖父岳から北アルプス大絶景」「夢の平・竜晶池」「高天原温泉」、
「あ~何と充実した快晴日だったのだろう!この濃縮の満足・充実感は一生自分の脳裏に刻まれるなア~!」と自己満足に浸りながら心地よく深い眠りに落ちていくのでありました。コロン、グ~(鼾)
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★雨中行軍、「黒部川源流」を通過:(4日目)

4日目は「高天原温泉」から岩苔乗越経由で「三俣蓮華」(北アルプスの三叉路交差点)を通過し、「双六小屋」に向かうルート。多くの登山者で賑わう銀座の街並に戻っていくというイメージかな。
「禍福は糾える縄の如し」・・・、前日の青空は一転、再び朝から大荒れの天気です。5時半出発!
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日本一険しい「黒部峡谷」は「黒部川」の激流が彫刻したものであり、ダム堤の高さ日本一を誇る「黒部ダム」の豊富な水源もこの川から供給されているのです。その激流・最初の一滴が発せられる場所(黒部源流)を通過することくらいが本日コースのメイン行事でしょうか。(一日中雨だし・・)

...(左)「黒部源流」の全体鳥瞰写真(ウィキペディアより) (右)黒部源流の源頭部は増水状態.....c0119160_6182839.jpgc0119160_61844100.jpg

その場所は名峰「鷲羽岳」の西側斜面にありました。立派な石標が立てられており「黒部川水源地標」との銘が彫られています。最初の一滴の筈ですが、その水源上部からゴーゴーと水が流れてきている・・。本来の源流はチョロチョロとした水源なのに・・、シャ-ないねえ、今日は大雨なんだから(笑) 
                           
....「鷲羽岳」の斜面途中には「黒部川の源流」が存在する。「水源地」を表示する石標がある。.....c0119160_6224276.gifc0119160_623177.jpg
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「三俣蓮華」(富山・長野・岐阜の県境)を通過し雨中行軍は続きます。双六方面に向かう道は巻道ルートを選択しましたが登りがきつく異常に長い。途中で綺麗なお花畑にも遭遇しますが雨の中では花を楽しむ余裕もありません。最後は双六岳斜面での猛風吹き晒し、これには参った・・(泣)
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....再び風雨苦行登山、本来「鷲羽岳」勇姿を一望できた筈なのに・・(右は2年前撮影した鷲羽).....c0119160_6263135.jpgc0119160_9212816.jpg



★「双六小屋」での無料コンサート、そしてフィナーレ:(4~5日目)

双六小屋」に昼前に到着、強風雨に晒された全身は再びズブ濡れ状態。着替えを済ませ寝床も確保しやっとユックリ落ち着きました。カップヌードルを啜りながらビールで乾杯!この瞬間が堪らない~c0119160_6542132.jpgc0119160_6544955.gif
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最近の北アルプスの小屋は実に贅沢・豪華になりました。特にこの「双六小屋」はスゴイ!グラスの表面が凍った「生ビール」(ミニタンクサーバ)が飲めます。夕食後は無料コンサートもあるんだって!c0119160_659677.gif
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「焼肉バイキングで食べ放~題♪ヨーロレイ、レイレイヒ~♪」この唄を聴いたことはありませんか?「ヨーデル焼肉食べ放題」、関西出身「リピート山中」さん(桂米朝所属)の曲です。この方は山を愛するシンガーソングライター(サッポロ黒生CMも)で、色々な山小屋に出没し無料で宿泊客に歌を披露してくれます。

....「双六小屋」で楽しい無料コンサートを披露してくれたコメディシンガー「リピート山中」さん。.....
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基本はお笑い系なのでコミカルな持ち歌が多いようですが、「上を向いて歩こう」「神田川」等も登場。
感動的な「加藤文太郎のうた」は涙を誘う名曲だったなあ・・。伝説の昭和初期の単独行登山家(新田次郎著「孤高の人」)と同郷の山中さん、山でこの曲を歌うと加藤の魂を近くに感ずるとの事

