<2016年8月20日>「シン・ゴジラ」鑑賞&「大ゴジラ特撮王国」(横浜展)


★「シンゴジラ」鑑賞!(RW評価・感想)
2014年米国映画「GODZILLA」(ゴジラ誕生60周年)の世界的な大ヒットを受け、本家本元の東宝が初代「ゴジラ」(1954)に負けない恐怖怪獣映画を作ろうと立ち上がり、ついに完成した「シン・ゴジラ」!先日鑑賞してきましたが、8月末時点で興行記録は50億円近く2014ハリウッド版(最終興収32億円)をアッサリ上回り、これから世界配信が始まれば未曾有の大ヒット記録を達成するかもしれない!
....2016年夏・公開の「シンゴジラ」は高評価!ゴジラ映画史上最大ヒット作を間違いなく達成....

「新世紀エヴァンゲリオン」を手掛けた庵野秀明が総監督、樋口真嗣が特技監督の映画。「シン」には新生・真の恐怖怪獣・神の化身・濃厚(thin)の意味が込められているのかも・・。そして我が街・川崎(武蔵小杉・丸子橋周辺)が自衛隊との戦闘シーン場所となっており、興味深々で観に行きました。
.....「シン・ゴジラ」川崎上陸、多摩川・丸子橋へ!今、破壊されている場所が我が家の辺り...

.....(左)武蔵小杉(川崎)の超高層マンション群へ接近 (右)自衛隊ヘリが続々と出動...



RWは今も尚、ゴジラ映画最高傑作は初代「ゴジラ」(1954)だと思います。モノクロで迫りくる不気味な未知の怪獣、逃げ惑う人々の恐怖に慄くパニック光景、被害者が次々に運ばれる野戦病院の様な悲惨さ、平和を祈り女子学生達が歌う姿、人間が真剣に大怪獣に立ち向かうプロセス、リアリティ溢れる映像描写と水爆実験へのアンチテーゼが込められた永遠の大作です。過去10回は鑑賞したなア・・
.....初代「ゴジラ」(1954)の凄さは、リアリティとメッセージ。白黒映画の表現もさらなる恐怖が増大...

新ゴジラは上陸後、急激な進化・成長して次々変化するという設定が面白い。最初は深海魚の様な生物が現れ「ゴジラと対決する怪獣か?」と思いきや実はゴジラの初期姿!ドンドン進化を遂げ最終は二足歩行の120mモンスターになるのです。さすが庵野秀明監督!不気味な姿の表現は秀逸!
.....新ゴジラは日本上陸後にドンドン姿を変えて急激進化、「神ゴジラ」へと成長を続けていく...





今回映画の素晴しさは、国民がパニックに陥り迫り来る危機をいかに乗り越え打開策を講ずるか?そのプロセスが細かくリアリティ重視で表現され、また津波の如く破壊される映像描写の迫力が物凄いこと・・。瓦礫で茫然とする姿はまさに東日本大震災と原発事故が完全にモチーフとなっています。
....東京湾に再潜伏した「シンゴジラ」は超巨大な姿となって鎌倉に上陸、川崎方向へと進む...




過去ゴジラ映画で見られた破壊兵器スーパーX登場等、超現実的展開は一切なく自衛隊による地道な攻撃準備、実行前の人命影響を懸念する苦慮シーンも随所に描かれています。石原さとみ演ずる米国大統領特使はかなり鼻につきましたが、これを差引いても今回のリアリティ重視表現は大いに評価!
.....(左)多摩川・丸子橋で自衛隊戦車が迎撃 (右)ついに都心部へ襲来、東京は壊滅状態に.....



「川崎探訪」(丸子橋・多摩川風景)の記事はコチラから
本当に現実的か?と問われればゴジラ発射のレーザービーム破壊等はやはりSFフィクションだネ・・。しかしシン・ゴジラは天災や原発事故等、未曽有災害発生で政府・国民はいかに危機管理対応すべきかをシュミレーションした映画として鑑賞するべきなのかも・・。ゴジラ映画としては特色ある秀作でした。
★「大ゴジラ特撮王国展」(横浜ランドマークホール)
シン・ゴジラ映画鑑賞は横浜ブルク(桜木町駅前)でしたので、帰路途中の横浜ランドマークホールで開催されている「大ゴジラ特撮展」(8/17~9/4)を見ていきました。過去のゴジラ映画歴史がレビューされており、其々の映画に登場したゴジラのフィギュア、主なクライマックシーンがリアル再現・展示されています。
.....横浜ランドマークホール「大ゴジラ特撮展」、ゴジラ誕生60周年(2014)のグレードアップ企画展...


.....平成に入り、ゴジラの姿は益々恐怖と迫力度を増している。中央が「シンゴジラ」...





この企画展は2014年に「ゴジラ生誕60周年」を記念して開催された「大ゴジラ特撮展」(特技監督・川北紘一監修)を今回シン・ゴジラ公開記念でバージョンアップし再展示されているものです。
.....第19作「ゴジラ対モスラ」(1992)の対決舞台は「横浜みなとみらい」でした。...