     リンク:「リピート山中」HP
               
    「ヨーデル焼肉食べ放題」ユーチューブを押せば曲が聴けます。


 ....7月の笠ケ岳・下山道と同ルートで帰る。途中のロッジ・露天風呂に浸かり疲れを癒してフィナーレ.....c0119160_729087.jpgc0119160_7291649.jpgc0119160_7293627.jpg

最終日も雨中の下山。笠ケ岳と同様、「小池新道」「わさび平小屋」「左俣林道」経由。この道は本当に飽きるほど長~い。終点・新穂高温泉に向かう下山道途中の露天風呂5日間の疲れと汗を流し、「実に素晴らしい山旅だったなあ・・」と湯の中で数々の思い出を改めて噛み締め直しました。
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しかし「終りよければ全てよし・・」という締め括りになる筈が、またも運は一転。帰路は松本行きのバスが一時不通(交通事故の影響)で2時間遅れになってしまいました。食山人さんは更に不運、東京駅に着いたら東海道豪雨でJR不通、沼津自宅に帰れたのは夜中3時過ぎになったとのこと。c0119160_7341841.gifc0119160_7343234.gifc0119160_735159.gifc0119160_7353083.gif

でもこのお盆は各地で雷雨や山の事故多発だったので、無事に帰れたことに感謝しなきゃね(笑)



★おわりに

最後に、5日間縦走で今回辿ったルートを山岳地図であらためて紹介いたしましょう。(下記参照)
コース日程の6割が風雨に祟られて結構ハードな歩きでしたが、「薬師岳」「雲ノ平」「高天原温泉」の憧憬メインスポットは快晴に恵まれたので、味わう感動は大きく実に素晴らしい山旅でした。


 ...大縦走で辿った「北ア・黒部源流」のコース全体図(アルプス恋歌さんの了解を得て一部加工).....
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最後も雨や交通機関トラブルで「有終の美」ではなかったものの、運気の上下が激しいジェットコースターの如く実に面白い5日間でしたね。まさに「禍福は糾える縄の如し」「人生常に塞翁が馬」・・という感じかな(笑)無事帰還できたことが正に「有終の美」と言えましょう・・。(kamisan nimo kansya!)
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北アルプス初体験」から数えて31年、もう歳を重ねてしまい30kg荷物を背負って歩く体力・気力はありません。当時の1/3程度の荷物でこんな奥深い大自然を満喫できるのも交通手段の発達・山小屋の充実・装備食糧の進歩等のお蔭、便利な時代になって実にありがたいことです。そして北アルプスが真に秘境・未開地だった時代に命縣けで山を切り開いた先人達の御努力感謝

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                                                     (おわり)


                                 黒部源流・4泊5日の山旅(その4)へ続く

  by rollingwest | 2008-08-20 04:57 | Comments(24)

<2008年8月20~24日>「黒部源流の山」で出会った花々(黒部源流:その4)

黒部源流・4泊5日の山旅(その1)

黒部源流・4泊5日の山旅(その2)

黒部源流・4泊5日の山旅(その3)より続く
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最後に、「黒部源流の薬師・雲ノ平・高天原」縦走路で出会った数々の高山植物を紹介して、
このコーナーを閉じたいと思います。(長文へのお付き合い、ありがとうございました。)
毎回、花の名前特定にあたってご指南・ご協力いただける師匠には「感謝」の一言です!


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各写真をクリックすると、拡大写真で花の様子がよく見えます。
一番下には、スライドショーで見られるリンクを貼り付けましたのでクリックでお楽しみ下さい。

 

タカネヤハズハハコ(キク科)   ノアザミ(キク科)       シナノオトギリ(オトギリソウ科)c0119160_14274712.jpgc0119160_14304342.jpgc0119160_14314759.jpg
高嶺矢筈母子:雌雄異株の珍種  野薊:タンポポ状の形、棘あり  信濃弟切:雄シベが数本集合



 ハナビゼキショウ(イグサ科)   オヤマリンドウ(リンドウ科)      オンタデ(タデ科)
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花火石菖:山湿地に生える多年草 御山竜胆:日本固有高山種 御蓼:砂礫地に生え地下茎深い



    ウサギギク(キク科)        ヤマハハコ(キク科)     ベニバナイチゴ(バラ科)
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兎菊:葉形が兎の耳のよう 山母子:母子草に似た高山植物 紅花苺:渓流沿に生える落葉低木



  オオシラビソ(マツ科)     ハナビゼキショウ(イグサ科)     アキノキリンソウ(キク科)c0119160_14431847.jpgc0119160_1445448.jpgc0119160_1446778.jpg
大白檜曾:青黒い実が巨大 花火石菖:線香花火が燃える如く 秋の麒麟草:日当いい所に自生



エゾシオガマ(ゴマノハグサ科)   タテヤマリンドウ(リンドウ科)     オオバタケシマラン(ユリ科)
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蝦夷塩竈:雪田に生え40cmにも 立山竜胆:高層湿原に幾何学形 大葉竹縞蘭:赤い実が派手



  花枯チングルマ(バラ科)       クルマユリ(ユリ科)       ミヤママコナ(ゴマノハグサ科)c0119160_14563873.jpgc0119160_14572124.jpgc0119160_14581833.jpg
稚児車:枯れると正にこの形  車百合:葉が茎に輪生する  深山飯子菜:花冠下唇は横に拡張



  ツチアケビ(ラン科)         ゴマナ(キク科)          ハクサンフウロ(フクロソウ科) c0119160_14592862.jpg
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土木通:腐生ラン・寄生植物  胡麻菜:白い菊状の花が沢山  白山風露:5裂の花に毛がある



  ハクサンイチゲ(キンポウゲ科)      チシマギキョウ(キキョウ科)     ウサギギク (キク科)c0119160_154588.jpgc0119160_155092.jpgc0119160_1555911.jpg
白山一華:消雪後に一面群生 千島桔梗:岩礫地に生える 兎菊:向日葵状の花(ハーブの一種)



 ゴゼンタチバナ(ミズキ科)    オオレイジンソウ(キンポウゲ科)    カラマツソウ(キンポウゲ科)c0119160_1564622.jpgc0119160_1573523.jpgc0119160_1581538.jpg
御前橘:楕円形の葉が車輪状 大麗人草:雅楽人が被る冠が由来 唐松草:葉には鋭い鋸歯


最後にもう一回「花枯れのチングルマ」、雨上がりの雲ノ平、青空の下で輝く雨露が綺麗だった!
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     ※来年はどこの素晴らしい山の高山植物を紹介できるか、こちらも実に楽しみです。
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ここをクリックするとスライドショーが見れます⇒ 「黒部源流の山で出会った花々」スライドショー
  

  by rollingwest | 2008-08-19 18:11 | Comments(19)

<2008年7月26~27日>「笠ヶ岳」より「槍・穂高連峰」を望む(その1) 


★念願の笠ケ岳登山が実現

笠ヶ岳」(2897m)は北アルプスの中では、主峰群からやや外れた位置(岐阜県新穂高温泉近く)に鎮座しており、文字通り「編み笠」を伏せたような姿をしています。なだらかな稜線上にポッカリ突き出た丸いお椀型の隆起が特徴的で、北は立山連峰・南は御嶽山からでもよく目立つ名峰です。

     .....日本百名山「笠ケ岳」の全景パノラマ、笠の名にふさわしい形とゆったりとした山容....
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山の北側は槍ヶ岳西鎌尾根と双六岳を結ぶ東西稜線上の「樅沢岳」に至り、南側は岩峰の様相で「錫杖岳」(日本有数のロック・クライミングルートの山)に連なっています。蒲田川の源流を挟んで「槍穂高連峰」と対峙するこの山は、地味ながらも「俺も名峰だ!」と強く自己主張している感じ。

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槍穂高や裏銀座を歩いた時に常に眼前に迫る「笠ヶ岳」には憧れていましたが、独立的な場所にあるため縦走途中では気軽に立ち寄れず、登りも結構厳しそうなので何となく敬遠していました。
嬉しいことに今回7月26~27日でFツアーの案内が入り、やっと念願が叶うこととなりにけり。