平成以降の新世代ゴジラは、小型化した頭部・擬人化を廃した黒眼・二重になった歯牙・迫力ある大きい背ビレ・筋肉質な体躯・長く迫力ある尻尾など怖さを強調していることがいいですね~!昭和40年代で子供向け映画に堕落したゴジラから、再び恐怖怪獣への復活路線は嬉しいことだ!
.....(左下)2014ハリウッド・ゴジラが海中を泳ぐシーン (右)ゴジラパネルを撮影する女性...



★ゴジラ映画やウルトラ怪獣TV番組に嵌っていた少年時代
怪獣フィギュアゾーンを出ると、次は初期名作ゴジラ映画ポスター(昭和40年前後公開)が続々登場!まずはRWが初めて観た1962年(当時5才)「キングゴング対ゴジラ」(第3作)の巨大パネルではないか!幼少期に観た2大怪獣バトルは本当に衝撃的で、その感動・戦慄は今も脳裏に残っています。
.....RWが生まれて初めて観た怪獣映画「キングゴング対ゴジラ」の大パネルが登場!...



初の総天然色・怪獣映画で7年ぶりに北極海からゴジラが復活、南のソロモン諸島からキングコング(米国モンスター)を迎え討ちプロレスバトルを演じました。ゴジラの青い放射能火炎を放つのもこの映画から。怪獣対決という日本怪獣映画の流れを生んだ作品で初回観客動員は1120万人を記録しました。
.....初のカラー怪獣映画は全国的大ヒット(1962)、熱海城を挟んでゴジラとキングゴングが対峙...



そしてゴジラ映画の第4作「モスラ対ゴジラ」(1964)は今もなお怪獣バトル映画の金字塔名作として称えられます。インファント島から台風で東京に流れついた巨大な卵、そこに地底からゴジラが出現し日本中を破壊して移動!謎の小人・双子姉妹(ザ・ピーナッツ)が登場し「♪モスラ~っや、モスラ~」の歌声
.....ゴジラ映画第4作「モスラ対ゴジラ」(1964)、雌雄を決する怪獣バトル映画の金字塔名作...



.....(左)展示モスラを真下から撮影 (中)ザ・ビーナッツ (右)ゴジラを引き摺り回す成虫モスラ....





卵を襲うゴジラに対し成虫モスラが果敢に攻撃を仕掛けるものの、無念の敗退(感動的シーン)。しかし卵が突然孵り幼虫モスラが2匹登場!糸を吐いてコジラをグルグル巻きにして親の仇を取っていく息もつかせぬ劇的展開!本映画のゴジラは悪役に徹底し怖い怪獣を演じており何度観ても素晴しい~
.....(左)親の仇を取る幼虫モスラ (右)「モスラ対ゴジラ」の予告編...

RWが小学生の頃、ゴジラ映画に通った映画館は「柏盛座」(東宝系)、怪獣映画と加山雄三「若大将シリーズ」2本立てが定番。その他セントラル劇場(東映系)、文化劇場(日活系)もあり、ガメラや大魔神、ガッパなどの怪獣映画にも夢中になったものです。今は全ての映画館がなくなってしまった・・。寂しいネ~(泣)
.....小学校時代、東宝怪獣の映画館「柏盛座」によく通ったものだ。若大将シリーズと2本立て...





「三大怪獣地球最大の決戦」(1964)は映画ポスターを初めて見た時の衝撃は大きかった!宇宙怪獣「キングギドラ」がデビュー(隕石から炎を纏い初出現したシーンが凄い)。ヤマタノオロチの様な恐ろしい三首龍が空中を舞い殺戮光線を発する姿はまさに怪獣の王者的な存在で戦慄を覚えたものです。.
.....「三大怪獣・地球最大の決戦」(1964)はキングギドラ初登場!地球を守るゴジラ・ラドン・モスラ...



.....ヤマタノオロチ風の「キングギドラ」!今回シンゴジラ「ヤシオリ作戦」も八岐大蛇退治のお酒に通ずる...




本映画は東宝怪獣映画の堕落に繋がる分水嶺的作品でした。前半ストーリーはラドンと初顔合せのゴジラがまだ迫力ある悪役存在で描かれましたが、後半からお子様向け娯楽映画へと鮮明に変わっていくのです。三大怪獣同士が「力を合わせてガンバロ~!」・・正義の味方姿はシラケの始まり
.....「怪獣大戦争」(1965)、当映画ではゴジラがシェーを披露(本当に情けない気持で見た)...




これ以降、ゴジラ映画は完全に子供向け娯楽映画へ転落・・(泣)。「怪獣大戦争」はゴジラが「シェ~」をするに至り、次編は「ゴジラの息子」ミニラ(写真も掲載したくない心境)が登場、RWはもう完全にゴジラ映画を見限ってしまいました。むしろ大映の大魔神の方がリアリティに溢れ素晴しかった!