    .....「笠新道」登山口にて。いよいよ登山開始、期待に胸を膨らますN松さんとN沢さん.....
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金曜日夜・出発の夜行バスは山好きメンバー13名を乗せ、岐阜県側の新穂高温泉に翌朝到着。約1時間程歩くと「笠新道」登山口の標識、ここから登り始めます。天候はやや不安定で曇り状態。
この山行は果たして天候に恵まれるのだろうか。期待薄な状態のまま1日目の苦難の始まり~。


      .....登山途中に何度も雷鳥親子の姿を見つける。人を恐れない生きた化石だね~.....c0119160_10261769.jpgc0119160_10255868.jpgc0119160_10264071.jpg



★日本三大急登:「笠新道」


笠ケ岳に直登する「笠新道」は「日本三大急登」(また三大かい・・!)に称される辛~い登山道。
「日本三大急登」とは、①ブナ立尾根(烏帽子岳)②黒戸尾根(甲斐駒ケ岳)③西黒尾根(谷川岳)と一般的に云われますが、「笠新道」が西黒尾根に替わって3つ目になる説も有力なようです。 

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     (いずれにしても、これでこの4つの尾根を全て登ることができて、自己満足~!)

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北アルプス三大急登」というのもあって、「笠新道」は他4つの有名尾根道⇒ブナ立尾根(烏帽子岳)・合戦尾根(燕岳)・早月尾根(剣岳)・赤岩尾根(鹿島槍)と、その座を争っているらしい・・・。
常に次点候補ですが、やはりその名に違わず最初から登りがず~っと続くハードな山道でした。


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杓子平」高原が途中の第1ポイント、第2ポイントは稜線に出て「抜戸岳」(昼食)、ここに来るまで皆はヘトヘトに近い状態。さすが三大急登・タフなコースです。1日目の天候はガスがかかってパノラマには恵まれませんでしたが、この道を炎天下の中で登っていたらもっと辛かったのに違いない。

 .....雷鳥はガスが出るとハイ松から出て活発に活動する。右写真はT橋氏よりお借りしました。.....
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14時前に「笠ケ岳山荘」に到着して宿泊手続きをして、空身ピストンで頂上に立ち、集合写真!
山小屋前の休憩所で座になってミニ宴会。焼いたエイヒレやウルメイワシが旨かった。ゴチソウサマ。
翌日の天気は雨予報でしたが、夕方には槍・穂高連峰のガスも晴れて期待を持って早めに就寝。

   ...(左)笠ケ岳山荘から望む笠の頂上 (右)笠ケ岳の頂上で皆揃って集合写真(K山氏提供).....
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★槍・穂高連峰からの御来光

      ...夜明け前の槍・穂高連峰、実に雄大なシルエット(中心の窪んだ所は大キレット).....
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翌朝は期待通り、素晴らしい御来光を迎えました!目の前に広がる雄大な槍ケ岳~穂高連峰の大パノラマが一望!「槍ケ岳」左側に落ち込んでいる北鎌尾根の尖鋭な岩峰群から、御来光が徐々に輝き出す神々しい光景。今回の山旅のクライマックス!皆が暫く呆然と見とれていました。

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槍ケ岳」の天を突き上げる鋭鋒姿はどの方向から見ても力強さと美しさに溢れます。北アルプス初体験は19歳でしたが、生まれて初めて「槍」(雲の平~三又蓮華からの裏シルエット)を見た時の感動は忘れられません。表側涸沢から見る槍頂上景色と比べると「裏槍」は少し太めの印象。
大きな槍頂上の左側に見えるのが「小槍」です。「♪アルプス1万尺~、小槍の上で~♪」・・。

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  ....(上)「槍ヶ岳」上空からの暁光シャワー (下)岩の殿堂「穂高連峰」、右には「ジャンダルム」も屹立...
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小生ブログ左上には、裏銀座・鷲羽岳からの「槍ヶ岳」写真を象徴的に常時表示していますが、「鷲羽池越しに見た槍ヶ岳姿」は生涯最高の景観です!この静謐池に降りるのもオススメですよ。