ゴジラ映画が堕落していた1966年、TVで「ウルトラQ」が1月放映開始!毎週TVからで新怪獣に只で出会えてよき時代になったナ~と大興奮したものだ!ウルトラQは白黒映像で人間の恐怖をリアリティに炙り出していました。この恐怖路線が溜まらん。カネゴンみたいなお笑い怪獣もいましたが・・
.....1966年「ウルトラQ」「ウルトラマン」が放映開始、あの興奮か50年目を迎え感慨深い・・.....








同年7月は「ウルトラマン」が放送開始。ベムラーとの対決からゼットンに敗れるまで毎週興奮していた1966年は素晴しい年でした。あれから丁度半世紀を迎えたのかと思うと感慨深い・・今やウルトラマンシリーズは歴代42のキャラクターとなりましたがリアルタイムで第1作を見られた我々は幸せな世代です。
....小学校3~4年の頃は怪獣図鑑や写真を沢山集め、怪獣マニアぶりのピーク時代...


....円谷英二プロダクションが生みだした数々の怪獣の名前は今もシッカリ諳んじでおります...









「怪獣特撮TV」ゆかりの地を訪ねて」(長沢浄水場)の記事はコチラから
★30周年(1984)怖いゴジラが復活!平成ゴジラ時代へ
初代ゴジラ登場から30年、東宝は堕落ゴジラを反省し原点の恐怖怪獣に回帰しました。1984「ゴジラ」は、凶暴な姿で再び有楽町を襲いマリオンなどを破壊します。その後に続く平成ゴジラブームの火付け作品で、昭和最後の怪獣映画であるなど分岐点となりました。但し目がクリクリして可愛らし過ぎた。
.....1984年(ゴジラ誕生30周年)、再び恐怖の悪役怪獣として復活し丸の内・銀座を破壊...


「ゴジラvsビオランテ」(1989)は一般受けしていませんが素晴しい映画でした!続いて平成ゴジラシリーズが人類の敵・恐怖の姿で迫力を重ねて登場しました。対戦相手は、モスラ、メカゴジラ、メカキングギドラ、スペースゴジラ、デストロイア等。怖いゴジラは評価するがSF色が強過ぎ安易感も漂いイマイチだったナア・・
.....平成ゴジラシリーズの変遷姿、名作は「ゴジラvsビオランテ」(1989)・「ゴジラvsモスラ」(1992)かな・・...

ハリウッドからは「GODZILLA」題名で2作が登場。1998公開のエメリッヒ監督作品はトカゲみたいな怪物がピョンピョン跳ねて「ふざけるナ~、こんなのはゴジラじゃない!」と怒りが増しましたが、2014「GODZILLA」は日本ゴジラが持つ貫録・重厚感があり、原子力への批判も盛込まれ高評価でした。
....(左)21世紀になって更に恐ろしい形相に! (右)2014「GODZILLA」ハリウッドから世界的なヒット...





.....初代ゴジラは身長50mだったが、シンゴジラは120m近く!ビル高層化に合わせ当然の流れか...

★これからも永遠にゴジラを愛し続けます!
特撮展を堪能しお土産コーナーを覗いて見るとゴジラ関連グッズが満載!先日リオ五輪閉会式でマリオやキティ・ドラエモン等が話題になりましたが東京五輪開会式は是非ともゴジラにも是非登場してほしいものです。日本キャラクターで初のハリウッド殿堂入りを果たしたのはポケモンではなくゴジラなのだから・・
....「大ゴジラ特撮展」の出口では数々のゴジラグッズ、葛飾北斎の巨大波とのコラボは笑った...



今回の「シン・ゴジラ」もいずれ続編が登場すると思いますが、是非とも人間目線からの恐怖の存在としてリアリティを失わず丁寧に描き続けてもらいたい。安易にSF化したり対戦怪獣を持ちこんだりしないでほしい。あくまでも神の化身として人間が畏れ続ける崇敬的位置にいてほしいのです。
.....RWにとっては今もなお恐怖の最高傑作は初代「ゴジラ」(1954)がNO1だと思える.....




ゴジラ恐怖を表現するには伊福部昭のBGMがあってこそ!伊福部家は出雲大社・大国主を宗祖とする因幡の古代豪族の家系。神代より続くDNAが、祟り神を畏れる音楽を生み出したのでしょう。伊福部昭のBGMが奏でられることで円谷英二・本田猪四郎の魂も一緒に受け継がれています。
....ゴジラ映画には絶対不可欠の伊福部昭のサウンド、永遠に聴かれ継がれる恐怖の名曲群.....

5才で初めてゴジラに出会った驚愕・恐怖・感動・・、還暦近い歳となり再び今回のシン・ゴジラで思い起させてもらい感謝。今後、喜寿・米寿を迎えてもゴジラを愛し続けていく所存にございます。
*シンゴジラ2回観ちゃいましたが、I-MAXシアター大迫力映像で御覧になることをお薦めします!
おわり
▲ by rollingwest | 2016-08-31 00:00 | Comments(132)