            .....(06年8月に鷲羽岳から望んだ秘塘・鷲羽池越しの槍ヶ岳).... 
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「笠ヶ岳」より「槍・穂高連峰」を望む(その2)
に続く

  by rollingwest | 2008-07-31 10:15 | Comments(16)

<2008年7月26~27日>「笠ヶ岳」より「槍・穂高連峰」を望む(その2) 

↓(その1)より続く   (⇒今回、新規に完成した記事です。)


★笠ケ岳・再興、槍ケ岳・開山の「播隆上人」


日本で最も有名な山の一つ「槍ヶ岳」・・「あの天を突く尖鋭峰に初登攀したのは誰か?」と問えば大抵の人は「ウォルター・ウェストン」(日本アルプスの命名者)と答えるかもしれません。正解は「播隆上人」という江戸時代後期の浄土宗僧侶であり1828年頂上に登って祠を建立しています。


  ....(左)日本アルプスを探検したウエストンのレリーフ(上高地) (右)「播隆上人像」(JR松本駅前)....c0119160_11324784.jpg
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有名な山岳小説家「新田次郎」の著書に「槍ヶ岳開山」がありますが、「播隆上人」の物語が描かれています。今から30年程前、この小説を読みましたが名作「孤高の人」に匹敵する面白さです。
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笠ヶ岳」は飛騨・美濃に多く残される木彫りの円空仏で有名な「円空上人」が開山したのですが、「播隆上人」がこの麓に住んでいた頃は久しく荒廃状態だったそうです。この山を再興させるため登山道完成・一里毎の石仏設置・頂上への阿弥陀仏安置など「播隆」は多くの功績を残しました。


    ....(右)「槍ヶ岳」の登山道脇にある「播隆窟」、53日間も篭って修行した岩窟....c0119160_932725.jpg
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「播隆」が初めて「笠ヶ岳頂上」に立った時、天空を裂くが如く遠方にそそり立つ三角鋭鋒が目に入り、彼の心は大きく揺さぶられます。その鋭峰こそが「槍ケ岳」。この憧憬の山に何度も挑戦して、53日間も岩窟に篭って修行、遂に頂上の祠を設置して開山本願を成就することができたのです。


   ....(左)「槍ヶ岳・黎明」北鎌尾根からの日の出   (右)穂高連峰上空に輝く朝雲....c0119160_1129916.jpg




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小説では、「播隆」が笠ヶ岳頂上で「如来の御来迎」という奇跡に遭遇する場面が描かれています。これは「ブロッケン」が現れたもので、太陽光が背後からさしこみ影側にある雲・霧がスクリーンとなり遠方にある自分の影が虹色光輪の中に映る自然現象。(普段滅多に見ることはできません)

    .....ブロッケン現象(インターネットで公開されているものをお借りしました。) ....
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「ブロッケン現象」の遭遇は過去2~3回経験ありますが、やはり不思議な気持ちになったもの・・。
単独で頂上へ阿弥陀仏を担ぎ上げた「播隆」は、この体験をして「笠ヶ岳」や「槍ヶ岳」がますます神々しい特別な山に見えたことでしょう。まさに本小説におけるクライマックスシーンでありました。


                      
★笠ヶ岳を後にしてパノラマ下山


雨予報の不安も吹っ飛び、2日目は絶好のパノラマウォークとなりました。遠方俯瞰からの笠ヶ岳・山容もやっと目にすることができ、改めて名山であることを実感!まさに名は体を表わすなあ・・。

   ....(左)「笠ヶ岳」の雄姿!なだらかな美しい稜線はまさに「編み笠」の姿にそっくり....
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今日の縦走は笠ケ岳・北稜線を北上し、抜戸岳・弓折岳を経て鏡平に降りていくコース。絶景を楽しみながら高度を徐々に下げていく歩きで、急登に苦しんだ前日に比べると何と天国の様な日か!
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    ....翌日は迫力ある稜線が目の前に広がる!「秩父岩」を通過して「弓折岳」へ向かう。....
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秩父岩を降りる雪渓は急激に谷底へ落ち込んでいくようなスリル感があり、実におもしろかった!
奇岩に囲まれた谷間は大きな雪渓が残り、あちらこちらにお花畑も点在して天国のような場所。

         ....「秩父平」に降りていく急雪渓。遠方には尖鋭な奇岩が迫る。....c0119160_11325359.jpgc0119160_20282798.jpg
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気持ちいい稜線を歩き切るとやがて「弓折岳」に到着。双六岳へ向かう北稜線と、鏡平へ降りていく分岐ポイントです。ここで一服休憩、稜線パノラマを名残惜しく眺望すると遥かに鷲羽岳・三俣蓮華岳・黒部五郎岳など、裏銀座・雲ノ平方面の山々が望まれます。そして真下には鏡池が光る・・。


         ....「弓折岳」に到着して一服休憩、さ~てあとは下るだけだ~(笑)....
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      ....(左)「鏡平」に到着、    (右)2年前にここで見た「鏡池」に映る「槍・穂高」の絶景....c0119160_20344180.jpgc0119160_203622.jpg

今日はガスっており「槍・穂高」の池の雄姿を見られませんでしたが、2年前に撮った上記写真で雰囲気を味わって下さい。「鏡池に映る穂高」・・、あまりの美しさに暫し呆然と佇んだ過日の光景↑
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鏡平~弓折尾根を下る「小池新道」は花崗岩が平らに敷かれ、実に歩き易い道。テンポよく降りていくと「秩父沢」という開けた渓谷に出ます。雪渓の爽快風が山から吹き抜けて来て実に涼しい!
プシュッ!と缶を開けビールを喉に流し込む爽快感!今までの苦労はこの極楽瞬間を味わうためだ。

  ....(左)「秩父沢」で昼食、ひんやりした風が実に気持ちいい(右)最後はダラダラと長~い林道....c0119160_20383026.jpg















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新穂高温泉に至る「左俣林道」は飽きるほど長~い道のり。「わさび平小屋」を過ぎたあたりから雲行きが怪しくなり、雷鳴も聞こえてついに大雨が降り出してきました。全国各地で集中豪雨被害が発生したこの週末、山縦走ではパノラマに恵まれ、雨が下山後とは実にラッキーなことでした。

...(左)「わさび平小屋」脇で、大木に咲く「ツル紫陽花」に遭遇 (右)長い山道もいよいよ終点へ...c0119160_203956100.jpgc0119160_20403297.jpg


ついに終点・新穂高温泉に到着。奥飛騨・栃尾温泉へバスで移動し、公共露天風呂で汗を流しました。この時は雷鳴が轟くシャワー雨中での露天!なかなか味わえない楽しい経験だったなあ・・
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     ....奥飛騨の栃尾温泉には、寸志200円で入れる露天風呂「荒神の湯」が。(実に広い)....
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日本百名山「笠ケ岳」・・・、アプローチはきつかったけれど実に歩き甲斐があるいい山でした。目前に槍穂高連峰を望む絶好の展望台。自身の姿も美しく、周辺光景も爽やかで花の種類も豊富!
次回、北アルプスの山から「笠」の姿を見つけた時、今迄とは違う感慨をもって眺めることでしょう。
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                                                    おわり

<今回登山ルートの概念図>  

    ①赤い印が笠新道登山口で、抜戸岳への稜線が急登ルートです。
    ②稜線から頂上を極めて笠ケ岳山荘へ宿泊、翌朝ご来光を見て弓折岳までの縦走
    ③下山は、鏡平山荘~ワサビ平小屋~新穂高温泉のルートでした。
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                       ↑(詳細を見るにはクリックして拡大図でご覧下さい)

  by rollingwest | 2008-07-30 06:28 | Comments(16)

<2008年7月26~27日>「笠ケ岳」で出会った花々 (笠ケ岳:その3)

笠ケ岳(1~2)が完成して赤塚記事の下↓↓に公開済みですが、(その3)として笠ケ岳で出会った数々の高山植物を紹介いたします一番下をクリックするとスライドショーでも見られますよ~!

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★北アルプス・笠ケ岳の夏は高山植物の宝庫!


盛夏北アルプスはさすが花の宝庫!花に関して平地では全くノーカン・ローリングウエストです。
しかし何故か山ではバシャバシャと高山植物写真を撮り捲くってしまいます。基本的に私は山の花の知識・造詣はありませんが、でも改めてレビュー・勉強してみるとその素晴らしさがよくわかります。


    ニッコウキスゲ(ユリ科)     ハクサンシャクナゲ(ツツジ科)    ハクサンチドリ(ラン科)c0119160_10344985.jpgc0119160_10351616.jpgc0119160_10353564.jpg
日光黄萓:草原・湿原の代表黄花  白山石楠花:高山常緑低木    白山千鳥:ランの如く高貴



             チングルマ(バラ科)                ハクサンフウロ(フクロソウ科)c0119160_10463310.jpgc0119160_10464650.jpgc0119160_10472242.jpg
稚児車:名の由来は枯花が稚児用の風車に似ているため   白山風露:5裂の花には毛がある 



             ヒメサユリ(ユリ科)                 クルマユリ(ユリ科)
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 姫小百合:可憐な早咲きのユリという意味           車百合:葉が茎に輪生から由来 


  カラマツソウ(キンポウゲ科)      ミヤマトリカブト(キンポウゲ゙科)  ハナヒョウタンボク(スイカズラ科)c0119160_13382528.jpgc0119160_13385648.jpgc0119160_1339108.jpg
 唐松草:葉には鋭い鋸歯    深山鳥兜:毒草で有名  花瓢箪木:氷河期を生き抜いたスイカズラ



      ハクサンイチゲ(キンポウゲ科)               ショウジョウバカマ(ユリ科)
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白山一華:代表的な高山植物、消雪後に一面群生   猩々袴:奇猿の赤顔と袴状の葉が由来名


       キンバイソウ(キンポウゲ科)            コイワカガミ(イワウメ科)
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     金梅草:高山帯の多年草            小岩鏡:花の光沢が鏡を連想



  スカシユリの蕾(ユリ科)    タカネヤハズハハコ(キク科)  タカネシオガマ(ゴマノハグサ科)c0119160_140185.jpgc0119160_1401355.jpgc0119160_1403387.jpg
透百合:花弁間が透けたユリ 高嶺矢筈母子:雌雄異株の珍種 高嶺塩釜:一度の開花で枯れる



    ゴゼンタチバナ(ミズキ科)        タニウツギ(スイカズラ科)    アキノキリンソウ(キク科)c0119160_144375.jpgc0119160_1445277.jpgc0119160_145834.jpg
御前橘:6枚の葉が可憐  谷空木:山野自生の落葉低木 秋の麒麟草:日当りいい山野に自生



    ゼンマイとキヌガサソウ    キヌガサソウ(ユリ科)         オオバギボウシ(ユリ科)c0119160_14102468.jpgc0119160_14103765.jpgc0119160_14104834.jpg
薇:新芽は渦巻き 衣笠草:葉が咲く如く、エンレイソウに似る  大葉擬宝珠:橋欄干のギボシに似る



    ホタルブクロ(キキョウ科)        オオバキスミレ(スミレ科)    ウバユリ(ユリ科)c0119160_14163032.jpgc0119160_1416428.jpgc0119160_1416554.jpg
蛍袋:釣り鐘状花が特徴的  大葉黄菫:低山に生えるスミレ 姥百合:湿った林内に生える多年草


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そりゃ~確かに平地植物園の花の方が豊富で華麗に決まってる。でも山中だと地味な花でも希求感があってつい調べてしまう。今年の山は残雪が多く、お盆過ぎの北アルプスも花宝庫の予感!


                                                     おわり


                          
◆下記をクリックするとスラードショーでご覧になれます。
   オリジナルボタンを押すと、花々たちが万華鏡のように華やかに鮮やかに登場しますよ~!
                         
                    「笠ケ岳で出会った花々」:スライドショー



   (注);この記事は1週間後に笠ケ岳(その2)の下に移動させる予定です。

  by rollingwest | 2008-07-25 10:11 | Comments(13)